メディアミックスによる授業づくり(教育方法学Ⅱ第4回にて)
28日,教育方法学Ⅱ第4回にて,「メディアミックスの授業実践」について,講義した。1980年代,放送教育において,学校放送番組を主メディアに据えながら,そこに多様な副次メディアを重ね,子どもたちの学習を発展させたり,ゆさぶったりする営みが登場し,市民権を得た。その代表的実践が,環境教育番組『みどりの地球』の「熱帯雨林」を用いた授業競演である。このプロジェクトは,当時の大阪大学人間科学部教育技術学講座と金沢市の小学校放送教育研究会のメンバーの共同研究であった。3名の教諭が,異なるねらい(学習目標)の下,同じ番組を主メディアに用いて2時間の授業をデザインすると,主メディアの利用場面,採用する副次メディアの量・質が大きく違ってくる。それは,番組の直接教授性への依存,生・丸ごと・継続利用偏重という,画一的な放送教育へのアンチテーゼであった。今日,これを題材とする講義を進めてみて,授業者の意図と番組を用いた授業デザインとの整合性,後者の多様性などを実践的モデルによって示した,この研究は,今なお,提案性に満ちているし,その思想は,今日,NHKデジタル教材の登場によって,いっそう精錬されていると感じた。
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