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2006.02.28

食を通じた異校園種連携(大阪教育大学附属平野幼小中学校の先生方との勉強会から)

 本日,大阪教育大学附属平野幼小中学校の先生方と第110回S&C勉強会を開催した。小学校の教師から,図工の授業や研究の枠組みを提案してもらい,幼稚園や中学校との接続可能性を考えた。また,幼稚園の研究主任から,給食を通じた4歳児の成長,それに向けた支援の記録を発表してもらった。DSC02878
 それが,異校園種連携の重要な術になることを参加者は共通理解できた。食は,どの段階の子どもたちも営む活動だ。だから,それは異校園種の共通カリキュラムとなるだろうし,その取り扱いの違いは,カリキュラムの系統を生み出すことになる。さらに,食は,コミュニケーションの題材であり舞台であるので,幼児・児童・生徒の関係構築にも資する
 そういえば,現在,様々な地域で小中一貫教育等に関わっているが,食育を基盤とするものには出会ったことがない。今日の議論の盛り上がりからすると,これは一考に値しよう。

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2006.02.27

「研修力」の高い学校(丹波市立西小学校の校内研修)

 27日に,兵庫県丹波市立西小学校の校内研修に参加した。私を含め,参加者は,6年生の理科の授業を見学した後,それをもとにした事後協議,今年度の学校研究の総括をいわゆるワークショップ型で展開した。写真は,研究授業の評価を2グループに分かれて進めている様子である。DSC02867
 協議は20分ほど,総括は30分ほどの時間しか確保できなかったが,実に内容の濃い議論が成立した。各教師が,すばやく,また簡潔明瞭に,授業や学校研究についての意見を書き出せるからだ。またグループになって,各意見を類型化し,ラベルをつけ,その整理結果を上手に発表できるからだ。
各教師が主体的,また能動的な研修のスタイルによく慣れている。だから,短い時間でも,多様な意見が表出され,また比較検討される。「研修力」が高い。こういう学校の実践研究は必ず発展すると思う。研究授業の工夫や課題の共有化が促されるから。
 そういえば,研究授業も子どもたちが主体的,個別的な追究を繰り広げ,またその成果をクラスの仲間に伝えて,その共有が成立していた。教師たちの研修スタイルと,子どもたちの学習スタイルが共鳴していた

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2006.02.26

メディア・リテラシー教材の評価(総務省事業の一環)

 ここ数日,総務省の事業として開発された,メディア・リテラシー教材の評価に時間を費やしている。この事業は,平成12年度に,青少年のメディア・リテラシー向上のためにスタートした。小中学生がメディア・リテラシーについて学ぶためのビデオ教材等がいくつも制作されてきた。
 今回,私は,16年度に制作された,小学校高学年向けの教材のテーマ等の妥当性,利用場面,問題点などについてコメントする。また,今後の教材開発や事業のあり方についても意見を述べる。
 評価のための有識者委員会のメンバーは教育学を専門とするものとメディア研究を専門とするものに分かれるが,おそらく最も学校現場との距離が近いのが私であろう。そうした立場を意識して,学校の先生方の声を代表して教材評価の役割を果たしたいと思う。

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2006.02.25

キャリア体験に関する生徒自身の発表(竹原市にて)

 本日,広島県竹原市の竹原市民館を会場にして,キャリア教育実践プロジェクト「キャリア・スタート・ウィーク」に関する実践研究発表会(2月25日開催)が催された。
 私は,シンポジウムのコーディネータを務め,この事業による生徒の成長,組織的展開の意義,体系的なカリキュラムの必要性などについて,登壇者の意見を整理していった。DSC02779
 ところで,シンポジウムに先立って,4中学校の生徒による意見交流会が開かれ。そこで,彼ら自身がキャリア体験を発表した。これが,見事だった。司会進行役の教師が次々の発する質問に,明快に,また本音で答えていた。しかも,ジョークを交えて。大人だって,こんなテンポで,あんなにも相互作用的な意見交換はそうそうできるものではない。それは,彼らがキャリア体験に真摯に取り組み,それに対する省察を重ねたことによるものだろう。また,キャリア体験で大人,地域の方等とリアルなコミュニケーションを繰り広げて「ことばの力」,表現力を高めたことによるものだろう。

