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2006.02.03

「伝えあう力」をどう育てるか

 先日,ある学校の国語科の授業を見学した。その学校は,「伝えあう力」を高める指導と評価の工夫改善に着手している。当日の授業の1つは,物語文,「ごんぎつね」の読解であった。ごんと兵十の心の動きを文章に即してていねいに吟味していく,しっかりした授業であった。
 ただ,この授業のデザインでは,「伝えあう力」を高めるというわけにはいかない。確かに,子どもたちは,自らの読み取りを「伝えあって」,それらを共有し,比較・検討してはいる。しかしそれは,「人間と人間の関係性」を踏まえた,互いの立場や考えを尊重したコミュニケーションではない。「伝えあう」ことは,作品を批評するための手段である。ないしは,今後の「伝えあい」において豊かな表現を駆使するための布石である。「伝えあい」の基礎体力の向上という性格を帯びたものと解釈すべきであろう。
 むしろ,単元の最終段階に位置づけられている,「読書会」が「伝えあい」をより鮮明にしたものであると,その構想を聞いて思った。この場面では,子どもたちが,「ごんぎつね」のテーマや文章表現に関連のある,新美南吉の別の作品や他の著者の作品を読み,その特徴を書き表し,それを友人に紹介する。まるで,感動文学作品フェアや新美南吉フォーラムを催すように。あるいは,童話学会を企画・運営するように。
 「伝えあう力」は,状況に即した学び,国語科におけるプロジェクト的な学習によって育まれ,発展させられるのだ。

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Comments

本日、まさに先生が指摘されたポイントを捉えた授業研が本校で行われました。大変参考にさせていただきました。

Posted by: TAKANO | 2006.02.07 at 12:11 AM

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