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2005.11.01

査読を受ける論文を作成する際に

 本日,大学院生が学会に投稿する論文について,私なりにアドバイスをする時間を持った。その院生が1年間かけて,ある教師を追跡した結果をていねいにまとめたものだ。ネタはいいと思う。
 問題はそのまとめ方だ。1年間の記述は膨大だ。そのすべてを論文に盛り込むことはできない。研究目的に照らしてデータを十分に整理する必要があるが,それをやりきれていないため,読者が読みづらい,納得しづらい叙述が少なくなかったように思う。
 私自身も博士論文作成の際に,同じような指摘を受けた。その研究を知らない人が読んでも,研究の価値が分かるように,シンプルにまとめなさいと。凝った表現や構成は別の機会(例えば著書)にしなさいと。「こう書きたいのに――」とも思ったが,読者(この場合は審査委員)の前で自分が論文の価値や研究の意義を説明できるわけではないので,アドバイスに従って,できるだけ分かりやすい表現で,シンプルな構成で,論文を仕上げた。それでよかったと思う。
 研究に思い入れがあるほど,できるだけたくさんの内容を論文に盛り込みたくなる。凝った表現や構成を用いたくなる。しかし,その思いをおさえ,内容や表現等をできるだけ単純化することが,査読を受ける論文を作成するコツなのだ。大学院生にも,よいネタを生かすべく,シャープな表現・構成を心がけてもらいたい。苦しいだろうが,きっといい論文になると思うから。

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Comments

ご指導頂きありがとうございました。
 Blogを読んで、自分が抱えていた課題(悩み)は、木原先生がよく「誰しもが通る道なんだよ」と語ってくれはることの一つなんだと感じました。そのおかげで肩の力が少し抜け、自分の論文を少し余裕を持って反省的に見ることができました。
 リラックスしすぎないようにしつつ、今回の論文作成を通して成長していきたいと思っておりますので、これからもご指導よろしくお願いします。

Posted by: ひろ | 2005.11.03 at 10:39 PM

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