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2005.06.30

「評価規準」明示の効果(大阪教育大学附属平野小学校2年生の国語の授業から)

 30日,大阪教育大学附属平野小学校において,2年生国語の授業を見学する機会を得た。この授業では,2年生の子どもたちが,次の2年生に向けて,野菜作りのコツを伝授するための文章を作成すること,特に本時はそれを見直すことが目指された。DSC09375

 そのために,指導者は,教科書教材やある子どもの文章を題材にして,例えば,理由が描かれている,「いつ」が示されている,「ようす」が分かる(心,目,手などを使って)といった,5つの「文章評価の観点・規準」をていねいに確認した。しかも,子どもに分かりやすい言葉を用いて。それらを活かして,子どもたちは,自らや友だちの文章を厳しく吟味していた。
 目標に準拠した評価が成立する鍵は,評価規準の(教師と子どもの間の)共有にある。それが成立すれば,2年生の子どもたちが文章にきちんと向き合うことができる,それが活性化されることを,この授業は実践的に示してくれた。

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2005.06.29

小中連携充実の証(和歌山県西牟婁郡周参見町立周参見小中学校)

 29日,和歌山県西牟婁郡周参見町立周参見小中学校の合同研修会に参加した。両校は,小中一貫教育に関するカリキュラム開発で,文部科学省の研究開発学校の指定を受けている。小学校では5年生,中学校では2年生が新教科たる「ソーシャルスキル」の授業が公開された。DSC09324

 小学校5年生では,自分たちが集めているニュースを保護者参観日にスピーチする際の留意点をNHKのニュースキャスターの話し方をモデルにして会得する学習だった。中学校2年生では,福祉体験学習でおせわになった方々に対して礼状を出す際に,自分たちの気持ちを表す言葉や表現を吟味していた。これにも,各種の礼状例,また他の学校の生徒が書いた実例などが,そのモデルとして提供されていた。
 2つの授業の担当者は,ほとんど打ち合わせをしなかったらしい(それは少々問題だが――)。にもかかわらず,ソーシャルスキルを磨く際に「文脈のある学習」を導入していること,児童・生徒に活動モデルを示唆していることなど,共通点を確認できた。同時に,小学校の授業には国語科との関連を,中学校のものには総合的な学習とのつながりを見いだすことができた。いい意味で違いも出ていた。
 小中の授業に,適切な異同があるのは,小中連携が充実している証であろう。両校は,11月11日(金)に公開研究会を開催する。多くの方に見てもらいたい実践だ。私も講師として参加する。

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2005.06.28

放連・学力向上プロジェクトの研究授業(第1弾)その3

 28日13:30から,川崎市立稲田小学校5年生担任の佐藤拓先生が,NHK学校放送5年生向け算数番組『わかる算数5年生』を活用した研究授業を実施した。この授業は,「放送学習による学力向上プロジェクト」の一環として展開されたものだ。
 DSC09260
この授業では,NHK学校放送『わかる算数5年生』第4回「四角形がわかる」の子どもたちに視聴させ,それを四角形の分類の動機付けや活動モデルに位置づけることを授業者たる佐藤先生は試みた。34度を越える気温,3・4時間目のプール指導というハンデを乗り越えて,子どもたちは番組を手がかりとして,数学的な思考・判断を繰り広げた。判断基準の提示や作業手順の明示などの課題もあったが,あえて「丸ごと視聴」を取り入れ,子どもたちと番組との対話場面を保障した授業デザインは,放送教育の若きリーダーにふさわしいチャレンジだ。番組活用が「確かな学力」と接点を持つことを実践的に証明してくれた。また,補充学習にデジタル教材を導入するのも,よい試みだと思う。
 この実践は,10月29日(土)午前に催される,放送教育研究会全国大会の実践交流会でレポートされる。放送教育に取り組む教師たちには,ぜひ,この授業の可能性と問題点を検討する場に参集してもらいたい。

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2005.06.27

『子どもメディアフォーラム』実行委員会

 27日午前,梅田の大阪市立生涯学習センターで,第1回『子どもメディアフォーラム』実行委員会が開催され,参加した。なんと,委員長を拝命している。この委員会は,「地域子ども教室推進事業実施委託要綱」に基づき,大阪市視聴覚ライブラリーにおいて地域の教育力を結集した子どもの居場所づくりの総合的な事業展開を図るために設置されたものだ。
 具体的には,放課後や土日に,小学校高学年~中学校の児童・生徒が,学校や区民センターなどで,ビデオ作品やインターネットのコンテンツを作成する中で,心情を育み,情操を豊かにし,お互いを認め合うコミュニケーションの大切さなどを学ぶことになる。
 実際に活動に従事する学校には,知り合いの先生方も多い。時間や環境の制約もあると聞いたが,充実した活動になるように祈念している。

