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2006.05.31

「伝え合う力」を高める-評価規準の作成と運用-

 30日,京都市立仁和小学校の校内研修会に参加した。同校は本年度,昨年度の引き続き,京都市教育委員会の指定を受け,「伝え合う力」の育成を主柱とする情報教育の実践研究に取り組む。その一環として,2年生算数と6年生国語の研究授業が実施された(私は国語だけ参加)。Dsc03994 6年生の国語は,学級討論会を開くものであった。「動物園で動物を飼うのはよいことである」という論題に対して,肯定派,否定派,聴衆,そしてチェック係に分かれる。授業の導入において,指導者は,子どもたちに,話し方,聞き方のポイントをていねいに確認していた。評価規準の作成,子どもとの共有化が板書,ノート,掲示などで重層的に試みられていた。子どもたちは,それらを意識して,本時の活動に取り組むし,そのふり返りにもたずさわる。本時で満たされなかった点を踏まえて次時の課題を明確にする。それらに基づいて子どもたちの様子を観察し,指導者は,時には子どもの活動に口を挟む。チェック係の子どもが評価規準を活用して,その役割を果たしていたことは多くの説明を要しないであろう。
 評価規準を指導者が意識することが「伝え合う力」を高めるためにとても大切であることを具体的に示してくれた授業であった。Dsc04009 なお,討論の進行をビデオクリップ(他校の子どもが取り組んでいる様子)で示すという,ICT活用のスパイスも効いていた。
 同校の研究発表会が,12月8日(金)に催され,全学年の授業が公開される。多くの方の参加を期待したい。

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2006.05.30

『教師が磨き合う学校研究』(ぎょうせい)のチラシ

 本日,「ぎょうせい」『悠』編集部から,拙著『教師が磨き合う学校研究』のチラシが届いた。執筆のコンセプトや目次が載っているので,ここで紹介しておこう。「scool_bsed_action_researches.pdf」をダウンロード
 また,ぎょうせいのホームページから購入できる。「新刊図書」→「5月の新刊」で該当ページにアクセスできるらしい。

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2006.05.29

地域教育協議会の普及(大阪市教育委員会による「はぐくみネット」)

 29日,大阪市庁舎(写真参考,瀟洒な建物!),Hagukumi003はぐくみネット」の平成18年度第1回実行委員会が催された。私も,委員の1人として,これに出席した。この営みは,大阪市の各小学校が地区協議会等とタイアップして展開している学校,家庭,地域の連携プロジェクトだ。既に研究期間も入れれば,5年度目を数える。市内300弱の学校のうち,263校で実施されるに至った。Hagukumi008 その取り組み内容の発展も含めて,事業は,着実に普及していると言える。毎年分厚くなる報告書をぜひご覧いただきたい。学校と地域の連携の具体的方策が満載だ。
 今日の委員会では,私は,1)学校や委員会等のスタッフに異動が生じても継続できることの価値,2)中学校との連携を視野に入れたアクションの今日的意義や可能性,3)ネットワークを駆使した「はぐくみネット」のアピールや活性化,4)事業終了後の体制に関する構想の重要性などをコメントした。
 なお,この事業の研究発表会は,平成19年2月17日(土)午後,北区市民センターで開催される。

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2006.05.28

『教師が磨き合う学校研究』(ぎょうせい)の刊行成る!

 本日,「ぎょうせい」『悠』編集部の齋籐さんにお会いし,同社より刊行されたばかりの『教師が磨き合う学校研究』を頂戴した。Dsc03975
 一昨年度『悠』に連載した内容に大幅に加筆して,できた著作である。実質的には,私の最初の単著となる。学校における実践研究=学校研究の理論と実践を整理して,その意義やモデルを提案したり,その特色ある実践を紹介しようとしたりしている。
 書店に並んだり,オンラインショップで購入できるようになったりするのには,もう少し時間がかかるようではあるが,興味のある方には,本書をぜひ手にしていただきたい。

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2006.05.27

授業におけるデジタルコンテンツ利用の現状分析(JSET06-3)

