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2004.05.31

「都市における学校改革とカリキュラム開発」研究会開催のお知らせ

 大阪市立大学・大学院文学研究科では,文部科学省「21世紀COEプログラム」(COE事業)の研究拠点「都市文化創造のための人文科学的研究」を展開している。いくつかの研究プロジェクトが展開されているが,私は,教育学教室の添田先生とともに,「都市における学校改革とカリキュラム開発」という華東師範大学教育科学学院との共同研究プロジェクトに参画している。これには,堀田龍也先生(静岡大学),佐藤真先生(兵庫教育大学)にも加わってもらっている。
 6月16日(水)に,共同研究の中間成果公開の一環として,華東師範大学から5名の研究者及び学校現場の教員を迎え,下記のような研究会を開催することになった。ご参集いただければ,幸いである。お問い合わせは,木原(tkihara@mbk.ocn.ne.jp)まで。

「都市における学校改革とカリキュラム開発」

1. 日時
 平成16年6月16日(水) 10:30〜16:00

2. 場所
 大阪市立大学・田中記念館第2会議室
 (JR阪和線杉本町駅から歩いて5分)

3. 報告者
(1) 木原俊行(大阪市立大学・大学院文学研究科)
 「『総合的な学習の時間』の現状と課題-都市の学校での可能性と課題-」
(2) 佐藤真(兵庫教育大学学校教育学部)
 「日本における総合学習の史的考察」
(3)Ma Heming( 華東師範大学教育科学学院)
「中国都市部の教育改革と総合的な学習のカリキュラム開発」(仮)
(4)Huang Xiangyang(華東師範大学教育科学学院)
 「プロジェクト学習の組織化・指導における教師の力量とその形成」

4. その他
(1) 当日の中国からの報告については,日本語に通訳されます。
(2) 発表の順番は変更になることがあります。

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2004.05.30

「学校デジタル羅針盤」掲示板等の活性化ミーティング

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 5月30日に渋谷のNHKエデュケーショナルで,NHK「学校デジタル羅針盤」(http://www.nhk.or.jp/school/bangumi/rasin/1-ban.html)掲示板等の活性化に向けたミーティングが開催された。番組は,学校現場では,なかなか好評を博しているらしい。それをさらに充実させるために,全国の教師たち7名に,モニター兼掲示板でのリーダーを務めてもらうというプロジェクトが発足した。今日のミーティングでは,堀田先生@静岡大学を議長(?)として,全員で,番組の意義・コンセプト,それに応じた掲示板運用の方針を再確認した。また,そこにおける7名の教師たちの役割について意見交換を繰り広げた。
 私としては,もちろん番組Webページの充実を願っていると同時に,7名の教師たちには,このプロジェクトを舞台として,他地域の教師たちと交流して,様々な授業づくりのアイデアや方策を交換してもらうことを切望している。
 同時に,掲示板というオンラインコミュニケーションによる,他の教師との関わり方,特に「やってみようかな」と腰をあげはじめた教師たちを放送番組活用に適切に誘う術(ある種のコンサルテーション)を会得してもらえるのではないかとも考えている。1年後が楽しみである。

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2004.05.29

「思考力」をどう評価するか(坂出附小)

 5月28日も,香川大学教育学部附属坂出小学校で公開研究会が催された。同校は,「思考力」の育成をテーマに掲げて,目標レベル,単元レベル,授業レベル,評価レベルで,学校研究を推進している。その成果の一端が,28日にも,公開された。
 習熟度別指導,少人数指導,複数担任制など,今日的な授業形態を採用しつつ,教材の選択や設定が実に緻密におこなわれていた。また,発問や話し合いの構成など,伝統的な教育技術も駆使されていた。
 ところで,研究授業後に,研究会のアンカーとして,シンポジウムが催された。タイトルは,「『思考力』育成の決め手は何か?」というものであった。私がコーディネータを務め,ゲストとして鶴田清司先生(都留文科大学),奈須正裕先生(立教大学),川勝博先生(香川大学)に,また事例報告者として坂出附小の真鍋佳樹研究部長に,登壇してもらった。
 シンポジウムでは,様々な議論が繰り広げられたが,「思考力」をどう評価するかという点について,興味深い提言がなされたように思う。もし思考力をさらに下位の○○力といった要素に分解できないならば,いわゆるスキルとして測定・評価するよりも,よりエピソード的な評価を試みる方が妥当なのではないかという意見だ。
 私自身は,その主張を部分的に受け入れたい。すなわち,思考力にも,様々な次元があり,それに応じた指導と評価を展開すべきだと考える。例えば,坂出附小が公開した朝学習では,思考法の基礎とも言えるものが鍛えられており,はっきりとその熟達を測定できる。しかし,生活科や総合的な学習で期待されていた思考力は,実践的思考力とも呼べるものを志向しており,実際の文脈の中で子どもたちがどう悩み,それをどのように工夫して(思考様式の再構築を繰り広げて)いったのかを,教師たちが個性記述的に確認していくのがベターであろう(ペーパーテストの得点やワークシートの記述は評価対象として不十分である)。
 「思考力」を評価する視点と方法の多様化を再度痛感したシンポジウムであった。

