虎の穴のOBからのプレゼント
29日,30日と川崎で,放送教育指導者養成講座(虎の穴)のOB会が催された。私もフル参加して,虎の穴卒業生たちの成長ぶりを見守った。 会の終わりに,参加者から,プレゼント,ピンクのネクタイをもらった。ありがたい話だ。みんな,ありがとう。ところで,誰のチョイスなのか,ちょっと知りたいような――。
29日,30日と川崎で,放送教育指導者養成講座(虎の穴)のOB会が催された。私もフル参加して,虎の穴卒業生たちの成長ぶりを見守った。 会の終わりに,参加者から,プレゼント,ピンクのネクタイをもらった。ありがたい話だ。みんな,ありがとう。ところで,誰のチョイスなのか,ちょっと知りたいような――。
本日も,川崎で,放送教育指導者養成講座(虎の穴)のOB会が催された。今日は,NHK学校放送小学校5年生『わかる国語 読み書きのツボ 5・6年』の活用プランを作成し,それを相互評価するという演習活動が展開された
この新番組の長短所をどうとらえるか,番組がねらう読解力そのものをいかに理解するか,番組活用の多様性をどこまで認めるかなどについて,議論が盛り上がった。このような演習を通じた充実感は,やっぱり,対面,集合型研修でしか得られないものだろう。
会の終わりに,私は,2日間のまとめを担当した。その時のプレゼン資料をアップしておこう。参加できなかった卒業生たちが少しでも雰囲気を味わえるように――。「tora_ob_06.7.29.pdf」をダウンロード
昨日,大阪教育大学の大学院・実践学校教育専攻の「教師発達学」の講義が終了した。講義後,受講生たちに誘われ,寺田町の居酒屋に行った。受講生とは言っても,誘ってくれたのは,みんな現職教員。全員,自分よりも年輩だ。後からやってきた彼らの同級生(やはり現職教員で,私の講義を受講していない院生)が,私を見て,「誰かと思った,学生にしては』若いから」なんて不思議なコメントを出してくる状況だ。M2の方々の修論作成に向けた「決起集会」と聞いたので,誘われても最初は「遠慮します」と言っていたのだが,自分より年輩の大学院生のパワーに押されて,参加させていただいた。
講義をやっているだけでは分からない,「現職教員が働きながら大学院で学ぶ」ことの可能性と問題をいろいろと聞かせてもらった。もし次年度もこの講義を担当するならば(このあたりは定かではない),この日の彼らの思いやこだわりを踏まえて,いっそう講義のデザインを工夫しなければならない(もちろん,今回も自分なりに精一杯工夫したつもりではあるが)という気持ちにさせられた。
本日,大阪教育大学の大学院・実践学校教育専攻の「教師発達学」の講義がフィナーレを迎えた。最終回は,次年度に実施するアクションリサーチの構想を練り,それを発表するというものだ。具体的には,次のような問いを設定した。
あなた(所属校)が,次年度に計画・実施する,アクションリサーチの構想を,次の項目に従って提案しなさい。なお,その際,教育実践家が取り組むアクションリサーチの特色を十分に踏まえること。
1 研究テーマ
2 問題の所在(研究の必然性)
(1)自らの実践史や状況から
(2)社会的意義から
3 研究の方法
(1)どのようなアクションを起こすのか,その工夫はなにか
(2)アクションをどのようにして評価するのか
4 研究成果の公開方法
講義の内容(教師の授業力量とその形成)に実に整合的な,また現職教員にとって役に立つテストだと自負しているのだが――。
ちなみに,講義の後半は,この構想の発表会に充てた。
この夏,3つの大学で集中講義を担当する。まず8月上旬に,岡山市の就実大学人文学部で教職科目「教育方法論」を担当する。これは,いわゆる「教育の方法・技術」に該当する講義で,我が国の教育方法の変遷とか今日的課題,授業におけるメディア利用の理論と実際などについて講ずるものだ。この講義の担当は,もう10年くらい続いている。岡山大学勤務時代は毎週1回の講義であったが,7年前に大阪市立大学に異動してから,集中講義による実施となった。
続いて,8月下旬に,和歌山大学教育学部で,「授業研究論特講」を開講する。教員を目指す学生たちに,授業の設計・実施・評価やカリキュラム開発に研究的に取り組む意義や方法を解説する。
そして,9月下旬には,宝塚造形芸術大学で,教職科目「教育の方法・技術」を担当する。美術や情報の免許の取得を希望する学生たちが,対象だ。授業風景をイラストにかかせると,学生が喜々としてそれに取り組む。
