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2005.03.31

『総合教育力の向上が子どもの学力を伸ばす-学校と家庭とのパートナーシップの確立に向けて』

 大阪教育大学の田中先生と大野先生,そしてベネッセ教育総研と共同で企画・運営した総合学力・教育力調査「学力向上のための基本調査2004」の結果,考察をまとめた報告書『総合教育力の向上が子どもの学力を伸ばす-学校と家庭とのパートナーシップの確立に向けて』が3月30日に,ついに刊行された。
 1~2月,試験や成績,各種原稿執筆でとんでもなく忙しい時期に,あえぎながら執筆した文章だけに,感慨もひとしおだ。この報告書の中で,私は,第5章1節「多面的な実態把握から学力向上を目指した【トータルデザイン】へ」,同2節「【教師の指導力】の自己点検・評価――取り組みの3つのレベル」,そして第6章「総合教育力の向上を目指す学校の取り組みの発展――学校改革への針路――」を執筆した。自分としては,このblogでも一部紹介した第5章2節で提案した,教師の指導や学校の体制に関する各種の評価基準が実践的有効性が高いと思っている。授業づくりの工夫,学校システムの整備,研究・研修,単元の計画・実施・評価,学校カリキュラムの作成と運用について,その成熟度をレベル1からレベル3まで,3段階に分けてみた。自校のカリキュラム開発,学校研究や校内研修,授業研究に適用して,それらの改善に役立ててもらいたい。
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2005.03.30

『教育研究のメソドロジー 学校参加型マインドへのいざない』を読んで

 『教育研究のメソドロジー 学校参加型マインドへのいざない』(秋田・恒吉・佐藤編著,東京大学出版会)を読んだ。学校現場に関わる研究の方法論を整理した,いい本だ。我々(例えば,教育工学会の若手研)も教育実践研究の方法論に関する著書を執筆したいと考えていたところなので,「先を越された」という感じだ。執筆者のライフストーリーを提示する形で,学校に関わる研究の哲学や秘訣が語られている点が秀逸だ。
 ただ,私たち(例えば,水越敏行先生の下で学び,教育工学の見地から授業研究等にたずさわっている研究者)が営む教育研究を,この本の執筆者たちは,ほとんど視野に入れていない。やはり,我々は傍系なのか――。
 この本で記されている教育研究に比べて,私たちが着手しているものは,1)すぐれたモデルと言える教師や授業を対象とする場合が多い,2)対象に対してアクションを起こしながら,その特徴等を記述する,3)対象たる教師や学校もアクション・リサーチを展開している,つまり2重のアクション・リサーチである,4)研究者が試みるアクションとして,システムやプログラムの導入がやや強調されている,といった特色を持っているように思う。

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2005.03.29

放送教育の実践報告に関する評価規準

 4月2日に浜松で,なにわ放送教育研究会VS 浜松b-waveの実践報告合戦(?)が催される。両チームは,5件の放送教育の実践報告を用意することになっている。柔道の試合のように,5戦して,どちらが3つ(以上)勝利をあげるかで競うからだ。全放連の先生方やNHKエデュケーショナルのプロデューサーに審判団として参加してもらい,実践報告を評価してもらう。
 先日,勝敗を決するための評価規準を作成して,発表者や審判団に手渡した。この規準群は,放送教育全国大会や同ブロック大会等で放送教育実践を報告する際にも活用してもらえるだろう。規準群は次のとおり。
<全体>
1.全体として,放送教育の魅力を伝える発表(実践内容,報告形式)であった。
<実践内容>
2.番組の特徴の把握
 学校放送テキストの読解,番組ホームページへのアクセスなどにより,番組の特徴を正確に把握している。
3.番組利用の継続性
 いわゆる継続視聴の効果を意識し,無理のない範囲でよいから,厚みのある番組利用を心がけている。
4.番組利用の必然性
 授業でその番組をなぜ利用するのかについて,子どもの実態や学校の置かれた条件などを示しながら,きちんと説明している。
5.番組利用の多様性
 1つの番組を異なるスタイルで活用するなど,番組利用の多様性に配慮している(たとえ実践化には至っていなくとも,「課題」等において,それに言及している)。
6.放送教育の実践研究としての先進性
 デジタル教材の活用等,放送教育の実践研究としての先進性を確認できる。
<報告形式>
7.時間
 10分という発表時間を厳守している。また,それを効果的に活用している。
8.主張の明確さ
 報告における主張が明解で,分かりやすい。
9.報告スタイルの工夫
 図表や映像を用いる,喩えを使うなど,聞き手の印象に残る工夫が報告に盛り込まれている。
10.口調等
 抑揚をつけている,聞き手を見つめているなど,聴衆に訴えかける態度を保っている。

