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2006.09.30

第42回日本教育方法学会に参加

 今週末は,福島大学で,第42回日本教育方法学会が催されている。私も,昨晩,郡山を経由して,福島入りした(甲府同様,遠かった――)。これで,3週連続で,学会への参加となる。誰かのように,「自分をほめてあげたい」。
 2日間で19の自由研究セッションが設けられている。本日,授業研究や教師の力量形成に関する研究を中心に,4件の発表を聞いた。質問もしてみたが,思弁的な研究,学校現場を意識しない研究が多いように思え,どうもしっくりこない。自分の発表は明日だが,「カリキュラム・コーディネータの養成を志向したe-Learningプログラムの可能性と課題-参加者に対する追跡調査の結果を踏まえて-」というeCCプロジェクトのレポートにどのようなリアクションがあるのか,少々不安になった。

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2006.09.29

指導の状況に関する比較研究(大都市-地方都市間,小中学校間,そして日中間)

 本日,COE上海サブセンター・教育学関係プロジェクトの一環として,華東師範大学・教育科学学院の杜成憲教授をお迎えして,研究会を開催した。共同で実施した「指導の状況に関するアンケート」の分析結果を交流するために,である。調査は,(1)学校の概要,(2)学力観,(3)教科学習の工夫改善(少人数指導,習熟度別指導,補充学習,発展的な学習,宿題等の課外指導),(4)総合的な学習の概要(実施時間数,カリキュラム開発の体制,目標と内容,指導体制,実践上の課題),(5)小学校5年(中学校2年)の総合的な学習の代表的実践(領域,目標,指導の工夫と成果,評価),(6)教員研修(教科指導に関わる力量形成,総合的な学習のカリキュラム開発に関わる力量形成,その他)から成る。P1000567
 これらについて大都市-地方都市間,小中学校間,そして日中間で回答傾向を比較してみると,項目によって,大都市-地方都市間の違いとして顕著である場合,日中間や小中学校間で差があるものと,多様であった。

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2006.09.28

中国におけるプロモーションの条件

 本日,中国・華東師範大学・教育科学学院の杜成憲教授が来日なさった。明日,本学のCOE事業の一環として進めてきた共同研究:都市におけるカリキュラム開発と学校改革に関する研究に関する報告会を催すからだ。
 その詳細は,明日以降レポートするとして,今日は,杜先生からお聞きした話を1つ紹介しておこう。それは,助教授から教授に昇任する条件に関するものだ。助教授になってから5年間でどのくらい業績をあげられるかがポイントのようだ(それ以前のものは考慮されない)。中国一般なのか,華東師範大学だけなのか分からないが,5年間で勝負というのがおもしろい。私は,岡山大学で講師から助教授に昇任して,もう9年経っている――。中国流だと失格ということになるのだろうか――。

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2006.09.27

『道徳ドキュメント』利用への挑戦(第43回なにわ放送教育研究会にて)

 本日,NHK大阪で,第43回なにわ放送教育研究会が催された。今回は,2つの実践が報告された。1つは,『わかる国語 読み書きのツボ 高学年』を活用した実践(浅香教諭)である。そして,もう1つは,『道徳ドキュメント』「全員参加の体育祭」を用いた実践(松浦教諭)である。
 P1000550 先月の研究会も,『道徳ドキュメント』を全員で視聴し,それを活用したプランを作成するという演習を実施したが,松浦教諭の取り組みは,それに刺激されたものだ。なにわ放研のメンバーによる,『道徳ドキュメント』利用への挑戦はもうしばらく続きそうだ。ちなみに,彼は,番組を視聴させて,様々な人の立場で感想を記させ,それをマップに位置づけて,クラスの意見を総括させていた。私は,道徳的読解力を育もうとするならば,登場人物内の心の動き,揺れ,ゆらぎもおさえたい,だからマップは3次元で構成した方がよいとコメントした。
 それにしても,本日は,NHK大阪から,なんと5人もの方にご出席いただいた。だから,制作サイドの考えもたくさん聞かせてもらえた。会場の確保も含めて,ありがたい話だ。
 次回は10月20日(金)18:30から,次々回は11月22日(水)18:30からだ。いずれも休日前だから,ちょっと遠くからの方も参加をご検討いただけるかな――。

