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2005.04.30

学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)

 本年度から2年間,松下教育研究財団より助成を受けて,学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)を実施する。このプロジェクトは,教職経験10年程度の教師たちに,学校を単位とする実践研究,すなわち学校研究を企画・運営する力量を獲得してもらうための教員向けe-Learningプロジェクトだ。5月7日には,第1回目のオフラインミーティングも開催する。
 このプロジェクトで,若い教師たちが,同僚と共同で,アクションリサーチを計画・実施・評価する知識やスキルを吸収してくれるのが楽しみだ。

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2005.04.28

メディアミックスによる授業づくり(教育方法学Ⅱ第4回にて)

 28日,教育方法学Ⅱ第4回にて,「メディアミックスの授業実践」について,講義した。1980年代,放送教育において,学校放送番組を主メディアに据えながら,そこに多様な副次メディアを重ね,子どもたちの学習を発展させたり,ゆさぶったりする営みが登場し,市民権を得た。その代表的実践が,環境教育番組『みどりの地球』の「熱帯雨林」を用いた授業競演である。このプロジェクトは,当時の大阪大学人間科学部教育技術学講座と金沢市の小学校放送教育研究会のメンバーの共同研究であった。3名の教諭が,異なるねらい(学習目標)の下,同じ番組を主メディアに用いて2時間の授業をデザインすると,主メディアの利用場面,採用する副次メディアの量・質が大きく違ってくる。それは,番組の直接教授性への依存,生・丸ごと・継続利用偏重という,画一的な放送教育へのアンチテーゼであった。今日,これを題材とする講義を進めてみて,授業者の意図と番組を用いた授業デザインとの整合性,後者の多様性などを実践的モデルによって示した,この研究は,今なお,提案性に満ちているし,その思想は,今日,NHKデジタル教材の登場によって,いっそう精錬されていると感じた。

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2005.04.27

始業前に子どもを学習に集中させる術(坂出附小の研究授業から)

 26日,香川大学教育学部附属坂出小学校で3年生を対象とする,算数の研究授業を参観した。14:00からの開始されるのだが,私は,研究授業は開始前に行って教室掲示を眺めたり,子どもと話をしたりするので,13:50ごろ,教室に行った。同校の先生方も13:55には教室に勢揃いした。子どもたちも研究授業ということを分かっているので,着席している。「5分早めに授業を開始するかな」と思っていたが,授業者は,そうはしなかった。研究授業前の5分の緊張した時間を読者ならどう使うだろうか。
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 子どもに目をつむらせて参観者の数を当てさせたり,自分の手振りをシグナルとするゲームを導入したりして,研究授業の実施者は,5分間で,子どもの心を落ち着かせたり,体をほぐさせたりして,子どもを学習に集中させるウォーミングアップタイムとして,有効に活用していた。次から次へと出てくる技に感心した。ご自身が同校に着任して初めて迎える研究授業だったのに――。こういうのを見せられると,自分が小学校教師が有している実践的知識を十分には理解していないことを痛感させられる。

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2005.04.26

坂出附小の教育研究発表会でも参加型協議会を開催!

 26日,香川大学教育学部附属坂出小学校を訪問し,同校の校内授業研究に参加した。坂出附小は,5月26・27日に第89回教育研究発表会を開催する。1学期のこの時期の研究会は,いろいろなハンデを背負っての営みとなるが,毎年,2日間にわたって,それぞれの教師が2つ(以上)の授業を公開するという熱心さだ。私も,シンポジウムの登壇等で,両日参加する。
 今回の研究会では,私の提案により,2つの授業について,事後研をいわゆる参加型でおこなう。香川県では珍しいことだそうだ。本日は,その手続きを坂出附小の先生方に体験してもらう機会とした。私が司会を務めて,研究授業に関する参加者のコメントを整理したり,いくつかのトピックについて話し合いの機会を設けたりして,1時間の間に,密な議論を繰り広げた。私の司会力が不足していたため,必ずしも議論を収れんさせることはできなかったが,参加型協議会の可能性を同校の先生方に感じてもらうことはできたように思う。
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 同校の研究会の新しい挑戦を多くの先生方に見てもらいたい。

