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2004.07.31

放送教育指導者養成講座(通称:虎の穴)4期生第2回オフミ

7月31日~8月1日,渋谷のNHKで,放送教育指導者養成講座(虎の穴)4期生第2回オフミが催された。コーディネータとして,私も参加した。このオフミは,これまでの活動の振り返りと第3課題(放送教育におけるメディアミックス)のグループレポートの報告と相互評価であった。
放送教育の指導者たる力量には,様々なものがある。そのうちの一つに,自らの実践の意義や可能性を「分かりやすく」他者に伝えることがある。今日の報告を聞いていると,この講座の4期生が,その力量を身につけ始めていることを確認できた。彼らが作成したメディアミックスによる授業プランが,図表や各種理論を用いて,分かりやすく,そして説得力のあるものになっていたからだ。今後の彼らの成長に大きな期待を寄せている。

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研究トピックの焦点化(大阪市立大学・豊田教授の最終講義にて)

 7月30日,本学の田中記念館にて,文学研究科の豊田ひさき教授の最終講義が催された。私も,30日午前中の学校デジタル羅針盤の撮影を終え,急ぎ会場にかけつけた(おかげで昼食は羽田空港でかき揚げうどんを3分で)。
 最終講義では,豊田先生は,35年にわたる教育方法研究を,時系列的に語られた。いろいろ参考になることがあったが,特に,若手研究者の時代に着手した様々な教育方法研究のトピックの中で,ある時期「発問」研究への焦点化を図った経緯が示唆に富んでいた。それは,某研究者の授業研究に関する学位論文へのアンチテーゼであったり,指導教官の研究テーマの継承かつそれからの発展を意図したものであったりしたようだ。つまり,研究テーマの焦点化が他者との関係性の中で促進されることを再確認できた。
 自分のここまでの研究テーマやトピックの変遷を思い浮かべてみても,それがあてはまるように思う。

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2004.07.28

社会科と総合の相補的カリキュラム改革(第34回全国社会科・生活科研究大会)

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 7月27日,東京都足立区の「こども科学館(ギャラクシティ)」で,第34回全国社会科・生活科研究大会が開催された。私は,1日目のテーマ別講座②「社会科と総合の相補的カリキュラム改革」と題する講演を担当した。
講演では,まず,1)「総合的な学習の時間」の理念や枠組みの確認,2)教科学習と総合的な学習の関係-その多様性-,3)総合的な学習の授業づくりのよさを活かした社会科学習の姿について言及した。特に,3)では,社会的な思考・判断の重視の意義・必然性,そのための「観察・資料活用の技能・表現」の育成の重要性について,主張した。
 プレゼンに利用したファイルをアップロードするので,教科と総合の関係について再考する材料にしていただきたい。

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2004.07.26

『悠』連載第5回「長期休業期間における学校研究の推進-夏休みに何をすべきか-」

 学校現場では,夏休みに,どのようにして実践研究を推進しているだろうか。「ぎょうせい」『悠』で連載している「教師が磨き合う学校研究」8月号で,標題にあるように,夏休みの学校研究のあり方を説いた。具体的には,次のようなポイントを示した。
 ・夏休み等の長期休業期間にしかできない,あるいはこの時期に取り組みやすい研究活動がある。
・ 子どもたちの学習ノートやファイルの縦断的分析,学力調査の結果の詳細な検討等,授業評価の発展的展開に,夏休みには取り組める。
・ 異校園種の教師との連携も夏休みに試みるとよい。ただし,それは,合同「作業」を取り入れる等,できるだけ具体的に推進しなければならない。
・ 夏休みに全国各地で開催されるセミナーへの参加,そこでの発表等によって,学校研究の外部評価が進む。その自主開催が実現すれば,学校研究のためのネットワークも構築されよう。

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教育工学会第20回大会での一般研究発表(授業研究または教師教育)

