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2005.12.31

原稿執筆で2005年が終わる――

 大晦日の今日も,原稿の執筆を続けた。原稿執筆で2005年が終わる――。
 本当ならば年内に終わり,すっきりとした気持ちで新年を迎えるはずだった。途中で風邪をひいたのが痛かった――。しかし,学者のはしくれであるならば,それを言い訳にはできない。2005年の原稿執筆計画のずさんさを深く反省しながら,今も原稿を書いている。
 まあ,でも,原稿を書きながら新しい年を迎えるというのも,だらだらと過ごすよりは,よいかもしれない。1年の計は元旦にありだから,明日もがんばろう。
 ところで,2005年に,このブログにアクセスしてくださった方,どうもありがとうございました。2005年は読者が増えて(もうすぐ通算10万アクセスになるみたい),書いている方もびっくりでした。2006年も,自分なりに,ここで情報発信を続けたいと思います。どうぞよろしく。

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2005.12.30

「授業リフレクションのためのデータ」(澤本和子・宗我部義則編『中原小学校の挑戦!』東洋館出版)

 学校研究の理念・フレームワーク・モデル等についての原稿を執筆している中で,澤本和子・宗我部義則編『中原小学校の挑戦!』(東洋館出版)を再度手に取った。編者のお一人の澤本先生とは研究領域が近いこともあり,親しくさせていただいている。この本もご献本いただいたものだ。その時にもざっと目を通したが,今回,「学校研究を形成的に評価するために収集すべきデータ」について論じるために,再度読んでみた。
 この本の中で,澤本先生ご自身が授業リフレクションの特質やその方法について論じていらっしゃる。授業リフレクションで活用するとされる,「学習履歴・指導記録(授業中に子どもや教師が書いた記録=ノート,作品,座席表,日誌等),メディア利用の記録(ビデオやカセットテープ等による授業記録),第三者による記録(観察者の記録等),調査研究データ(調査・テスト結果,授業後の記録<日誌・日記・感想文等>等)」は,学校研究を多面的に評価し,それを改善するためのデータの主柱ともなろう。
 なお,授業リフレクションの特質についての次の説明は,教師の成長の本質を見事に描いている。特に,「『一人の教師としての私』という『自己のまとまり』」というくだりは,実に的確だと思う。

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2005.12.29

「読解力」に関する調査の実施(「基本調査2006」の企画・運営)

 29日,新大阪で,ベネッセ教育研究開発センターを事務局とする共同研究,「基本調査2006」の企画・運営に関するミーティングが開かれ,参加した。これは,前年度までの総合学力調査,総合教育力調査を継続・発展させるものだ。
 「基本調査2006」の目玉の1つが「読解力」に関する調査の実施だ。教科に依存しないPISA型の「読解力」の測定問題,そして「読解力」向上に向けた指導についての調査(教師対象)の開発・実施だ。
 前者については自然現象や社会事象に加えて芸術・文化を題材とする思考・判断力を問う問題の開発を,後者については中学校の教科担任制に合致する質問項目の設定や集計方法を私なりに提案した。
 この「読解力」に関するものも含めて「基本調査2006」を受験するモニター校を現在募集している。興味のある学校はご連絡いただきたい。

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2005.12.28

思考力の育成と継続視聴(第34回なにわ放送教育研究会にて)

 28日,NHK大阪で,第34回なにわ放送教育研究会を催した。今回は,4人が放送番組を活用した「個に応じた指導」の実践について報告した。算数科,理科,社会科,特別支援教育の番組を用いた4人4様の実践が紹介され,吟味され,比較された。
 本日,このブログの読者に紹介したいのは,思考力の育成を目指した継続視聴の取り組みだ。社会科「日本とことん見聞録」を子どもに,継続視聴させ,番組の主題を関連づけさせて,国民生活の維持・向上に資する人々の苦労や工夫を同定させるというものだ。
 実践者にこの趣旨を徹底してもらうために,番組の視聴記録をポートフォリオとして活用する(振り返りタイムを設ける)こと,継続視聴による思考力の向上を測定・評価する際にも番組をその題材に活用することなどをメンバーでアドバイスした。

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2005.12.27

「山の分校の記録」のパワー(宝塚造形芸術大学「教育の方法及び技術」等にて)