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2006.02.24

番組の性格や特長を生かした授業づくり(第36回なにわ放送教育研究会での実践報告から)

 23日,NHK大阪で,第36回なにわ放送教育研究会が催された。今回は,あるメンバーが「おもりが動くとき」(選択単元)における番組「サイエンス・ゴーゴー」の利用について,紹介してくれた。
 彼は,昨年度から,社会科や理科において,番組利用を基盤とする習熟度別指導(教師1人で習熟度別の複数のコースを指導する)の実現に腐心している。それらは,算数等を対象とする習熟度別指導しか念頭にない実践者が少なくない中で,極めてユニークな実践的提案だ。
 今回,報告があった実践は,3本の番組を利用する。第17回『おもりの動きを調べよう』,第18回『振り子のきまり』,第19回『おもりの働き』である。松浦教諭は,第17回を導入で用いて,視聴後に「実験計画における条件統制」に関する形成的評価を実施し,その結果に応じた2つのコースを準備している。あるコースは,教師がていねいに実験計画を指導するもので,もう1つのコースは,第19回の番組などをてがかりに,より複雑な条件統制について自主的に学ぶコースである。単元の終末では,クラス全員で第18回の番組を視聴し,学習の共有化を図る。
上述したような単元構成は,一応筋が通っている。しかし,私は,疑念を呈した。それは,「第17回の番組の性格を読み間違っているのではないか」ということであった。第17回の番組は,「衝突」や「振り子」に関する興味・関心を喚起し,子どもたちが内容を選択する際の指針を提供することが目指されている。科学的な理解や思考・判断ではなく,関心・意欲・態度をターゲットとする構成なのだ。それを生かすならば,同じ個に応じた指導でも,習熟度別ではなく,興味・関心別のコースが用意されるべきであろう。
 放送教育は,良きにつけ悪しきにつけ,「まず番組ありき」である。私は,番組の性格や特徴を生かした授業づくりの重要性を繰り返して主張した。

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2006.02.23

情報モラルの学習の今日的展開(千早赤阪村立赤阪小学校の授業から)

 23日,大阪府南河内郡千早赤阪村立赤阪小学校で,情報モラルの学習を見学した。同校は,村内の他の小学校,幼稚園,そして中学校と今年度より3年間,研究開発学校の指定を受け,英語科や情報科のカリキュラム開発に着手している。
 4年生の子どもたちが,「ネット社会の歩き方」のアニメーションを題材として,インターネット上には情報モラルに反するページがあること,特に個人情報の保護には留意すべきであることを確認していた。
子どもたちは,例えば名前や住所などの入力を求められたら,それを問題視することは,学習前から理解していた。個人情報といった用語も何名かの子どもは知っていた。DSC02766
 子どもが頭では分かっている内容を,さらにどう指導すればよいのか。もし知識を充実させたいのであれば,利用の便利さとの兼ね合い,情報モラルに反するページのレパートリー,その巧妙なデザインなどに踏みこむのがよいだろう。態度変容を目指すのであれば,実際のトラブル,その怖さを実感できる実話にふれさせるとか,チェックリストを用いて自らのインターネット利用を点検させるといったアクションが用意されるのが望ましかろう。
 子どもたちは,情報モラルについての知識をある程度持っているのだから,それを前提にした指導の再構築が期待されよう