 9月23~25日,東京工業大学を会場にして,教育工学会第20回大会(20周年記念大会)が催される。私は,同学会の大会企画委員会・副委員長を務めていることもあり,3日間フル参加する予定である。
 7月30日が大会発表原稿の提出締め切りだ。今年は,一般研究発表の授業研究か教師教育で,カリキュラム・コーディネータに関する研究を報告しようと思い,現在原稿を作成中だ。その概要は,次のとおり。
 「カリキュラム開発を進展させるためのコーディネーション方策を整理し,それをモデル化するために,ある学校の「総合専科」教師に,5年間に及ぶカリキュラム開発の軌跡とそこにおけるコーディネーションの実際等をインタビューした。そのデータをまとめると,カリキュラム開発の試行期においては焦点化方策を,同確立期には共同化方策を,そして同充実期では個別化方策をカリキュラム・コーディネータたる教師が重視し,駆使していたことが明らかになった。」

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2004.07.22

某県の10年研の講師を務めて

 21日,某県教育センターで開催された教職10年目の教師たちの研修,いわゆる10年研で講演を担当した。タイトルは「授業力量の形成と実践研究のあり方」である。
 100名近くの対象者がセンターに集い,私の話を聞いてくれた。初任時の授業等の振り返り,それが10年経ってどのように変わってきたかをまず振り返ってもらった。次いで,教師の成長の3段階モデルに基づき,10年目の教師たちには,自らが得意とする分野や方法の同定とその充実が期待されていることを解説した。また,学力向上というフィールドにはいかなる分野や方法があるのかを整理し,彼らに,得意分野・方法の多様性を示唆した。さらに,得意分野・方法を発見・発展を促す授業研究のあり方について紹介した。
 夏休みに,この県の10年研では,19日間の研修が企画・運営される。対象者は,夏休みの大半をこの研修に費やす。それだけに,研修の質が問われよう。今日は初日だから,総論の解説でもよいだろうが,今後は,より参加型,問題解決型の研修デザインが必要であるように思った。

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2004.07.19

IT活用実践の普及戦略(日本教育工学会・秋の合宿研究会)

 10月30日(土)14:00 ~ 31日(日)14:30に,ひのくに会館(〒869-2301 熊本県阿蘇郡阿蘇町内牧554)を会場として,教育工学会の秋の合宿研究会が開催される。この合宿研究会は,学会の企画委員会が主催するもので,委員の一人として,私もその企画・運営にたずさわる。
 この合宿のテーマ は,「IT活用実践の普及戦略」だ。IT活用実践の魅力や条件を,より「きめ細かく」検討することを目指して,「学力向上への貢献」「教科教育との接点」「教員研修の工夫・改善」「校内・地域支援体制のさらなる充実」「IT活用の諸問題とその克服」などを視点として,IT活用実践の普及戦略を明らかにする。
 田中博之(大阪教育大学)さんの基調講演,課題別の4分科会,山内祐平(東京大学)さんの特別講演「デジタル社会のリテラシー」,パネルディスカッション&オープンディスカッション,堀田龍也(静岡大学)さんの総括講演など,盛りだくさんのメニューだ。熊本市コンピュータ教育研究会の絶大なるバックアップが得られることもあり,きっとIT活用の普及戦略を多面的,重層的に検討できるに違いない。 写真は,会場付近の美しい阿蘇の自然だ。こうしたすばらしい環境で催される研究会を,実りあるものにしたい。
 なお,8月後半には,この研究会の参加登録Webページが開設される(このblogでもURLを紹介するし,JSETホームページからもリンクされる)。IT活用実践の普及を願う多くの先生方の参加を期待している。

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2004.07.18

「学びのポイントラリー」(市川伸一著『学ぶ意欲とスキルを育てる』より)

