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2004.12.31

年末年始の恒例行事たる「卒論チェック」

 数日前から,自宅に,郵便速達や宅配便で,卒論原稿が続々と到着している。年末年始でこれを読んで,年明けの4日以降に学生を呼び出し,加除訂正を指示するために,学生に原稿を送るように伝えてあるからだ。ひとつの論文が400字詰め原稿用紙に換算して,100~150枚ぐらいになる。それを今年は6本。朱入れをしていると,けっこう時間がかかる。昨年のように,風邪でダウンしている時は尚更だ。
 このタイムスケジュールは,大阪大学の助手時代から,ほぼこうなっている。卒論チェックは,年末年始の恒例行事だ。卒論執筆の学生を担当する限り,のんびりしたお正月を過ごせないというわけだ。

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2004.12.29

国語科における「正統的な」情報教育の展開

 27日,大阪教育大学附属平野小学校を会場として,第102回S&C勉強会が開催された。附小から2人,附中から4人の参加で,私も入れて合計7人で,いつものように,密な議論を繰り広げた。
 3つの提案や報告の中で,附小の栗田教諭による「筆者研究」の実践報告についてコメントしておこう。附小では,第3学年から第6学年まで,各年度に1名の作家を取り上げる,筆者研究の単元を設定している。そこでは,例えば,子どもたちが,同じ作者の複数の著作を比較読みしてそれらに共通する内容・表現の特徴を見出す,それと時代・社会背景との関係性を構築するといった追究活動に従事する。考察結果を作家自身に批評してもらったりもする。
 国語教育と情報教育の接点を,このような学習にも求めたいと思う。両者の関係を,伝え合う力の育成に焦点化しすぎるのは避けたい。なぜならば,教科教育と情報教育の接点は,その教科の親学問の研究方法論を土台すべきだからだ。「筆者研究」は,文学研究の方法論を踏まえているという意味で,国語科における「正統的な」情報教育の展開だ。

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講演録「学力向上と教育メディアの活用」

 10月末に,平成16年度長野県視覚・放送教育研究大会(佐久大会)で「学力向上と教育メディアの活用」と題する講演を担当させていただいた。先日,急に,その講演録を作成したのでチェックしてほしいとの依頼があった。予定していなかった仕事なので,大変疲れたが,なんとかやりこなした。せっかくなので,読者にもお読みいただきたいと思い,アップロードすることにした。
「Kihara04.10.29.pdf」をダウンロード

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2004.12.28

今日は,「算数の日」(第20回なにわ放送教育研究会における算数番組活用方法の検討)

 28日,14:00~18:00,第20回なにわ放送教育研究会が催された。会場は,今回は,NHK大阪ではなく,浅香さんの勤務校,守口市立三郷小学校だった。算数番組利用についてのスペシャルデーで,「かんじる算数 1,2,3!」の4実践と「わかる算数5年生」2実践,合計6実践をメンバーが報告した。そしてそれらの報告を題材として,ひとつの番組の利用の多様性,異なるシリーズとその利用の異同について,検討した。NHK学校放送の算数番組の利用法をこんなにも集中的に検討している実践グループは,おそらく,なにわ放研しか存在していないと思う。NHKからも二人のディレクターが参加してくれたこともあり,けっこう議論が盛り上がった。
 なお,各実践報告とそれについての質疑応答等の司会も,メンバーが分担しておこなったので,司会スキルを鍛える機会にもなった。
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2004.12.25

『いい学校の選び方』(吉田新一郎著,中公新書)

 先日もこのblogで紹介したように,現在,田中博之さん(大阪教育大学)やベネッセ教育総研と共同で,「総合教育力の充実」に関する調査研究プロジェクトを企画・運営している。この研究プロジェクトでは,学力向上を標榜する学校が,その取り組みを充実させていく際のタイプやパターンを整理したり,そのプロセスをモデル化しようとしたりしている。
 研究プロジェクトの目指すものに役立つと思い,先頃,『いい学校の選び方』(吉田新一郎著,中公新書)を購入し,読破した。この著書は,保護者の学校選択の視点や手続きを体系的に示し,またそれをチェックリストやフローチャートに具体化している。実践的な知見に満ちた本だ。「いい学校」,「いい授業」,そして「いい教師」が満たすべき要件がリストされており,それらには,我々が整理中の学力向上モデルと共通するものも多い。
 ただ,授業や教師について多少,単純化されすぎているようにも感じた部分がないわけではない。例えば,著者がやや否定的見解を示している一斉授業や訓練や反復も,ある時には学力向上に資する(学力を総合的に定義するならば)指導法であるし,よい学校の条件は,地域によって異なる部分もあって然りである。
 しかしいずれにせよ,授業,教師,カリキュラム,学校の評価に関心がある人には,とてもためになる本だ。