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2004.05.27

教科学習に資する総合的な学習(坂出附小)

 5月27−28日に,香川大学教育学部附属坂出小学校で公開研究会が催されている。私は,両日とも,これに参加した。同校は,「思考力」の育成をテーマに掲げて,学校研究を推進している。その成果の一端を,27日にまず公開した。
 各教科における思考力の定義,その支援方法の整理,思考力を視点とする発展的な学習の多様な開発,A基準を超えた状態を示すS基準の提案など,見どころが満載の研究会だった。
 教科と総合的な学習の連接にも目配りがきちんとなされている。写真は,総合的な学習で,留学生に地元の祭りを紹介するための準備として,相手にとって分かりやすい言葉の選択,それを補うための映像やジェスチャーの活用について,子どもたちが検討しているところだ。教科と総合的な学習の連接の証として,辞書や地図帳といった情報手段が適切に活用されていることを確認できよう。
 2日にわたる研究会で,同校の教師たちは,少なくとも二度,自らの授業を公開する。多い人は,なんとそれが四度にも及ぶ。5月という年度始めに,授業をそのような厚みでオープンにする姿勢が,同校の授業やカリキュラムの発展の原動力になっていることは言うまでもあるまい。

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2004.05.25

参加型事後研−その可能性と課題−

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 5月25日に,四度,大阪府能勢郡豊能町立東ときわ台小学校の校内研究会に参加した。この日は,6月25日に催される公開研究会のシミュレーションを実施した。参加型事後研の予行演習である。
 5年生の国語で,段落構成(書くことの学習)に子どもたちが取り組んだが,その授業を,「きめ細かな指導」「評価」「その他」という3つの観点から,参加者が批評する。批評は,各観点別に,付箋紙に記入し,それを張り出し,整理して,議論を展開した。写真は,その一風景である。
 参加型の事後研は,全員が授業に対する批評を表明し,意見を述べることができる。しかし,各人のコメントを整理する司会の力量が問われる。予行演習では,校内研にもかかわらず私が司会を担当した。必ずしも全員のコメントを活かすことができなかったことが悔やまれた。今回の失敗を踏まえて,6月はぜひ参加者間コミュニケーションの豊かな事後研になることを祈念している。

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2004.05.22

放送番組の活用と「社会的な思考・判断」

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 5月20日,第12回なにわ放送教育研究会がまたまたNHK大阪を会場にして開催された。
今月から,1ヶ月間の番組利用について,各人がミニレポートを提出することにした。これを蓄積して,放送教育実践ポートフォリオを作成・活用しようというわけだ。例えば,守口市立橋波小学校の松浦さんであれば,『たった1つの地球』第1回放送,『みてハッスル☆きいてハッスル』第1回放送・第2回放送,『にんげん日本史』第1回放送という4本が教室に導入されている。特別支援教育用番組を学級に持ち込んでいるのが特色だ。
 次いで,「にんげん日本史」の第2回「聖武天皇」を視聴し,その活用について意見を交換した。この番組は,護国仏教が必要とされた背景,その矛盾(農民の暮らしの圧迫),その文化面での貢献(仏教文化の興隆)という3つの段落で構成されている。したがって,それらの段落の内容を子どもに連接させれば,時代の特徴を子どもにたちに深く洞察させることができる。そうした番組の可能性を全員で確認した。
 また,そうした番組利用を支える副次教材(地図,年表等)の必要性についても議論した。さらに,時代の特徴を思考・判断させるために,子どもたちの関心・意欲をいかにして引きだすのかについて,また番組はそうした役割を果たしているかについても,検討した。
 なお,これらの議論の過程では,「学校デジタル羅針盤」第5回(6月11,18日放送分)で紹介される同一番組(にんげん日本史・聖武天皇の回)を活用した富山の実践のデザインとの比較・検討も試みた。