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2006.02.22

授業づくりとカーリング

 授業づくりは,よくスポーツにたとえられる。例えば,野球に。ワンアウトでランナー1塁の状況で,監督が取り得る作戦が多様で,しかもその適否がバッターやランナー,それから相手投手や捕手の力量によって大きく変わる。そうした手だての多様性状況依存性が授業づくりの場合とよく似ているからだろう。
 冬のスポーツでは,なんといっても,最近はやりの「カーリング」が授業づくりのメタファにふさわしいと思う。上述した,手だての多様性や状況依存性に加えて,控え選手も含めたチームプレイ(多様な属性を持つ教師たちの共同,同僚性の大切さ),10のエンドで勝敗を決する(単独の授業ではなく,年間・学校レベルのカリキュラムで子どもを育てる),単調な繰り返しのショットと勝負をかけるキーショットの両方が大切(日常的な実践と研究授業等の充実),選手の活躍は地域の環境に支えられている(学校と家庭・地域との連携)など,その共通項は枚挙にいとまがない。
 先週,今週と,授業づくりとカーリングの共通点を感じて,授業研究に励む全国の教師が,トリノでがんばる日本女子チームに熱い声援を送ったに違いない(と思う,私がそうだったから――)。

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2006.02.21

国語科の目標や評価規準・判断基準(ある学校の研究授業から)

 21日に,府内のある小学校で実施された,第3学年の国語の研究授業を見学した。題材は,「おにたのぼうし」であった。子どもたちは,「おにた」の気持ちを汲んで,表現豊かに音読していた。また,一生懸命,文章の読み取りに挑戦していた。それらは,このクラスの子どもたちの国語の力の高まりを示すものであった。DSC02707
 ところで,授業者が設定した目標は,「手をだらんと下げてふるふるっと,悲しそうに見ぶるいした,おにたの驚きや悲しみに,共感する。<書く><話す・聞く>」というものであった。なぜ,「書く」「話す・聞く」なのであろうか。授業者にたずねてみると,その理由は,子どもたちがおにたの心情を想像して,それを「ワークシートに書く」からであり,またクラスで「発表し,交流する」からのようであった。けれども,それら「書く」あるいは「発表する」という活動は,本時では,過程や手段に過ぎない。 さらに,評価規準や判断基準についても,B基準が「おにたの驚き,悲しむ様子を見て思ったことを書くことができる」,A基準が「おにたの驚き,悲しむ様子を見て思ったことを書き,発表することができる」と準備されていた。これも,問題だ。「読む力」の規準・基準でないばかりか,A基準とB基準で,観点が違ってしまっているからだ
 授業者の考えをよく聞いてみると,どうやら,本時は,「根拠をもって読む」ことが目指されていたし,その妥当性や重層性が判断の基準に据えられていたようだった。だから,指導案の記述が混乱しているだけだったのだが――。ただ,他でも,似たようなケースに遭遇することがある。どうも,国語科の目標や評価の観点(規準や基準)については,学校現場に誤解が少なくないように思う。

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2006.02.20

学校と地域の連携に関する報告・発表(大阪市教育委員会の「はぐくみネット」フォーラム)

 18日に,地下鉄谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘」駅近くのクレオ大阪中央ホールで,「はぐくみネット」のフォーラムが催された。これは,大阪市の各小学校が地区協議会等とタイアップして展開している学校,家庭,地域の連携プロジェクトに関する研究発表会だ。本年度までに,市内300弱の学校のうち,186校で実施されている。当日は,3つの小学校区の実践報告,3つの小学校区のステージ発表の後,私がコーディネータ役を務めるパネルディスカッションが繰り広げられた。DSC02649
 さて,6校区の報告や発表は,取り組みの特長を示すべく,たいへん工夫されたものであった。例えば,ある学区では,子どもたちの安全確保のために地域住民のボランティアが「見守り隊」を結成しているが,そのテーマソングを歌ってくれた(歌はDVD化されているが,その収録の模様も映像で示してくれた)。またある学区では,地域住民のボランティアが子どもたちに紙芝居や本の読み聞かせの場を提供してくれているが,それを実演してくれた。
 生涯学習の営みらしい,楽しく,豊かなフォーラムとなった。はぐくみネットの実行委員会委員の1人として,とてもうれしかった。