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2005.04.25

授業を見る目をグレードアップさせるために(『学校を創る 茅ヶ崎市浜之郷小学校の誕生と実践』を読んで)

 現在,『教師が磨き合う学校研究』執筆のため,様々な学校研究の実践事例を収集し,分析している。自らが関わっている学校の事例だけでは,執筆内容が狭くなることを危惧するからだ。
 その一環で,『学校を創る 茅ヶ崎市浜之郷小学校の誕生と実践』(佐藤学監修,大瀬敏昭他著,小学館)を読んだ。授業研究を核として学校づくりを進める学校として,あまりにも有名だ。だからけっこう早くに購入していたけれども,忙しさにかまけて,読んでいなかった。
 例えば,「(前略)――それに対して研究主任,カリキュラム開発担当には若手を配し,さらに研究関連の各担当には三十歳代の教員を当てている。頭の柔らかい若手が研究をリードし,学校を運営する管理部門にはベテランを配置するとともに,それぞれに権限を委ねるというシステムをとっている。」(p.40)という,学校研究を促す組織づくりなどに共感した。

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2005.04.24

放送教育指導者養成講座(通称「虎の穴」)を支えるメンター陣

 24日,渋谷のNHKで,放送教育指導者養成講座(虎の穴)5期生第1回オフミ2日目が催された。この教員研修プログラムは,放送教育に関する実践的力量を参加者に体得してもらうことを目指すe-Learningプログラムであるが,運用システムに,「メンター」を位置づけている。
 メンターは,虎の穴の卒業生だ。彼らは,研修課題の解釈やレポート作成に関する助言者であり,参加者間で繰り広げられる議論の調整役であり,そしてなにより,研修の苦しみを和らげ,喜びを共有してくれる仲間,兄貴(姉貴)だ。
 2日間にわたる,虎の穴5期生の第1回オフミでも,メンターが直接・間接的に,5期生の学びを支えてくれた。虎の穴の営みは,コーディネータたる堀田さん(静岡大学)と私だけでは成立しない。研修プログラムの豊かさは,メンター陣(今年は1期生から3人,3期生から1人,4期生から2人)のきめ細かなサポートとそれを継続させる努力によってもたらされるものだ。
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 もちろん,私たちコーディネータ同様,メンターとて,完璧ではない。今回も,レポートの報告や討論の司会に,「焦点化」等が足らない,より強い指導性が必要と我々から注文をつけたが,その後,それらも改善されていた。メンターの成長は,5期生の成長に再帰するに違いない。

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2005.04.23

放送教育実践の(研究)方法論(「虎の穴」5期生第1回オフミ)

 23日,渋谷のNHKで,放送教育指導者養成講座(虎の穴)5期生第1回オフミが催された。コーディネータとして,私も参加した。次のような第1課題に対するレポートの発表と相互評価の機会だ。
 第1課題
 「NHK学校放送3・4年生向け国語科番組『わかる国語読み書きのツボ』 (「です」「ます」でございます(常体と敬体)4月5・12日放映)を視聴し、 この番組の視聴を柱とする授業のプランを作成してみましょう。」
 5期生は皆,悩みながらも,番組を利用した実践プランの作成に挑戦し,それを提案した。多様なプランが出てきたが,私は,授業デザインの善し悪しだけでなく,プランが作成されるまでのプロセス,すなわち放送教育実践の(研究)方法論(例えば,番組が登場した背景の理解,番組に対する子どもの反応予想,他番組との比較による番組分析などの実行)にも留意してほしいとコメントした。
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2005.04.21