 最近,私は,「学力向上へのトータルアプローチ」の重要性を主張している。これは,授業改善,学校改革,家庭や地域との連携,教育行政の支援のいずれもが学力向上に資するものであり,それらをできる限りバランスよく実施することの重要性を説くものだ。そして,その一方策として,学校外教育施設・機関の活用を児童・生徒に奨励することの意義を唱えてきた。
 ところで,昨日と本日で,市川伸一著『学ぶ意欲とスキルを育てる』(小学館,2004年)を読破した。これは,副題が「今求められる学力向上策」とあるように,市川氏が認知心理学,教育心理学等の立場から,学力向上について論述した著書である。いくつかの示唆の中でも,先の学校外教育施設・機関の活用を児童・生徒に奨励する術として,氏が「学びのポイントラリー」を提案していることに注目したいと思った。「教科学習の補充・発展」「文化・スポーツに関するもの」「市民生活に関するもの」「職業理解に関するもの」という分野を設け,最低でも年間40ポイント=40時間を,それらに費やしてもらうことを児童・生徒に推奨するというものである。
 ポイントラリーというスタイルは,学校外学習の重要性や可能性を,分かりやすく,しかもそれが継続するように子どもたちに促す,ユニークな方法だと思った。

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2004.07.17

カリキュラムコーディネータに関する研究(科研,eCCプロジェクト)

 最近,学力向上フロンティアスクールなどとの関わりが増えたため,総合的な学習の時間のカリキュラム開発について教師たちと共同で取り組む機会が減っている。
 しかし,文部科学省も「総合的な学習の時間のいっそうの充実」を唱え,その柱のひとつとして,同時間の学校としての全体計画の作成を説いている。これについては,例えば8月2日に大阪府総合教育センターの夏期講座も担当するので,自分としては,総合的な学習のカリキュラム開発に関する研究活動は継続しているつもりだ。
 特に,全体計画作成のリーダーたる,カリキュラムコーディネータに関する研究は,自分にとって,現在,最大の関心事だ。科研費による調査も,このテーマで,昨年・今年と実施している。研究課題名は「総合的な学習の体系化に果たすカリキュラムコーディネータの役割のモデル化」だ。いわゆる総合専科教師への聞き取り,それと英国のカリキュラムコーディネータとの比較検討などをおこなっている(9月26日~10月3日に渡英)。
 また,今年度は,松下教育研究財団の研究開発助成を受けることができ,カリキュラムコーディネータ養成のためのWebベースの教員研修プログラムの開発にも着手している(eCCプロジェクト)。本年度末には,それぞれ報告書に研究知見をまとめねばならない。

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2004.07.15

学力向上へのトータルアプローチ(IMETSフォーラム2004での講演)

 本日,(財)才能開発教育研究財団・教育工学研究協議会による「IMETSフォーラム2004」の初校校正をおこなった。本フォーラムは,7月28・29日に,品川区立総合区民会館「きゅりあん」(〒140-0011 東京都品川区東大井5-18-1(JR大井町駅前))で開催される。
 今年の私の出番は,中・高校コース1「 学びセッション」だ。山形県村山市立楯岡中学校の実践発表の解説と中・高等学校における学力向上の現状と課題の整理を仰せつかった。
この解説等では,私は,「学力向上へのトータルアプローチ」と題して,中高等学校における学力向上施策の体系を提案する。まず,中高等学校における学力向上の営みを,2つのレベルで解説する。1つは,各教師の授業づくり,特に「思考力」育成のための工夫について,その重要ポイントを指摘する。もう1つは,学校システムの整備,例えば少人数指導や習熟度別指導のあり方を論述する。さらに,学力向上を目指す取り組みにおける教育行政のイニシアチブ,家庭・地域がそれに果たす役割などについて言及するとともに,学力向上を目指す学校に期待される校内研究・研修の工夫改善についても紹介する。
 5日制の影響か,例年よりも参加申し込みが少なく,珍しく定員に空きがあるらしい。スケジュールが空いている方には参加を検討してもらいたい。

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2004.07.14

番組視聴を学級文化に(さいたま市立大谷口小学校鶴田教諭の実践)

 前の記事にも書いたが,7月14日,さいたま市立大谷口小学校の鶴田教諭の「みんな生きている」の活用実践を見学した。
 授業そのものは,掲示板の活用なので,コンピュータ室でおこなわれた。しかし,私は,授業の足跡を探しに,4年1組の教室を訪れた。これまでの視聴記録や掲示板での交流記録がきちんとファイルに綴られていた。鶴田先生の指導の成果だ。
 教室には,20種類を越える視聴カードが準備されている。そのレパートリーに圧倒された。「去年より種類が増えていますね」と私が感想をもらしたら,なんと「子どもたちが自分で視聴カードをデザインして,提供してくれるんですよ」とのコメントが返ってきた。子どもたちが手作りで視聴カードを用意するとは――。番組視聴が学級文化に結晶していることを物語るエピソードだ。