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2006.02.19

20年越しの対談実現

 昨日,一昨日もレポートしたように,17日,大阪教育大学附属平野小学校で教育研究発表会が催され,私も参加した。大阪教育大学の田中博之先生との対談であった。テーマは,「これからの授業改善と学校改革-幼小中連携を生かして-」である。実は,これにはエピソードがある。
 約20年前,当時所属していた大阪大学人間科学部教育技術学講座のメンバーで,愛知県のオープンスクール,緒川小学校の研究発表会に参加した。同校の実践研究を支援している加藤幸次先生と水越敏行先生のご対談が発表会のメニューに組み込まれていた。お二人は,同じ研究室ではなかったようだが,名古屋大学教育学部の同窓生で,それゆえ,加藤先生が「水越先生は大先輩で――」と対談の最初に言われていた。それを聞いた田中さんが,私に,「いつか,ぼくと木原くんで対談をやろうか」とおっしゃっていたことをよく覚えている。
 先日の平野附小での対談は,20年越しの対談実現だったわけだ。そうした意味で,先の対談は,個人的にも感慨深いものだった。

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2006.02.18

管理職の力強い一言(大阪教育大学附属平野小学校の教育研究発表会にて)

 昨日もレポートしたように,17日,大阪教育大学附属平野小学校で教育研究発表会が催さ,私も参加した。大阪教育大学の田中博之先生との対談であった。テーマは,「これからの授業改善と学校改革」である。
 私は,対談において,附属平野小学校の実践の特長,例えば「学習ルールの徹底」や「形成的評価を通じた学び直しの機会の充実」などにふれた。同時に,授業づくりの工夫やカリキュラムの整備に比べて,研究発表会の形式,特に教科別分科会のスタイルを刷新すべきであることを指摘した。DSC02633
 対談後の「閉会のごあいさつ」で,同校の副校長が「来年は分科会のスタイルを改革します」と明言された。今のやり方にもよい点はあるし,改革しづらい事情も多々あるだろうに――。外部評価の結果を受けて新しい取り組みに着手する姿勢を力強く宣言なさる姿勢に敬意を表したいし,そういう管理職がいらっしゃる学校は必ず実践を発展させられると思う

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2006.02.17

幼小中連携の多様性(大阪教育大学附属平野小学校の教育研究発表会にて)

 17日,大阪教育大学附属平野小学校で教育研究発表会が催された。同校の研究主題は,「確かな学びを創り出す学校(第4年次)~幼小中連携における めざす子ども像にあった学びをさぐる~」である。
 附属平野学校園の幼小中連携は,その多様性を特長としている。研究紀要9頁に記されているが,まず,カリキュラム開発を指向する授業研究(研究面),諸機関との連携(運営面),そして,学校生活での一貫(生活面)という,3本柱を教師たちは確立している。DSC02625
 次いで,例えば,授業研究であれば,「目標からのアプローチ」,「方法(活動)面からのアプローチ」,そして「内容面からのアプローチ」という,より具体的な視点を彼らは準備している。教科等の特性を踏まえた,生かした幼小中連携のいっそうの充実を同学園の教師たちに期待したい。特に,異校園種の教師たちが実践のアイデアを交流できる研修会のデザインを。

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2006.02.16

「最終講義」に思う

 この時期,大学では,年度末で定年を迎えられる教授等の最終講義が催される。昨日,我が大阪市立大学・大学院文学研究科でも,ある教授の先生が,学生や卒業生,そして私たち大阪市大の教員に,カント哲学に関する講義をしてくださった。
 それを拝聴しながら,ふと思った。私は,このような形で特別な最終講義を催すだろうかと。また,もし催すとして,どこでどのようなメンバーに向かって,そしていかなるテーマやトピックで,最終講義に望むだろうかと。
今ならば,博士論文と同じように,教師の授業力量形成について,とりわけ,「授業研究や学校研究を通じた教師の力量形成」について講ずるだろうが,あと20年経ったら,どうだろうか――。
 なお,最終講義まであと20年強(そんなに体力がもたないかもしれないが)とすると,私の研究者人生も,もう半ばを過ぎたことになる。あと20年ほどでできる研究の量や質を考えると,焦燥感にかられた。