 今日は,宝塚造形芸術大学における「教育の方法及び技術」等の集中講義,第3日目だ。朝は晴れていたが,午後から粉雪の舞う天気。向こうに見える大阪は日が差しているようなのに。どうもこの大学は,雪と縁が深いようだ。
 本日は,メディアの教育利用に話を移した。まず午前中は,放送教育だ。その原点たる「山の分校の記録」映像は,実にパワフルで,学生も見入っていた(まあ,私の手法,映像を前半の終わりで止めて,以降の子どもたちの変容を予想させ,それを後半で確かめさせるという課題もヒットしているとは思うが)。続いて,放送教育のデジタル化についても話題提供をした。今度は,「先生のための教え方大全集」だ。自分で出演しているのは,あまり受けなかったみたい――悲しい。
 ちなみに,午後は,教育の情報化と情報教育についてだった。昔の教育トゥディ等の映像を用いて,学校のインテリジェント化の模様や情報教育の典型例を示したりした。
 今日で,集中講義もほぼ終わり。明日の朝,1コマ目でメディア・リテラシーについて解説し,最後にテストが待っている。学生さんは,私が工夫したテストに果たして十分解答できるであろうか。

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2005.12.26

選択教科や総合的な学習のプランニング作業(宝塚造形芸術大学「教育の方法及び技術」等にて)

 今日は,宝塚造形芸術大学における「教育の方法及び技術」等の集中講義,第2日目だ。朝から雪が降って,果たして帰宅できるのかと不安になった。この大学は宝塚の高台に位置していて,雪が積もるとバスやタクシーも登って来られなくなるらしいからだ。実際,専修木曜日は別の集中講義がそれで休講になったと聞いた。昼から晴れて,なんとか無事講義を終了し,帰宅できた(途中,大渋滞だったが――。5キロくらい進むのに1時間くらいかかったかも)。
 本日は,最近のカリキュラム開発や教育方法の動向,その代表的な事例について講義した。また,それを踏まえて,選択教科や総合的な学習のプランニングに従事してもらった。やはり,こうした作業的活動を入れないと,受講生も集中力が続かないようだ。でも,これをうまく導入すると,所属大学・学部の性格上「デザイン」好きの彼らは,けっこう盛り上がって楽しくやれるみたいだ。そういえば,中学校の典型的な授業風景をイラストにしてくださいという作業にも,彼らは,喜々として取り組んでいた。10分もあれば,さっとそれを仕上げてくれる。
 同じ教職課程の教育方法に関する講義でも,大学や学部が変わると,その重点の置き所やその進行に変化をつけなければならない。当たり前であるが,これがなかなか難しい。

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2005.12.25

研究紀要に何を記載するか(LTプロジェクト第4課題についてのテレビ会議から)

 このブログでも何度も紹介しているが,今年度から,学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)を企画・運営している。松下教育研究財団に支援された,2年継続のプロジェクトだ。
 今日は,テレビ会議を実施して,第4課題への取り組みについての意見を交換した。第4課題は,ある地域の小中一貫教育の実践内容を提示して,実践研究をまとめた「研究紀要」の作成方針や構成案(目次,執筆者等)を提案してもらうものだ。
 研究紀要は,実践研究の過程,成果と課題,実際が読者に伝わるものでないといけない。しかし,何でも盛り込めばいいというものではない。読者に研究の特長をアピールするための編集の工夫が必要だ。本日の会議では,それを再確認するとともに,題材となった小中連携の営みについて,そのレパートリーなどを議論した

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2005.12.24

今日から集中講義(今年度3校目,宝塚造形芸術大学「教育の方法及び技術」等)

 今日から4日間(24,26,27,28)と,宝塚造形芸術大学で,「教育の方法及び技術」等の集中講義を担当する。今日は,この大学では初めての講義なので少々緊張した。DSC02146
 本日の4コマでは,オリエンテーションの他に,欧米の教育方法論史の概説,我が国の戦後60年の教育方法の解説,そしてオープン教育の定義・枠組み・事例についての言及などをおこなった。
美術と情報の免許の取得を希望する学生さんが対象であったが,彼らの反応からすると,それなりのスタートが切れたように思う。DSC02144
 それにしても凝ったデザインの校舎だ。また,校舎から阪神間を臨む眺望にも驚かされた。