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「みんな生きている」掲示板活用の実践(さいたま市立大谷口小学校鶴田教諭の挑戦)

 7月14日,さいたま市立大谷口小学校の鶴田教諭がNHK学校放送「みんな生きている」『家族のきずな』を活用した授業実践を公開した。子どもたちは,9日に番組を試聴して,クラス内でそれを共有している。本時は,同番組のWebの「けいじばん」にアクセスして,他校の児童の番組に対する感想にふれ,そして自分のものとの異同を確認するという時間であった。
 子どもたちは,掲示板に感想等を投稿すること,掲示板から他者の考え方を吸収することには慣れている。まだ1学期になのに,4年生の子どもたちが,掲示板を「心の交流」の道具として自分のものにしている。大したものだ。もちろん,それは,鶴田教諭が「みんな生きている」と関連Webを継続的に利用しているからであろう。
 もちろん,問題がないわけではない。子どもたちは,自他の意見を比較検討し,それを整理するという情報活用スキルを十分には身につけていない。感想の異同は分かっても,それらを統合するのは難しい。12月7日に,全放連デジプロの研究活動の一環として,鶴田教諭は,再び,この番組とWebを用いて,研究授業を実施する。その時には,子どもたちは情報活用スキルを駆使して,さらにシャープに,また多面的に,心の問題に迫っているに違いない。今から,楽しみである。
 なお,鶴田教諭の実践は,NHK学校デジタル羅針盤で,9月に紹介されることになっている。私も,解説等で出演する。こちらもぜひご覧いただきたい。

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2004.07.13

番組とデジタル教材の活用の競演第2弾(杉並区立浜田山小学校小林教諭の授業実践)

 7月13日,杉並区立浜田山小学校の小林教諭がNHK学校放送「日本とことん見聞録」の『めぐりゆく食べ物』を活用した授業実践を公開した。昨日の井部教諭の授業とは異なり,「生産者から消費者に早く魚介類を届けるための工夫」を子どもたちに気づかせるという社会的事象に関する知識・理解をねらいに据えたものであった。
『めぐりゆく食べ物』は,昨年度までは運輸を学習内容とする番組として制作・放送されたものだ。だから,市場,スーパー,商店という流通経路ではなく,ほたてを宅配便で家庭に届けるルートが子どもたちに紹介されている。その流通経路は,一般的ではないが,漁業という産業の特徴における流通の工夫を子どもたちが理解するのに,それなりの役割を番組は果たした。授業者の小林教諭も「普段はあまり発言しない子どももこの番組を試聴して,積極的に意見を述べていた」と語っていた。
 彼女は,次時では,同番組のWebからクリップを活用して,さらに「早く届ける」ための工夫について,子どもたちの理解を広げるそうだ。放送教育指導者養成講座「虎の穴」の卒業生(小林教諭は3期生)にふさわしいチャレンジだ。通知票の提出を翌日に控えながら,研究授業の実施に努力を重ねた小林教諭に敬意を表したい。


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2004.07.12

番組とデジタル教材の活用の競演スタート(川崎市立柿生小学校井部教諭の授業実践)

 7月12日,川崎市立柿生小学校の井部教諭がNHK学校放送「日本とことん見聞録」の漁業に関する3番組,それに関連したWebを活用した授業実践を公開した。一斉視聴と選択視聴の組み合わせ,課題づくりにデジタル教材を活用して資料活用の技能・表現を磨くなど,放送教育と情報教育の境界領域に挑戦した,よい授業であった。
 この授業は,全国放送教育研究会連盟による「教育放送番組デジタル化対応ミレニアムプロジェクト」の研究活動の一環だ。前に記事で述べたように,さらに4人が,同一番組を異なるねらいに基づいて,授業に導入する。また,番組関連Webをそこに多様に位置づける。5人の教師による授業競演とそれを踏まえたデジタル教材活用への提言は,11月5日の放送教育全国大会で紹介される。ぜひ,多くの方に大会にご参加いただき,本プロジェクトにアドバイスを送っていただきたい。
 なお,井部実践の事後研は,デジプロ,柿生小,川崎市情報教育研究会の合同研修として催された。短い時間ではあったが,異なる組織のメンバーが放送教育,情報教育のあり方を共同的,創造的に議論できるのは,実にいいことだ。私も,それを意識して,本日の授業の意義と可能性を述べるとともに,それを他の実践と関連づけて整理した。