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2006.09.26

やっと終わった集中講義――

 本日で,宝塚造形芸術大学での集中講義が終わった。この夏,3つの大学で集中講義を実施した。自分の大学でも2日だけだが,やはり集中講義をおこなった。
 集中講義は,4日間連続だから,その担当者が疲れるのは当然だ。けれども,受講生の真剣さや真面目さがそれを小さくしてくれる。大学によって,受講生によって,講義への熱意や態度が大きく異なるのだけども――。

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2006.09.25

拙著『教師が磨き合う「学校研究」』の感想を

 教師教育学会で初めて会った人が,拙著『教師が磨き合う「学校研究」』の刊行をご存知であった。先日も,某県教育委員会の指導主事から講師依頼のメールが届いたが,この本を読んでぜひ講師にとお考えになったとのことであった。Dsc03975_2
 こうしたことからすると,拙著もそれなりに売れているのであろう。少し前に約1000部売れたと聞いたが,まだ在庫がある。「ぎょうせい」編集部にご迷惑をおかけしないために,初版は完売したいところである。このブログの読者には,お知り合いの方へのご紹介等をお願いしたい。
 同時に,お読みになった方には,ぜひ,この本の感想を聞かせてもらいたい。特に,一番ためになったところはどこなのかが知りたい。第1部の理論編,第2部のモデル編,第3部の事例編のどこが,どのように,学校の先生方の実践研究推進に役だったであろうか。

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2006.09.24

日本教師教育学会に入会

 ここ数日レポートしてきたが,23日,24日と,山梨大学を会場にして,日本教師教育学会の第16回研究大会が開催された。2日間参加してみて,自分の研究関心にかなり合致していると思い,入会して帰阪した(これがまた4時間半くらいかかったのだが――)。
 「あなたの専門はなにですか」と問われたら,「授業研究と教師の成長です」と答えることにしている私としては,入会が遅すぎたのかもしれない。何人かの方と話をしたが,拙著『教師が磨き合う「学校研究」』の刊行もご存知であったから。まあ,これから,少しずつ,この学会でもがんばってみようと思う。
 P1000534 ところで,この大会の運営で感心したのは,「論文交換コーナー」の設置である。よいアピール,コミュニケーションの舞台になると思った。

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山梨県立美術館を訪ねて

 23日,24日と,山梨大学を会場として開催されている日本教師教育学会・第16回研究大会に参加しているが,ちょっとした時間を見つけて,山梨県立美術館を訪ねた。広々とした公園(?)内に煉瓦色の落ち着いた雰囲気の建物があって,まず外観がいい。P1000519
 常設展では,ミレーの作品がアピールポイントのようで,確かに数といい,内容といい,立派なものだった。加えて,私は,郷土の版画家の作品に魅せられた。
企画展では,「エコール・ド・パリ」がテーマで,1920~30年代にパリで活躍した画家(日本人を含む)の作品がよく整理されていて,楽しめたし,勉強になった。P1000525_1
 なお,この美術館では,ワークショップなども盛んに企画・運営されているようだ。

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日本教師教育学会に初参加

 23日,24日と,山梨大学を会場にして,日本教師教育学会の第16回研究大会が開催されている。私は会員ではないし,甲府は遠いのだが(新大阪から,4時間30分くらいかかる)が,これに参加してみた。日本カリキュラム学会,教育心理学会に続く,学会「他流試合」の第3弾だ。P1000507P1000513
 教師の力量形成のみならず,教師たちのバーンアウトとか,教員養成・現職教育の歴史や国際比較など,教師に関する研究が多面的に繰り広げられていた。自分は,教師の授業力量にやや絞りすぎるきらいがあるので,教師に関する研究の多様性については,たいへん勉強になった。方法論についての真摯な意見交換にも,好感が持てた。ただ,知見の新規性,実践的有効性などに関する議論が少ないように思い,その点が残念だった。

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2006.09.23

またまた集中講義(今夏3校目,宝塚造形芸術大学「教育の方法及び技術」等)