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2005.12.23

「学校・家庭・地域でつくる学習習慣」(ぎょうせい『悠』2006年1月号)

 先日,『悠』(ぎょうせい)の2006年1月号が届いた。この号の特集は,「学校・家庭・地域でつくる学習習慣」だ。子どもの学習習慣の実態,それを育成するための提言や実践レポートなどが掲載されている。我々の研究グループが提案している,「学びの基礎力」の1側面が生活習慣や学習習慣なので,特集を興味を持って読んだ。
 注目したのは,甲府市立西中学校のケースについてのレポートだ。私が常々主張している,学習習慣形成のリニューアルに呼応した実践が紹介されていたからだ。学習習慣の育成は,ある程度,それを子どもに強制したり,その型を体得させたりすることが必要だ。しかし,それだけでは,今の子どもたちだと,何割,何パーセントかは嫌気がさして逃避するであろう。数十年前と子ども文化が,彼らをめぐる社会的状況が異なるからだ。
 西中学校の実践では,例えば「語彙」を豊かにするためのプリントがよく工夫されている。具体的には,「質量保存」と「インカ帝国」という言葉を連結させるために,その間に入る4つの言葉を探すという課題にグループで取り組むためのワークシートである。このワークシートへの取り組みは,子どもにとって単純な暗記作業ではなく,知的好奇心をくすぐられる探究だ。また数名のメンバーによるリレーにより1週間で完成させなければならないという形式を採っているから,プチプロジェクト(期限は1週間)の趣がある。
 学習習慣の形成は,教育実践の普遍的なテーマの1つだ。その重要性は,昔も今も,そして将来もいささかも衰えることはあるまい。しかしだからこそ,そのリニューアルが切望されよう

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2005.12.22

研究発表会でどんな授業を公開するか

 先日,現場の先生方とのある集いで,研究会でどんな授業を公開するかについて議論した。私が「研究発表会では,提案性のある授業が期待されますよね。」と主張した。しかし,「研究発表会では,特別な授業でなく普通の授業を,明日から自分もやってみようと思う授業を,子どもがしっかり話し合いをしている授業を公開することが大切だ。」をという意見が強かった。「研究校だからできる授業だと言われたくない。」とか「提案性を求めて,新しい授業に挑戦して失敗したら,子どもに対して申し訳ない。」とも反論された。
 「普通」の授業を見て,研究会参加者が自分もそれを試みてみたいと思うだろうか。「研究校だからできる。」と文句を言う人は,どんな授業を見てもそう言うと,経験的には感じる。
 「提案性のある授業」とは,別に奇をてらう授業を意味するのではない。授業者なりの主張,それを体現する,授業者なりの工夫が明らかな授業に他ならない。それは,子どもたちの学びにおけるチャレンジに再帰すると私は信じている。

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2005.12.21

中学生だって小学生から学ぶ(大阪教育大学附属平野小中学校の交流プロジェクト「こどもブリッジ授業」)

 やっと咳が止まってきた。よかった――。
 さて,本日,大阪教育大学附属平野小中学校の先生方と第108回S&C勉強会を開催した。2つの提案を聞いたが,交流プロジェクト「こどもブリッジ授業」が極めて新鮮だった。これは,中学生が小学校の英語活動の学びをサポートするというものだ。彼らは,12グループに分かれて,小学校の3・4年生の英語活動をリードする。具体的には,英語による物語の読み聞かせをじっししたり,英語を使ったゲーム活動を導入したりして,ミニティーチャーとして小学生の学びを企画・運営する。
 おもしろいなと思ったのは,中学生にとっての意義だ。小学生にとっては中学生の発音や語彙等が英語によるコミュニケーションのモデルになるわけだが,中学生にとっても,英語によるコミュニケーションのスタンスを再認識する機会となっている。例えば,「照れないで発音することの大切さを感じた。聞こえたとおりに真似をして発音している小学生がうらやましかった。」とか,「英語に『勉強』という意味でしか付き合っていないことを感じた。英語学習は本来『勉強』であってはいけないと思った。」などという感想が交流後に登場している。
 教えることによって自らの英語との関わりを再評価したり,英語による実践的コミュニケーションの本質を再確認したりできる,この交流活動「こどもブリッジ授業」は,小中連携教育の裾野の広さを教えてくれた。