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2004.07.11

授業上手な先生に学ぶIT活用授業のポイント!!(学研「NEW教育とコンピュータ」8月号)

 先日,学研の「NEW教育とコンピュータ」の8月号が刊行された。この号には,「授業上手な先生に学ぶIT活用授業のポイント!!」という特集がある。この特集は,5月11日に,岡山市立津島小学校の三宅貴久子教諭のIT活用実践を堀田さんと私で参観し,三宅教諭も交えて,彼女のIT活用授業について対談したものだ。あらためて読んでみると,堀田さんと私が役割を分担して,けっこう幅広い内容をカバーできているように思った。編集でご苦労なさった木島さんに感謝。
 お読みになった方は,ぜひご感想を聞かせてください。

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2004.07.08

習熟度別指導におけるデジタル教材の活用(守口の松浦さん大健闘!)

 7月8日,守口市立橋波小学校6年生担任の松浦さんが,社会科歴史学習における習熟度別指導を実施した。算数,国語,理科などでは習熟度別指導をおこなうことがよくあるが,社会科,しかも社会的な思考・判断を観点とする習熟度別指導を参観するのは,私も初めてだった。
 NHK学校放送「にんげん日本史」の「豊臣秀吉」の回を子どもに視聴させ,そこから得た情報を彼らに「くもの巣マップ」(一種のイメージマップ)にまとめさせる。信長,秀吉,家康の関係,秀吉による農民統制の工夫として検地や刀狩りを位置づけていることを基準として,子どもたちに自らの思考を自己評価させた。その結果に基づき,番組を再視聴して「くもの巣マップ」を確かなものにする補充コースと,「にんげん日本史」のWebページのデジタル教材にアクセスして秀吉に関わるさらなる情報を「くもの巣マップ」に加える深化コースに別れて,子どもたちは,習熟度別学習に従事した。それは,上記のような天下統一の流れやそこにおける秀吉の政策の意味をすべての子どもが考察することを可能にした。
 今日の大阪は35度の猛暑,しかも彼らは3・4時間目に水泳,そして冷房のないコンピュータ室での学習という悪条件の中,あれだけしっかりと子どもたちが歴史の流れや構造を思考・判断できたのは,本当に大したものだと思う。社会科における習熟度別指導の意義,そこにおける学校放送やデジタル教材の可能性を実感させてもらった。同時に,そうした子どもの姿は,松浦さんの日頃の指導の充実を物語るものだと思った。
 放送教育,デジタルコンテンツの活用,習熟度別指導のコラボレーション実践への挑戦とその成功は,放送教育指導者養成講座「虎の穴」の卒業生,現メンターの模範的姿だ。この記事を読んだ虎の穴関係者は,松浦さんの健闘をぜひ讃えてもらいたい。
 なお,彼のこの日の挑戦は,11月の第30回全日本教育工学研究協議会全国大会(第30回記念東京大会)の2日目(14日)の先進実践報告でビデオにより紹介される。

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忠海中学校からの臨む瀬戸の風景

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 先の記事でも書いたが,7月6日,竹原市立忠海中学校の校内研修会に参加した。瀬戸内海を臨む高台に同校は位置している。眺望の美しさはなんとも言えない。
 実は,この忠海は,私の母の故郷であり,彼女は,忠海中学校が母校である。しかも生家,すなわち私の祖母の家は,かつて忠海中学校のすぐ隣にあった(ただし高台への移転前)。
 幼稚園児から小学生にかけて,毎夏,呉線に乗り,三原から忠海に帰省していた。写真のような眺めを目にしながら。そして,忠海に着くと,同校に潜り込んで(?),蝉をたくさん採っていたものだ。自分にはあまりふさわしくないノスタルジーだとは分かっていても,同校を訪れる度に,やはりあの夏を思い出す。