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2005.06.26

いよいよ,「リサーチプロポーザルの作成」へ

 大学で担当している「学校教育学研究II」では,これまで,テキスト『新版 カリキュラム研究入門』(安彦忠彦編著 勁草書房)を読破してきた。これから4回で,カリキュラム研究のリサーチプロポーザルを受講生に作成してもらう活動を繰り広げる。
彼らに,講義で獲得した「これまでのカリキュラム研究の知見」を踏まえ,カリキュラム研究の発展に資する研究を構想してもらい,それをプロポーザルに仕上げてもらうのだ。
 カリキュラム研究に期待される,包括性・総合性,多元性などを満たすプロポーザルを下記の項目に即して作成することが期待される。
プロポーザルの項目及び留意点(評価の規準)を紹介しておこう。
(1)タイトル(和文・英文)・研究の内容と方法が記載されている。
 ・研究の独自性が反映されている。
 ・読み手を惹きつけるべく,表現が工夫されている。
(2)問題の所在と研究の目的
 ・当該研究の必然性が,先行研究等の引用,その批判的検討により,主張されている(特に,『新版 カリキュラム研究入門』の内容は必ず参照すること)。
 ・問題の所在から,演繹的に研究目的が導き出されている。
(3)研究の方法(実証的研究の場合)
 ・対象,データ収集方法などが研究目的と整合している。
 ・実現可能性が高い。
 ・研究上の倫理に反していない。
(4)分析の観点と結果の整理枠組み
 ・分析の観点や結果の整理枠組み(時系列,比較,各種統計処理など)が研究目的と整合的である。
 ・分析から考察,結論に至るロジックが保障されている。
 ・ある程度,結論が予想されている。
(5)その他
 ・学会等,報告の舞台が想定されている。

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2005.06.25

久しぶりに教育方法学会で発表(予定)

 本日,9月29・30日に,鹿児島大学を会場にして催される,日本教育方法学会の一般研究発表の申込に関する作業に従事した。この学会には,5年ぶりに参加し,発表することになる。今回発表を予定している研究はこの学会での発表がふさわしいと判断したからだ。ちなみに,理事を務める日本教育メディア学会がなんと同じ日に東京学芸大学で年次大会を開催する。そちらにも行くべきなのだが,方法学会を優先せざるを得ないだろう。
 報告は,本学の研究紀要たる,「人文研究」に投稿し,査読を受けて採録された,「カリキュラム・コーディネータの力量形成過程」に関するものを構想している。あるベテラン教師のライフストーリーを聞き取り,彼が繰り広げるコーディネーション方策との関係性をモデルに描いた研究である。どのような反応があるだろうか――。
 ところで,実は,教育方法学会は,今から19年前に私が初めて口頭発表した,想い出の舞台である。あれは,立教大学を会場とする大会だった。今からすると信じられないくらい緊張していた。司会の方が「元気のいい発表ですね」とコメントするぐらい,大きな声を出していた。抑揚をつけたり,聴衆に語りかけたりする余裕がまったくなかった。
 発表は,あまりよい出来ではなく,池袋を,トボトボと肩を落として歩いたことをよく覚えている。ああならないように,きちんと準備して,鹿児島に向かおう(もちろん,その時も,それなりに準備はしたつもりだったのだが――)。

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2005.06.24

参加型授業研究会(関西教育メディア研究協議会・第6回特別研修会にて)

 6月24日(金),関西大学・総合情報学部の黒上教授が会長を務める,関西教育メディア研究協議会の第6回特別研修会が京都市立嵐山小学校及び嵯峨芸術大学を会場にして,催された。
 今回の研修会のテーマは,「子どもとメディアの新しい接点を求めて」というもので,メディア活用による思考力の育成等が話題となった。私の役割は,午前中に公開される授業(情報モラルの学習,保健指導,総合学習)を題材としたワークショップのコーディネータだ。(写真のように)それらに関する授業研究を参加型で展開した。校内での授業研究会とは異なり,初めて顔をあわせるメンバーで参加型授業研究会を企画・運営するのは難しい。時間も限られている。DSC09245

 課題を焦点化したワークシートを準備したり,リーダーを定めたり,振り返りタイムを設けたりして,参加型授業研究会が盛り上がるように,デザインしてみた。各参加者に得るものがあっただろうか。そうであったと信じたい。

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2005.06.23

メディアミックスによる授業プランの作成(教育方法学Ⅱの課題)