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2006.02.15

大阪教育大学附属平野小学校の教育研究発表会(明後日,17日)

 明後日の17日,大阪教育大学附属平野小学校で教育研究発表会が催される。同校の研究主題は,「確かな学びを創り出す学校(第4年次)~幼小中連携における めざす子ども像にあった学びをさぐる~」である。
 「確かな学力」育成のための指導と評価の工夫,とりわけ自己評価の活かし方,そして幼小中連携という,極めて今日的なトピックを検討するために,授業公開,全体会,教科別分科会,そして対談が用意されている。公開される授業は,朝から3コマの授業が組まれ,なんと21の授業が参加者に提供される。すごい量だ。しかも,例えば,6年生の算数では6年間の算数学習を振り返り,それをもとに算数の内容の関連性や体系性について考察するといった教科ポートフォリオのよき展開が示されるように,各教科等の指導と評価の工夫も見応えがある。また,小中連携等の多様なレパートリーにも学ぶところがたくさんある。
 私も,大先輩,大阪教育大学の田中博之先生との対談のために,この研究会に参加する。研究会では,少しでも多くの方との実践的交流を実現させたい。

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2006.02.14

卒業論文・修士論文の評価

 本日,我が大阪市立大学・文学部・教育学コースでは,卒業論文口頭試問会を開催した。休憩をはさんで,10:00から20:20まで続き,大変な日程だった。私は,12論文の試問に参加した(主査を務めたのは4論文)。
 昨年度もそうだったが,いくつかの論文については,審査する教員によって評価が分かれる。私は,問題「意識」はあまり問わない。問題の所在は,演繹的,合理的に決まると考えるからだ。執筆する学生の「こだわり」は,論文の背景にはなっても,論文の構成に反映すべきものではないと考えるからだ。
 むしろ,問題の所在と研究デザインの整合性,実証的データの取り方,分析の手続きといった点を,他の教員に比べて重視する傾向にあると言えよう
 しかし,論文の評価が分かれることはよいことだ。多様な専門性,方法論を保有するスタッフが揃っている証だから。

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2006.02.13

「メディアとのつきあい方」について講演(大阪市立総合生涯学習センターの「マルチメディア研修」講座)

 13日,大阪市立総合生涯学習センターの「マルチメディア研修」講座で講演を担当した。この講座は,同センターと我が大阪市立大学との連携講座で,私以外にもいくつかの部局の教員が連続して講演等を担当する。「マルチメディア」や「IT」がキーワードで,講座の趣旨文には,それらと「『上手につきあう』ための知識を提供する」と謳われている。
 担当した回では,学校や社会の情報化の実態を整理した後,いわゆるメディア・リテラシーの概念,それを育成する方法論を呈し,またそれらに即した事例を紹介した。教員対象の講演ではないのでいつもと勝手が違ったが,まあなんとか終わってほっとしている。
 しかし,これで今日も原稿を執筆する時間がなくなった――。

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2006.02.12

「反省的実践家としての教師像」はイメージしづらい?

 昨日と本日,後期に担当した講義「教職概論」のレポートの採点に忙殺された。10年目の教師の6月の1週間の行動をシミュレーションするという課題だが,昨日も報告したように,各レポートを6つの観点で採点した。300部以上のレポートを評価するのに膨大な時間が必要だったが,やっと終わった。
 採点してみると,評価の観点のうち,「反省的実践家としての教師像:教育実践の見直しとやり直しに留意している」というものを満たすのが,受講生には,難しいようだった。「授業を反省する」とか「子どもへの対応を見直す」とは記しているものの,それにどのような材料で取り組むのか,そして省察の結果,いかなる改善に向けたアクションに取り組むのかが,何割かの受講生にはシミュレーションしづらいようだった。講義では,即時的な対応,授業間の再設計,単元終了後の次なるプランの策定などを紹介したのだが――。

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2006.02.11

レポートの観点別評価(教職の1週間のシミュレーション)

