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2005.04.12

『<学級>の歴史学』を読んで

 『<学級>の歴史学』(柳 治男著,講談社・選書・メチエ)を読んだ。著者は,今日の「学級」というシステムがどのように誕生し,普及してきたのかについて,我が国や英国の史料を参照しながら,ていねいに解説している。「われわれが今日なじんでいる『学級』はこのようにして,教授活動に必要な諸要素を徹底的に事前制御したモニトリアル・システムのテクノロジーと,ギャラリー方式による一斉教授のテクノロジーとが合体させられて成立したのである。」(p.90)といった整理は,鮮やかだ。
 ただ,「パックツアーにせよ『学級』にせよ,制御工学的にいえば,フィードフォワード・コントロール(事前制御)の世界である。(p.16)といった指摘は,マクロ教育学としては正鵠を射ているのかもしれないが,授業研究や教師研究の立場からすれば,学級,教室ほど,不確定要素に満ち,事前制御のできない世界はないと言いたい。いや,熟練教師は,授業中,子どもの反応を生かそうとして,事前制御(指導計画)を離れようとする逆説的な営みにあえて挑戦している。そうした学級,教室の「事実」にも目を向けてもらいたいと改めて思った。

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