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2005.12.20

教職の営みにとても役立つ本(『できる教師のデジタル仕事術』時事通信社)

 研究仲間で,友人の堀田さん(メディア教育開発センター)から,最近出版の運びとなった著書が届いた。堀田龍也他著『できる教師のデジタル仕事術』(時事通信社)だ。教師・授業・学校と情報・ITという二重の世界を生きる堀田さんがコーディネータした本だけに,おもしろい。
 まず,冒頭の堀田さんのこの著書の意義に関する語りに共感した。それは,教師の仕事には,「小さいけれども同時進行する仕事を,細切れの時間の中で解決していかなければならない」という,一般の仕事にはない特性があるという叙述だ。また,「いろいろな個性がある子どもたちを認め,集団をつくりあげていくという技術は教師ならではのものだ」という指摘である。
 また,「先生方が,ビジネスパーソンの仕事術を身につければ,鬼に金棒だ」というアピールにも納得させられたし,それを象徴する3人の教師の仕事ぶりの詳細なレポートも,極めて体系的かつ具体的であり,またすこぶる説得的で,「デジタル仕事術」のイメージを鮮明にしてくれる。教職の営みを遂行する上で,とても役立つ本だ。
 私も,1大学教員として,自らの仕事ぶりを反省しながら,読ませてもらった。カリスマ○○という表現の連続にちょっぴり違和感を抱いたけれども――。

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2005.12.19

『現代授業研究年鑑』(明治図書)

 時々咳き込みながら,なんとか講義2コマを終えた。あと1コマある。なんとかこなせるといいのだが――。しかしそれほどひどい咳ではないので,やっぱり「神様」が治してくれたのだろう(昨日のブログを参照のこと)。
 ところで,原稿執筆のため,懐かしい書物をひもといた。明治図書から刊行されていた『現代授業研究年鑑』だ。これは,当該年度の学校の授業研究やカリキュラム開発を,いくつかのトピックを設けて,識者が総括するという,ユニークな書籍であった。例えば,86年度版では,当時の授業研究の総括が,「指導案研究」,「教材精選・分析研究」,「発問・説明・助言・指示研究」,「合科・総合学習研究」,「一斉授業の改善研究」,「学習の個別化・個性化研究」,「自己学習力研究」,「学習集団研究」,「学習意欲・態度研究」,「メディア教育・コンピュータ理解教育」,「学習評価研究」,そして「同和教育研究」という側面から試みられている。
これを見ると,当時の教師たちの授業研究の特徴を理解できる。学校の実践研究の動向を把握できる。今日のそれとの異同を確認できる。
 もし今,こういう営みが続いていたら,どんなトピックが取り上げられるだろうか。万が一私が執筆するとなったら,何を任せてもらえるだろうか。そんなことをふと考えた。

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2005.12.18

研究生(大阪市立大学大学院)を希望なさるなら

 咳が少しだけ治まってきた。明日は3つも講義があり,かなりの時間,話さないといけない。だから,神様が治してくれつつあるのか――。それとも,たんに時間が経ったから治りかけただけで,明日講義を重ねたらまた悪くなるのか――。答えは,明日の今頃分かる。
 さて,先日,1~3月の教務日程が明らかになった。大阪市立大学・大学院文学研究科の平成18年度大学院試験は,2月8・9日(出願期間は,1月11日~1月13日)。受験者には,がんばって合格してもらいたい。
 そして,同研究生の出願締め切りは1月31日。ここ1,2年,3月頃に「次年度,研究生として受け入れてもらえませんか」という問い合わせや依頼があるが,その時期だともう遅い。もしそんなことをお考えになる方がいらっしゃったら,早めにご連絡いただきたいと思う。

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2005.12.17

キャリア教育のうねり(NHK『にんげんドキュメント』「大人ってすごい 中学生が挑んだ職場体験」から)