幼小中合同の授業研究の実現に向けて

 21日,大阪教育大学附属平野小中学校・有志の勉強会,S&C勉強会(第103回)が催された。今回のメインは,附属幼稚園~同小学校,同中学校が共同で取り組む「確かな学びを創り出す学校(園)」の研究枠組みの検討だ。だから,本日は,附属幼稚園の研究主任の先生も,S&C勉強会に参加してくださった。
 現在,カリキュラム開発を指向する授業研究(研究面),諸機関との連携(運営面),学校生活での一貫(生活面)の3側面から,協働・共同を推進する構想が固まりつつある。
 しかし,今日の議論で,学校園の教師たちが,思いやこだわりの異同を具体的に確認することの必要性が共通理解されたので,幼小中合同の授業研究を企画・運営してみたらということになった。6月16日(木)の6時間目と放課後に,附小の校内研究の一環として,この授業研究が実現しそうだ。どんな意見が交わされるか,今から楽しみだ。
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2005.04.20

『学力の総合的研究』を読んで

 『学力の総合的研究』(論文集編集委員会編,黎明書房)を読んだ。この本は,国立教育政策研究所の高浦勝義先生の還暦記念に刊行された論文集だ。論文集編集委員会の代表を務める加藤幸次先生をはじめ,そうそうたるメンバーが寄稿している。「学力研究の意義と課題」「学力をめぐる諸外国の研究・実践の動向」「学力の研究と調査」「学力の育成と学習指導」という4部構成だ。
 『学力の総合的研究』という直球勝負のタイトルが,実にすがすがしくていい。内容的には,高浦先生ご自身の「学力の測定から学力を育てる評価へ」や田中統治先生の「学力モデルとカリキュラム開発」,そして秋田喜代美先生の「子どもの学力が育つ授業像」などの文章が,自分の研究や学校現場との関わりを見直す上で,特に参考になった。
 いずれにしても,自分が還暦を迎えても,こんな形で祝ってもらえることはないだろうから,こういう研究コミュニティが少々うらやましいなと思ったし,同時に,自分は自分なりのスタイルで研究を蓄積し,世に問えばよいのだと再認識した。

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2005.04.19

大阪府南河内郡千早赤阪村立赤坂小学校のカリキュラム開発

 19日,大阪府南河内郡千早赤阪村立赤坂小学校の校内研修に参加した(今年度初めての研究授業参観だ!)。同校は,平成14年度~16年度に文部科学省指定研究開発学校の指定を受け,英語科,情報科のカリキュラム開発,それを通じたコミュニケーション能力の育成に取り組んだ。
 今年度より3年間,村内の他小学校,中学校とともに,再度研究開発学校の指定を受け,さらなるカリキュラム開発に着手する。私も,いわゆる運営指導委員として,協力する。本日は,4年生理科における情報教育と5年生の英語活動の授業を参観し,放課後,それらについて,私もコメントした。
 同校の教師たちは,少ない教職員数,決して豊かとは言えない学習環境にも負けず,英語や情報に関する6年間プラン,各学年の年間指導計画などを着実に推進している。大したものだ。本日の授業でも,楽しい英語活動,子どもたちの情報活用の支援などに,これまでの研究の蓄積を実感できた。
 もちろん,課題がないわけではない。各教科等における情報教育の構造的展開,英語活動に対する評価の視点と方法,それらに関する小中連携など,私なりに課題とそれを克服する実践的モデルを提案しておいた。本年度はあと2回訪問する予定である。同校の研究のさらなる発展が楽しみだ。
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2005.04.18

『学校デジタル羅針盤』第4回に「なにわ放研」のメンバーが登場

 4月14日,NHK大阪で,第26回なにわ放送教育研究会が催された。この日は,守口市立八雲小学校の櫻井さんの授業プランについて議論した。彼は,今年度,3年生を担任しているが,学級づくりに,「みてハッスル☆きいてハッスル」を活用しようとしている。彼の番組利用は,『学校デジタル羅針盤』2005年度第4回(5/27・6/3放送)で紹介される予定だ。撮影が4月下旬に実行される(けっこう厳しいスケジュールだ――)。
 特別支援教育は普通学級でも計画・実施されるべきものとはいえ,この番組の特徴を踏まえつつ,番組からの発展学習を構成するのは,そう簡単なことではない。多様な可能性を,この番組が帯びているからだ。それらについて,大阪局の制作スタッフも議論に加わり,幅広く意見を交換した。このブログの読者には,学校デジタル羅針盤の上記回を視聴していただき,特別支援教育の番組を普通学級の指導に役立てる方法論を考えてもらいたい。
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2005.04.17

