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2005.03.19

事例研究の意義・可能性と評価の規準(日本教育工学会平成17年度第3回研究会<鳴門教育大学>で)

 19日,鳴門教育大学で,日本教育工学会平成17年度第3回研究会が催された。テーマは,学校改善・授業改善と教師教育だ。私自身は,eCCプロジェクトについて,報告した。
 ある教師の言動等を記述した事例研究による知見をまとめた発表に対して,「ある事例だけでそんなことがいえるのですか?」という質問が出た。発表者は,「ええ,確かにそうです。これからケースを増やします。」と回答していた。しかし,私は,必ずしも,そうは思わない。
 いたずらにケースを増やし,その共通項を導き出しても,教育工学研究に資するモデルを構築することはできない。また,対象が増えれば,各ケースに関するデータは,相対的には少なくならざるを得ない。それは,対象の深層構造への接近を難しくする。
 事例の記述的研究でも,それが実態や動向の把握を目的とする場合と,他者のアクションを喚起するモデルを提案しようとする場合では,その方法論が異なる。後者は,あるケースの全容に迫っているか,追跡の密度が濃いか,そもそもそうした追跡に耐えうる代表性が対象に確認されるか,同時にそれを可能にする関係性が対象と研究者の間に構築されているのかといったことを,研究の評価規準に据えるべきであろう。

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