 23日,大阪市立大学で講義を担当している教育方法学Ⅱの第10にて,「メディアミックスによる授業プランの作成」に関するガイダンスを実施した。受講生にグループを組んでもらい,授業プランのひな形を渡して,NHK学校放送・小学校5年生向け社会科番組『日本とことん見聞録』「外国からの食べ物」を主メディアとする,授業プランを作成・発表してもらう。これから3回を費やすことになる。講義で解説してきた「放送番組の教育的特性」「メディアミックスの理論と実践」「放送教育のデジタル化」などを,受講生に,総合的に検討してもらうための課題だ。
 上述した番組は,アーティーチョークなど西洋野菜の輸入の現状,それにたずさわる人々の存在と彼らの想い,西洋野菜を日本で育てる挑戦など,子どもたちにはあまりなじみがないが今日的な話題を提供してくれる番組だ。
 受講生に指示した,プラン作成の手順は次のとおり。
1.主メディアに,『日本とことん見聞録』第6回「外国からの食べ物」を位置づけ,3時間のうち,どこかで,それを活用する。
2.学習指導要領の目標・内容,番組の内容を踏まえて,「単元目標」を作成する。また,「指導計画」中の「学習内容」を設定する。
3.「学習内容」と呼応させて,主メディアの利用場面を決定する。その後,いくつかの副次メディアの利用や体験等を構想する。
4.副次メディアの1つに,同番組のデジタル教材(http://www.nhk.or.jp/syakai5/ja/frame.html)を採用する。
5.「指導にあたって」に,「指導計画」の特徴をまとめる。
6.「指導計画」中の「指導の留意点」を記載する。
 どんなプランが出てくるか,楽しみである。

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2005.06.22

7月9日(土)に大阪で日本教育メディア学会の研究会を(第2報)

 私は,日本教育メディア学会の会員である。理事と研究会委員を務めている。この学会では年次大会の他に,年3回程度,研究会を開催している。
 本年度,私に研究会開催の命が下された。次のようにプログラムを定めた。
日本教育メディア学会平成17年度第1回研究会
日時:7月9日(土)13:00~17:00ごろ
場所:大阪市立大学・文化交流センター
〒530-0001 大阪市北区梅田1-2-2-600
大阪駅前第2ビル6階
JR大阪駅,地下鉄梅田駅から徒歩5,6分(交通至便!)
http://www.ado.osaka-cu.ac.jp/BUNKO/index.html
テーマ:放送教育の伝統と刷新
 報告:
・教養教育としての映像教育に関する実践的研究
・放送とインターネットの学習利用をどのように役割分担させるか
・保育におけるはじめての放送教育への取り組み手法とその実践例
・放送番組への多知能説アプローチ
・学校放送番組と関連Webを活用した小学校社会科の習熟度別学習~社会的な思考・判断の深化・補充学習の展開~
 放送教育に関する様々な知見を交流する,よき舞台だ。関心のある研究者,実践家には,ぜひ,ご参集いただきたい。参加希望は,木原まで。

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2005.06.21

3コマ連続の研究授業(広島県府中市立上下北小学校の校内授業研究)

 21日,広島県府中市立上下北小学校を訪問し,同校の校内授業研究に参加した。同校は,コミュニケーション能力の育成を標榜して,国語,算数,英語活動の3つの教科等の指導法の工夫改善やカリキュラム開発に着手している。
 今日は,なんと3コマ連続の研究授業だった。1年生の国語,2年生と6年生の算数だ。午後3時10分から2時間弱の協議会を開催したが,90分程度,参加型で協議会を催し,授業別に,また授業をつないで,コミュニケーション能力の育成について,その方法論や支援の方策を議論した。DSC09117

 研究授業を実施する教師がいなくて,講演だけを依頼してくる学校も少なくない。そういう学校には,上下北小学校の研究熱心さを見習ってもらいたい(もちろん,すべての研究授業にずっと参加していたのでは,自習が多くなりすぎて問題である。だから,各研究授業の45分すべてを観察することはできていないし,それでもいいと思う)。
 上下北小学校の教師たちによる研究発表会が9月29日に催される。多くの先生に,特に広島県の小学校の先生方には,同校の授業を目にし,また協議会に参加してもらいたい。きっと得るものがあると思う。

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2005.06.20

学級の人数は何人がよいのか(『親と教師で考えるこれからの学校2 少人数指導習熟度別指導』(加藤幸次著,ヴィヴル)から)