学校の取り組みの継続,学校文化(NHK『新日本紀行ふたたび』4月16日放送分から)

 16日22時20分から,NHK総合で,『新日本紀行ふたたび』という番組を放送していた。昭和54年に放送された『新日本紀行』で紹介された広島県安芸高田市の小学校が,再び取材・撮影・放送されていた。
 その学校の6年生は,卒業にあたって,自画像を描く。それらはクラスごとに額に入れられて,学校に飾られる(現在はスペース不足のためすべてを飾れないそうだが)。大正6年から続いている,学校の特色ある取り組みだ。ここまで続くと,学校文化といってもよろしかろう。子どもたちは,毎日,数多くの先輩の残した自画像と暮らしている。自画像の作成という取り組みは,子どもたちに卒業の感動や愛校心を実感させる文化的装置として機能しているようだった。平成16年度の卒業生たちが自画像を描いている場面を見たが,彼らが自画像を描くことで卒業の喜び,旅立ちの爽快感を加味している様子がよく分かった。
 それにしても,学校の取り組みだけでなく,NHKアーカイブスを活用した,この種の番組の内容や構成にも感心させられる。過去の番組のモチーフやメッセージ,映像等を継承しつつ,新たな切り口を設け,それらを視聴者に投げかけてくる(例えば,今回の場合は,自画像制作の連続性に加えて,地域性の変化,前回番組に登場した人物のライフストーリー等)。教育活動も番組制作も「厚み=継続」と「振り返り=刷新」が大切であるという点は,共通しているのかもしれない――。

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2005.04.16

児童・生徒への評価の場面で考える「学校協働体制」をつくるポイント(『総合教育技術』第60巻第2号)

 小学館より刊行されている『総合教育技術』の2005年5月号,第60巻第2号では,「学力向上を目指す『校内協働体制づくり』」という特集が組まれている。拙稿「提案 児童・生徒への評価の場面で考える『学校協働体制』をつくるポイント」も掲載されている。
 学習評価,授業評価と教師の共同,同僚性をオーバーラップさせてみた。このブログの読者にもぜひ読んでいただきたいと思う。
「collaboration_for_evaluation.pdf」をダウンロード

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2005.04.15

教師をやる気にさせる論文

 先日,大阪市立大学・大学院文学研究科が編集・刊行している『人文研究』第56巻に,拙稿「カリキュラム・コーディネーターの方策と力量形成過程についての考察」が掲載された。この論文は,ある「総合専科」教師,すなわち「総合的な学習の時間」に同僚とパートナーシップを築いて,自校の総合的な学習のカリキュラムの開発,運営に尽力するミドルリーダーの力量とその形成過程に関するインタビュー調査等の結果をまとめたものだ。
 論文の抜き刷りをお世話になったM教師に贈呈した。どのような感想を抱かれるか,果たして当事者の実感に添った記述に仕上がったのか,けっこう不安だった。一昨日,M教師から手紙が届いた。「ここまで分析されるのですね,びっくりです。――中略――木原先生の論文を読んでやる気が出てきました。」と記されていた。ほっとしたし,私自身も勇気が湧いてきた。
 タイトルに象徴されるが,『人文研究』は学術雑誌であり,私は,それを意識して,かなり難しい表現と学術研究の報告スタイルを論文にて採用している。けれども,たとえ一人の教師であっても,論文が彼/彼女をやる気にさせたのであれば,研究を文章にしたため,オープンにした甲斐がある。新たな実践を導く研究を計画・実施できたのだと胸をはれる。調査でお世話になったM先生,本当にありがとうございました。

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2005.04.14

「総合的な学習の時間」の指導案のチェックポイント(『総合的学習を創る』No.179)