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2004.05.19

『悠』連載第3回「研究授業充実へのアプローチ−そのデザインの工夫と企画・運営や参加のルール−」

「ぎょうせい」『悠』で連載している「教師が磨き合う学校研究」6月号で,学校研究を充実させるための授業研究のあり方を論じた。その原稿をアップしてみたので,ぜひコメントを頂戴したい。
 この拙稿では,1.研究授業のデザイン,2.研究授業の企画・運営ルール,3.研究授業の参加ルールについて,私なりの考えを述べている。教師たちの同僚の研究授業に臨む姿勢やそれを観察する視点などに,疑問を感じることがよくある。それに対して,自答したものだ。

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2004.05.18

『学習指導・評価』実践チェックリスト(教育開発研究所)の編集

 現在,教育開発研究所が刊行予定の『「学習指導・評価」実践チェックリスト』の編集にたずさわっている。(意外なことに?)これは,私が一人で編者を務める初めての本になる。この本は,次のような内容を含んでいる。
・学習指導の基盤形成
・学習指導の実践技術
・個に応じた指導方法と指導の実際
・学習評価の基本要件
・総合的な学習の時間の充実
・小学校の新教育課程における各教科の指導・評価の実践
・中学校の新教育課程における各教科の指導・評価の実践
 各内容について,15程度の具体的なトピック,例えば少人数指導,習熟度別指導などが設けられる。
 約90のトピックは,確かな学力の育成に向けた取り組みを網羅している。
 しかも,タイトルに明らかだが,「使える本」を目指して,それぞれの項目について,20程度のチェック項目が用意され,読者が本の内容と自らの実践を重ね合わせることを可能にしている。
 現在,執筆依頼中で,刊行は8月末の予定である(刊行の運びとなったら,ぜひご購入いただきたい)。多くの方に執筆をご快諾いただき,感謝している。ご厚意に応えるために,編集作業に勤しみたい。

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2004.05.16

カリキュラム・コーディネータ養成研修プログラムの開発研究スタート

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5月15日,東京大学大学院情報学環・山内研究室で,カリキュラム・コーディネータ養成研修プログラムの開発研究(松下教育研究財団の第11回研究開発助成による研究)の第4回打ち合わせ会を開催した。これは,私と静岡大学の堀田さん,奈良教育大学の小柳さん,そして東京大学の山内さんによる共同研究だ。
 研究テーマは,小学校における総合的な学習の系統を作る上でリーダーシップを発揮する教員(カリキュラム・コーディネータ)を,Webをベースとする研修で育てようとするプロジェクトである。具体的には,次のような流れになる。
(1)Web上で提示される課題に対して,Webからの情報収集等を踏まえて,また,課題解釈や解決方法について他者と意見交換をしながら,各人がレポートを作成し,それをWebにアップロードします。
(2)グループごとに,アップされたレポートに対して,相互評価を繰り広げる。この相互評価は,掲示板,テレビ会議,集合等を使い分けておこなわれる。
 この研修には,全国の中堅教師8名が参加し,2つのグループを形成する。各グループは,「実施者」とよばれる総合的な学習実践のエキスパート教師に支えられて,研鑽を積む。
 写真は,テレビ会議システム等を用いて,研究プロジェクトのメンバーと実施者がプロジェクトの進め方について検討しているところである。