 今年度前期,学部の演習では,『学ぶ意欲とスキルを育てる』(市川伸一著,小学館)とともに,『親と教師で考えるこれからの学校2 少人数指導習熟度別指導』(加藤幸次著,ヴィヴル)をテキストに用いている。前者を既に読破し,本日は,後者の第2章の内容を報告してもらい,それについて議論を繰り広げた。
 第2章の内容は,学級の人数についての欧米,日本の調査結果に関するものだ。一般に,学級の人数が少なくなるほど,特に20人を切るあたりから,子どもたちの学力等が高まる。教師も自らの指導に満足感を抱ける。しかしながら,学力等の向上は,指導スタイルの改善を伴わないと実現しないというものだ。
 演習の終わりに,学生たちに,「それでは,例えば小学校ならば,学級規模はどれくらいがいいと思いますか?」とたずねた。多くの学生が20人ほどだと回答する中,私が期待した回答を呈してくれた学生が1人いた。それは,「学年,教科・単元の内容等によって,理想的な学級規模は変わります。」というものだ。終戦直後,1学級70人で授業を実施することもあったという。施設・設備が整っていなかったから,そうならざるをえなかったのだろうが,当時の教師たちが,その時がもっとも充実した授業ができたと回顧している文献を目にしたことがある。いたずらに過去を美化することは避けねばならないが,私は,教育の営みは,画一的にならない方がよいという信念を,指導教官だった水越先生からたたき込まれ,また,それを学校現場との関わりの中で実感してきた。学級規模も例外ではないと思っている。

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2005.06.19

全放連・学力向上プロジェクトの研究授業(第1弾)その2

 18日18:30から,渋谷のNHKで,「放送学習による学力向上プロジェクト」のミーティングが催された。28日に実施される,川崎市立稲田小学校5年2組・佐藤拓教諭による研究授業の事前検討会だ。
 この授業では,NHK学校放送『わかる算数5年生』第4回「四角形がわかる」が活用されるが,この日は,次のような点について議論した。28日は,これらを踏まえて,佐藤さんがいい授業を展開してくれるに違いない。

・他学級の授業風景が収められている番組の利用によって,子どもたちの関心・意欲・態度が増すだろうが,それ以上に,この授業では,番組に,「数学的な思考」のモデルを子どもたちに提供してくれる役割を期待する。子どもたちの多様な思考は,分断ではなく,「丸ごと視聴」によってもたらされる。
・判断基準を用意し,それを活用して,番組視聴後に,数学的な思考・判断を評価し,その結果に基づいて,授業を複線化する。複線化の軸は,番組内容の把握の度合いによる。
・複線化によっても「おおむね満足できる」状態に達しない子どもたちに対しては,放課後の補充学習や家庭学習,それらにおける番組に連動したデジタル教材の利用を推奨する。
・番組等の利用,それを生かした授業・単元デザインの有効性を確認するために,診断的評価を実施しておく。

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2005.06.18

日本教育工学会の6月シンポジウム(「ワークショップの意義と課題-教育工学からのアプローチ」)

 私が属している日本教育工学会では,毎年,6月に総会と合わせて,シンポジウムを開催している。午前,午後の2部制だ。
 午後のシンポジウム2のテーマは,「ワークショップの意義と課題-教育工学からのアプローチ」だ。4人の登壇者は,それぞれの立場から,ワークショップの意義と課題を事例をもとに報告した。例えば,同志社女子大学の上田氏は,次のように,ワークショップのイメージ(特徴)を示した。
<ワークショップのイメージ>
・心と体と頭を思いっきり使う
・周辺参加的な学びのプロセス
・学習環境デザイン
・直感的でemergentなデザイン・アプローチ
・学習観,自分観,メディア観,評価観などをゆさぶる
・フォーマティブな評価
 私自身は,ワークショップの意義を十分に認めているので,例えば日本流ワークショップ,現代風ワークショップ,教師向けワークショップなど,一般論ではなく,特殊論をもっと聞きたいなと思った。

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2005.06.17

全放連・学力向上プロジェクトの研究授業(第1弾)

 全国放送教育研究会連盟では,昨年度まで,教育放送デジタル化対応ミレニアムプロジェクトを推進してきた。今年度,それを発展させるべく,「放送学習による学力向上プロジェクト」(仮称)を立ち上げることとなった。
 このポスト・デジプロでは,メンバー各人の実践と全員参加での研究授業の二本立て,首都圏メンバーと地方メンバーのオンラインコミュニケーションといった活動が繰り広げられる。また,リーフレットや報告書,ホームページにおける研究知見の公開,全国大会や教え方教室などでの報告なども,これまでの営みを継承し,発展させる。
 ポスト・デジプロの取り組みの第1弾として,28日に,川崎市立稲田小学校5年2組の佐藤 拓教諭が,NHK学校放送『わかる算数5年生』第4回「四角形がわかる」を活用した授業を実施する。この授業のねらいは,次のとおり。
 「番組では、四角形の分類の観点について、子ども達が自分の思考の過程を話す場面が多く出てくる。どのような観点をもてばいいのか、どこに注目すれば問題として成立するかを考えるきっかけとなることだろう。さらに視聴する子どもが『自分でもクイズを作ってみたい』『自分ならこんな四角形を問題にだすぞ』など、意欲的を喚起されると考えられる。また最後の問題の答えを考えることにより、さらに難しい分類にも挑戦するだろう。また番組ではわからなかった部分について番組ウェブでの再視聴や、番組沿ってもう一度考えるような教材が用意されている。それらを利用することで、一人ひとりの子どもの思考にあった学習を進めていくことができると考える。」
 番組とNHKデジタル教材を用いて,子どもたちの学習意欲を高め,彼らの多様な思考を引き出そうとする実践だ。これまでのデジプロでの取り組みを学力向上という今日的課題に適用する試みだ。番組やNHKデジタル教材の利用アイデアを呈するだけでなく,それを授業の成果=子どもたちの算数学力の向上へと結実させられるかどうか,デジプロで蓄積してきた実践以上に,授業評価をていねいに行うことが期待されよう
なお,明日18日夕方,土曜日にもかかわらず,佐藤実践のデザインに関する検討会が渋谷で開催される。私も,もちろん,参加する。