 明治図書より刊行されている『総合的学習を創る』の2005年5月号,No.179では,「総合らしい指導案」という特集が組まれている。私も,「総合の指導案-私のチェックポイントはここだ!」という小特集に,短い文章を寄稿した。
 「総合的な学習の時間」の指導案は,「ねらい」を踏まえていること,学校の全体計画に位置づいていること,自らの過去の授業や同僚の授業と連接していることが,その要件となることを主張した。全文を掲げておこう。

<それまでの「総合」,これからの「総合」との接点>
 大阪市立大学・木原俊行
 「総合的な学習の時間」(以下,「総合」)の指導計画や指導案(以下,指導案等)を点検するポイントは多岐にわたる。筆者は,「総合」の指導案等を手にした際に,目標が学習指導要領に記された「ねらい」を踏まえているか,教師の指導と子どもの自律的活動のバランスが保たれているか等を注視するようにしている。 
 ただし,筆者は,それらの点検を,当該授業の「学校としての全体計画」における位置を確認しながら,進めるように留意している。「総合」の目標や内容等は,学校を単位として定められるべきものだ。一時間や一単元の学習で,「総合」のねらいのすべてを満たす必要もないし,そこであらゆる類の学習活動に子どもが従事できるわけでもない。一時間の「総合」の授業は点であり,それは,学校カリキュラムという立体のごく一部に過ぎない。
 「総合」の指導案等では,それまでの「総合」,これからの「総合」との接点が表明されるべきだ。例えば,育成を図る能力・資質について,あるいは子どもたちが取り組む課題について,さらには,学習活動や評価等について,授業・単元・学年間の連続性,発展性を記述してもらいたい。特に,同僚による「総合」の授業と私のそれとの関係,その妥当性がたっぷりと語られている指導案等は,「総合」の真の豊かさを体現していると思う。

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2005.04.13

7月9日(土)に大阪で日本教育メディア学会の研究会を

 私は,日本教育メディア学会の会員である。理事と研究会委員を務めている。この学会では年次大会の他に,年3回程度,研究会を開催している。
 本年度,私に研究会開催の命が下された。交通の便のよい会場を確保する必要があるので,とりあえず,日程等を次のように定めた。
 日本教育メディア学会平成17年度第1回研究会
  日時:7月9日(土)13:00~17:00ごろ
  場所:大阪市立大学・文化交流センター
   〒530-0001 大阪市北区梅田1-2-2-600
   大阪駅前第2ビル6階
   JR大阪駅,地下鉄梅田駅から徒歩5,6分(交通至便!)
   テーマ:放送教育の伝統と刷新(仮)
 放送教育に関心のある研究者,実践家には,ぜひ,大阪の地に集っていただきたい。

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2005.04.12

大学の桜

 ちょっと,ひと休み。大学・文学部棟近くの枝垂れ桜の映像を。
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『<学級>の歴史学』を読んで

 『<学級>の歴史学』(柳 治男著,講談社・選書・メチエ)を読んだ。著者は,今日の「学級」というシステムがどのように誕生し,普及してきたのかについて,我が国や英国の史料を参照しながら,ていねいに解説している。「われわれが今日なじんでいる『学級』はこのようにして,教授活動に必要な諸要素を徹底的に事前制御したモニトリアル・システムのテクノロジーと,ギャラリー方式による一斉教授のテクノロジーとが合体させられて成立したのである。」(p.90)といった整理は,鮮やかだ。
 ただ,「パックツアーにせよ『学級』にせよ,制御工学的にいえば,フィードフォワード・コントロール(事前制御)の世界である。(p.16)といった指摘は,マクロ教育学としては正鵠を射ているのかもしれないが,授業研究や教師研究の立場からすれば,学級,教室ほど,不確定要素に満ち,事前制御のできない世界はないと言いたい。いや,熟練教師は,授業中,子どもの反応を生かそうとして,事前制御(指導計画)を離れようとする逆説的な営みにあえて挑戦している。そうした学級,教室の「事実」にも目を向けてもらいたいと改めて思った。