この他,大阪市立大学・文学部・教育学コースの専門科目「教育学研究法Ⅱ」も,9月中旬に集中講義として実施する(担当は7コマ分だけだが)。これは,授業研究の方法を学生に会得してもらうために,学校現場での観察等に取り組む,フィールド研究の実習だ。
とにかく,この夏は(も?),集中講義で半分くらいが終わりそうだ。
25日,NHK大阪で,第41回なにわ放送教育研究会が催された。今回は,8月上旬に開催される研究会において実践を報告するメンバー2名が,それを練習した。
1人は,3日の関西教育メディア研究協議会,もう1人は,8日の松下教育研究財団の実践研究成果報告会で,研究成果をレポートする。それらの会は,放送教育実践の研究会ではないので,放送教育になじみがない参加者にも実践の特徴がつたわるように,発表の内容や構成を練り上げないといけない。これが難しい。時間も限られている。
いろいろ話し合ったが,結局,番組利用の必然性を説得的に語ることが,放送教育実践報告が明快になるか否かの鍵を握るようだ。
今年度も,A市の学力向上推進委員会のメンバーに加えてもらっている。本日,本年度の第1回目の会議が催され,各委員が学力向上に対する考え方を述べ合った。
私は,各委員のコメントを聞きながら感じたことを3点述べた。1つは,成果のとらえ方についてである。学力調査の結果が全国平均より高いとか低いといった相対主義はやめた方がよい。国立大学に何人入学できたかといった指標は,他地域でも学力向上に向けた取り組みが推進されているのだから,A市の学力向上の取り組みを示すものにはならないだろう。
2つは,中期計画の重要性についてである。教育委員会の学力向上プランは,予算が単年度で組まれているから,どうしても短期的になりがちである。しかし,学力向上を標榜した実践は,その蓄積が大切であるから,中期計画という発想が強調されて然るべきである。
3つは,パートナーシップの尊重についてである。学力向上には,リソースの拡充が欠かせない。しかしながら,多くの地方の財政は逼迫している。それゆえ,リソースの確保は,異なる組織と対等互恵の関係を築く中で,お金をあまりかけない形で,企画・運営されるよう,構想しなければならないだろう。
前にも案内したが,8月4・5日,東京都港区立御成門中学校を会場にして,IMETSフォーラム2006が催される。4日は「学力向上」,5日は「読解力の育成」というテーマが設けられている。今日の学校現場の重要な課題に即した,よいテーマだ。私も以下に述べるようなセッションを担当するので,多くの先生方にこのフォーラムに参加していただきたいと思う。
私は,5日午前のワークショップ「実践研究の企画・運営入門~校内研修・研究の活性化をどう図るか」のコーディネータを務める。これは,学校を単位とする実践研究の企画・運営に関するワークショップだ。
事務局からの連絡によると,既に参加希望者が定員の20名を越えたようである。定員割れをしたらどうしようかと心配していたので,ほっとしている。参加者の期待に添えるように,学校の実践研究を活性化するための重要ポイントを説き,それを会得してもらうための実践的課題に彼らに従事してもらう予定だ。
松下教育研究財団では,毎年,60件ほど,学校現場の実践研究に対して助成をおこなっている。助成は,各学校等が提出した研究計画書が審査されて決定するわけだが,1年後に,それを発表する機会,共有する舞台が用意される。それが「成果報告会」だ。
平成17年度に助成を受けた学校等が,8月8日(火),東京・日暮里のホテル・ラングウッドに集い,報告会やワークショップに参加する。各学校等にとっては研究を振り返り,見直す,よい機会となるだろう。同時に,研究助成を受けようとする学校等にとっては,そのよきモデルを獲得できよう(一般参加も可能なので,希望者は,ぜひ。こちらから)。
ちなみに,私は,ある分科会の司会進行と,最後の講演「学校の実践研究を活性化するために -研究主任はいかなる役割を果たすべきか-」を担当する。
日本教育工学協会の常任理事を拝命することになった。本日,本年度第1回常任理事会が開催され,出席した。
本会は,教育工学の普及促進等に関わる様々な活動を展開している。今秋,熊本で催される,全日本教育工学研究協議会全国大会もその1つだ。今年度で32回を数えるらしい。この全国大会は,公開授業,シンポジウム,講演会の他に,研究発表の機会(分科会)が設定される。発表申込は,今月末で,また100件に達した時点で締め切られるようなので,希望者はできるだけ早く対応しないと――。