 まだ咳が止まらない。どんなに薬を飲んでもダメだから,やはり休養が必要なのか――。
 ところで,昨晩,NHK『にんげんドキュメント』「大人ってすごい 中学生が挑んだ職場体験」を視聴した。先日の放送教育企画検討会議で案内されたので,学校現場を訪問して私も実感している,最近のキャリア教育のうねりを番組がどう示すか,楽しみにして開始時刻を待った。
 番組では,町田市の中学校のキャリア教育の取り組みが紹介されていた。中学生が事業所で格闘する様子がよく描かれていた。最近のキャリア教育のうねり,その意義と課題を上手に視聴者に伝えていたと思う。このブログの読者でも,きっとこの番組を視聴した方もいらっしゃるであろう。どんな感想を抱かれたであろうか。
 キャリア教育を企画・運営する教師たちの苦労,そのための学校全体のカリキュラムは,残念ながら,番組中では示されなかった。これは,教育テレビではなく,総合テレビで放送されたのだから,教師向けの要素が希薄でも,まあ仕方がないだろう。それを知りたい方には,ぜひ,NHKの『学校デジタル羅針盤』第14回をご覧いただきたいと思う。同じ東京の八坂中学校の営み,それをデザインする教師たちの工夫について勉強できるから。

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2005.12.16

授業研究のフロンティア(大阪教育大学附属平野小学校の公開研究会)

 咳が止まらない。優しい院生が咳止めシロップをくれたが,効かない。早く治ってほしい。少しでも原稿執筆を進めたいから。
 ところで,本日,大阪教育大学附属平野小学校の先生と平成18年2月17日(金)に催される,同校の公開研究会について打ち合わせをした。附属平野小学校の研究主題は,「確かな学びを創り出す学校(第4年次)~幼小中連携におけるめざす子ども像にあった学びをさぐる~」である。今,教育現場でとても重要である,異校園種の連携についての実践的提案だ。
 朝から3コマも授業が公開されるし,研究協議会は2時間もある。授業研究のフロンティアたる附属平野小学校ならではのメニューだ。ちなみに,最後の講演会は,同校を長く指導してきた田中博之先生と私の対談形式だ。
多くの方に参加してもらって,協議等を盛り上げていただきたい。

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2005.12.15

デジタルコンテンツの活用頻度等は?

 どうしてだろう。まだ風邪が治らない。喉が痛い。でも,原稿執筆をがんばらないと。
 ところで,本日,ある学生の修士論文研究計画の相談にのった。彼女は,デジタルコンテンツの日常的,継続的利用の要件について,検討したいと言う。彼女に言わせれば,「毎日」デジタルコンテンツを利用している状態が「継続的」と言える基準らしい。
 しかし,毎年何十回も学校現場に赴く私の経験からすると,そんな教師は皆無だ。また,(現在の一般的なIT環境からすれば)それは,望ましくもないように思う。だから,彼女に,まず実態把握が必要ですねとアドバイスした。
 このブログの読者は,デジタルコンテンツをどの程度利用していれば,「継続的」だと思われるだろうか。1週間に1度か,それとも1月に1度くらいか。あるいは,学期に1度程度だろうか――。 そもそも,「デジタルコンテンツ」という言葉を聞いて,それが何を意味するかをイメージできる教師の割合も調べないといけないようにも思う。

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2005.12.14

日本の小学校の教授組織は劇的に変わった

 なぜか風邪が治らない。咳きが続き,声が枯れる。でも,原稿執筆からは逃げられない――。
 ところで,ある学校のティーム・ティーチングを解説していて,実感した。日本の小学校の教授組織は劇的に変わったと。というのも,この学校の教育研究発表会の公開授業(5学年分)がすべて,ある種のティーム・ティーチングだったからだ。学級担任とALTのペアによる指導なども含めてではあるが。3人が協力して33名の児童を指導なんてクラスもあった。10年,20年前に学校を訪れてティーム・ティーチングを見ると新鮮だったが,今はもうごく自然な風景に思える。
 英国の小学校を訪れると,学級担任以外の指導者の姿を教室でよく目にする。例えば保護者や地域住民のボランティアやアシスタント,教育実習生,英語を話せない子どもや優秀児の指導用教師など,そのレパートリーも豊富だ。
 我が国のティーム・ティーチングも,やがてそんな風になるかもしれない。