 本日,奈良教育大学を会場にして,日本教育工学会の研究会(JSET06-3)が開催された。私が指導(?)している大学院生が,「授業におけるデジタルコンテンツ利用の現状分析」について発表した。ベネッセ教育総研のご協力によって実施した,教員を対象とするアンケート調査の結果を整理して報告するものである。小学校教師717名,中学校教師532名,合計1249名から回答を得た結果に基づく。Dsc03956_1 回答者の6割がデジタルコンテンツをほとんどないしは全く活用していない,活用している教師でもその70%は「学期に数回」程度である,活用頻度が高い教師のコンテンツ利用には「多様性」「柔軟性」を確認できるといった知見を報告した。
 調査の枠組みを越えているためデータに基づいた回答は難しい質問が相次ぎ,本人はリアクションに窮していたが,このトピックを追究することの意義は理解され,共感されたと思う。よくがんばりました――。

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2006.05.26

読解力の育成に向けたアプローチ

 本日,守口市立三郷小学校の校内研修に参加した。同校は,今年度,「読解力」の育成を目指した実践研究を展開している。本日は,4年生国語科の説明的文章の読み取りに関する授業を見学し,それを題材として,読解力とその育成に向けた指導と評価について,教員間,教員と私の間で,意見を交換した。
 私は,今日的な「読解力」は,1)その対象に文字だけでなく図表も含まれる,2)情報の取り出しだけでなく,その解釈や熟考・評価を含む能力である,3)記述などにより,自らの意見を論じることも重視されている,といった点をアピールした。
 また,読解力の育成が確かな学力,とりわけ,技能・表現と思考・判断の能力の育成と深く関係していること,それらの育成に向けた指導と評価には,多様なアプローチが構想可能であることを解説した。
 そして,それぞれの教師が,旧来の国語教育における読解力の育成をアレンジする形でその指導に取り組み,チャレンジの成果を共有し,整理することが学校研究として重要であることに言及した。

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2006.05.25

お祝いのケーキ

 本日,おやつタイムに,大学院生がバースデーケーキを買ってきてくれた。P1003311 年甲斐もなく,ロウソクの火を「ふーっ」と消したりして,楽しませてもらった。いつも(?)優しい院生に感謝,感謝。

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2006.05.24

「実践研究の企画・運営入門」(IMETSフォーラム2006ワークショップ)

 8月4・5日,東京都港区立御成門中学校を会場にして,IMETSフォーラム2006が催される。私は,5日午前のワークショップ「実践研究の企画・運営入門~校内研修・研究の活性化をどう図るか」のコーディネータを務める(定員20名)。
 拙著『教師が磨き合う学校研究』に記した内容を踏まえて,学校の実践研究を盛り上げるための秘訣を会得してもらうよう工夫するつもりだ。学校研究の企画・運営を充実させたい方に,ぜひご参加いただきたい。

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授業改善・学校改革の具体化・システム化-英国視察を終えて-

 日本時間23日15時頃,成田空港に到着した。このブログでもレポートしてきたように,約1週間の,短い英国の学校視察であったが,今回もまたいろいろ考えさせられた。
 堀田@NIMEさんがコメントしているように,ICTの教育利用が当然視されている状況,野中@和歌山大学さんがレポートしているように,教師教育のシステム化とそれを支える大学と学校のパートナーシップの充実などは,これまでの視察でもメディア・リテラシーにしてきたが,いっそう確かなものになっている。
 加えて,学校長のリーダーシップが,教師間の指導・評価の共通化,学校間格差の解消などの成果を導き出している事実を確認できた(もちろん,これには,危惧される点があるが――)。
 一方,日本の教育改革との接点も多い。例えば,自尊感情,人間関係,生活習慣など,教科指導を支える問題に対して,熱い眼差しが注がれている。また,思考力等を育むためには,教科指導に,プロジェクト的な活動,教科横断的,合科的なアプローチが加わる点も我が国の教師たちの取り組みに呼応している。
 総じて,英国に学ぶことは,授業改善,学校改革の具体化,システム化だ。日英のそれらの方向性は,そう大きくは違わない。けれども,政府も大学も学校長も,授業改善や学校改革を掛け声だけに終わらせずに,着実に実践につなげるための仕組みや環境や道具を用意している(写真は,政府のプロジェクトに基づく取り組みのポスター,政府が提供している食育ガイドブック)。 Dsc03816Dsc03674
 我が国にも,特定の地域や学校にはそれが認められるが,具体化・システム化の進展は,英国にはかなわない。改善・改革に向けた教師たちの努力や研鑽は,我が国では一種の文化として昨日しているとも思われるが,それを認め,支え,促すような仕組みや環境や道具が整備されれば,その教師文化はいっそう豊かなものになるに違いなかろう。