7月29,30日,川崎で,放送教育指導者養成講座(虎の穴)のOB会が催される。これで5回目のOB会だ。今年のメニューは,川崎組によって,次のようにデザインされている(あくまで予定だが――)。
第1日目 7月29日(土)
14:00~開会のあいさつ,2日間の日程説明
14:10~参加者紹介ワークショップ
15:00~17:00 実践報告会
※次の視点から1つを選んで,これまでの自分の実践をまとめ下さい。A41枚程度にまとめていただき,付属資料の量についてはお任せします。
1.「学びの基礎力」を高めるための実践
2.「確かな学力」を高めるための実践
3.「生きる力」を高めるための実践
4.放送教育の普及,発展のための実践
当日は,この4つのグループを作り,グループ内で実践報告をしていただきます。その中から,一番よいと思われるものを選んでいただき,全体の場で紹介していただきます。
17:00~17:45
堀田先生,木原先生による,実践報告の好評,および講演会。
17:45~18:00 諸連絡 など
第2日目 7月30(日)
9:00~ 開会のあいさつ,本日から参加者の自己紹介
9:10~ 番組を使った単元プラン計画
10:45~ グループごとの発表
11:15 ~ 一人ひとりの来年度への意気込み発表
11:40~ 2日間の振り返り(木原先生)
11:55~ 来年度OB会について
閉会の言葉
私は,現場の先生方といろいろな研究会を催しているが,この「虎の穴」はその自主性,先進性などに点で,実に充実した研究コミュニティだ。だから,このOB会への参加は,自分にとって,かけがえのない機会だと認識している。
19日,川崎市立夢見ヶ崎小学校4年生担任の草柳教諭が,NHK学校放送番組『ふしぎ大調査』を活用した研究授業を実施した。 これは,全放連・学力向上プロジェクトの研究活動の一環だ。けれども,本日,他の組織,草柳教諭の所属校の教員,NHKの制作者,川崎市の情報教育研究会のメンバーなど,多種多様な人間が,彼の実践を見つめ,それを題材とする協議会に参加した。全部で30人以上の人間が集い,積極的に意見を交換した。
プロジェクトリーダーの竹下さんが進行役となり,短時間で,2回の演習的活動(授業の批評,改善プランの策定)が実現した。異質な立場の人間の意見が共鳴する,コラボレーションの色彩の濃い協議会が成立したことは,この学力向上プロジェクトの新しい成果であろう。
明日19日,川崎市立夢見ヶ崎小学校4年生担任の草柳教諭が,全放連・学力向上プロジェクトの活動の一環として,5時間目にNHK学校放送番組『ふしぎ大調査』を活用した研究授業を公開してくれる。私たちプロジェクトのメンバー以外に,NHKの制作者,川崎市の情報教育研究会のメンバー,東京都の理科教育や放送教育実践校の教諭など,多種多様な人間が,彼の実践を見つめる。そして,研究授業後の協議会では,それを題材にして,放送教育と学力向上の接点を追究する。
それだけでもプレッシャーがかかる授業研究会なのに,なんと,草柳教諭は,4時間目にも,4時間目にNHK学校放送番組『みんな生きている』を活用した実践も公開してくれると言う。すごいチャレンジ精神だ。もうそんなに時間は残っていないが,放送教育指導者養成講座(通称:虎の穴)の卒業生たちは,ぜひ,OBのMLにて,彼に応援のエールを。
先日,『新しいスタイルの学校』(藤田晃之著,数研出版)を購入し,読破した。本書では,教育特区,中高一貫校など,今日試みられている,新しいスタイルの学校について,その現状や課題がまとめられている。特に,教育特区の意義,可能性と問題点について,ていねいに整理してある。
今日の教育改革を相対化できるという見地から,序章「新制学校制度発足60年の軌跡」もたいへん勉強になる。
先日もご紹介したように,本年度前期,文学部の専門科目の1つ,「教育メディア論」の講義を担当している。この講義は,この講義では,放送教育の理論と実践を体系的に解説する。テレビ学校放送番組のスタート,昭和40年代の学校放送番組の最盛期,メディアミックスの取り組み,番組とマルチメディア・インターネットの複合利用,NHKによるデジタル教材などについて講ずる。また,各時代の代表的な番組や実践事例を紹介する。