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2005.12.13

あなたの学校には,子どもたちにとって「居心地のよい場所」がありますか。

 まだ風邪が治らない。しかし,ある原稿の提出締め切りがどんどん近づいてくる。咳き込みながら,今日も原稿を執筆した。
 ある学校の環境を解説していて,ふと考えた。学校研究を進展させている学校には,子どもたちにとって居心地のよい場所があるのが通例だと。jogekita_elementary_school
 例えば,写真の小学校は,正面玄関を入ったところの広めのスペースにソファを置き,また図書を配置して,子どもたちに開放している。彼らは,休憩時間にはこの空間で,のんびりと読書にふけったり,友だちとおしゃべりに興じたりしている。この学校とのつきあいは長いが,こんなことについて教師たちと論じたことはない。けれどもなんとなく気になって,私も写真を撮っておいたのだろう(もう2年近く前の写真)。どうも,「居場所のよい場所」の構築と学校研究の進展には,連関があるような気がしてならない。
 あなたの学校には,子どもたちにとって「居心地のよい場所」がありますか。

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2005.12.12

「本物の楽しさや学びの楽しさにふれさせることが大切だ」(I先生の言葉から)

 12日,講義:教職概論に,ゲストスピーカーとして,学校現場から,I先生をお招きした。授業づくりの実際について,学生に語っていただくためにだ。I先生にも毎年来ていただいて,新しい授業づくりのコンセプトやアイデアについて,豊かな情報を提供してもらっている。
 今年度の講義の中でも,含蓄のある言葉が次々と出てきた。次のようなものである。
「今日の学校は問題を起こさないことはありえない。問題を早期に発見し,迅速に対応できることが大切。」
「改善への意欲,向上心が(保護者等に)信頼される学校の条件である。」
「子どもたちのとの関係づくりには,彼らに,『自分は(この教師にとって)特別な存在なのだ』と思わせられるかどうかにかかっている。」
「『たとえ話』のうまい先生は,授業の上手な先生である。」
 また,実に巧みに,今日の授業づくりのポイントをまとめてもらった。それは,子どもたちの「楽しさ」の質が低下している現状では,授業や特別活動を通して,本物の楽しさや学びの楽しさにふれさせることが大切だというものである。具体的には次のようなポイントが示された。
○仲間とつながり、関係をつくる楽しさ-対話の質を高める-
○目標をもち、達成する楽しさ-挑戦の質を高める-
○創造し、表現する楽しさ-発想の質を高める-
○問いをもち、探究する楽しさ-発見の質を高める-

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2005.12.11

あの学校は今,どうなっているだろう

 ここ数日,風邪がひどくなり,ほとんど寝込む状態が続いた。昨日などは,1日の大半をベッドで過ごした。しかし,ある原稿の提出締め切りが近づいている。今日は,ふらふらになりながら,書かざるを得なかった(反動が怖いが)。
 原稿の内容は,学校における実践研究=学校研究についてだ。書いていると,様々な学校との関わり,共同的関係が思い起こされた。それが続いている学校もあれば,いつの間にか足を運ばなくなった学校もある。
 学校に同じ研究者が長く関わりすぎると,両者の関係がマンネリに陥りやすく,学校研究も進展しにくい。それを避けるためには,オーケストラが客員指揮者を招くように,学校も,時々は違った考え方,専門性を有する研究者の声を聞く方がよい。昔,水越先生に,そう教えていただいた。だから,自分が交わらなくなった学校が,違う方からのアイデアやアドバイスで,実践研究を継続・発展してさえいれば,それでいいのだと思う。
 ただ,何をやっているかさえも地域や業界で話題にならなくなった,つまり実践研究をストップしたような学校があるとすれば,それは残念だ。よけいなお世話かもしれないが,ふと,「あの学校は今,どうなっているだろう」と原稿を書きながら,心配になった。

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2005.12.09

我が国と英国の学力向上(山口二郎著『ブレア時代のイギリス』岩波新書)

 先日,山口二郎著『ブレア時代のイギリス』(岩波新書)を購入して,読んだ。この本の中に,「教育立国の理想と現実」という節が設けられているからだ。彼の地を何度も訪れ,学校現場にも足繁く通った自分の印象とこの本における著者の指摘は,かなり整合的であった。特に次のような叙述に,それは顕著である。
 ・労働党政権の教育政策は,経済政策の観点からの競争力強化と,社会正義の観点からの公平性の追求という二つの顔を持っている。(p.54)
 ・学力低下にショックを受けて基礎学力向上に国を挙げて乗り出すという点で,イギリスは日本の数年先を走っているように見える。日本では掛け声と精神論が幅を利かし,教育現場に苦労が押し付けられるのに対して,イギリスでは人的物的基盤の強化に大きな資金が投入されている。また公立学校の強化によって低所得者層に対するより手厚い支援を行っている点も高く評価できる。(p.55)
 我が国と英国の学力向上の営み,その異同がきれいに整理してあると思う。

