『学校評価』(金子郁容編著,ちくま新書)を読んで
現在,学力向上に関するベネッセとの共同研究プロジェクト推進のため,「ぎょうせい」より刊行予定の単著『教師が磨き合う学校研究』の原稿執筆のため,授業改善とそれを通じた学校改革について資料を収集している。
その一環で,『学校評価』(金子郁容編著,ちくま新書)を読んだ。編者は,教育研究ではなく,ネットワーク社会に関する,著名な研究者だ。しかし,最近では,コミュニティスクール論を展開し,そのアイデアは施策にも反映されている。
専門性によるのだろうが,学校評価に関する語りも独特だ。例えば,次のように。
「地域に開かれた学校を運営してゆくには,効果的・効率的に情報を収集し,編集し,共有し,分析し,決定するための,それなりの情報共有と情報編集の『ツール(=手段,手法)』が必要である。」(p.12)
私たちが学力調査の意義について常々説いてきたことと同様の主張もあった。心強く思った。
「学校評価の結果は単に『いい』『悪い』を決めるものではなく,それを基にして,校長・教員・児童・生徒・保護者・その他の地域の人など異なった立場のさまざまな人の間で,より豊かなコミュニケーションをするための基本的な材料になっているということだ。」(p.50)
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