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2005.04.11

平成17年度「教育学演習IV」では学力向上を

 17年度,学部の講義のひとつで,「教育学演習IV」も担当する。今年は,『学ぶ意欲とスキルを育てる』(市川伸一著,小学館)と『親と教師で考えるこれからの学校2 少人数指導習熟度別指導』(加藤幸次著,ヴィヴル)をテキストに指定し,学力とその向上について,受講生にしっかりと考えてもらうことにした。講義概要は次のとおりである。

 今日,学力とその形成に関する議論が盛んになっている。いくつかの国際的な学力調査の結果分析から,我が国の子どもたちの学ぶ意欲や考える力が低下していることが指摘されている。また,それを改善しようとする施策や実践が企画・運営されている。
 本演習では,受講生が,学力とその向上に向けた施策や実践についての新しい提案等を読解し,それらを批判的に検討することを通じて,それらに関する多様な主張・実践を俯瞰する整理枠組みを獲得することを目指す。また,学力低下問題に関する報道等を注視しようとする態度を養う。
 なお,演習中には,担当者が参画している総合的な「学力調査」プロジェクトの枠組みや結果,その活用事例について紹介し,学力調査の実施とその実践的有効性について受講生に具体的に考察してもらう機会も設ける。

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2005.04.10

「競争させれば学力は上がるのか?」(『世界』5月号を読んで)

 『世界』(岩波書店)5月号に,「競争させれば学力は上がるのか?」という特集が組まれていた。私も購入し,「劣化する学校教育をどう改革するか」(佐藤学),「誤読/誤用されるPISA報告」(岩川直樹)などを読んだ。
 例えば,佐藤氏は,ドリル型の学習,習熟度別指導等を批判的に検討しながら,「上すべりの『学力低下』論はもうやめよう――(中略)――学校と教室の事実にリアルなまなざしを向けて,子どもたちと教師たちの沈黙の悲鳴に耳をすまし,子どもたちの学びを支え励まし,教師たちの尊厳と創意を支える具体的な方策を模索する必要がある」と訴える。このような主張に(すべてではないけれども)共感すると同時に,私には,氏の指摘の中で,「最も興味深かったことは,PISAにおいてトップを獲得したフィンランドとTIMSSにおいてトップを獲得したシンガポールとの対比である」(p.113),「教職専門職大学院」は,現在のところ教師を「専門職(professional)としてではなく「実務家(business specialist)として教育する大学院として構想されており――(後略)」(p.119)といった「教育改革の見方」が参考になった。

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2005.04.08

仮説実験授業の特徴(『授業の復権』を読んで)

 購入したもののなかなか読む機会を捻出できなかった『授業の復権』(森口朗著,新潮新書)を読んだ。新旧の授業論が紹介されている,ユニークな本だ。この本の中で,「仮説実験授業」が取り上げられていた。著者は,「仮説実験授業には楽しい授業と基礎学力の充実をどう両立させようかという苦悩があった」と,その性格を巧みにまとめている。
 かつて私が大阪大学・大学院人間科学研究科で博士課程の院生だった頃,森田英嗣さん(現,大阪教育大学助教授)らと,JMT研究会なるものを定期的に開催していた。Japanese Models of Teachingの略である。この研究会では,毎回,我が国の学習指導法を取り上げ,その系譜や特徴などを集中的に議論していた。「仮説実験授業」も分析の対象とした学習指導法のひとつだった。
 この学習指導法について,「実験結果の予想を選択肢で意思表示するので誰もが授業に参加できる,(討論を経て)予想を変更してもよいといった過程は,『民主的な授業』への志向性を反映したものであろう」「授業書方式は,ティーチャープルーフを体現するものであり,誰でも実施可能という良さを持つと同時に,教師の授業力量を低下させる危険性もはらんでいる」といった意見を交わしたことをなつかしく思い出した。