 一昨日から4日間(21,22,25,26日)と,宝塚造形芸術大学で,教職課程科目「教育の方法及び技術」等の集中講義を担当する。美術と情報の免許の取得を希望する学生さんが対象である。P1000450 P1000467
 講義の途中で「トイレに行きたい」と言い出す学生が1コマに数名出てくるのに閉口していたが,選択教科の授業づくりのアイデアが豊かなのには,感心した。それまでに視聴させた児童・生徒中心主義の実践記録も参照してくれたのであろう。例えば,校舎の壁画作成プロジェクト,新聞等の比較検討といった,非日常性を尊重した,授業デザインがいくつも呈された。

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2006.09.22

同僚(同志)との絆(岡山であたたかく迎えてもらって)

 既に投稿している記事にて述べたように,16日~18日,岡山コンベンションビューローで,日本教育心理学会第48回総会が開催された。私も,18日午後のシンポジウムに登壇するため,朝から会場に向かった。
 この学会を企画・運営するために尽力しているのは,岡山大学教育学部の先生方だ。平成12年3月までここに奉職した私にとっては,かつての同僚にあたる。様々な事情があったとはいえ,やや性急に学部を去った私なのに,皆さん,笑顔で,あたたかく迎えてくださった。とても,うれしかった。今回もそのような思いで参加したのだが,これからも,かつての仲間のために自分ができる役割は積極的に果たしたいと思う。
 また私自身も彼らのようにふるまいたい,そうでなければならないと思った。例えば,教育現場の先生方と企画・運営している研究会であれば,少々足が遠のいている教師がいる。それでも,彼らの事情を推し量り,同志として接するよう,努力しなければなるまい。

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2006.09.21

授業分析(教育学研究法Ⅱの実習)

 20日,前日に引き続き,教育学研究法Ⅱの集中講義を実施した。本日は,学生に,19日に見学し,記録した授業についての分析活動に取り組ませた。彼らは,評定尺度法と自由記述法を用いて,当該授業の特長と課題を抽出していった。そして,それを報告し,相互評価した。P1000433 少人数グループでの分析作業や議論を重ねて,彼らは,読解力育成のための指導の要件,その構造などについて,検討できた。実際に卒論に取り組む際には,彼らが「読解力の育成」を研究課題に据えるとは限らない。むしろ,そうでない場合がほとんどであろう。けれども,こうした研究アプローチの理法と技法は,多くの場合に有用であろう(と思いたい)。

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2006.09.20

学校での授業見学(教育学研究法Ⅱのフィールドワーク)

 19日,所属している大阪市立大学・文学部の専門科目,教育学研究法Ⅱの活動の一環として,守口の小学校に受講生を引率し,そこで第4学年国語科の授業を見学させ,記録させた。受講生は,授業を見学して,付箋紙に肯定・否定の印象を残す(自由記述法)とともに,対象とした授業が読解力の育成をねらっているので,その観点から設定された10項目に従って5段階評価を試みた(評定尺度法)。P1000322
 なかには,小学校を訪れるのは,自分が小学校を卒業して以来だという学生もいるほど,経験が少ない学生たちだが,学校を訪れる前に観察の方法論を解説していたこともあって,大変熱心に,またていねいに,当該授業の特長と課題を探っていた。

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2006.09.19

教育心理学会のポスターセッション

 昨日も報告したが,16~18日,岡山コンベンションビューローを会場にして,日本教育心理学会第48回総会が開催された。私も,あるシンポジウムに登壇した。
 さて,現在,教育心理学会の総会(大会)では,一般研究発表はすべて,口頭報告ではなく,ポスターセッションとなっている。750件を超える発表を運営するためには,また報告者とオーディエンスの議論を確保するためには,ポスター形式がベターであるという判断であろう(さらに,準備委員会等の負担軽減の問題もあろう)。
 P1000281 写真は,ある有名な教育心理学者のポスターの前で,彼女と若い研究者(おそらく大学院生)が密に議論している様子だ。この姿は,ポスターセッションの可能性を如実に物語っている。研究の知見について,時間を確保し,遠慮せずに意見交換するためには,やはり,部分的にでも,この発表スタイルが採用されるべきであると思った。

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2006.09.18

確かな学びを創りたい-教育実践への3つのアプローチ(日本教育心理学会第48回総会の準備委員会企画シンポジウム)