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2005.12.08

eCCプロジェクトの縦断的評価

 7日,eCCプロジェクトの参加メンバーの学校を訪問した。このプロジェクトは,松下教育研究財団の平成16年度研究開発助成による,カリキュラム・コーディネータ養成のためのe-Learningプログラムだった。今回の訪問の目的は,メンバーがプロジェクトで得た知識を所属校のカリキュラム開発にどう生かしているかを把握することであった。
 eCCプロジェクトをいくつかの研究会で報告してきたが,いつも,「研修プログラムへの参加経験を参加者がどのように実践に結実させているのか」といった質問を受けてきた。7月と今回の訪問,8月のヒアリング等で,ある程度,そうした問いに対する答えを得られたように思う。
 プロジェクトの縦断的評価の結果を要約すれば,eCCプロジェクトの参加者は,全体として,プロジェクトで得た知識を所属校のカリキュラムの進展に役立てていると言える。ただし,一定の条件が整わないと知識の活用可能性が限定される,活用可能性が高い知識とそうでないものがあることも確認された。これらの知見は,次年度の学会等で報告する予定である。

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2005.12.07

松下教育研究財団の実践研究助成

 松下教育研究財団は,小中高等学校現場の実践研究に対して,助成活動を実施している。平成18年度で,それは,32回を数える。すごい年数だ。1年間を単位とした研究に対し,1件50万円が助成される。60件への助成が予定されている。
 学校研究は,お金があっても無くても,それが教師の自己実現の術だから,また子どもの成長に資するものだから,ぜひ取り組んでもらいたいとは思う。しかし,その刺激として,また条件整備用に,あるいは研究成果のアピールのために,助成金があることは,絶対いいことだ。とりわけ,松下教育研究財団の助成は,学校の取り組みを縛るものではない。使い道は,研究課題との整合性があれば,また計画的であれば,かなり自由だ(もちろん,松下製品の活用は義務づけられていない)。
 今年の応募要項等が財団ホームページにアップされた。申請書もダウンロードできる。たくさんの学校には,ぜひ,助成に応募して,助成金を獲得し,実践研究を充実させてもらいたい。申請書の提出締め切りは,来年1月末日だ。

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2005.12.06

学校の研究発表会に子どもはどう臨んでいるか

 秋の研究発表会シーズンが終わった。いくつかの学校の教育研究発表会に参加して,いろいろ考えたことがあった。
 そのひとつが,子どもは,教師たちの教育研究発表会に向けての取り組みをどう感じているかということである。先日,ある学校の教師から,発表会を経験した子どもたちの感想を載せた学級通信が送られてきた。そこには,「待ちに待った研究会」,「先生方に自分のがんばりが伝わるといいなと思っていた」,「今までの工夫や成果を全部出し切って,(中略),達成感が湧いてきた」といった表現が並んでいた。この学校の教師たちの授業研究やカリキュラム開発への熱意が子どもに再帰していることを象徴する記述であろう。
 また,ある学校では,黒板の「今日のめあて」に,「研究発表会を成功させよう」と子どもが書いていた。まだ3年生の子どもの字は拙かったが,彼らが,教師とともに,授業という舞台で何かに挑戦しようとしていることがうかがえた。

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2005.12.05

生徒指導の実際-その枠組みと典型的事例-(Y先生の講義から)

 5日,担当している講義「教職概論」に,ゲストスピーカーとして,学校現場から,Y先生をお招きした。生徒指導の実際について,学生に語っていただくためにだ。毎年,実に,見事な講義をしていただける。
 生徒指導を,,特効薬(緊急手術)たる問題行動への対応と漢方薬たる集団づくり&人間関係づくりに分類すること,問題行動への初期対応と組織的対応,不登校等の生徒への段階的対処など,学校現場での生徒指導の基本的な考え方とその枠組みをきれいに整理していただいた。また,その典型的事例をZ中学校の「仮想:生徒指導週間報告」を用いて,示していただいた。
このような整理や事例知識は,とても私には,学生に提供できない。すごいなーと思う。しかし,自分は,授業研究,学校研究,カリキュラム開発についてなら,ある程度,こうした整理や典型的事例を示せるかもしれない。
そして,学校現場のミドルリーダーは,両方に長けていないといけないだろうから,ものすごい力量が必要とされよう。