 後期に担当した講義「教職概論」のレポートの採点に苦しんでいる。300部以上,観点別に評価しているからだ。
 このレポートの課題は,「1.テーマあなたが,卒業後すぐに教職に就いたとします。それから,10年後に,あなたは,教師として,どのような取り組みを進めているべきでしょうか。就職してから10年後の6月のある週を念頭に置いて,その週の月曜日から金曜日までの営みをシミュレーションしてください。」という,「考える力」が問われるものだ。
 また,レポートは,次のような観点で評価される。
 (1)完成:示された形式を遵守している(10点)
 (2)正確さ:記述に誤りがない(10点)
 (3)実際性:教師の日常的な営みを「具体的に」叙述している(10点)
 (4)内容の充実(30点)
 ①教職の特性:教職の「無境界性」を踏まえている
 ②反省的実践家としての教師像:教育実践の見直しとやり直しに留意している
 ③今日の社会が求める教師像:21世紀の教師に期待される新しい力量とそれに応じた取り組みについて言及している
 この観点別評価にとても時間がかかる。あとどれくらい時間を要するだろうか――気が遠くなりそうだ。

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2006.02.10

「学校デジタル羅針盤」最後の出演

 10日11:30から,NHK教育テレビジョンで,『学校デジタル羅針盤』の第18回(放送日:2/10・2/17)が放送される。番組が今年度で終了になるため,この回は,私の同番組解説の最後の回となる。
 今回は,小学校中学年の道徳番組「さわやか3組」を活用した,名古屋市の実践事例を題材にして,道徳教育における放送番組利用の意義を再確認したり,そのための前提条件を整理したりした。
 最後の出演となるから,できるだけ多くの方に目にしてもらいたい。再放送もあるし,『学校デジタル羅針盤』のホームページでも動画配信がされているので

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2006.02.09

授業が同僚に開かれている学校(竹原市立忠海中学校)

 昨日も報告したように,8日,広島県竹原市立忠海中学校を訪問した。キャリア教育実践プロジェクト「キャリア・スタート・ウィーク」に関する実践研究発表会(2月25日開催)のシンポジウムの打ち合わせのためだったが,せっかくだから,教科等の授業を見学させてもらった。
 同校の教頭や若き教務主任等と一緒に,教室や体育館をめぐり,様々な授業を見せてもらった。どの授業でも生徒が落ち着いて学習に取り組んでいたが,驚いたことに,行く先々で,私を引率してくれた教師たちが,担当する教師との打ち合わせもなく,(私などほっといて)生徒を指導する。それでも,生徒たちは,違和感なく,第2,第3の教師に分からないところ,つまずいている部分を教えてもらっている。担当する教師たちも,なんらそれを気にしていない。体育のバレーボールでは,欠席者がいるためか,パス練習をする際にパートナー不在の生徒がいたが,教務主任が進んで代役を務めてあげていた(あまりパスが上手じゃなかったのが,これもまた微笑ましいのだが――)。
 「授業が同僚に開かれている」と感じた。一般に,中学校の授業は教科担任制で進められているので,他教科の教師は関与しにくい。しかし,忠海中学校では,できるときに,できることはなんでもやろうという姿勢を教師たちが共有している。こういうムードの学校だから,生徒たちが学習に勤しんでいるのだろうし,授業研究,カリキュラム開発,学校改革が進展するのだろう。
 読者の授業では,そして読者の学校では,どうだろうか。突然,第三者が教室等にやってきて,授業に加わっても,即時的にティームティーチングが成立するだろうか。授業が同僚に開かれているだろうか。

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2006.02.08

キャリア教育の実践研究の発表会(2月25日・竹原市にて)