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2004.12.24

教師たちの学校研究への意欲(広島県府中市立上下南小学校と同北小学校)

 広島県府中市の上下町には,南小学校北小学校がある。これらの学校の実践研究に参加するようになって,ずいぶん経つ。南小学校は2つの小学校の統合,北小学校は3校の統合により生まれた学校であるが,現在南小学校が設置されている場所にあった旧矢野小学校には平成11年度から,足を運んでいる。
 今月,両校から,次年度の学校研究への協力依頼があった。南小は11月,北小は9月末に公開研究会を催すが,それに向けた授業研究のアドバイザー役を次年度も果たすことになりそうだ。1学期から2学期にかけて,合計8回,上下町を訪問することになりそうだ。両校は,姉妹校であり,ライバル校である。それが,両校の学校研究のサポートにもなり,また刺激にもなる。
 それにしても,いずれの学校の教師たちとも,学校研究への意欲が高い。この時期,次年度の学校研究の具体的計画を策定し,私のところに,打診してくれる(だから,学校研究の計画に即してアドバイスができる,そもそも訪問が実現する)。授業研究前にはちゃんと資料を送ってくれるし,1回の訪問で複数の研究授業を設定してくれる。こうした学校は,授業やカリキュラムが着実に進展する。
 こういう学校とのつきあいは,とても楽しい。こちらにも学ぶものがたくさんある。どの学校との共同もこんな具合に進むといいのだが――。

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2004.12.23

学力向上のための基本調査2004-総合教育力の充実に関するプロセスモデル-

 23日,新大阪で,大阪教育大学の田中博之先生やベネッセ教育総研と私とで企画・実施した共同研究プロジェクト「学力向上のための基本調査2004」に関する打合会が催された。最終報告書の内容について議論が続いた。
 私の担当する章は2つあるが,そのうちの1つは,「総合教育力向上に向けた取り組みのステップ」というタイトル(仮)で,学力向上に向けた総合教育力=教師たちの指導,学校経営,そして家庭教育の充実に関するプロセスモデルの提案だ。
 学力向上を目指す学校や家庭の営みは,その実態によって変わる。例えば,教科学力が弱点となっている学校と「学びの基礎力」に難点がある学校では,その改善に向けたアクションが異なる。それらの典型的なパターンを調査結果から導き出し,事例と共に紹介するというものだ。
 学力を総合的にとらえること,その育成を多面的に展開すること,それらを時系列的にモデル化すること等の点で,他に類を見ない学力向上論であるとメンバーは自負している。3月末に刊行される報告書をぜひご覧いただきたい。

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2004.12.20

授業研究の深化-研究主任等のリーダーシップと協議会におけるコーディネーション-(ぎょうせい「悠」1月号)

 先日,出版社「ぎょうせい」の月刊誌「悠」の1月号が刊行された。4月から始めている連載の第10回目として,研究主任等のリーダーシップと協議会におけるコーディネーションについて言及した。
 例の「私の司会術」の事後研でのものを文章化したものだ。要点は,次のとおり。
◆研究授業とそれを通じた協議会の企画・運営において研究主任等が果たすリーダーシップは,極めて重要である。
◆研究授業後の協議会が充実したものになるか否かは,司会進行役の力量に依存している。
◆協議会の司会進行役は,参加者間の対話が成立し,それが豊かになるように,積極的にコーディネーションを繰り広げるべきだ。
「Haruka2005.1.pdf」をダウンロード