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学力向上に関わる合同研修会の可能性と課題(広島県竹原市立忠海中学校)

 7月6日,竹原市立忠海中学校の校内研修会に参加した。同校は,いわゆる学力向上フロンティアスクールである。当日は,この校内研に,2つの集いが重なった。一つは,広島県の他のフロンティアスクール6校のフロンティアティーチャーの研修会である。もう一つは,尾道・三原地域の中学校の学校改革等(?)に関わるプロジェクト校の研修会である。要するに,様々な中学校の教員が同校の校内研に参加して,授業を見学し,事後研で意見を交換した。それは,学力向上のような幅広い取り組みを考える上では,とても有効な研修スタイルだ。
 ただし,事後研において,日頃顔を会わせていない人間が本音を出し合うためには工夫が必要だ。これについては,6日の事後研のデザインは甘かったと言わざるをえない。事後研の最後のコメントにおいて,私は,「事後研の参加者が,学力向上をしっかり考え,意見を述べ合うために,そのデザインを工夫しましょう。子どもたちに思考力や表現力を育むための『授業づくりの工夫』と同様の発想が,事後研にも必要ですね。」と述べた。

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2004.07.07

総合的な学習の時間の「学校としての全体計画」

 7月5日,京都市左京区の修学院小学校の校内研修会に参加した。最近は目にすることが減った総合的な学習の時間の授業を見学した。3年生の子どもたちが,地域の「よさ」について聞き取り調査を実施し,それらと自分たちが考えているものとの異同を同定していた。それは,今後の追究活動を充実させるための課題づくりの活動の一環であった。
 授業後の事後研では,生活科や社会科の目標・内容・活動の違いが論点の一つとなった。また,私は,総合的な学習の時間の「学校としての全体計画」に位置づけて,本時の特徴を整理してみた。その中から,本時及び本単元は,総合的な学習を始めたばかりの3年生に多くの能力・資質の育成を求める必要はないという共通理解が生まれてきた。総合的な学習の時間の「学校としての全体計画」が,授業を評価する際に極めて重要な指標になることをあらためて感じた。

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2004.07.04

5つの放送教育実践の競演

7月3日,渋谷のNHKの0933会議室で,教育放送デジタル化対応プロジェクト委員会のミーティングが催された。今回は,7月におこなわれる研究授業の指導案検討会だ。
 このデジプロでは,1学期に,小学校5年生の社会科番組を5人の教師がそれぞれのねらいとアイデアで活用する。かつて水越先生(大阪大学名誉教授)や田中さん(大阪教育大学助教授)が試みた『みどりの地球』「熱帯雨林」によるメディアミックスの授業づくりを踏まえたものだ。これは,金沢の3人の教師による授業競演であった。今回,放送番組+デジタル教材+その他の教材の組み合わせを,授業者が培いたい学力に基づき,積極的に多様化した。メディアミックスのさらなる可能性を追究するものだ。
 いよいよ7月12,13日に,2人の授業者が研究授業を展開する。私も,連続参加だ。

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放送教育Q&A(学校デジタル羅針盤第7回)

 7月3日,渋谷のNHKのスタジオで,学校デジタル羅針盤の第7回撮影があった。今回はいつもとは違い,1学期のまとめにあたり,全国の教師から出された質問に,堀田さんと私が回答するというスタイルだ。放送番組活用の意義,利用場面,デジタル教材の可能性,その留意点など,Q&Aは多岐にわたった。
 堀田さんとの仕事は安心して,それに臨める。今回も,二人して多少はとちったが,全体を通して,たくさんの質問にコンパクトに,シャープに答えられたと思う。放送は,7月9日,16日である。ぜひご覧いただきたい。
 NEDの制作陣の皆さん,お疲れ様でした。

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