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2006.05.23

New Line Learning(英国視察第6日目)

 22日午前,ロンドンのヴィクトリア駅から東に電車で1時間ほどの場所にあるMaidstoneを訪ねた。この地域の3つの中等学校を結ぶ形で運営されている,「New Line Learning」を視察した。これは,1つの学校のカリキュラムや指導法を残る2つの学校に導入しようとする,新しい学校経営のアプローチだ。アカデミーと呼ぶらしい。チーフエグゼクティブという責任者のイニシアチブの下,3校の学校経営を共通化,効率化しようとしている。Dsc03870 彼らの弁に依れば,その発想は,例えばスターバックスコーヒーのサービスに喩えられるらしい。
 この取り組みではさらに,写真のようなスペースを構築して,ここで,生徒のマイタスク,マイペースの学習を促進しようとしている。日本の小学校等で営まれている,オープンスペースを活用した個別学習,共同学習のコンセプトに近いように思った。ここでは,それを,ICTを用いていっそう充実させようとしている。Dsc03891 学習環境の再構築による学校改革には賛同できるが,日本で市町村合併による学校の統合,それによる教師たちの苦労を見てきた私には,学校の特色づくりと学校経営の刷新との両立を図ることの難しさにどう応えるかが,少々心配になった。

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2006.05.22

海辺の街,ブライトン

 ブライトンに来て5日目,街を歩いた。写真は,海辺の街,ブライトンの桟橋,水族館の様子だ。Dsc038361Dsc038371 その後,博物館も訪れた。英国で海辺の街に滞在するのは,15年ほど前のグラスゴー以来か――。

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2006.05.21

勉強熱心な英国の学校長(英国視察第3日目)

 19日午後,ブライトン郊外のある初等学校の校長室で,学校長から,学校の概要について,説明を受けた。その後,彼女の案内で,校内の各クラスを巡った。Dsc03818 彼女は,7年間,同校の学校長を務めているが,自校のカリキュラムや教師について熟知している。我々の質問にも即座に答えが返ってくるし,必要な資料が書棚からさっと出てくる。OFSTEDのレポートも一部見せてもらったが,毎週更新しているというドキュメントは,実にていねいに記されていた。
 英国の学校長には予算権,人事権が与えられているのはよく知られていることであるが,それを委ねてもらえるためには,相当の努力を費やすことになる。総じて,彼らは,勉強熱心だ。

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教室の共通化と没個性化(英国視察第3日目)

 ブライトン郊外のある初等学校のスタッフルームで,若い女性教師(でも教務主任の1人)が,自分が担当する学年の週案を作成している姿に接した。Dsc03740 この学校は各学年2クラスで,1つの教科の指導をどちらかのクラスの教師が計画するようだ。指導書等を参考にしていた。目標や評価計画をかなりていねいに記述していたが,このスタイルだと,2つのクラスの指導等の共通化は保証される。しかし,それは,没個性化の危険性をはらんでもいる。効率のよい授業設計ではあるが,その長短所を把握しなければなるまい。

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2006.05.20

学級担任を支えるアシスタント(英国視察第3日目)

 今回の英国調査で2つの初等学校を訪問したが,これまで以上に,ティーチングアシスタントの数が増えているように思った。Dsc03752 どの教室にも,写真(後ろの女性)のように,学級担任に加えて,アシスタントが配置されている。いわゆる「特別なニーズを抱えた子ども」に対する措置は別途こうじられており,このアシスタントは,学級担任を文字通り「補佐」する。例えば,教材類の配布や宿題のチェックといった雑用から,国語の読み等の個別テスト,習熟度別グループの指導の担当まで,様々な形で学級担任を支える
 こうした教室のユーティリティープレイヤーは,指導と評価の充実に資するであろうが,我が国の教室で同じことを実現するには,財政的な問題以上に,いつも第三者が学級にいることに対する心理的抵抗(単なる「慣れ」なのかもしれないが)をどのように教師が払拭するかが難しいと思った。
 ちなみに,一般に,アシスタントの給与は,正規教員の半分以下だという。また,教育学部には,アシスタントを正規教員にするためのプログラムが用意されているらしい。

