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2005.08.11

広島県府中市立上下北小学校の学校研究

 11日,広島県府中市立上下北小学校を訪問し,同校の研究発表会の指導案や研究紀要の内容・構成について検討した。同校の学校研究の枠組みや手続きは,私の理想型に近い。
 まずは,そのテーマ設定の工夫だ。今年度,この学校は,コミュニケーション能力の育成を標榜して,国語,算数,英語活動の3つの教科等の指導法の工夫改善やカリキュラム開発に着手している。コミュニケーション能力=伝え合う力=国語科の研究という狭い枠組みではなく,これまで取り組んできた総合的な学習の時間のカリキュラム開発の資産を生かして英語活動におけるコミュニケーション能力の育成・発揮も視野に入れている。また,算数の「考える力」の育成を念頭に置き,コミュニケーション能力の育成について,その応用的研究も展開している。つまり,研究テーマに,共通性と多様性の両全を確認できる。だから,研究に全教員が参画しやすい,自我関与しやすい。
 また,「プチ少人数指導」とか「ポートフォリオ評価に基づく繰り返し指導」,「評価専従教師を位置づけたティームティーチング」など,教科指導における実践的アイデアが豊かに提案されている(不思議なことに,それらは,総合的な学習の時間のカリキュラム開発で蓄積した指導法が応用されたものである)。こうした「オリジナリティのある」提案が出てくるのは,同校の実践研究が継続・発展している証であろう。同校の教師たちは,総合的な学習の時間の実践研究を経て,実践を創造する喜び(と苦しみ?)を自分のものにしたに違いない。

 さらに,他校の教師たちと共同的研究を繰り広げているのにも注目したい。同校の教師たちは,研究授業の際には,近隣の小学校,それから子どもたちが進学する中学校の教員にそれを案内し,彼らとともに事後研を開催する(実際,校内研には,毎回他校教員が参加している)。研究発表会では,他校の教師たちが,「参加型」事後研の司会も務めてくれる(このタイプの事後研の司会は,上下北小の学校研究に精通していないと務まらない)。学校研究をオープンに進め,他校の教師たちの批評を自らの実践のリニューアルにつなげようとする姿勢,そのための舞台設定は見事だ。
 さて,同校の研究発表会が9月29日(木)に催される。公開授業,参加型事後研(分科会),分科会による知見を私が司会を務めて総括するシンポジウムと半日の日程だが,きっと充実した研究会になると思う。広島県の先生方,いや全国の先生方に参加してもらいたい。きっと得るものがあるから。

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