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2005.04.07

平成17年度「教育方法学II」で放送教育の体系を

 17年度,学部の講義のひとつで,「教育方法学II」(第1部,第2部)を担当する。今年は,放送教育の体系を講義することにした。内容等は,次のとおり。我が国の大学で放送教育にこんなに時間を費やして講義するのは,もしかしたら,私だけかも――。
講義の内容
 本講義では,放送教育の理論と実践について検討する。我が国の学校における教育放送番組の利用には,長い歴史がある。講義の前半では,NHKによるテレビ学校放送番組制作の変遷,全国放送教育研究会連盟による実践研究の展開などを解説し,我が国の放送教育の特徴や独自性について確認する。その際,過去・現在の放送教育実践を撮影した記録映像を提示する。
 次いで,今日の教育放送番組の利用に関する潮流,すなわち,番組とそれに連動したWebページ(クリップ,ゲーム,リンク集,掲示板など)の複合的な利用,地上波デジタル放送による教育番組の配信などについて,新しい情報を受講生に提供する。同時に,実際の番組を視聴したり,デジタル教材にアクセスしたり,それらを評価したりする活動を講義に組み入れ,今日の教育放送番組利用の可能性と課題を受講生に具体的に検討してもらう。
 講義の後半には,現在放送されている番組及びそれらに連動したデジタル教材を活用する授業プランを考案する活動を導入する。受講生には,そうした活動への積極的な関与を通じて,教育放送番組等を授業にどう位置づけるかに関する,より実践的な知見を獲得してもらいたい。
講義スケジュール
4月 7日(第1回)オリエンテーション
4月14日(第2回)テレビ放送教育の原点~山の分校の記録~
4月21日(第3回)放送・視聴覚教育の50年~放送・視聴覚教育大会大阪大会シンポジウム~
4月28日(第4回)メディアミックスの授業実践~「熱帯雨林」活用の3実践~
5月12日(第5回)放送教育のデジタル化1~「福室環境学会」の実践~
5月19日(第6回)放送教育のデジタル化2~「デジタルでおこめを学んだ」~
5月26日 休講
6月 2日(第7回)放送番組と連動したデジタル教材
6月 9日(第8回)世界の放送教育の実践動向~シンガポール・タイ・日本の放送教育実践~
6月16日(第9回)放送教育の普及に向けた教師教育用番組~学校デジタル羅針盤~
6月23日(第10回)放送番組を活用した授業プランの作成1~番組視聴・分析~
6月30日(第11回)放送番組を活用した授業プランの作成2~プランの作成~
7月 7日(第12回)放送番組を活用した授業プランの作成3~プランの発表~
7月14日 振替授業日
7月21日(第13回)テスト

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2005.04.06

日記&ブログ術(日経ビジネスAssocie04・05から)

 先日,日経ビジネスAssocie 04・05を手にした。「日記&ブログ術」が特集されていたからだ。「目標を叶える『日記&ブログ』のパワー」という特集タイトルはやや大げさだが,日記やブログを自らの仕事やプライベートに生かし,それらを生きがいとしている方が何人も紹介されていた。
 共通点は,2つあると思う。それはまず継続性。そして,(記述内容の)リフレクション。書くだけでも,例えば事実の整理,記憶の強化などの効果があるが,それを続け,残された記録を分析したり,要約したりすると,知識の体系化や目標達成のツールとして,日記やブログがまず仕事に使えるという。そしてなにより,「自身」の変化,長短所が見えてくる。気持ちが明るく前向きにもなるそうだ。
 自分のブログは,継続性はまずまずだが,リフレクションが決定的に欠けている。もちろん,このブログは,研究ポートフォリオと定義しているから,日記とは違う。しかし,その範疇においても,ブログの記事に対して時にリフレクションを繰り広げれば,自らの研究の特徴や志向性を再確認できるだろうし,研究に対して(さらに?)「前向きになる」かもしれない。この特集号を読んで,そう感じた。