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Helthy School Policy(英国視察第3日目)

 19日午前・午後,今度は,ブライトンの2つの初等学校を訪問した。St Peter’s C.E. Primary SchoolとColdean Primary Schoolだ。どちらの学校も学校長のリーダーシップの下,リーダーシップグループが確立され,実に機能的な学校経営が実現していた。Dsc03733 例えば,ICTを活用した教科指導などは当然視されており,学校の特色として語られることもないくらい,普及していた。どの年齢の教師も,各教室に設置されたラップトップコンピュータ,ホワイトボード,プロジェクターを生かして,平然とそれをやっている。
 むしろ,課題としているのは,食育や社会性,シティズンシップなど,PSHEを柱とするようなものであったと聞いた。政府は,徳育,体育の充実,それに向けた学校と家庭や地域の連携を充実させようとして,「Helthy School Policy」をスタートさせている。Dsc03815 例えば,子ども同士の「よいところ見つけ」の奨励,その成果の表彰制度,高学年の子どもたちによる「読み聞かせ」の実施に代表されよう。ある学校では,希望者に対して,朝食を提供(有償)していた。
 我々が「学びの基礎力」,それを含む「豊かな学力」として提案してきた学力観は,英国で目指されている学力向上と軌を一にしているのではないか。

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2006.05.19

英国の中学校でも「学習の見通し」を(英国視察第2日目)

 18日午前・午後,ブライトン郊外の2つの中等学校を訪問した。Varndean SchoolとPatcham High Schoolだ。いずれも,いくつかの教科に関する指定校(Specialist School)であると同時に,初任教師のための訓練校(Training School)でもある。
 Varndean Schoolでは,最初に様々な教科指導の様子を概観した後,副校長による理科の授業を見学した。ICTを上手に活用し,生徒の思考を促すようにしていたが,私が最も注目したのは,「学習の見通し」の提供である。Dsc03659
 1コマ(100分)の授業では,プチプロジェクトと言ってもよいような活動サイクルが構成されている。それを,はっきりと生徒に提示しているのだ(写真)。この働きかけは,我が国の学校で学力向上に努める教師たちも共通している。思考等の高次な学力は,その授業デザインに問題解決的な要素が強まる。同時に,それは,生徒の自覚的な取り組みを要する。単純なことではあるが,教師が活動の流れを導入で確認するか否かは,その自覚に少なからぬ影響を及ぼすと思う。

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2006.05.18

英国の情景(英国視察第1日目)

 昨日も報告したが,17日午後,ブライトンの大学等を巡った。写真のような情景に出会った。Dsc03572Dsc03566Dsc03598 いつものように,緑に覆われたキャンパスは快適で,煉瓦造りの建物は異国情緒豊かだ。今回は,王宮(これはRoyal Pavilionと言って,東洋の王宮へのあこがれから造営されたものだが)も目にした。
 「『授業研究と教師の成長』に関する研究ポートフォリオ」からは,ちょっと外れる話題だが,お許しを。

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教員志望学生の学習環境(英国視察第1日目)

 英国の17日午後,ブライトン大学教育学部を訪問し,そこの施設を見学した。カリキュラム開発センター,教授リソースセンターの充実ぶりに驚かされた。前者であれば,ナショナルカリキュラム関係の資料(解説書やハンドブックなど)が教科ごとにずらりと並ぶ。後者であれば,実際に授業で用いる教材(図書,ビデオなど)が豊富に用意されている。Dsc03582 Dsc03585
 教員志望学生たちは,ここで,カリキュラムや授業についての実践的知識を培っていた。日本の大学にも,例えば教育実践総合センターなどには,教科書の陳列コーナーとか視聴覚教材の保管庫などはあるが,この大学のような規模ではないし,収集されている資料・教材のレパートリーはとてもかなわないと思う。
 教員志望学生の学習環境のモデルを目にしたような気がした。
 この後,お隣のサセックス大学の書店に赴き,カリキュラムコーディネータやサブジェクトリーターに関する書籍を購入した。