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平野附小で第96回S&C勉強会実施

  5月13日,第95回S&C勉強会を開催した。場所は,なんと附属小学校の会議室であった。もともと,このS&C勉強会は,大阪教育大学附属平野中学校の有志でスタートさせたものであるが,それに最近では,附小の先生方も加わり,パワーアップしてきた。附小を会場として会を催すことができたのは,その証であろう。
 この日も,3つの実践報告・提案がなされた。2本が附小から,1本が附中からだ。
1.小学校の学校研究の総論について
「確かな学びを創り出す学校〜カリキュラム改善を視野に入れた,評価がはたらく授業づくり〜」「平野の知恵袋」について
2.附小生活科の研究構想について
「子どもが自ら学習を深めていく生活科の授業と評価」
3.附中体育科の研究構想について
「学び合い」を可能にする段階的なプログラムモデルの開発〜学習指導に生かす授業評価を求めて
 特に,2では,学校の研究テーマ(主題)と各教科研究の進め方との関係が議論になった。教科研究の構想は,学校の研究テーマを踏まえ,それを各教科の特質にあわせて「翻訳」する作業が欠かせないが,それが十分に練り上げられないと,研究としてのインパクトに欠けることを再度共通理解した。

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2004.05.11

三宅貴久子先生のIT活用(理科・国語)

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 5月11日に,学研NEWの企画で,静岡大学の堀田先生と一緒に,岡山市立津島小学校の三宅貴久子先生の授業を見学に行った。理科と国語におけるIT活用だったが,1年半ぶりに見た三宅先生の勇姿であった。彼女は,どんな時期でも,いかなるテーマの授業であっても,リクエストがあれば,いつでもそれに応えて授業を公開する。とにかく,そのオープンさには頭が下がる。
 彼女のIT活用に関する詳細な解説は,堀田先生のお任せしたい。私は,それが(数年前に比べると)より自然体になってきていること,IT活用が学力や評価についての見識に支えられていることをお伝えしておきたい。
 何より,私たちの質問に対して,子どもたち一人ひとりの実態や可能性を踏まえて,具体的に回答してくださる姿勢に,今日の参加者はみんな感心していた。
 (あいかわらず,子どもたちに配布するプリントにキーボードのミスタッチによる間違いが多いのには,思わず笑ってしまったが−−)

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2004.05.09

放送番組を活用した「発展的な学習」の実践

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 5月7日に川崎市立稲田小学校に出かけた。この日の3・4時間目,同校の佐藤拓教諭が,NHK学校放送番組『わかる算数 5年生』「数のしくみがわかる」を活用して,算数の発展的な学習を実践したからだ。この日の授業風景は,5月28日と6月4日の「学校デジタル羅針盤」(11:30-11:50)第4回の実践紹介パートに,取り上げられる。私も,番組アドバイザーとして登場する。
 「発展的な学習」に対する現場の迷いは小さくない。何をもって「発展」とするのか。それはいかなる子どもたちに提供すべき教育内容なのか。その教材や学習過程は。これらの問いに対するひとつの答えを,学校デジタル羅針盤は示してくれる。

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2004.05.03

少人数指導は同じプランで展開?

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 4月27日に,大阪府能勢郡豊能町立東ときわ台小学校の校内研究会に参加した。同校では6月25日に公開研究会が催されるとはいえ,4月に研究授業を試みるのは大変なことだ。
 当日は,3年生の理科の授業で,2人の教諭による少人数指導であった。事後研究会の話題のひとつは,少人数指導の場合,同じプランで授業を展開するか,それとも指導者によって異なるプランで授業に臨むかであった。私のコメントは,「『分割のねらい』によります」というものであった。少人数指導で単純分割の場合は同じプラン,例えば習熟度別とか学習スタイル別の場合は,学習者の理解・習熟の程度や特性の違いに注目しているのだから,異なる展開を構想せざるを得ないからだ。また,同じプランによる指導を試みても,指導案に表れない部分には,それぞれの教師の持ち味が反映された方がいいのはいうまでもない。
 これらの考え方を整理して,同校の教師たちに納得してもらった。6月には,多様な少人数指導が展開されることを期待している。

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評価を活かした授業づくり(「学校デジタル羅針盤」第3回)

 4月30日に渋谷のNHKで,「学校デジタル羅針盤」第3回の撮影があった。私も番組アドバイザーとして,それに参加した。この回のテーマは,「評価を活かした授業づくり」である。評価規準と判断基準の作成,それらの子どもへの提示,それを指標とする学習成果の判断,それを踏まえた次なる指導の展開などのポイントと,それらと番組活用との関係について解説した。実践事例は,守口市立三郷小学校の浅香教諭で,3年生の国語科,「句読点の打ち方」についてである。
 14日の11:30〜50に教育テレビジョンで放送されるし,放送後,Webでも視聴できる。ご覧になった方は,ぜひコメントを。

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