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2005.04.05

平成17年度「学校教育学研究II」でリサーチプロポーザル作成活動を

 私は,17年度も,大学院文学研究科・人間行動学専攻・教育学専修で,学校教育学研究IIと学校教育学研究演習2を担当する。
 前期は,カリキュラム論の枠組みを整理する。そのためのテキストとして,『新版 カリキュラム研究入門』(安彦忠彦編著 勁草書房)を選んだ。そして,講義の後半で,カリキュラム研究のリサーチプロポーザルを受講生に作成してもらう活動を導入しようと思う。プロポーザルの作成を通じて,彼らに,テキストで紹介されているカリキュラムの歴史的研究,同社会学的研究,カリキュラムの開発と評価,カリキュラムの分化と統合,カリキュラム研究と教師研究の関連などの内容を「会得」してもらいたい,つまり本当の意味で自分のものにしてもらいたいからだ。また,研究計画作成のセンスを磨いてもらいたい,特に目的と方法と結果・考察を一貫させる「厳しい目」を養ってもらいたいからだ。
 私が大学院生だった時も,講義や演習にはそんな活動は用意されていなかったが,先輩等との勉強会で,「授業研究」等に関する研究計画(実際に研究活動に着手するわけではないが)発表し合い,その妥当性について議論したものだ。その経験は,今も,自他の研究計画を点検する目となって,生きているように思う。

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2005.04.04

放送教育の実践研究の要件

 4月2日に,浜松で,なにわ放送教育研究会VS 浜松b-waveの実践報告合戦が催された。最後に総括コメントを求められ,私は,「放送教育の実践研究の要件」として,次のようなものを列挙した。
放送教育の実践研究の要件
-あなたが全国大会で発表することになったら--
1)放送番組の密な利用(まず番組ありき,番組分析の大切さ)
2)自らの経験,学級や学校の置かれた条件に基づくカスタマイズ
3)子どもの反応等をおさえる,それを整理して報告する
 
 やはり,放送教育の実践研究の基本は,1)に尽きる。放送教材は,教科書,学習指導要領の枠にはまらない情報,文化を教室にもたらす。それを受けとめ,消化するためには,教師にも子どもにも時間と経験が必要だからだ。また,番組には直接教授性という特徴もあるので,見れば見るほど,学習成立の機会が豊富になるからだ。
 放送教育の実践家はまず,できるだけたくさん,放送番組を自ら視聴しよう。そして,子どもにもそのチャンスを提供しよう。

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2005.04.02

なにわ放送教育研究会VS 浜松b-waveの放送教育実践報告合戦

 4月2日,浜松で,なにわ放送教育研究会VS 浜松b-waveの実践報告合戦が催された。両チームが5件の放送教育の実践報告を用意し,柔道の試合のように,5戦が繰り広げられた。全放連の先生方やNHKエデュケーショナルのプロデューサーに審判団として参加してもらい,実践報告を評価してもらったが,なにわ放研3勝(うち1つは不戦勝),浜松b-wave2勝という結果になった。勝敗は別にして,若い教師たちの真剣な報告,議論を見ているのは,気持ちがいい。みんなよくがんばった。お疲れ様。特に,なにわ放研のメンバー,またどこかに対流試合に行こう!
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2005.04.01

卒論指導始まる!

 今日から新年度。さっそく卒論指導を実施した。3月下旬に続いて,2度目だ(1部)。今年の担当は(今のところ)4人。コミュニケーション能力の育成,中学校英語教育の工夫改善(主として授業時間の弾力的運用),公文式学習の効果と問題点,そして教師のバーンアウトを防ぐ同僚のサポートだ。4人とも研究テーマが異なるし,昨年度の指導学生のものとも大きく異なる――。
 それぞれに次回までの宿題を与えたが,この時期は共通する課題も多い。例えば,定義。「コミュニケーション能力」とは何を意味するものか。識者によっても学校によっても,意味するものが異なる。あるいは,問題設定における根拠。「○○を××することが大事」と述べているが,そのような知見が既に出されているのか。あるいは論理的に自明であると指摘できるのか。
 1月13日の提出日まで,彼らとの共同や闘いが続く――。

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