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2006.05.17

英国視察第1日目

 現在,英国の17日11時頃。英国視察第1日目が始まる。これからブライトン大学に出かける。和歌山大学の野中先生が在外研究でいらっしゃるところだ。野中先生には,お世話になりっぱなしで,ものすごく感謝している。おかげさまで,よい視察になりそうだ。

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2006.05.16

研究の継続・発展(滋賀大学教育学部附属中学校の研究発表会)

 昨日,滋賀大学教育学部附属中学校から,研究発表会の案内が届いた。6月30日(金)だ。テーマは,「必修教科および総合学習『BIWAKO TIME』がはぐくむ“生きる力”」だ。同校は,昭和50年代後半から,総合学習のカリキュラム開発に着手し,その特長を選択教科や必修教科に適用してきた。私も大学生時代から,同校の取り組みに注目し,勉強させていただいている。
滋賀附中の教師たちは,この基礎学力ブームの中,あえて総合学習の授業公開に着手し,それが生きる力の育成,そして学力向上に資することを実践的に明らかにしようとしている。その姿勢に敬意を表したい。新しいチャレンジは学校研究に必須だが,それは,実践の歴史を否定するものであってはならない。ころころと研究テーマを変える学校にはない,実践の厚みを,滋賀附中の研究には確認できる。
 同校は,さらに,夏休みには,教科ごとの研究会「教科の明日を語る会」も開催する。そうした,きめ細かな公開の工夫も,同校の実践研究のよさであろう。この姿勢にも学ぶところが大である。

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2006.05.15

いよいよ英国教育視察

 いよいよ,明日,英国の学校視察に出かける。23日までだ(ちなみにあんまり関係ないけれども23日は自分のバースデー)。学校改革やカリキュラム開発を推進するためのリーダーシップグループの役割について調査をする。
 同行の堀田さん@NIME,高橋さん@富山大学,そして現地で待ってくれている野中さん@和歌山大学と念入りに(?)準備を進めてきた。成果をこのブログで披露するので,乞うご期待(少々ネットワーク環境が心配だが)。

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2006.05.14

研究主任を支えるパートナー(LTプロジェクトのテレビ会議から)

 松下教育研究財団の支援を受けて企画・運営している,学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)の2年度目がスタートしている。これは,研究主任として,学校の実践研究を充実させるための力量を獲得してもらうためのプロジェクトだ。
 1年度目の2005年度は,学校研究の計画策定,テーマ設定,授業研究の企画・運営,研究紀要の内容・構成の工夫などについて,メンバーに実践的知識・スキルを身につけてもらった。2年度目の2006年度は,それらを所属校の実践研究に適用してもらう。
 本日,このプロジェクトのテレビ会議を実施した。2名のメンバーに,学校研究を発展させるためのアクションをレポートしてもらい,全員で集中的に議論した。本日共通理解できたポイントは,大きくは2つある。1つは,研究主任を支えるパートナーを見つる,育てるという取り組みの重要性であり,もう1つは,管理職の学校研究への関わりを調整することの意義と方策であった。,Ltproject06514 研究主任は,たしかに学校研究を推進するリーダーであるが,1人でできることは限られている。また,それは,辛い。けれども,研究推進委員会全体を動かすのは,研究文化の成熟の度合いにもよるが,大変だ。まず,研究主任の参謀役,よきパートナーがいると,状況は大きく変わる。その相手が誰なのか,どんなことを彼(彼女)に頼んだり,任せたりすればよいのか,メンバーそれぞれが考えてみた。
 また,この議論から発展して,学校研究の成立に大きく影響を及ぼすキーパーソンを同定しているか,その人への個別的,具体的アクションを構想し,実行しているかについても,吟味してみた。

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2006.05.13

車座ディスカッション(松下教育研究財団の実践研究助成・助成金贈呈式後に)

 昨日もレポートしたように,12日,東京・芝パークホテルで,松下教育研究財団の松下教育助成・助成金贈呈式が催された。そして,その後,助成を受ける学校がグループに分かれて,研究計画について発表し,意見交換した。「車座ディスカッション」と名づけられた交流の機会だ。各学校には発表の時間は3分しか与えられていないので,中学校7校が集うグループのディスカッションの司会役を仰せつかった私も,その進行に難儀した。しかし,研究計画を点検・評価するための機会として,このような設定は意義のあることだ。Dsc03537 総括として,私は,1)中学校の独自性を踏まえた研究の視点(例えば教科固有のコミュニケーション,個人差の重視など)を大切にすること,2)1年近くも時間を費やして作品と創るようなプロジェクト学習では形成的評価が鍵を握る,その意識の継続に向けた掲示等の環境を工夫すること,3)いかなるトピックを設定するにせよ,小学校との連携が不可欠であるというコメントを残した。

