研究発表会のプログラムデザイン(広島県府中市立上下北小学校の研究発表会)
29日,広島県府中市立上下北小学校で研究発表会が催された。同校の教師たちは,「コミュニケーション能力を高め,基礎・基本の定着を図る授業づくり」という研修主題の下,その成果と課題を参加者と共に考えるべく,研究会のプログラムを工夫した。
まず,すべての学年の授業が公開された。1年と4年は国語,2年は算数,そして3,5,6年は英語活動の授業を参加者に見てもらった(6年生は英語劇を披露した)。
続いて,研究主任が同校の研究の枠組みを紹介し,公開された授業の背景知識を手にして,参加者は,国語,算数,英語活動に分かれて,授業検討を繰り広げる。付箋紙に気づきを記し,それを集約しながら,授業や学校研究について議論を繰り広げるが,その司会・進行は,隣の学校の教師たちが担当した。彼らは,1学期以降,上下北小学校の校内研修会に参加しているので,上下北小学校の教師たちと一般の参加者を接続する役割を担える。
全体会では,分科会別の協議のまとめを,私の司会の下,報告してもらう。その内容について,各分科会参加者に補足してもらいながら,最終的には,3つの分科会の報告をつないで,上下北小学校の学校研究を総合的に評価していく。その過程では,進学する中学校の教師,上下北小学校にかつて勤務していた教師に,コメントを求め,上下北小学校の学校研究をより立体的に批評することも試みる。
たった半日の研究発表会でも,以上のようなプログラムであれば,主催する学校の教師たちにも,参加した教師たちにも,自らの学校研究を点検・評価するための刺激,情報,題材が豊富に提供されよう。公開される授業と同じくらい,研究発表会のデザインには工夫が求められるし,上下北小学校の本日の研究発表会はそうした点からすると「十分満足できる」レベルに達していたと思う。
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Comments
研究会に参加させていただき、あらためてコミュニケーション能力の育成について示唆を与えて戴きました。教科を越えた能力(例えば、紹介する力、説明する力、意見をいう力など)を決め、教科等の特性を生かした研究を行うと子どもたちの様子がどのように変わるのか思い浮かべていました。研究体制を充実させる大切さを学ばせて戴きました。
Posted by: はやし | 2005.09.30 10:49 AM