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2005.06.16

放送教育指導者養成講座「虎の穴」の特徴

 16日,ある大学の研究者たちと教員向けe-Learningについて議論した。その中で,放送教育指導者養成講座「虎の穴」の特徴について,質問されたので,自分なりに回答した。それにより,自分でもあらためて,次のような特徴について考えることとなった。
 まず,1つ目は,その対象だ。「虎の穴」は,「指導者」候補生を対象とする,リーダー養成の教員プログラムである。
 2つ目は,その課題内容だ。初年度,指導者に必要とされる能力・資質を私と静岡大学の堀田さんで検討して,課題内容の骨組みを作った。他の教員研修には見あたらない,例えば「放送教育全国大会の日程デザイン」とか「番組の分類作業」といった課題が用意されている。
 3つ目は,メンター制度だ。参加者たる中堅教師たちは,講座の卒業生から成る教師たちからメンタリングを受けて,課題解決に従事する。それにより,上述したような課題,それに取り組む意義が伝承されるし,教師ネットワークも構築される。また,メンターにとっても,課題への再挑戦,教えることによって学ぶという機会が提供されることになる。
 今年度の5期生の取り組みも充実している。3つの特徴が継承されているから。

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2005.06.15

「授業研究」とは何か(『新版 カリキュラム研究入門』から)

 今年度前期,大学院の講義で,『新版 カリキュラム研究入門』(安彦忠彦編,勁草書房)をテキストに用いている。既に,6つの章を読破してきた。明日は,第七章「カリキュラムの評価的研究」が題材となる。だから,再々読した。この章は,編者の安彦先生が執筆なさったものだ。いつもながら,切れ味鋭い語り口だ。また内容の整理が巧みで,納得させられることが多い。
 「授業研究」と「カリキュラム研究」の関係性について言及するくだりがあった。安彦先生の他の著書でも目にしたことがあるのだが,「授業研究=展開カリキュラムの研究」「従来の『授業評価』の研究を,明確に『カリキュラム評価』研究の中心に位置づけるべき」といった指摘だ。概ね,賛成だ。1時間の授業はカリキュラムの具体的な表現であり,指導案には,カリキュラムの体系との関係を記すべきだと私も学校現場で主張してきた。
 ただ,「授業研究」は,様々なスタンスがある。確かにカリキュラム研究の1領域と解釈できるような類のものもあるが,例えば,『授業研究の方法論』(水越敏行著,明治図書)にある,すぐれたモデルによる授業研究は,むしろ教師研究との接点を有している。私が営み,『授業研究と教師の成長』にて紹介した授業研究は,教育メディア研究や放送教育研究と結びついたものだ。
 授業研究は,カリキュラム研究も含む他の様々な教育研究とよい関係を築きながら,授業の設計・実施・評価をめぐる学術的知見や実践的知恵を蓄積する学問であると,自分なりに定義したいと改めて思った。

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2005.06.14

最後(?)の上海(華東師範大学教育科学学院との共同研究)

 14日15時ごろ,華東師範大学内のゲストハウスを出発し,22時過ぎに,大阪の自宅に戻った。共同研究プロジェクトも最終ステージを迎えたから,当分の間,上海を訪れることはないだろう。ここ3年ほどで7回も訪問だから,宿舎のスタッフの顔なんかも覚えてしまったくらいだから,最後(?)の上海だと思うと,ちょっと寂しい気もした。DSC09066
 けれども,そんな感傷に浸っていられないぐらい,プロジェクト推進のための活動は慌ただしい。今日も,日中合同調査のための質問紙の修正,調査実施・分析等の日程確認,調査協力依頼校等の確認と忙しかった。
 (写真は華東師範大学のゲストハウスからの眺望)

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2005.06.13

今日も上海(華東師範大学教育科学学院との共同研究)

 13日9時から夕方までずっと,華東師範大学・教育科学学院のメンバーとの共同研究プロジェクトの企画・運営会議を催した。学校の教務主任を対象とする,共同の質問紙調査の内容・表現の詰めのためだ。
 簡単には,合意に至らない。背景やシステムが違うのだから,無理もない。例えば,上海の小学校では,5年制が通例。1学年15クラスもある超大規模校があり,そこでは,学年合同の総合的な学習なんてできない。教師たちも専科が基本。
 こうした違いを乗り越えて,なんとか調査票を完成させなければならない。9月にそれを実施しなければならないから。