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2006.05.12

教育実践研究に取り組む教師たち(松下教育研究財団の実践研究助成・助成金贈呈式にて)

 12日,東京・芝パークホテルで,松下教育研究財団の松下教育助成・助成金贈呈式が催された。実践研究助成には,私の知り合いの学校・研究サークル等が応募し,助成が決定している。例えば,このブログでもたびたび紹介している広島県府中市立上下北小学校(コミュニケーション能力の育成,小中一貫教育など),大阪府守口市立三郷小学校(読解力の育成),全放連研究部などだ。Dsc03523 これらの学校や組織は,実践研究を日常的,継続的に展開している。助成金を獲得して,それをいっそう発展させてもらいたい。
 それにしても,他にもたくさんの知り合いの教師たちが助成金を獲得し,贈呈式に出席している。やはり,我が国の学校現場には,教育実践研究に取り組む教師たちがたくさんいるのだ。

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2006.05.11

なにわ放送教育研究会の新しいスタート

 10日,NHK大阪で,第39回なにわ放送教育研究会が催された。今回は,メンバー全員が今年度の実践プランを報告してくれた。「みてハッスル☆きいてハッスル」の継続利用,「にんげん日本史」のデジタル教材を活用した情報活用能力の育成,「道徳ドキュメント」など新しい番組の利用への挑戦など,メンバーそれぞれが実践課題を設定し,日常的実践に取り組む。Dsc03515 このような多様な実践の登場,さらには,番組利用を学校で同僚に積極的に開示し,また推奨する取り組みの充実に,研究会の活動の成果を確認できる。
 特に,ある教師が,「おはなしの国」の活用に既に着手していた姿に感心した。この教師は,1年生の子どもたちに視聴後の感想をイラストにして表現させていたが,彼は,3月末に,全放連との共同研究会で,ベテラン教師の同番組利用の実践を聞き,それに触発されて,このような実践を始めたのだという。他人の実践に学び,そのエッセンスをすぐ吸収しようとする,みずみずしい感性を彼が有しているから,フットワークよく,実践に取りかかれるのだ。
 なにわ放研の新しいスタートは,順調である。

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2006.05.10

キャロットパンを食べてしまった――

 先日,とある小学校で給食をごちそうになった。当日のメニューは写真のとおりである。お好み焼き,酢の物,ヨーグルト,牛乳,そして「キャロットパン」だった。Dsc03487 私は,知る人ぞ知る,人参嫌い(卯年なのだが――)。しかし,このキャロットパンを食べてしまった。オレンジピールかと思ってむしゃむしゃ食べていたのだ。しばらくして,放送で「今日は,キャロットパンです。ビタミンが豊富で――」と紹介され,びっくりした。聞いたとたんに,食欲はなくなってしまったが,人参でもなんとかなる,新しい発見のランチだった。
 それにしても,このメニューは,ややまとまりにかける。栄養のバランスはよいのかもしれないが,コンセプトがよく分からない。この学校では何度も給食をごちそうになっていて,いつもはもっとずっとコーディネートされた品々なのだが――。給食の献立も毎日のこととなると,アイデアがつきてしまうのかもしれない。

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2006.05.09

「きめ細かな指導」の重要性を小中学校の教師が共通理解するために

 本日,広島県府中市立上下北小学校を訪問し,2年生と3年生の国語の授業研究に参加した。 上下北小学校は,ここ数年,算数,国語,そして英語活動の実践研究に力を注いできた。今年度は,道徳を研究の対象領域に加え,さらに,中学校や上下南小学校との連携にも取り組む。Dsc03467 本日の国語の授業ではいずれも,小学校教師による「きめ細かな指導」が繰り広げられた。例えば,上下北小学校の教師たちは,授業のスタートで,子どもたちに,単元の学習過程や学習課題をきちんと示す。子どもたちの発言の1つひとつにていねいにリアクションする。子どもたちの思考を促すワークシートを用意し,さらに習熟の程度が十分でない子どもに対しては「個に応じた指導」を繰り広げる。それも写真のような,密な指導で。
 いずれも学力向上に欠かせない,教師のふるまいであるが,その重要性を小学校と中学校の教師たちがしっかりと共通理解するためには,本日のような授業研究会を重ねることが肝要であろう。その成果が,3校合同の研究発表会(11月21日)で披露されることを期待したい。