義の後半では,受講生にそれをさらに自分のものにしてもらうために,演習的活動を導入する。彼らは,小学校5年生の理科番組『ふしぎワールド』の第5回「動物のたんじょう」を活用した,メディアミックスの授業プランをグループで作成し,発表し,相互評価する。8時間程度の扱い,単元の評価規準を満たす,番組とデジタル教材を単元のどこかで必ず活用するといった条件を満たし,児童の実態を想定して,指導計画を完成させるわけだ。
メディアミックスの授業プランを構想する参考として,10年前の『わくわくサイエンス』のやはり「動物のたんじょう」を受講生に視聴させた。この番組は,当該年度の日本賞の初等教育部門の最優秀賞を受賞した作品だ。ハムスターを題材にして,受精の仕組みを示すだけでなく,出産にかける雌ハムスターの様子を1人の少女の目線で追った秀作だ。
2つの「動物のたんじょう」に対する受講生の反応は大きく異なる。現行のセグメント方式の『ふしぎワールド』に比べて,ドキュメンタリータッチの『わくわくサイエンス』の方が彼らの反応はずっと豊かだ。ハムスターの様子に思わず笑ったり,ストーリー展開に涙ぐんだりしている。あれほど反応が違うとは思わなかった。どちらも子どもたちの学習に役立つ放送番組だが,放送番組「固有の」教育機能は,やはり『わくわくサイエンス』のような構成で強調されるように思う。私が古いだけなのかもしれないが――。
大学の前期の講義も終わりに近づいた。担当している「教育方法学Ⅰ」の講義もまとめの段階に入りつつある。その一環として,学生に,「2030年度の教育課程」を構想するという課題を与えている。今から四半世紀先の社会状況,教育制度,子ども文化などを予想し,それらにマッチした教育課程を編成するという演習活動だ。
発想が豊かでないと,自分が小中学生だった時代の教育課程,あるいは現状に縛られてしまう。それを解き放つために,例えば総授業時数を半分にしてみたらとか,ある教科をなくしてみたらと揺さぶりをかけている。
ちなみに,この課題に対する評価規準は以下のとおりである(あらかじめ受講生に明示している)。
1.「教育課程を考えるにあたっての前提」「教育課程表(小学校・中学校)」「教育課程の特徴と課題」の項目のすべてを記入し,期限を守って提出する(完成・提出点 10点)。
2.2030年の時代・社会的背景を正確に予想し,それに整合的な教育課程を編成している(時代・社会点 10点)。
3.機能的学力と実体的学力,カリキュラムの分化と統合について,そのバランスに留意している。(バランス点 20点)。
4.小学校と中学校の教育課程に適切な接続と段階性を確認できる(系統点 10点)。
5.全体として,特色ある教育課程を構想している(特色点 10点)。
11日,広島県府中市立上下北小学校を訪問し,5年生の英語活動,1年生の道徳の授業を見学した。同校は,ここ数年,算数,国語,そして英語活動の実践研究に力を注いできた。今年度は,道徳を研究の対象領域に加え(逆に算数を対象今日から外し),さらに,中学校や上下南小学校との一貫教育にもチャレンジしている。
5年生の子どもたちの英語コミュニケーション能力の充実ぶりに驚かされた。まず,JTEが話すスピードが速くても,しっかりと内容を聞き取って,すばやく反応したり,返事をしたりする。発音もとてもきれいだ。 彼らは, 60の基本表現を覚えて,それをラップのリズムで表現するのだが,それが実に本格的だ。最終的には120のセンテンスを表現できることが目指されている。
この5年生たちは,1年生の時から,毎年相当の時間,英語活動に従事してきた。その成果は,子どもたちのこうした姿に確認されよう。
ココログのメンテナンスで,記事の投稿がしばらくできないみたい(11日14:00~13日14:00)。すごい長い時間--びっくり。だから,授業研究と教師の成長に関する,このブログもしばらくお休みです。
9日,日本カリキュラム学会参加後,大阪市立大学に行き,カリキュラム研究会を開催した。これは,大阪市立大学の大学院生やOBと企画・運営している,カリキュラムの理論と実践に関する研究的交流の舞台だ。今回は,私の「英国の初等中等教育の実践動向」の報告後,大学院生が「教師の『カリキュラムデザイン能力』の構造や形成過程に関する研究」のプロポーザルを提案した。