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放送教育実践の対決(第24回なにわ放送教育研究会にて)

 28日,18:00~21:00,NHK大阪で,第24回なにわ放送教育研究会が催された(またまた会議室を用意して下さった,NHK大阪の奥西さん,ありがとう)。
 今回もまた,4月2日に浜松で実施される,なにわ放送教育研究会VS 浜松b-waveの実践報告合戦(?)の予行演習だ。4名(実践報告を担当する5名のうち,1名が欠席だった)の実践者がそれぞれ,利用した番組,授業における番組の位置づけ,その成果と課題などを,10分間で報告してくれた。
 若い実践者たちの成長は著しい。前回(11日)に他者から指摘された点を修正したレポートを皆,持参してきた。応援も豊かになってきたし,質問もシャープになってきた。これだけでも,なにわ放研VS浜松b-waveの実践報告合戦を企画した甲斐があったと思う。研究会活性化の術として,やはり他流試合は有効だ。
 審判団を務めて下さる,全放連の方々に,なにわ放研の若き実践者たちの放送教育実践がどこまでアピールできるか,今から楽しみである。
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2005.03.27

デジプロのフィナーレ!

 26,27日,神奈川県の大磯で,デジプロ,すなわち全放連・教育放送デジタル化対応ミレニアムプロジェクトの打ち上げ会が催された。5年の長きにわたって,NHKデジタル教材の活用に取り組んできた,この研究プロジェクトも,いよいよフィナーレを迎えた。
 横浜,川崎,東京,そして埼玉県からも,メンバーが集まって,互いに,プロジェクトの道程を振り返った。私にとっても,全放連の面々とこれほど密に交わったのは初めての経験であった。
 全放連は,放送教育に関する実践研究コミュニティだ。だから,例えばデジタル教材の活用など,放送教育の新しい潮流への対応,その普及に向けた活動を展開しなければならない。研究の成果をどうアピールするか。授業のデザインだけでなく,そのことにも,メンバーや私は努力を傾注し,全国大会の実践交流会での報告,リーフレットや報告書の作成,全放連ホームページにおける指導案等のアップなど,毎年度,研究成果を形にし,オープンにしてきた。また,デジタル教材の活用を合い言葉にして,地方の放送教育の実践家とコミュニケーションやコラボレーションを繰り広げてきた。
 デジプロのメンバーは,デジタル教材の活用アイデアを創出するとともに,放送教育実践に関するプロジェクト研究の手続き,方法論を会得したように思う。研究テーマをリニューアルしながら,デジプロで得たものを,メンバーはさらに発展させてくれるに違いなかろう。いや,そうならなければ,デジプロの5年間は一時のお祭りに終わる。宴席で,(恒例の?)トランプ大会で,そして箱根のドライブ中に,そう思った。

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2005.03.25

コンテンツ・エキスパートとプロセス・ファシリテータ(『学校経営研究における臨床的アプローチの構築』北大路書房より)

 来春の刊行を目指す『教師が磨き合う学校研究』(ぎょうせい)執筆のため,またベネッセ教育総研との共同研究プロジェクト「総合学力・教育力調査」の発展を企図して,現在,学校経営研究について勉強中だ。その中で,小野他編著『学校経営研究における臨床的アプローチの構築』(北大路書房,2004年)に出会った。
 編者のお一人,佐古先生は,大阪大学人間科学部の大先輩(佐古先生は1期生,私は11期生)で,会えばお話をしていただける間柄だ。佐古先生の「学校経営研究における実践性追及の意義と可能性」に,自分の学校現場との関わりにぴったりの概念が紹介されていた。それが,コンテンツ・エキスパートとプロセス・ファシリテータだ。前者は,専門的知識の提供者。後者は,「(たとえば組織において)戦略を策定するプロセスを支援し,それが成立するよう支援するもの」である。
 常々,学校現場との関係性構築には,上記の2つの役割を使い分けたり,組み合わせたりするセンスが求められると私は感じている。ある学校の教師たちが例えば授業研究やカリキュラム開発に悩みを抱いているならば,モデルやシステムを提示したり,他校の例を紹介したり,施策についての情報を提供したりすることが自分に期待される。同時に,各学校の個別的問題の解決を助けるファシリテーション,例えば事後研における議論の整理役,研究紀要等の構成・内容の批評役を果たす必要がある。
『学校経営研究における臨床的アプローチの構築』の中では,それらが「区別」されていた。しかし,授業研究やカリキュラム開発,そしてそれらを通じた「教師の成長」に関する研究においては,その「統合」が目指されているし,共同研究はもちろん,一人の研究者にも両者を「往復」する態度と,それを実現させる力量が要求される。