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2004.12.19

eCCプロジェクトのテレビ会議がまた開催された

 19日夜, eCCプロジェクトのテレビ会議を開催した。これは,カリキュラム・コーディネータ養成のためのe-Learningプログラムの開発研究だ。松下教育研究財団の平成16年度研究開発助成を受けて進められている,研究プロジェクトだ。
 本日は,第3課題に対するレポートの発表と相互評価の機会であった。この第3課題は,実在のある小学校で浮上したカリキュラム開発上の問題について,その解決に向けたアクションプランを,その学校の研究主任になったつもりで作成するという課題だ。そのプランは次のような観点で評価される。
1.問題状況の確認と共感(プラン策定の前提1)
2.問題の整理(プラン策定の前提2)
3.プランの民主性(プラン作成の哲学)
4.プランの具体性(プランの形式1)
5.プランの柔軟性・可変性(プランの形式2)
6.プランの多様性(プランの内容1)
(1)場面(2)対象
7.プランの妥当性(プランの内容2)
 また,発表では,シャープな主張,分かりやすい表現の利用,巧みな総括といった条件を満たしたプレゼンテーションを構成していることが期待されていた。
 読者ならば,いかなるアクションプランを作成するだろうか。一度,チャレンジしてみたらおもしろいかも――。

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2004.12.17

18:00スタートの教頭研修会(M市の教育センターにて)

 16日,M市教育センター主催の教頭研修会に参加した。センターと教頭会が相談した結果,なんと18:00スタートである。日中に実施すると,教頭先生は学校を空けにくいので,参加者が減る。みんなで一緒に学びたいからぜひ夕方にと教頭から申し出があったそうである。学校の実践研究が盛んなM市ならではのことだと思う。
 そうした気持ちに応えるべく,私も,「小中連携による学力向上」というホットなテーマのワークショップを企画・運営した。各学校の学力向上の取り組みとその課題を書き出してもらい,中学校区でそれを整理し,ポスターセッションにて報告するという進行で,これを進めた。短い時間なのに,どのセッションにおいても,教頭先生たちはテキパキと活動してくれた。その姿にも,M市の教育力の底力を感じた。
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2004.12.15

教師と放送番組のいい関係(豊中市立克明小学校・森教諭の番組利用)

 15日,豊中市立克明小学校の森真理子教諭が「かんじる算数 1,2,3!」『はこの形』を活用した授業を実施した(6時間扱いの1時間目)。新年早々の「学校デジタル羅針盤」第16回でこの授業を解説する役割を仰せつかっているので,私も見学に出かけた。
 放送教育に今年から積極的に取り組んでいる森さんだが,この番組といい関係を築いていると感じた。この第1時間目は,子どもたちは,番組で示唆された,立方体とその展開図に関する「算数的な活動」を,子どもたちに追体験させる。そして,第2時間目では,番組で示された活動から離れ,直方体とその展開図の作成等を導入する。
 放送番組への依拠と放送番組からの発展がバランスよく授業に導入されている。そして,両者が,「はこの形」に対する子どもたちの関心・意欲を高めること,身近な生活や環境の中に立方体・直方体を見出そうとする態度を形成することに収れんしている。どうやら,森さんは,放送教育の基本を自分のものにしたようだ。
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2004.12.14

日英の教育交流プログラムについての講演・研究会(ハイディ=ポッター氏との研究的交流の機会)

 来月下旬,私たちが英国の学校視察でお世話になった,ハイディ=ポッター氏が来日する。彼女は,21世紀日英教育交流基金のエグゼクティブディレクターであり,長く日英の児童・生徒間の教育交流プログラムの開発と評価にたずさわってきた(オンライン,対面とも)。それゆえ,教育交流プログラムの成立に向けた前提条件に関する知識や運営上のノウハウを数多く有している。それを吸収させてもらうために,私や静岡大学の堀田先生は,彼女に大阪で講演を,東京で開催するミニ研究会への参加をお願いすることにした。
 教育交流プログラムの計画・実施・評価について,きっと貴重な情報が得られると思う。興味のある方には詳細をお伝えするので,木原まで問い合わせていただきたい。ちなみに,彼女は,日本への留学経験やALTとしての勤務経験があり,日本語によるコミュニケーションにも不自由がない。講演等も日本語を使用してもらう予定である。