 本日,広島県竹原市立忠海中学校を訪問して,竹原市の4中学で取り組んでいるキャリア教育実践プロジェクト「キャリア・スタート・ウィーク」に関する実践研究発表会(2月25日開催)のシンポジウムについて,その内容や進行を打ち合わせした。これは,4中学校が,家庭・地域・企業・関係機関の理解と協力の下で実施している,5日間のキャリア体験学習プログラムだ。
 当日は,推進組織による研究報告,生徒による意見交流会,講評に続いて,私がコーディネータを務めるシンポジウムが繰り広げられる。実施した中学校教員,事業所の方,PTA代表者に加えて,県教育委員会指導主事,小学校や高等学校教諭も登壇する。キャリア教育の新展開,その組織構築と体系的なカリキュラムの開発に向けた工夫と課題が議論される予定だ。多くの方の参加を期待したい。

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2006.02.07

大阪市教育委員会の「はぐくみネット」フォーラム

 18日に,地下鉄谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘」駅近くのクレオ大阪中央ホールで,「はぐくみネット」のフォーラムが催される。これは,大阪市の各小学校が地区協議会等とタイアップして展開している学校,家庭,地域の連携プロジェクトだ。学校と地域をつなぐキーパーソンとして,「コーディネータ」を設置しているのがユニークで,かつ特徴的だ。本年度までに,市内300弱の学校のうち,186校で実施の運びとなった。
 フォーラムでは,3つの小学校区の実践報告,3つの小学校区のステージ発表の後,私がコーディネータ役を務めるパネルディスカッションが繰り広げられる。このパネルでは,「はぐくみネット」の特長を再確認するとともに,それをさらに発展させるための術について,多角的に検討する予定だ。
 今年の定員は800名。毎年定員を超える申込があるので,希望者は早めに大阪市教育委員会市民学習振興課にご連絡いただきたい。

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2006.02.06

学力向上に取り組む教育委員会の姿勢(A市の学力向上推進委員会に参加して)

 本日も,A市の学力向上推進委員会に出席した。本年度,第5回目,最終回の会議だ。事務局から,学力向上と学校の活性化に向けたプランが示された。学力向上広報誌の発行,「学力向上主任」の設置,特色ある学校づくり推進事業など,たいへん盛りだくさんの内容だ。
 A市では,学力向上を目指して,新規事業を起こし,これまでの取り組みも規模を拡大すると言う。この厳しい財政事情に逆らって事業等を進めるのだから,驚きだ。理念を唱えるだけでなく,それを実現させるための条件整備に,A市教育委員会は努力を傾注している。その姿勢に敬意を表したい。

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2006.02.05

学校研究の企画・運営に関わるQ&A集(LTプロジェクトの中間成果の公開)

 昨日も報告したように,今年度,松下教育研究財団の助成により,学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)を進めている。次年度も継続なのだが,今年度末には,中間的な成果報告として,学校研究の企画・運営に関わるQ&A集を作成し,Web化する。
 メンバーはこれまで,4つの課題に取り組んできたが,そこで得た,学校研究推進のツボをまとめることになる。例えば,「学校研究の年間計画を作成するのは,いつ頃がよいのでしょうか。」とか,「研究テーマの原案を作成する前に,どんな資料を読んだらよいのでしょうか。」といった問いを設定し,それに対する回答を用意する。年間計画の作成であれば,それは,4月ではない。前年度の3月にある程度計画策定を試み,4月にはそれに修正を施すのがベターだ。
 メンバーと私で,こうした学校研究の企画・運営のツボを80項目ほど用意するつもりだ。Web化の折には,このブログの読者にも紹介するので,ぜひご覧いただきたい。

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2006.02.04

研究紀要の内容・構成の検討を研究主任はどうリードするか(LTプロジェクト第4回オフミから)

 4日,新大阪の貸会議室で,学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)の第4回オフミが開催された。
 今回も,参加者は,まず,プロジェクトのここまでの活動の自己点検・評価を実施した。その後,第4課題「研究紀要の内容・構成の検討」について,まずグループ別に発表会を催し,次いでグループ代表が全体に向けて提案し,それらの妥当性について意見交換を繰り広げた。
 さらに,第1~4課題を題材にして,年度末に作成するQ&A集の項目づくりを進めた。
本日の話題で最も重要なのは,「研究紀要の内容・構成の検討を研究主任はどうリードするか」という問題である。それは,次のように整理された。
 ①研究発表会開催日から逆算して,タイムスケジュールを決定する。
 ②内容・構成の原案の作成しながら,執筆分担も想定する。
 ③研究推進委員会,部会等では,上記想定の「7割」だけを提案する。
 ④提案に対する「抵抗勢力」の説得を試みる,執筆に対して不安を抱いている同僚に個別に相談にのってあげる。
 ⑤内容・構成の原案を修正して,それを全体会で提案する。
 ③,④あたりにどの程度対応しているかが,研究主任の実力を規定することになろう。