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2005.03.24

eCCプロジェクトの成果報告(日本教育工学会平成17年度第3回研究会)

 19日,鳴門教育大学で,日本教育工学会平成17年度第3回研究会が開催され,そこでeCCプロジェクトの成果の一端を報告した。今回は,2月のbeatセミナーに報告内容に加えて,事前-事後調査の結果の一部についても言及し,プロジェクトの成果に関する評価を試みた。プロジェクト参加者は,カリキュラム・コーディネータに必要とされる知識(一般的,学術的,実践的,メタ知識)を獲得していることが明らかになった。
 研究会の論文集に掲載された文章をアップロードするので,お読みいただき,コメントしていただければ幸甚である。「Kihara05.3.19.pdf」をダウンロード

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2005.03.22

学習指導要領の全面改訂は急がなければならないのか

 教育開発研究所から刊行されている『教職研修』の2005年4月号では,「『学力』問題にどう取り組むか」という特集が組まれている。鳴門教育大学の村川先生が,「『総合的な学習の時間』では学力が育たないのか」という文章を載せている。私も,『学習指導要領の全面改訂は急がなければならないのか』というタイトルの文章を寄稿した。
 先にも,拙稿の一部をこのblogで紹介したが,全文をアップロードしよう。ぜひ感想をお寄せいただきたい。
「shidouyouryou_no_kaitei.pdf」をダウンロード


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2005.03.20

鳴門セミナー春2005で

 20日,鳴門教育大学村川雅弘教授の研究室主催のセミナーが開催され,私も参加した。セミナーは,セッション1(総合学習を味わう)とセッション2(教師の力量形成とWS型研修)の2つで構成され,それぞれ,実践報告やパネルディスカッション的なパートが用意された。私は,それぞれのセッションにおいて,ミニ講話の担当を命じられた。
 セッション1では,総合的な学習の時間のねらいを学校全体,学校の全体計画で満たせばよいこと,教科学力の向上という視点で,総合的な学習の時間の単元構成やカリキュラムを策定する必要があることを主張した。また,セッション2では,研修=学校研究の推進には,確かに参加型,ワークショップ型の活動の導入が功を奏するが,そのテーマが学校の置かれた条件に即していること,あらゆる教員が参加意識を高められるような多様性が保障される必要性があることを強調した。
 それにしても,このセミナーの参加者は皆,総合的な学習に熱い想いを抱いている。圧倒された――。
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2005.03.19

事例研究の意義・可能性と評価の規準(日本教育工学会平成17年度第3回研究会<鳴門教育大学>で)

 19日,鳴門教育大学で,日本教育工学会平成17年度第3回研究会が催された。テーマは,学校改善・授業改善と教師教育だ。私自身は,eCCプロジェクトについて,報告した。
 ある教師の言動等を記述した事例研究による知見をまとめた発表に対して,「ある事例だけでそんなことがいえるのですか?」という質問が出た。発表者は,「ええ,確かにそうです。これからケースを増やします。」と回答していた。しかし,私は,必ずしも,そうは思わない。
 いたずらにケースを増やし,その共通項を導き出しても,教育工学研究に資するモデルを構築することはできない。また,対象が増えれば,各ケースに関するデータは,相対的には少なくならざるを得ない。それは,対象の深層構造への接近を難しくする。
 事例の記述的研究でも,それが実態や動向の把握を目的とする場合と,他者のアクションを喚起するモデルを提案しようとする場合では,その方法論が異なる。後者は,あるケースの全容に迫っているか,追跡の密度が濃いか,そもそもそうした追跡に耐えうる代表性が対象に確認されるか,同時にそれを可能にする関係性が対象と研究者の間に構築されているのかといったことを,研究の評価規準に据えるべきであろう。