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2005.06.12

今日から上海(華東師範大学教育科学学院との共同研究)

 12日10:35関西空港発の飛行機で,中国・上海市に向かった。大阪市立大学・大学院文学研究科のCOE事業の一環として企画・運営されている,「都市における学校改革とカリキュラム開発」というテーマのプロジェクト研究の推進のためだ。
 これで,通算7度目の上海,華東師範大学の訪問だ。同大学の教育科学学院との共同研究プロジェクトも最終ステージを迎えた。おそらく,今回で,上海を訪れる機会は当分なくなるだろう。そう思うと少々寂しい気持ちもするが,まあ,それなりにプロジェクトが進展したことの証であるから,これでよいのだと考えたい。
 この3年ほどの間にけっこう集中して上海をたずね,華東師範大学の若手研究者たちと共同研究を企画・運営したことは,それまで中国に足を運ぶことがなかっただけに,新鮮であった。この経験は,今後何かに役立つと思う。

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2005.06.11

明日から上海訪問(華東師範大学教育科学学院との共同研究)

 明日,12日から2泊3日で,中国・上海市の華東師範大学教育科学学院を訪れる。大阪市立大学・大学院文学研究科のCOE事業の一環として企画・運営されている,「都市における学校改革とカリキュラム開発」というテーマのプロジェクト研究の推進のためだ。
 本年度は,日中の都市や地方の学校における学校改革やカリキュラム開発について,質問紙調査を実施し,その結果を比較検討する。今回の訪問は,そのための最も重要なアクションだ。各学校の教務主任に回答してもらう質問紙の項目案を持参し,現地のメンバーと,その妥当性や実行可能性を検討するからだ。項目案が,修正の後,了解されれば,いよいよ実施に向けて,協力者への依頼等が始まる。
 質問紙のボリュームが,なんと今のところA4版で19ページにもなっている。したがって,まずは項目数の削減が先方から要望されそう――。

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2005.06.10

大学に何時まで残っているか?

 10日,某委員会への参加で,22時20分頃まで大学にいた。自宅と大阪市立大学杉本町キャンパスはけっこう距離があるので,今日は帰宅が23時30分ごろになった。
 大阪市立大学・大学院文学研究科は,原則22時までしか,建物の中には入られない(届け出を出せば別だが)。思いもよらず委員会が長引いて,そうなってしまった。これまでで一番長く杉本町キャンパスにいたことになる。
 大学によって,何時まで残れるかというルールは違う。最初に勤務した大阪大学人間科学部では確か23時までだったと思う。岡山大学教育学部は退出時刻が決められていなかった。だから,ものすごく長く残っていた。23時,24時まで大学に残っているのはざらだった。平成9年の放送教育全国大会の折には,岡山の学校現場の先生方と,23時過ぎに研究会を始めたこともあった(ちなみに,元旦から,大学の研究室に行っていた)。あの頃が懐かしい。今は退出時刻が決められていなくても,あんなに遅くまで大学に残るだけの体力がないだろうな――。

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2005.06.09

放送番組の活用による「社会的な思考・判断」(第28回なにわ放送教育研究会にて)

 9日,NHK大阪で,第28回なにわ放送教育研究会が開催された。今回は,5年生社会科『とことん見聞録』「外国からの食べもの」を活用して,子どもたちに,社会的な思考・判断を繰り広げさせる実践のデザインについて議論した。
 実践者の松浦さん(枚方市立五常小学校)の構想は,番組を材料として,食料の輸入に関する判断を子どもたちに促すものだ。ところが,番組で扱われた食材が「アーティチョーク」という,あまり目にしないものだったから,その是非について議論が紛糾した。
 私は,子どもに,人々の高級志向,生産者とレストランとの連携などの判断材料を番組によって提供するように展開すれば,食料の輸入についての発展的な学習にこの番組を活用できると解説した。
 参加者全員,「使いにくい」という感想を漏らしたが,松浦さんは,選択視聴や部分視聴にはしたくない,クラス全員に視聴させたいと力強く宣言した。

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2005.06.08

大阪市教育委員会の「はぐくみネット」4年目のスタート

 8日午後,大阪市役所内の会議室で,大阪市教育委員会による「はぐくみネット」の実行委員会が催された。私も,委員の一人として,参加した。
 これは,大阪市の各小学校が地区協議会等とタイアップして展開している学校,家庭,地域の連携プロジェクトだ。学校と地域をつなぐキーパーソンとして,「コーディネータ」を設置しているのがユニークかつ特徴的だ。本年度で4年目,市内186の学校で営まれている。平成19年度には,市内すべての学校(296校)で実施の予定だ。
 各実施校の意欲や独自性の喚起,中学校との連携,コーディネータの力量形成,成果の検証などが今年度の課題だ。2月下旬の発表会まで,各実施校の取り組みが続く。