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2006.02.03

「伝えあう力」をどう育てるか

 先日,ある学校の国語科の授業を見学した。その学校は,「伝えあう力」を高める指導と評価の工夫改善に着手している。当日の授業の1つは,物語文,「ごんぎつね」の読解であった。ごんと兵十の心の動きを文章に即してていねいに吟味していく,しっかりした授業であった。
 ただ,この授業のデザインでは,「伝えあう力」を高めるというわけにはいかない。確かに,子どもたちは,自らの読み取りを「伝えあって」,それらを共有し,比較・検討してはいる。しかしそれは,「人間と人間の関係性」を踏まえた,互いの立場や考えを尊重したコミュニケーションではない。「伝えあう」ことは,作品を批評するための手段である。ないしは,今後の「伝えあい」において豊かな表現を駆使するための布石である。「伝えあい」の基礎体力の向上という性格を帯びたものと解釈すべきであろう。
 むしろ,単元の最終段階に位置づけられている,「読書会」が「伝えあい」をより鮮明にしたものであると,その構想を聞いて思った。この場面では,子どもたちが,「ごんぎつね」のテーマや文章表現に関連のある,新美南吉の別の作品や他の著者の作品を読み,その特徴を書き表し,それを友人に紹介する。まるで,感動文学作品フェアや新美南吉フォーラムを催すように。あるいは,童話学会を企画・運営するように。
 「伝えあう力」は,状況に即した学び,国語科におけるプロジェクト的な学習によって育まれ,発展させられるのだ。

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2006.02.02

非常勤講師で「教師発達学」を担当(大阪教育大学の大学院・実践学校教育講座の講義)

 私は,大阪市立大学に赴任してから毎年,いくつかの大学で非常勤講師を担当している。本務校での仕事や学校現場でのフィールドワークに差しつかえのないように,いずれも,夏休み等に集中講義でやらせてもらっている。
 ところが,次年度,例外的に,毎週担当する講義の非常勤講師も担当しそうだ(予定)。それは,大阪教育大学の大学院・実践学校教育専攻の「教師発達学」である。この実践学校教育講座は,夜間の課程で,現職教員が主たる学生だと聞く。かつて,岡山大学の大学院・教育学研究科・学校教育臨床専攻の講義で,「学習開発学」等を担当していた。久しぶりの教員向けの夜間独立専攻での講義等となる。
 予定している講義の内容等を紹介しておこう。

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2006.02.01

実践研究の継続・発展(東京都練馬区立八坂中学校の表現力の育成)

 1日,東京都練馬区立八坂中学校に赴いた。同校は,表現力の育成を標榜し,それに資する放送・視聴覚メディアの活用に取り組んでいる。第56回放送教育研究会全国大会の会場校として,全クラスの授業を公開してくれたが,今日は,今年度の取り組みを総括し,自然の研究の枠組みを検討するための研修会が催された。
 私は,表現力の育成の成果を確認しつつ,例えば,その評価の充実(評価規準・判断基準の作成と運用など),思考力と表現力を統合的に育成する授業デザインの可能性,教科横断的な指導による表現力のさらなる向上等について,同校の先生方にアドバイスをしてみた。
 表現力の育成を目指して八坂中が次年度いかなる枠組みで実践研究を推進するのか,それはまだ分からない。いずれにしても,このような場を早くに設定し,実践研究の継続・発展を図る,同校の先生方に敬意を表したいし,それに大きな期待を寄せている。

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