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2006.05.08

外国の学校を視察する前に

 16日に,英国の学校視察の旅に出発する。23日(この日は私のバースデー,ちょっとしつこいかな)の帰国までに,5校程度をめぐる。今回は,在外研究で英国のブライトンに滞在なさっている和歌山大学の野中陽一先生が,ブライトン大学の受け入れ教官のサポートの下,訪問する学校のアレンジをしてくださっているので,とても助かっている(野中先生,本当にありがとうございます)。外国の学校を訪問する際には,このアレンジが一番大変だからだ。訪問のメンバーや意図,授業を見学したいといった具体的要望を外国語で先方に伝え,承諾を引き出すのには時間とエネルギーを要する。
 もちろん,アレンジがうまくいっても,訪問の準備はさらに続く。視察校のホームページにアクセスし,基礎情報を得ないといけない。英国の学校の場合ならば,スペシャリストスクール等の指定を受けている場合が多く,その枠組みやシステムについても調べないとダメだ。これがまた,よく変わる。だから,毎年のように訪問していても,再度のチェックは不可欠だ。政府関係の刊行物にも目を通さねばなるまい。そうした準備を怠ると,せっかく出かけるのに,得るものが少なくなる(なんとなく経験したというだけに終わる)。
 とにかく,外国の学校の視察は,準備も大変,それから,帰国してからのまとめも大変。それでも,我が国の学校,教育を相対化できるのは,貴重な機会だ。そして,何ヶ月もいられるわけではないのだから(前にもブログに書いたが,私の外国滞在は10日にも満たない場合ばかりだ),やっぱり準備はいくらやっても,やりすぎると言うことはないだろう。がんばらないと――。

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2006.05.07

大学院生に対する指導等のカンファレンス(第2弾)

 本日,新大阪の貸会議室で,研究会を開催した。この会では,堀田さん(NIME),小柳さん(奈良教育大学),山内さん(東京大学)が,私が指導している大学院生の修士論文の構成やそれの主柱となる実証的研究のデザインを聞いて,その意義と課題についてコメントしてくれた。Wakateken060507 そして,それを題材として,今度は私の当該院生に対する指導等について,3人に批評してもらった。3月に実施した山内さんの大学院生への指導事例のカンファレンスの第2弾だ。3人の「大」先生から,アドバイスを頂戴して,本人も勉強になっただろうし,私自身も院生への指導の不十分さを気づかされた。
 今後も,これを継続する。外国人留学生,社会人院生等の指導についてが,次なるトピックとなる予定。

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2006.05.06

『世界の創造性教育』(弓野憲一編著,ナカニシヤ出版)

 本日,梅田の紀伊國屋書店で,書を求めた。インターネット販売で様々な書籍が入手可能であるが,やはり手にとって中身を調べてみると,キーワード検索ではひっかからない,ためになる本に出会える。
 さて,本日購入した良書のひとつが,『世界の創造性教育』(弓野憲一編著,ナカニシヤ出版)だ。各国で営まれている,創造性涵養のためのカリキュラムや授業が紹介されている。今度訪英してお会いできることになっている,ブライトン大学のLoveless, A.氏の論文が「イギリスの創造性教育」編では引用されていた。英国視察の予習にもなるに違いない。

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2006.05.05

中学校の実践研究

 子どもの日の本日,1日中,本学のCOE事業の一環として実施した「指導の状況に関するアンケート」の分析結果を文章化する作業に従事した。
 このアンケート,様々な項目から成るが,柱の1つに「教員研修」がある。280あまりの小学校,140あまりの中学校から回答を得て,各種教員研修の実施状況を小中学校で比較してみた。検定を施してみると,27項目中16項目で,統計的に有意に,小学校の実施率が中学校のそれよりも高かった。
 中学校の実践研究が十分には機能していないことは衆目の一致するところであるが,ここまではっきりとした結果になるとは,予想していなかった。そういえば,今年も実践研究への依頼が十数校からあったが,大半が小学校からのものである。受験とか生徒指導とか,いろいろ難しい問題があるだろうが,中学校の教師たちにも,実践研究を継続的に展開してもらいたい。