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2005.06.07

広島県府中市立上下南小学校の学校研究

 7日,広島県府中市立上下南小学校を訪問し,同校の校内授業研究に参加した。近年,広島県は,「ことばの教育」の推進に力を注いでいる。それを踏まえて,この学校も,国語科を中心に,子どもたちのコミュニケーション能力の育成を学校研究のテーマに掲げてきた。
 今年度,同校の教師たちは,これまでの学校研究の財産を生かしながら,各教科等における「伝え合う力」の活用に,実践研究を発展させようとしている。今日は,算数(2年),社会(4年)において,子どもたちの「伝え合い」が導入された。子どもたちは,考えたり調べたりしたことを,自分の言葉で,また図表等を活用して,分かりやすく伝えようと努力していた。国語科で育成してきた「話す力」がこれらの教科の学習活動において発揮されていた。
ただし,もう少し教科固有の論理がコミュニケーションに反映されることが望ましいと,私はアドバイスした。
 例えば,算数では,子どもたちの発言において,既習事項の引用,モデル図による説明などの「数学的アプローチ」がさらに強調されるべきだ。また,社会科であれば,子どもたちの発表の視点に,地域の歴史,人々の努力や工夫,そして地域に対する愛情・愛着などの「社会科学的見方・考え方」が導入されるべきだ。また,彼らは,それらを示しやすい方法(例えば年表,インタビュー映像など)を採用するべきだ。換言すれば,それぞれ数学,社会科学(今回は,地域研究)の研究方法論に即して情報活用,コミュニケーションが繰り広げられている時,各教科等に期待される「伝え合い」が成立したと考えられる。上下南小の先生方には,今後,この点をさらに,追究してもらいたいものだ。
 なお,2年生の先生は,「くり上がりのあるひっ算」の仕方をまとめる際に,コンピュータで,その考え方を,ビジュアルに,また象徴的に示していた。DSC08992
今まであまりITを活用してこなかった教師が,自らの授業にITを,名脇役として導入しようとしている。上下南小の学校研究テーマは,情報教育でもなければ,IT活用でもない。しかし,授業改善,学力向上を目指した教師たちの取り組みは,そのような教育課題にも自然と応えている。同校が確かな学校研究を進めている証であろう。

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2005.06.06

『学力向上ハンドブック』の開発(Benesse教育研究開発センターとの共同研究)

 5日,教育学コースの研修旅行から戻って,新大阪のアクロスビルで,Benesse教育研究開発センターとの共同研究の会合に参加した。先日もこのブログで紹介した,『学力向上ハンドブック』の開発に関するものである。プロジェクトリーダーの大阪教育大学・田中先生も,在外研究から一時帰国され,議論に加わられた。
 昨日の議論において,『学力向上ハンドブック』の機能について,再確認がなされた。それは,このハンドブックは学力調査の結果を学力向上アクションに結実させるための支援をすると考え方だ。また,ハンドブックは教務主任等のミドルリーダーが自学自習できるような体裁にすることも再度共通理解した。
 そのために,このハンドブックには,よく練られた「演習」を準備する。演習課題をこなすうちに,ミドルリーダーたちが,所属校の学力向上アクションプランを策定できるように,また,策定のアイデアやプランの根拠に学力調査結果を活用できるように,仕掛けを設ける。
 7月の会合で,各担当者がその原案を示すことになった。私の担当は,授業改善,校内研修の活性化,そして家庭・地域とのパートナーシップの確立のために,自校で今何をすべきかを利用者が同定できる演習課題の作成だ。

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2005.06.05

教育学教室の研修旅行2日目(和歌山の文化にふれて)

 5日も,教育学コースの研修旅行で,和歌山市内の文化的施設を訪問した。まず,和歌山県立近代美術館に出かけた。館内は,非常にきれいで,スペースも広く,鑑賞しやすかった。和歌山県ゆかりの作品のコレクションなど,館としての独自性を打ち出そうとする姿勢にも共感させられた。DSC08940

 次は,和歌山県立博物館だ。ここも,施設が充実していた。和歌山の歴史が非常にていねいに,そして分かりやすく展示されている。特に,特別展の「能面」の陳列,解説がすばらしかった。
 最後は,和歌山城。ここでは,城内の史跡を巡り,天守閣内の展示物を見学した。全国各地のお城の写真が展示されており,学生が「ここに来たら,日本国中のお城が見られるんですよ」と言っていたが,さながら「お城博物館」といった装いだった。
 それにしても,和歌山県には,文化をとても大切にする風土がある。昨年度,委員として参画した,「きのくに子ども協議会」で提出された資料にそれにふれた部分があったが,実際に施設を訪問して,実感させられた。

