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2005.12.30

「授業リフレクションのためのデータ」(澤本和子・宗我部義則編『中原小学校の挑戦!』東洋館出版)

 学校研究の理念・フレームワーク・モデル等についての原稿を執筆している中で,澤本和子・宗我部義則編『中原小学校の挑戦!』(東洋館出版)を再度手に取った。編者のお一人の澤本先生とは研究領域が近いこともあり,親しくさせていただいている。この本もご献本いただいたものだ。その時にもざっと目を通したが,今回,「学校研究を形成的に評価するために収集すべきデータ」について論じるために,再度読んでみた。
 この本の中で,澤本先生ご自身が授業リフレクションの特質やその方法について論じていらっしゃる。授業リフレクションで活用するとされる,「学習履歴・指導記録(授業中に子どもや教師が書いた記録=ノート,作品,座席表,日誌等),メディア利用の記録(ビデオやカセットテープ等による授業記録),第三者による記録(観察者の記録等),調査研究データ(調査・テスト結果,授業後の記録<日誌・日記・感想文等>等)」は,学校研究を多面的に評価し,それを改善するためのデータの主柱ともなろう。
 なお,授業リフレクションの特質についての次の説明は,教師の成長の本質を見事に描いている。特に,「『一人の教師としての私』という『自己のまとまり』」というくだりは,実に的確だと思う。

「--前略--例えば,一週間前の国語の授業を振り返るとする。そのとき指導していた自分(教師)を,今の自分(教師)が振り返る。つまり,過去の自分と現在の自分が別人のように存在しているが,時間と空間の違いを超えて,『一人の教師としての私』という『自己のまとまり』を一貫したものとして維持することが必要になる。そのとき,自分の働きかけの意味を深く考え直したり,指導した子どもの気持ちを推察して学習者の理解を深めたり,明日の指導につないだりする。このとき,『教師としての自己のまとまり』や『教師としての一貫性』を熟慮する過程で,自己の生き方や指導の意味と課題,自分と子どもの関係や,自分と教材の関係などにも気づき(self-awareness)を得るのである。」(p.127)

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