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2005.12.04

研究紀要の作成方針・構成案(LTプロジェクト第4課題)

 このブログでも何度も紹介しているが,今年度から,学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)を企画・運営している。松下教育研究財団に支援された,2年継続のプロジェクトだ。
 今月から2月間,第4課題に取り組む。それは,参加者に,ある地域の小中一貫教育の実践内容を提示して,実践研究をまとめた「研究紀要」の作成方針や構成案(目次,執筆者等)を提案してもらう,というものだ。
 研究紀要は,実践研究の過程,成果と課題,実際が読者に伝わるものでないといけない。しかし,何でも盛り込めばいいというものではない。読者に研究の特長をアピールするための編集の工夫が必要だ。しかも,事例として取り上げた地域では,3年間で,様々な取り組みに着手しているので,いっそう提案の質が問われることになろう。
 プロジェクトの参加者がいかなる作成方針や構成案を呈してくれるか,今から楽しみである。

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2005.12.03

平成18年度教育放送企画検討会議

 3日,東京・渋谷のNHKで,平成18年度教育放送企画検討会議が催され,私も参加した。この会は,次年度のNHK学校放送番組,幼児向け番組等の編成,新番組,デジタル教材などのコンセプトや内容が制作者から紹介され,それについて学識経験者や学校現場の実践家が意見を述べる機会だ。
 小学校向け番組では,高学年用番組の変化が大きそうだ。例えば,国語番組や道徳ドキュメントの登場,理科番組のリニューアルが進むそうだ。中高等学校向け番組は,「体と健康」や「消費者教育」をテーマとするものが生まれるのが特徴的だ。なかなかユニークな題材が扱われる予定とのことで,それらは,生活指導等に活用できそうである。「10min. ボックス」には,国語が制作される予定とも聞いた。

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2005.12.02

教育の現代化(平成17年度後期の大学院演習「学校教育学研究演習2」)

 17年度後期,大学院文学研究科・人間行動学専攻・教育学専修の学校教育学研究演習2で,David J. Flinders & Stephen J. Thornton (Eds) (2004) The Curriculum Studies Reader(2nd), Routledge Falmer, New York and Londonをテキストに取り上げている。この本は,カリキュラム研究の名著,主要論文のコレクションだ。
 今回は,ジョン・グッドランドの好著,School Curriculum Reform in the United Statesからの抜粋文を読み,1960年代の米国の「教育の現代化」の動き,その今日的意義について,学生たちと議論した。これがスプートニックショックに端を発していることは理解していたが,これが商業ベースに乗っていたこと,各教科の原理に基づいて目標が設定されていたが,それを通じてどのような能力・資質を子どもに育むのかという「ねらい(Aims)」についての議論を欠いていたことなどについて,深く理解できた。

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2005.12.01

放送教育の地道な取り組み(浜松で虎の穴OBと会って)

 30日,雄踏町からの帰り,浜松駅近くで,放送教育指導者養成講座(通称:虎の穴)のOBと会った。今回は旧交を温めるための食事会だと思っていたら,途中から,彼らが実践記録のプリント資料を取り出して,あれよあれよという間に,研究会が始まった(小中学校の研修会に続いてだから,くたくたになったが――)。
 静岡県ではあまり放送教育が盛んではないらしいが,各人が,クラスで,そして所属校で,地道な取り組みを継続してくれていることに感心した。内容についても,「かんじる算数1,2,3」を参観会で保護者にも視聴してもらい,その後の活動も親子等で展開してもらうといった,新しいアイデアが登場して,おもしろいと思った。
 我が「なにわ放研」とは違い,会場や研究者のアドバイス等について,彼らはハンデを抱えている。しかし,虎の穴卒業生が4人も揃っているのだから,なんとかなるはずだ。それぐらいのパワーを虎の穴で身につけたはずだ。彼らならば,そのハンデをものともせず,彼の地で放送教育実践の火を大きくしてくれるに違いないと,信じている。

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