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2005.03.18

授業研究論特講(和歌山大学教育学部での集中講義)

 平成17年度,和歌山大学教育学部教育実践教室の専門科目で,「授業研究論特講」を担当することになった。8月29日~9月1日の集中講義だ。これまで様々な大学で集中講義を担当してきたが,タイトルに「授業研究」がついたものを開講できるのは初めてだ。「ご専門は?」とたずねられたら,「授業研究と教師の成長です」と答えることにしている私としては,自己実現できる(?)講義だから,がんばりたいと思う(お誘いいただいた野中先生,ありがとうございます)。講義の目標,内容等は次のとおり。シラバスには字数制限があったので,こんなに詳しくは書けなかったが――。

達成目標
 ・我が国における「授業研究」について,その意義や多様性を理解する。
 ・「教育メディア研究」や「カリキュラム開発」,「教師の成長」等との連接,接合という「授業研究」の新しい動向について理解する。

授業概要
 授業研究は,理想的な授業の姿を明らかにするためにも,その創造者たる教師の力量を高めるためにも,極めて重要な営為である。それゆえ,我が国では,教育研究者が学校に足を運び,教師たちと共同で授業研究を推進してきた。同時に,教師たちも,学校で,自主サークルで,授業づくりに関する研鑽を積み,授業研究への取り組みを一種の教師文化にまで高めてきた。本講義ではまず,授業研究のそうした意義や多様性を,総論として,解説する。
次いで,授業研究の基本的知見の概説として,授業の設計・実施・評価に関わる教師の専門的技量について,実践事例を参照しながら詳述する。
さらに,教育メディア研究,カリキュラム開発,教師の成長に関する研究との連接,接合という,授業研究の新しい展開について,言及する。これらについても実践事例を提供し,その具体像を受講生に把握してもらう。また,ワークシートの活用や意見交換等を講義に導入し,受講生に,授業研究の新しい方向性や可能性について,主体的に検討してもらう。

授業計画
1.授業研究の意義
2.授業研究の類型―その目的,主体,分野,方法等―
3.授業の設計・実施・評価(1)―子どもの思考過程や反応の予想―
4.授業の設計・実施・評価(2)―授業における意思決定―
5.授業の設計・実施・評価(3)―評価から設計への戻り道―
6.授業研究と教育メディア研究(1)―学校放送番組の活用―
7.授業研究と教育メディア研究(2)―メディアミックスによる授業づくり―
8.授業研究と教育メディア研究(3)―メディア・リテラシーの育成―
9.授業研究とカリキュラム開発(1)―総合的な学習の時間―
10.授業研究とカリキュラム開発(2)―選択教履修幅の拡大―
11.授業研究とカリキュラム開発(3)―目標に準拠した評価と少人数指導の導入―
12.授業研究と教師の成長(1)―初任教師の抱える課題―
13.授業研究と教師の成長(2)―中堅教師のアクションリサーチ―
14.授業研究と教師の成長(3)―ベテラン教師のライフストーリー―
15.試験

授業方法・評価方法
 講義において,授業のビデオ記録や文字記録を提示し,実践事例を紹介する。また,学校放送番組などの教材例も提示する。それらを用いた事例検討を受講生とともに繰り広げる。 
出席状況と試験によって,成績を算出する。成績評価に占める両者の比率は,4:6を予定している。

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2005.03.16

小中連携の様々な可能性

 16日,大阪教育大学附属平野小中学校・有志の勉強会,S&C勉強会(第102回)が催された。今回のテーマは小中連携。次年度,両校は,10月と2月に合同で2回の研究会を開催する。それに向けての構想が報告された。
現在,各地で小中連携の取り組みが推進されている。小学校のカリキュラム開発(英語科,情報科,キャリア科,選択教科など),学校選択制度への対応,特色ある学校づくり,小学校から中学校への進学における不適応の防止などを目指してのことだ。
 さらに,子ども観・授業観の共有による指導の一貫性の確保,小学校における発展的な学習を構成する,「十分満足できる」という基準を越えた部分の評価に中学校の判断基準を導入するといった指導の工夫改善にも,小中連携は資するだろう。
 平野附小中がこのテーマの取り組みを研究の柱のひとつに据え,実践化し,研究発表会では,それを踏まえた小中連携の「新しい」可能性を示してもらいたい。