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2004.12.13

平成17年度の「学校教育学研究演習2」の題材

 私は,大阪市立大学の大学院・人間行動学専攻・教育学専修では,学校教育学研究IIと学校教育学研究演習2を担当している。
 次年度の後者用に,よい本を見つけた。David J. Flinders & Stephen J. Thornton (Eds)The Curriculum Studies Reader(2nd), RoutledgeFalmerである。この本は,カリキュラム研究の名著やすぐれた論文のアンソロジーだ。4部30章で構成されているが,ボビット,デューイの著作に始まり,アイスナーやアップルのものまで掲載されており,カリキュラム研究の全体像を理解するのに好適だ。
 我が教育学専修には,大学院博士前期課程から教育学研究を始める学生,留学生などがいるので,このような名著,すぐれた論文にふれ,カリキュラム研究等のセンスを磨くのは,彼らにとってとてもよいことだと思う。ちなみに,今年度は,Reflective Teachingに関するアンソロジーを大学院演習の題材とした。

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2004.12.11

平成17年度教育放送企画検討会議

 11日,東京・渋谷のNHKで,平成17年度教育放送企画検討会議が催され,私も参加した。全体会では,地上波デジタル放送の普及と教育利用の可能性が紹介された。
 続く分科会では,私は小学校部会に参加したが,次年度の算数,英語,社会,理科などの新番組のコンセプト(案)が披露された。算数番組では,考える意欲と思考力を培うための「とびっきりの」課題が用意されると言う。社会科番組では,情報教育とのリンクが強調されるようだ。それは,私からすれば,社会科学の方法論,アプローチやスキルをモデル化し,映像により子どもに提示する可能性を帯びていると言えよう。つまり,教科における情報教育の代表的な姿が番組により示唆されるかもしれない。
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2004.12.10

第19回なにわ放送教育研究会にて

 9日,守口市立三郷小学校を会場にして,第19回なにわ放送教育研究会が開催された。今回は,豊中市立克明小学校の森真理子教諭の「かんじる算数 1,2,3!」活用プランをメンバーで検討した(15,16日に研究授業を実施)。森さんは体調が悪い中,指導案を必死に説明した。他のメンバーは,自らの実践等に基づいて,番組利用のさらなる可能性を積極的に提案した。既に番組を利用した教師などは,子どもの作品なども持参して紹介した。みんな自分のことのように一生懸命,番組利用のあり方について考えた。
 回を重ねても,なにわ放研は,マンネリに陥ることがない。なぜだか分からないが,メンバーにはぜひこのムードを継続・発展させてもらいたい。今月は,なんと28日にも研究会を開催する。
 なお,この研究会の模様は,森さんの授業実践の様子とともに,NHK学校放送の教員向け番組「学校デジタル羅針盤」第16回で,1月14日,21日に紹介される。

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2004.12.09

「なにわ放研」若手教師の番組利用(守口市立八雲小学校にて)

 9日,守口市立八雲小学校の校内研究会に参加した。同校は文部科学省から「教育課程の実施状況に関する自己点検・評価」についての研究を委嘱されている。放課後,同校の教師たちに対して,学力調査の結果分析とそれを踏まえた授業改善・学校改革について話題提供やアドバイスをおこなった。
それに先立ち,同校に勤務している2人の教師の授業を見学した。両名とも,「なにわ放研」の若手メンバーだ。1年担任の桜井さん(教職3年目)は,「かんじる算数 1,2,3!」を,5年生担任の原さん(教職2年目)は「わかる算数 5年生」を活用した授業をそれぞれ,私に見せてくれた。桜井さんは算数的活動のモデル提示に,原さんは思考の手がかりの提供に,番組を位置づけて授業を展開してくれた。
評価規準や学習の見通しの明確化など,いくつかの課題は残ったものの,番組の性格を把握し,それを生かした授業のデザインを,二人とも組んでくれた。しかも,冬休みが近づいた,忙しい時期の授業で。番組利用を継続して,その腕をさらに磨いてほしいし,今後に期待の持てる,いい授業だった。
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2004.12.08