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2005.06.04

教育学教室の研修旅行(和歌山へ)

 4日,私が所属している,大阪市立大学・文学部・人間行動学科の教育学コースでは,教員,大学院生,学部生が一同に介して,研修旅行に出かけた。今年の訪問場所は和歌山だ。本日は,マリーナシティにある「わかやま館」を訪問し,和歌山の産業,歴史,偉人などについての教材研究を繰り広げた。
 その後,ポルトヨーロッパに行ったが,ここは,教員は無料で入場できる。なんと「引率教師」というチケットあるのだ。びっくりした。

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2005.06.03

「教師の授業力の点検・評価」(IMETSフォーラム2005ワークショップ)

 本日,第32回教育工学研修中央セミナー,すなわちIMETSフォーラム2005(7月29,30日,品川の「きゅりあん」で開催)の冊子原稿を提出した(ちょっと締め切りに遅れた――事務局の方,ごめんなさい)。このフォーラムでは,私は,2日目,30日午前中のワークショップ「教師の授業力の点検・評価」のコーディネータを務める。
 研修主題が「豊かな学びをはぐくむ授業力の向上」だから,それにぴったりのワークショップテーマだ。このワークショップでは,授業力をどうとらえるかをまず確認し,それを踏まえた評価基準(3段階)を提示して,参加者に,自らの授業力を幅広く,またていねいに評価してもらう。また,それを相互に交流してもらう。
 もう10年近く,IMETSフォーラムの講師を務めているが,ワークショップのコーディネータを担当するのは,初めてだ。だから,少々勝手が分からないところもあるが,参加者が実践的英知を吸収できるよう,デザインを工夫するつもりだ。

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2005.06.02

小中一貫教育の教育特区(堺市立さきつ野小中学校)

2日,大阪府堺市立さつき野小・中学校の合同研修会に参加した。同小中学校は,今年度より教育特区に指定され,キャリア教育を主柱とする,小中一貫教育を展開している。
 今日は,もともと中学校籍の教員が,小学校6年生の社会科を指導している授業を見学した。彼は,小学校4~6年6クラスすべての社会科の指導を担当している(中学校では3時間社会科を指導)。DSC08896

 本日の授業は,中学校教員の小学生を対象とする授業の可能性と課題が確認された。例えば,非常に指導内容が濃かった。聖武天皇の国分寺建立などを扱っていたが,例えば国分寺の地名が今も各地に残っていること,遷都の理由の一つに伝染病患者の隔離が意図されたことなど,高度な内容も一部導入された。授業者は,いわゆる「発展的な学習」のあり方を示してくれた。写真のようなIT活用によるプレゼンテーションも見事だった。
 しかし同時に,例えば,指示の徹底,当該学年の漢字の使用,グループでの話し合いの時間確保などの点において,小学校のきめ細かな指導との差が大きく,子どもたちがそれに戸惑う危険性も示唆された。
 さきつ野小・中学校の一貫教育はまだ始まったばかりである。本日の授業は,小中学校の双方の教師たちにとって,提案性のあるものだと思う。この授業は,私の提案により,急遽企画されたものだ。けれども,授業があったからこそ,小中一貫教育の具体的課題を掴めたと思う。やはり学校の実践研究は,授業研究をベースにしてこそ,飛躍する。

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2005.06.01

関西教育メディア研究協議会・第6回特別研修会

 6月24日(金),関西大学・総合情報学部の黒上教授が会長を務める,関西教育メディア研究協議会の第6回特別研修会が京都市立嵐山小学校及び嵯峨芸術大学を会場にして,催される。この会は,毎日放送が制作していた社会科番組『わたしたちの近畿』の活用について実践的に検討する研究グループの集いだった。その制作等は終焉を迎えたが,近畿の放送・視聴覚教育の実践研究コミュニティを維持すべく,その活動は,情報教育やIT活用を巻き込みながら,今日まで連綿と続いている。
 今回の研修会のテーマは,「子どもとメディアの新しい接点を求めて」というもので,メディア活用による思考力の育成等が話題となる。私の役割は,午前中に公開される授業(情報モラルの学習,保健指導,総合学習)を題材としたワークショップのコーディネータだ。それらに関する授業評価セッションと,NHK学校放送番組を用いた授業プランの作成セッションを組み合わせて,「メディアを活かす授業」の基本原理,その多様な展開に迫る。
 その他にも,鳴門教育大学の村川先生のご講演,村川先生と大阪大学名誉教授の水越先生の教育キーワードの解説など,盛りだくさんのメニューだ。参加の希望は,京都教育大学・教育実践総合センターの浅井和行助教授までファックスで(075-644-8339)。

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