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2005.03.15

データの分析から考察,結論に至る過程の「飛躍」を回避するためには

 15日,夕方,院生の学会・研究会発表の予行演習を実施した。ある教師を1年間にわたって追跡し,その信念や同僚等のコミュニケーション等を記述・整理し,時系列的に,また比較文化的に考察し,そしてそれらをモデル化するというものだ。ていねいな記述には感心したし,また外国の研究事例をしっかりと参照し,考察に用いているのも好感がもてる。
 ただ,データの整理から考察,結論へと至るロジックに飛躍がある。これは,実証研究,とりわけ質的データを扱う研究が陥りがちな誤謬だ。要するに,自分が主張したいデータだけを都合よく取り出して考察に用いて,結論を出してしまうという問題だ。
 その問題は,結局は,研究デザインの未成熟さに還元される。あらかじめ研究をスタートさせる時に,データをどう整理するか,それをいかなる視点で考察するか,それを踏まえていかなる図表で結論を示すかが「見えていない」と,上記のような「飛躍」問題が生じる。
 私自身も,この点が甘かった。だから,院生の時に,先輩の田中博之さん(大阪教育大学助教授)に,研究デザインをよく点検してもらった。時には,仮想研究課題を設定し,それに基づいてリサーチプロポーザルを作成して,データの分析から考察,結論へと至る過程をシミュレートするなどして,トレーニングした。
結局,そういう訓練の積み重ねしか,「飛躍」を回避する術は身につかないのかもしれない。そうした意味で,わざわざ本番前に,追及されることを承知で発表練習に身を投じた院生の挑戦心は,きっといつか実りをもたらすに違いない(そう信じたい)。

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2005.03.14

『教師が磨き合う学校研究』の単行本化が決まる!

 平成16年度にぎょうせい「悠」に連載した「教師が磨き合う学校研究」の単行本化が本決まりとなった。この書物では,学校研究=新しい授業やカリキュラムの創造を目指した,学校を単位とする実践研究について,1)その今日的意義を明らかにするとともに(第1部:「学校研究」の可能性),2)その企画・運営・評価に関するアイデアや手順を整理する(第2部:「学校研究」の企画・運営・評価)。また,3)そのすぐれたモデルを紹介する第3部:「学校研究」のすぐれた事例)。
 第1部では,「学校研究」の意義,研修との違い,必要性などを,教師の成長,教師間の共同を主たる視点として叙述する。また,それらに,我が国の学校研究の歴史やそれを支えた制度(例えば研究開発学校)などの解説を加えて,「学校研究」の体系を整理する。
 第2部では,連載の内容に添って,「学校研究の1年」をモデル的に提示する。その際,例えば授業観察の方法,研究発表会のプログラム構成など,教育現場で営まれる学校研究の「ツボ」を具体的に解説する。
 そして,第3部では,いくつかの学校の実践研究例を,教師たちの悩みや喜び,学校研究による子どもの成長も交えながら,具体的かつ物語的に紹介する。第1部及び第2部の理論やモデル等を共通項としつつ,学力向上フロンティア校,総合的な学習のカリキュラム開発,情報教育など,今日的テーマに挑戦する学校の実践研究を紹介することで,学校研究の共通性と多様性を示唆する。
 刊行予定は,平成18年1月。これから数ヶ月は,この著書の原稿執筆に追われるだろうが,それだけの価値のある仕事だと考えている。

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2005.03.13

放送教育の「いろはにほへと」とは(学校デジタル羅針盤第20回(最終回)から)

 11日,NHK学校デジタル羅針盤第20回(最終回)が放送された。私,静岡大学の堀田さん,村上アナウンサーが(一応?)勢ぞろいする最初で,最後の回だ。
 この回は,総集編で,放送教育の「いろはにほへと」にあたるものを,実践例と木原-堀田のトークで示す。1日にこのblogで,「いろはにほへと」を予想してほしいとお願いしたが,ちゃんとやってもらえましたか?予想はあたりましたか?>>放送教育指導者養成講座(虎の穴)の卒業生・現役4期生の皆さん
 い=一斉視聴
 ろ=労せず,やる気に
 は=初めてでも安心
 ほ=ホームページの活用
 に=(使えば思わず)にっこり
 へ=へーっと思わせる工夫
 と=とにかく使ってみよう