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2006.05.04

実践者によるアクションリサーチの醍醐味(研究と実践の乖離に遭遇して)

 昨日のカリキュラム研究会で,この3月に大学院前期博士課程を修了して,小学校で非常勤講師となっているOGが,所属校のティーム・ティーチングの様子を報告してくれた。打ち合わせも十分ではなく,コンセプトがはっきりしない。「自分がいなくても授業が成立している」と嘆いていた。皮肉なことに,彼女の修士論文のテーマは,教科を連結させた指導,そのための異教科ティーム・ティーチングだった――。
 研究と実践の乖離に遭遇したわけだが,それで研究が無駄だったということにはなるまい。条件が整えば,状況が変われば,自らが追究したティーム・ティーチングの理想型に近づけることは可能であろう。また,ある程度は,実践者自身が状況を変えることができよう。それが,教育実践のおもしろさであり,難しさである。また,実践者がデザインし,実行する,アクションリサーチの醍醐味だ。そう考えて,彼女にも,研究的実践を継続して展開してもらいたい。

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2006.05.03

カリキュラム研究の多元性に迫る(カリキュラム研究会の開催)

 本日,三重県の津市を訪れた。大阪市立大学の大学院生やOBとカリキュラムに関する研究会を開催するために(また,そのうちの数名と科研の打ち合わせをするために)。先日このブログで紹介したように,私は,「カリキュラム開発研究の動向と課題」について報告した。
 他のメンバーは,カリキュラム評価の実践動向(国内外),カリキュラム史研究,学校現場のカリキュラムの実際などについて報告してくれた。
 この研究会のメンバーは,「カリキュラム」を結合子にして異なる専門性を共鳴させ,カリキュラム研究,教育研究の多元性,複雑さに迫ろうとしている。これから10年続けることを誓って,研究会をお開きにした(そんなに長生きできるかなあ,ちょっと不安)。次は7月に開催する(2ヶ月に1回開催の予定)。

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2006.05.02

即興性のある披露パーティー(授業と同じだ!)

 29日の松浦さんの結婚披露パーティー,特にウエディングケーキについて,コメントがあったので,補足説明をしておこう。Dsc03334
 あれは,もちろん,すべて本物だ(だから,デザートとして,最後にはみんなで食する)。そして,おもしろいことに,パーティー中に,即時的に作られたものなのだ。台座は最初から作られているが,飾り付けは,出席者が担当する。銘々の想いを反映して,写真のようなものができあがった。ちなみに,私は,チョコクリームで,「研究ガンバレ」と書いた――。
 この件も含めて,松浦さんの披露パーティーが好評だったのは,そこに即興性があることだと思う。主賓のスピーチがパーティー開始3分前に明らかにされるとか,スピーチの担当が「くじ」であたるとか,最後の挨拶で松浦さんが言葉につまり「頭が真っ白になりました」と言うとか(これはちょっと違う?)――。
 即興性が重宝されるのは,授業も同じ。ステキな披露パーティーをデザインできたのだから,松浦さんの授業の腕も向上している(はず)。
 ちなみに,即興性の演出には,時間と労力がかかる。松浦さんも,準備に大変だったと聞く。これも,授業と同じである。

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2006.05.01

カリキュラム研究会に備えて

 明後日,大阪市立大学の大学院生やOBと,カリキュラムに関する研究会を開催する。同じ釜の飯を食ったメンバーで研究会を開催できるのは,とてもよいことだ。今日は,そこでの報告の準備に時間を費やした。私は,「カリキュラム開発研究の動向と課題」について報告する。その要点は,次のとおりである。
「学校を基盤とするカリキュラム開発」が自明視されている
それゆえ,カリキュラム開発のマネージメント,そのためのリーダーシップ論が強調されている
しかしながら,その詳細な記述や,その処方のためのプログラム等の開発に関する研究はまだ成熟していない

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