「社会・生活・総合学習研究会」岡山セミナー

 1月22日(土)午後,(懐かしの?)岡山で,「社会・生活・総合学習研究会」岡山セミナーが開催される。テーマは,「社会科・生活科と総合的な学習を往復する学びと評価」だ。基調提案,2件の事例報告,パネルディスカッションという構成で,社会科,生活科,総合的な学習の有機的な関連を見出し,子どもの学力形成にそれらがいかに貢献するかを検討する。
 私には,事例報告のコーディネータという役割を与えられている。学力向上について,またカリキュラム開発について活発な議論を繰り広げたいので,多くの方の参加を期待している(オンラインで参加登録もできるし)。特に岡山で社会科教育とメディア・リテラシーの実践に挑戦するT先生にはぜひ。

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2004.12.07

デジプロと埼放教の合同研究会(さいたま市立大谷口小学校・鶴田教諭の研究授業を題材にして)

 7日,さいたま市立大谷口小学校・鶴田教諭がNHK学校放送番組『みんな生きている』を活用した研究授業を実施した。担任している4年1組で,5時間目は番組視聴を,そして6時間目はデジタル教材の「けいじばん」活用を,彼女は試みた。前者は,0分スタートや空発問,多様な視聴カードの導入と伝統的な放送教育が繰り広げられた。また後者は,「けいじばん」で他のクラス・学校の児童の意見を吸収して,子どもたちは命や食について,自らの意見を反省的に検討していた。IT活用や情報教育と放送教育の接点がここでは開拓された。
 授業後,全放連教育放送デジタル化対応ミレニアムプロジェクトのメンバーと埼玉県放送教育研究会のメンバーが合同で事後検討会を開催した。デジプロの他流試合だ。これによって,伝統的な放送教育と新しい放送教育の異同,両者の融合可能性がまたひとつ明らかになった。詳しくは本年度末に刊行される,デジプロの最終報告書に記載される。

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2004.12.06

あなたは,授業づくりについて,同僚の悩みや苦しみを聞いていますか(I先生の言葉から)

 6日,11月15日に続いて,講義:教職概論に,ゲストスピーカーとして,学校現場から,I先生をお招きした。授業づくりの実際について,学生に語っていただくためにだ。I先生にも毎年来ていただいて,新しい授業づくりのコンセプトやアイデアについて,豊かな情報を提供してもらっている。
 今年度の講義の中で,授業の中で,「子どもの身体から出ているサインを読み解く」ことの重要性について語ってもらった。「子どもは授業がおもしろくなくても,それをストレートには言わない,こちらからそれを把握する努力をしなければならない。子どもたちに目をかける,言葉をかけるためには,教師は,言葉(評価言)を豊かにしていく必要がある。」という彼のコメントは,先に「生徒指導の実際」について講義を担当してもらったY先生のコメント,「あなたは,生徒を励ます,褒める言葉をいくつ持っていますか」に通ずるものがある。
 そして,それらを,カリキュラム・コーディネータ等の教師のリーダーの資質とその向上という自分の研究の文脈に適用すると,次のようになろう。
 「あなたは,授業づくりについて,同僚の悩みや苦しみをしっかり聞いていますか。それに応える言葉をどのくらい持っていますか?」
 授業研究や学校研究でリーダーシップを発揮する立場にある人に,これも自問自答してもらいたい。

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2004.12.05

『コーチングの技術』(菅原裕子著,講談社現代新書)

 今年担当している卒論生で,コンビニエンスストアにおけるコーチングについて研究している学生がいる。彼は,コンビニで新人を指導する立場にあるが,成長を遂げるものとそうでないものがいるが,後者をコーチングによって成長させようという問題意識に根ざして,卒論に取り組んでいる。コンビニにおけるコーチングについて,そのプロセスモデルを描こうとする実践的な研究だ。論文提出まであと40日ほどしか残っていないので,その枠組みの再構築について,明日もまた指導しなければならない――。
 彼の研究の対象は私のフィールドたる学校現場ではないし,恥ずかしながら,私自身が,コーチングについてはあまり詳しくない。学生を指導するためには,自ら勉強せざるをえないので,今年はコーチングの本を読んでいる。先日読破した『コーチングの技術』(菅原裕子著,講談社現代新書)から印象に残った叙述をいくつか抜き出してみよう。
「(コーチングは),ただ技術としてではなく,文化として受け取られることが大切です。」「コーチングは,対象者が自覚していない潜在的な知識やスキルを引き出し,それを智慧にまで高め,結果に結びつけていく作業です。」
「私たちは,相手のやる気や可能性を引き出す魔法の言葉を持っているでしょうか。」