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2005.03.12

放送教育の実践報告(第23回なにわ放送教育研究会にて)

 11日,18:30~21:00,NHK大阪で,第23回なにわ放送教育研究会が催された(会議室とビデオの装置を用意して下さった,NHK大阪の奥西さん,ありがとう)。
 今回は,5実践が報告された。4月2日に浜松で実施される,なにわ放送教育研究会VS 浜松b-waveの実践報告合戦(?)の予行演習を兼ねた。5名の実践者がそれぞれ,利用した番組,授業における番組の位置づけ,その成果と課題などを,10分間で報告してくれた。また,それについての疑問を出しあったり,特長を見出しあったりした。
短時間で実践の特長を表現する難しさ,指導案と実践記録との違い,後者に求められる要素などについて,全員で共通理解した。
 5人には今日の議論を踏まえて,さらに魅力的な報告になるよう,発表内容等を再構成してもらいたい。また,応援演説を担当する浅香さん,松浦さんには,実践の特長を豊かに語る言葉を探しておいてもらいたい。
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2005.03.10

「学校研究」の発展に向けて(「ぎょうせい」『悠』における連載の最終回)

 昨日の金沢大学における講演に関連させて,今日は,「ぎょうせい」『悠』における連載「教師が磨き合う学校研究」の最終回の内容を紹介しよう。そのタイトルは,「学校研究の発展に向けて」である。概要は次のとおりであるが,ぜひ本文をお読みいただきたい。
◆学校研究は,年度をまたいで発展させるべきものである。
◆学校研究の総括に向けて,研究ポートフォリオの作成やアンケートの実施などの作業に,教師たちに従事してもらいたい。
◆学校研究の1年の最終段階において,次年度の方針等を,いくつかの選択肢の中から採択することになる。
「Gyosei-HARUKA.05.3.pdf」をダウンロード

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2005.03.09

「『学校研究』のポイントはここだ!」(金沢大学教育学部中川先生の授業力ゼミ等での講演)

 9日夕方,金沢大学教育学部中川先生の授業力ゼミ&実践センター主催のセミナーで,「『学校研究』のポイントはここだ!」というタイトルで講演をした。その内容の中核は,学校研究を企画・運営する際の要件に関するもので,次の5つに及ぶ。
・学校の実践史,置かれた条件の尊重(そのためにも他校,他地域に学ぶ)
・研究テーマ・内容の(ある程度)のバランス,全体性,多様性
・全員参加,そのための参加型授業研究
・学力調査,児童・生徒による授業評価,保護者や地域住民等へのアンケートなどで成果を確認
・研究主任に求められる多様な知識と柔軟な手だて
 中川ゼミの学生さんや石川等の現場の教員といい意見交換ができた。
 配付資料は次の通りである。「Kihara05.3.9.pdf」をダウンロード
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2005.03.08

1泊2日の上海訪問(華東師範大学教育科学学院との共同研究)

 7日午後,中国・上海市の華東師範大学教育科学学院を訪れた。大阪市立大学・大学院文学研究科のCOE事業の一環として企画・運営されている,「都市における学校改革とカリキュラム開発」というテーマのプロジェクト研究の次年度研究計画策定のためだ。
 2005年度は,日中の都市や地方の学校における学校改革やカリキュラム開発について,質問紙調査を実施し,その結果を比較検討する。各学校の教務主任に回答してもらう質問の枠組みや実施日程などを調整してきた。
そして,8日早朝,教授会のために帰阪した。上海浦東空港到着から同出発まで,なんと,わずか22時間。これ以上 短い外国出張は,もう経験しないだろう。
なお,上記の調査の途中経過等を,このblogで報告するつもりである。

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2005.03.06

それぞれの特長を活かして,放送教育とのいい関係を(「虎の穴」4期生最終オフミ)

