« eCCプロジェクトの縦断的評価 | Main | 学力向上推進委員会(A市教育委員会から依頼されて) »

2005.07.13

授業研究のスタイル

 12日,富山のある小学校の授業を見学し,またそれに関する授業研究会に参加した。少し驚いたことがあった。それは,授業を見学している教師たちの「記録」の熱心さであった。私が参加する授業研究会では通常,記録者を決めて,その人が教師や子どもの発言,板書,子どもの様子などを記録する。ところが,この学校では,ほとんどの先生が記録に従事する。その熱意はものすごい。みんな一言一句もらさぬ決意でペンを走らせている。後で協議を繰り広げる際に活用するのだと言う。DSC09580
 ただ,私は,授業研究においては,「記録」よりも「考察」を重視すべきではないかと考えている。なぜなら,授業研究は,当該の授業に関する吟味から,参加者それぞれの授業に関する内省,それらを連結させた学校カリキュラム(小中連携なども含む)の検討へと,議論の対象を広げてほしいからだ。教室における現象の正確な記述を求めるあまり,それに対する多角的,多面的な「考察」が少なくなるのは残念だ。この学校の教師たちも,もちろんそれを分かっているから,記録用紙の備考欄に「考察」を記していたが,あまりにもそのスペースが小さく,(記録の正確さを通級するゆえに相対的に)考察を繰り広げる時間が足らないように思った。
 読者の学校では,授業研究における「記録」と「考察」をどのように進めているであろうか。

|

« eCCプロジェクトの縦断的評価 | Main | 学力向上推進委員会(A市教育委員会から依頼されて) »

Comments

木原先生、先日は、研究会へもお越しいただき、ご講演を拝聴できて光栄に思います。
また、blogで富山の教員の研修の様子についてもご指摘をいただき感謝いたします。
ぼくは、常日頃から、研究授業後の協議会へ参加したとき、がっくりすることがあります。議論は低調で、一面的な言い方や単なる感想をが多いと感じるからです。もっと関連付けたものや、子供の言動を深くとらえた発言があるべきだと思います。真面目な方が多いのはいいのですが、記録をとっても発言しようとしなかったり、建設的・発展的な発言をしなかったりしている現状を見ると、富山の先生方の授業研究への意識が高いとは言えません。「量より質」が重視される昨今、協議会で発言するためにうまくまとめられたような機能的な記録の取り方ができることも教員に求められる資質だと思います。

Posted by: みやくん | 2005.07.15 at 08:42 PM

学校から公的な研修会へ参加しますと、研修会終了後、研修会の内容を記録したものを学校側に提出し、校内で「伝達講習」をやるという流れがあります。(といっても、生徒指導におわれて、「伝達講習」はほとんどできない。講師をしていた際に、良心的な先生方は、「伝達講習」の資料をみせて下さるが、そんなのはほんのひと握り・・・研修に参加したくても参加できない非常勤講師の中でも、私は恵まれたほうである。)ただ参加して報告書を出すから記録に熱心になる。

校内に非常勤講師の数が増えても、研修さえうけられないし、職員会議での参加もないために生徒指導の情報も、非常勤講師に流されない。それは非行の他、配慮すべきパニック障害をかかえてたり、自閉症気味の生徒など、本来配慮して適切な支援すべき指導をできないために、授業がなりたたず、学校崩壊を生み出す。

統合教育の名のもとに、普通学級に軽度の自閉症やダウン症の生徒がいる場合、聞くだけの指示では理解ができないが、見えるものへの親和性があって、書くことや写真で手順を構造化して視覚的に指導手順を配慮すべき自閉症にQ&Aをすれば、「名前は?」と聞けば、「名前は?」と問いをそのままオウム返しするだけで、答えが引き出せない。応用、見通し、新奇な環境への対応が苦手で、質問しつづければ、パニックをおこす。一方、目に見えないものを想像し理解できるダウン症の場合は、物事への応用や予測が柔軟に対応できるが、自己抑制が苦手な特徴がある。でもQ&Aには、「名前は?」ときけば、「ハム太郎」と帰ってくる。
 障害の違いなど、研修会へ参加した先生の記録で「伝達講習」された場合、研修会へ参加したことが有効になるが、それ数少ない。残念ながら、「伝達講習」されないで書類だけ提出というのが現状です。

京都市のように、教員志望の学生に、現職教員の研修を公開している地域の方は、現場に入る前に、義務で記録をとるよりも、考察する時間があっていいなあと思います。

正直、考察することが大切ですよね?

Posted by: 齋藤 | 2005.07.14 at 01:27 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« eCCプロジェクトの縦断的評価 | Main | 学力向上推進委員会(A市教育委員会から依頼されて) »