この提案を聞いて,参加者は,「カリキュラムデザイン」の概念の明確化に努めた。例えば,カリキュラムとどうとらえるのか(学習の履歴なのか,全体計画なのか,ある領域等に固有のカリキュラムを念頭に置くのか否か等),あるいは,カリキュラムデザインと授業デザインは何が異なるのか等について,熱心に議論を繰り広げた。
また,提案が教師間の比較やライフストーリーを方法論に採用しようとしているので,それらと研究目的との整合性についても検討した。
参加者は,カリキュラム研究を異なるアプローチで展開している。それらは,教育方法史,中等教育論,自己教育論,そして,(私のように)教師教育や教師の力量形成論などだ。こういう異なる角度からカリキュラムの多様性に迫ることができる研究コミュニティは実に貴重である。次回は,9月開催の予定。
8日,9日と,奈良教育大学を会場にして,日本カリキュラム学会の第17回大会が開催されている。私は会員ではないが,9日の午前中,これに参加してみた。カリキュラム開発や教師の力量形成に関する発表が設定されていたからだ。
教育工学会では皆無の「レジュメを読み進める形での発表」に少々戸惑ったりしたが,報告内容には自我関与できるものも少なくなかった。入会すべきか――。
なお,入会していない学会の大会に参加して経験する,この「自分探し」「他流試合」の第2弾は日本教育心理学会(岡山大学,これは,シンポジウムへの登壇依頼による),第3弾は日本教師教育学会(山梨大学)だ。
前にも案内したが,8月4・5日,東京都港区立御成門中学校を会場にして,IMETSフォーラム2006が催される。4日は「学力向上」,5日は「読解力の育成」というテーマが設けられている。私は,5日午前のワークショップ「実践研究の企画・運営入門~校内研修・研究の活性化をどう図るか」のコーディネータを務め,学校を単位とする実践研究の企画・運営について,ワークショップをコーディネーションする。定員は20名となっているが,どれくらいの方が集まるだろうか。学力向上や読解力の育成は,学校としての組織的な取り組みが必要なので,けっこう大切なトピックのワークショップなのだが――。
このワークショップにご参加いただければ,拙著『教師が磨き合う学校研究』に記した内容,学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)のエッセンスを吸収していただけると思う。ちなみに,参加申込の第1次締め切りは,7月10日である。参加希望の方は,早めに申し込んでいただきたい。
本日,大阪府守口市立三郷小学校の校内研修会に参加した。第6学年の国語科の研究授業を見学し,事後協議会やワークショップ(専門部会の課題の明確化に関するもの)にも参加した。
国語の授業では,1)学習計画がきちんと子どもに示され,読解の流れや回数,それを活かした表現との接続などを子どもが把握していた,2)サイドライン(2種類)を引くといった活動を導入して,「思考」を「作業」に翻訳できていた,それによって「全員読解」が実現していた,3)読解のための時間が十分に保障されていた(発表,意見交換は,その後で), 4)いわゆる「きめ細かな指導」によって「読解」という難しい知的活動への意欲が促されていた,といった特長を確認できた。これらは,「読解力」を高めるための指導の基本と言えよう。
子どもに,資料や道具(例えば,コンピュータ,辞書,図書など)をさらに与えて,あるいは前時までの読解結果を「再利用」させて,彼らが読解力を発揮する可能性を高めてやりたいと,私は,アドバイスした。
昨日もレポートしたように,4日,広島県府中市立上下南小学校を訪問した。同校を訪問した折には,いつも,おいしい給食をごちそうになる。この日は,シュガーパン,スペイン風オムレツ,フレンチサラダ,桃ゼリー,牛乳という豪華メニューであった。
同校の本年度の研究主題は,読解力やコミュニケーション力の育成である。道徳,算数,社会,理科,総合(英語活動)の授業改善に,教師たちが取り組んでいる。しかし同時に,様々な食育の実践も,すこぶる充実している。 ランチルームにて全員で食事を楽しむ環境設定,栄養や健康に関する各種の掲示物の充実,「ワールド給食」といったイベントの開催等に,それは代表されよう。特に,給食の調理員さんと食事をともにする姿は,実に微笑ましい(自校で調理するので)。食とコミュニケーションの関連性を象徴している。
ところで,この日も,給食について,「ごめんなさい,パンで――。」と言われた。姉妹校の上下北小学校でも,この言葉をよく耳にする。日常,3食に1食ぐらいしかご飯(ライス)を食べない私にとって,パン食でちっともかまわないのだが――。小学校の先生は,ご飯が好きな方が多いのか――。