 6日,渋谷のNHKで,放送教育指導者養成講座(虎の穴)4期生最終オフミの第2日目が催された。この日も,コーディネータとして,私も参加した。第1日目は,第6課題の報告をおこなうセッションの続編,そして,次年度番組のパイロット版を活用した実践プランの作成という最終試験が実施された。4期生は,期待通り実力を発揮して,報告やワークショップの作業に勤しんでくれた。努力の甲斐あって,彼らは,無事卒業証書を手にすることができた。
 オフミの最後に,静岡大学の堀田さんとともに,4期生の研修活動を総括するコメントを求められた。まず,全体として,1)番組視聴の量・質の向上,2)最終課題に関するレポートの充実(知識,考え方,モデル,表現,研究の方法論),3)短時間でのプラン作成課題に応えられた,4)同期生の「和」が豊かといった研修活動の成果等を指摘した。次いで,4期生一人ひとりに対して,個別に,彼らが取り組むべき事項を提案した。例えば,大阪から参加しているTさんに対しては,1)所属校の置かれた条件から,人権教育と放送教育のよきバランス,統合を追究する姿勢は大いに奨励されよう,2)地域の放送教育コミュニティたる「なにわ放研」で研修で得たものをさらに磨き上げてほしいといったメッセージを投げかけた。
 4期生一人ひとりが,それぞれの特長を活かして,放送教育とのいい関係を続けてほしい,また発展させてほしい。
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2005.03.05

放送教育指導者養成講座(通称:虎の穴)4期生最終オフミ

 3月5,6日,渋谷のNHKで,放送教育指導者養成講座(虎の穴)4期生最終オフミが催された。コーディネータとして,私も参加した。第1日目は,第6課題の報告をおこなうセッションが用意された。この課題は,放送番組を活用した単元プランの作成,それを放送教育研究会のブロック大会でのプレゼンテーションとその準備のアクションプランの作成を求めるものだ。放送教育の指導者たる力量を総合的に発揮することが必要になる課題だ。みんな,いいレポートに仕上げ,それを工夫して報告してくれた。
 4期生それぞれの渾身のプラン等を題材にして,放送教育をめぐる様々なトピックを議論した。その中から,放送教育の基礎・基本,多様な可能性,他の教師への啓発方法等を本日の参加者は確認できた。1日目の最終オフミは大成功だ。
 彼らのレポートは,後日NHK学校放送オンラインの「ティーチャーズオンライン」上で公開されるので,ぜひご覧いただきたい。
 明日,第2日目は,次年度番組のパイロット版を活用した実践プランの作成という最終試験も実施される。4期生の実力の発揮に期待したい。
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2005.03.03

研究主任に求められる力量(岡山市教育センター主催の研修会に参加して)

 3日,岡山市教育センター主催の研修会に参加した。市内の幼稚園・小中学校の校園内研究の推進担当者が集まる会だ。つまり,学校や園を単位とする実践研究の企画・運営,それによる授業等の改善,カリキュラムの開発に関する研修会だ。
 私の講演「学校研究のフロンティア」,それから幼稚園,小学校,中学校からの事例報告が繰り広げられたが,最後にまたコメントを求められ,私は,研究主任に求められる力量について,次のような評価規準を提案してみた。研究推進委員会のメンバー,研究主任等の立場にある,あなたは,それぞれの規準を満たしているだろうか。自己点検してもらいたいと。
・同僚の取り組みを励まし,勇気づけている,彼らの挑戦を讃えられる。
・同僚にヒアリングを試み,彼らが抱えている問題の内実を確認しようとしている。また,それらに対して共感的態度を示している。
・上記の問題群を,その深刻さや解決の緊急性等を視点として,整理できる。
・実現可能性のある,具体的な研究計画を構想できる,またそれを柔軟に運用できる。
・研究計画に,学校の特徴,歴史を生かしている。
・同僚の立場や経験等の違いを尊重して,彼らに個別的に対応できる。

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2005.03.01

放送教育いろはにほへと(学校デジタル羅針盤第20回(最終回)撮影から)

 3月1日,渋谷のNHKで,学校デジタル羅針盤第20回(最終回)の撮影がおこなわれた。私も,静岡大学の堀田さん,村上アナウンサーとともに出演した。この回は,学校デジタル羅針盤の今年度の最終回で,タイトルは,「放送教育いろはにほへと」である。例えば,「い」は,放送教育の基本たる「一斉視聴」。番組をクラス全員で視聴することの意義を説いた。では,「ろから,「と」はどのような解説がなされただろうか。予想してみてほしい。また,実際に番組を試聴して,感想を,同番組の掲示板に書き込んでもらいたい。
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