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2004.12.03

教師と子どもが共に創りあげる研究会(広島県府中市立上下南小学校にて)

 2日,広島県府中市の上下南小学校の研究発表会に講師として参加した。同校は,本年度,「ことばの力」を育むこと,すなわち「コミュニケーション能力」の育成に挑戦している(広島県では今,「ことばの教育」を推進する動きが激しい)。
 10月にもレポートしたが,この学校のコミュニケーション能力の育成は,3次元で展開されている。第1は,朝学習「チャレンジタイム」でのスピーチや読み聞かせなどだ。第2は,国語科におけるコミュニケーションスキル,「型」の会得だ。そして,第3は,他教科や総合的な学習の時間におけるスキルの応用であり,子どもたちは,国語で培った基本スキルをさらに豊かなものにしていく。
 ところで,同日,3年生の教室で,写真のような「今日のめあて」を発見した。子どもが朝,自主的に,このめあてを設定して,短冊黒板にそれを書いてくれたと言う。3年生の学級担任は,本年度から上下南小に勤務したばかりであるのに,一番難しい第3のアプローチに果敢に挑戦してくれた。国語科と社会科を接続させた単元を開発し,授業化してくれた。
 教師のチャレンジ精神が子どもたちの学習意欲に再帰している姿を見るのは,すがすがしい。教師と子どもが共に創りあげる研究会を催せる上下南小学校だから,学校研究を継続・発展させられるのだろう。考えてみれば,私も,この学校にもう6年も通っている。最もつきあいの長い学校のひとつだ。これからも同校の学校研究の成長を見守っていきたい。
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2004.12.01

私が心がける「司会・進行の工夫」(その2)

 私が心がける「司会・進行の工夫」(その2)を提案してみよう。今回は,先日実際に催されたものを参考にして,学校で催される研究発表会の全体会,特にパネルディスカッションの司会術について,言及してみよう。それらは,次のとおりである。
 0)教頭先生など全体の司会が登壇者を紹介してくれたら,それを繰り返すことはしない(時間が惜しいので)。
 1)司会として事前に登壇者を決めることができる場合には,そのバックグラウンドに留意し,対立的な意見が出てくるようにメンバーを定める。この人選でパネルが成功するか否かは半分以上決まる。
 2)ひとつの話題について,登壇者それぞれに意見を述べてもらうよう設計する。Aは○○さん,Bは××さんという分担制を採ったのでは,意見がからまないから。
 3)パネルは,当日の授業や学校の研究発表の内容について語ってもらうことから始める。授業,協議と全体会を接続するために。
 4)90分程度だと,3つぐらいの話題を定める。それぞれのパートの終わりには,そのパートの議論の内容を,パワーポイントを用いて図に整理して,聴衆に示す。
 5)パネラーの意見が一般論に終始している場合には,領域固有の議論を求める(例:それは思考力の育成でなくても当てはまりますね,思考力の育成に『特に必要となるもの』は何ですか)。
 6)パネラーには,長いコメントは避けてもらう。そのためには,各人に短めの時間での報告をお願いしておく。もし長いコメントになった場合は,それを要約してもらう,あるいは自らが要約する(例:それは,コミュニケーションの基礎体力をつけたいということですね)。
 7)パネラーが偏った意見を述べる場合は,逆は成り立たないのかと切り返す(例:「中学校の先生には小学校の授業の進め方を参考にしてもらいたい」とパネラーが述べたら,「では小学校の授業には中学校のどのような指導法を採り入れますか」とたずねる)。
 8)パネラーがひとつのコメントにたくさんの内容を盛り込む場合には,優先順位や軽重をはっきりさせてもらう(例:それでは,どれから始めればよいでしょうか)。
 9)学校の取り組みに関するパネラーのコメントが「点」(現状)に終始している場合には,それを線(過去の取り組みとの違い,それからの変化)や面(他校の取り組みとの異同)で聴衆がとらえられるように,補足する(当然,司会者は,学校の取り組みについて精通している必要がある)。
 10)頃合いを見計らって,当該校の教師や教育委員会にパネラーの意見に対するコメントも求める。

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