本日,広島県府中市立上下南小学校を訪問し,2年生算数と5年生理科の授業を見学した。そして,それらに関する研究協議会に参加した。上下南小学校は,上下中学校区小中一貫教育の研究主題「主体的に学び,自ら考え,表現できる子どもの育成をめざして」を受けて,「読み解く力を高め,考えを伝え合う児童の育成~論理的に思考し,表現できる児童に~」という学校の研究主題を設定し,道徳,算数,社会,理科,総合(英語活動)の授業改善に,教師たちが取り組んでいる。
本日の授業の指導案を目にすると,学習内容の系統図に,これまでは小学校6年間分だけだったのに,中学校の内容が加わっていた。小中連携が進み始めた証であろうか。
私は常々,指導案の様式は,研究テーマに即して工夫されるべきだと考えている。例えば,小中連携の場合であれば,いわゆる「指導にあたって」の部分でそれを強調すべきであろうし,小中学校の教員のティーム・ティーチングの場合であれば,「本時の学習過程」にて,その機能等を積極的にアピールするとよろしかろう。
本年度前期,文学部の専門科目の1つ,「教育メディア論」の講義を担当している。この講義は,この講義では,放送教育の理論と実践を体系的に解説する。テレビ学校放送番組のスタート,昭和40年代の学校放送番組の最盛期,メディアミックスの取り組み,番組とマルチメディア・インターネットの複合利用,NHKによるデジタル教材などについて講じてきた。また,各時代の代表的な番組や実践事例を紹介してきた。
講義の後半では,それをさらに自分のものにしてもらうために,演習的活動を導入する。受講生は,小学校5年生の理科番組『ふしぎワールド』の第5回「動物のたんじょう」を活用した,メディアミックスの授業プランをグループで作成し,発表し,相互評価する。8時間程度の扱い,単元の評価規準を満たす,番組とデジタル教材を単元のどこかで必ず活用するといった条件を満たし,児童の実態を想定して,指導計画を完成させるわけだ。
受講生には,セグメント方式のこの番組の特徴をどう活かすか,番組・デジタル教材の活用と観察をいかに連結させるか,番組では扱っていない「ヒトのたんじょう」を単元に位置づけるか否かなどを吟味して,プランを練ってもらいたいと思う。
ちなみに,次のような評価規準を明示して,プランの作成に取りかからせている。
本日,新大阪で,ベネッセ教育研究開発センターを事務局とする共同研究,「学力向上のための基本調査2006」の結果分析等に関するミーティングが開かれ,私も参加した。
この調査の目玉は,「読解力」に焦点を当てていることだ。具体的には,教科に依存しないPISA型の「読解力」の測定問題の開発,そして「読解力」向上に向けた指導に関する質問項目の作成(教師対象)に象徴される。
本日の議論では,読解力と教科学力,学びの基礎力,生きる力の関係をどうモデル化するか,読解力を育成するための指導と評価,学校経営の枠組み等を再確認した後,調査結果の解釈に時間を費やした。調査の結果と考察は,10月末には速報版で,年度末には報告書で公開される。私は,読解力を基軸とする総合学力のパターン,読解力と教育力の関係,その発展モデルなどの執筆を担当する予定だ。
本日,大阪教育大学大学院実践学校教育専攻の大学院生たちが,「教員の資質向上のために~社会体験研修から考える~」というセミナーを開催した。企業等で長期間研修を積むことの意義に関する調査結果の報告,事例報告,パネルディスカッション等が企画・運営された。
このセミナーを企画した学生たちは,教員採用試験に合格し,赴任する前に2年間同専攻で実践力を高めるという,Fresh Teacher Courseに属している。私が担当している講義,「教師発達学」を受講してくれている学生も数名いるので,後半だけ参加してみた。
私自身は,「社会体験研修」が教師の力量形成の主柱になるとは思わないが(それでは,教職が専門職とは言えなくなるので),それはさておき,こうした教師,授業,学校をめぐるテーマを設定したフォーラムやセミナーを実施する過程で,これから教師になる青年の教職に対する見方・考え方の充実,さらには研修の企画・運営能力を高めることを期待できるように思った。
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