 16~18日,岡山コンベンションビューローを会場にして,日本教育心理学会第48回総会が開催された。私は,学会員ではないが,準備委員会に招聘されて,「確かな学びを創りたい-教育実践への3つのアプローチ」の指定討論者の役割を果たした。このシンポジウムの話題提供者は,豊田弘司さん(奈良教育大学),秋田喜代美さん(東京大学),向後千春さん(早稲田大学)だ。今回,授業研究やカリキュラム開発を専門とする研究者として,3つの提案等をお聞きしてその異同を整理するとともに,学校現場のニーズ,それらから期待される,教育心理学研究のあり方についてコメントしたP1000289
 果たして,私のコメントがシンポジウムの討論,ひいては教育心理学会における学力問題や教育実践研究の発展に寄与するものになったのか。いつもとオーディエンスが異なるので,よく分からない。そして,私を含む,登壇者やフロアの対話によって,全体として,確かな学び,それに対するアプローチを検討できたのか。もし,あのシンポジウムに参加なさった方がいらっしゃったら,ぜひ,感想をお聞きしたいものだ。

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2006.09.17

学力向上と学校におけるICT活用

 17日,岡山シティホテルミーティングルームで開催された科研の打合会に出席した。これは,本年度と次年度に企画・運営される「学力向上と学校におけるICT活用の効果に関する総合的・実証的研究」だ。聖心女子大学の永野和男先生が代表者である。
 私は,「B:学力向上とICT活用との関連分析」,「C:教育現場でのICT活用の効果の実証」グループのメンバーになっている。具体的には,「理想型」の学力実態を示す学校の比較研究,デジタルコンテンツの利用に関する教師比較研究に従事する。本日の会合では,前者について,ベネッセ教育研究開発センターを事務局として我々が実施している「学力向上のための基本調査2006」の結果から主張できる,学力向上とICT活用の連関,その実証的知見についてレポートした。

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2006.09.16

放送教育研究会全国大会(北海道札幌大会)における全放連提案

 本日,品川で,全放連・学力向上プロジェクトのメンバー数名と会って,放送教育の実践について,意見を交換した。具体的には,10月13・14日に北海道・札幌を会場にして開催される,第57回放送教育研究会全国大会で配布するリーフレットの内容や構成,そこで示される全放連提案(大会プレゼンテーション)について,集中的に議論した。
 後者では,1)放送教育とは,2)放送教育を取り巻く状況,3)札幌大会の意義と特徴,そして4)これからの放送教育という柱で,研究推進担当部長の田端さん(目黒区立伝道小学校教諭)が,放送教育の過去・現在・未来を語る。放送教育指導者養成講座(通称:虎の穴)の卒業生たちは,ぜひ彼女に応援のエールを。また,大会終了後には,その資料をこのブログにアップする(予定)ので,ぜひ入手して,勉強してもらいたい。

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2006.09.15

今,なぜ,小中連携なのか(小学館『総合教育技術』10月号への寄稿)

 本日,小学館編集部から『総合教育技術』10月号が届いた。この号では,小中連携が特集のひとつとなっている。
 私も,「なぜ,小中学校の壁を乗り越えて連携しなくてはいけないのか」について,課題提起の文章を寄稿している。拙稿で,私は,小中連携の意義を,1)子どもの学力向上の装置,2)教師の授業力向上の契機,3)学校と地域の協力体制強化の触媒という3点から,論じた。
 私の課題提起文はさておき,この号は検証レポートや実践事例の紹介なども豊かであり,小中連携実践の新しい情報を獲得できる。ご一読をお勧めする。

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2006.09.14

実践研究の継続・発展(総社市立清音小学校の学校研究)

 14日,岡山県総社市立清音小学校の校内研修会に参加した。この学校の学校研究に,平成11年度からずっと,私は参画している。今年度学校長が替わり,これで4人の学校長に会うこととなった。広島県府中市の上下南小学校(旧矢野小学校)と並ぶ,つきあいの長さだ。
 同校は,今年度,国語科を対象として,「伝え合う力」を高める指導と評価の工夫改善に着手している。昨年度は,「話す聞く」「読む」「書く」と幅広く取り組んでいたが,今年度は,昨年度末の研究の総括を踏まえて,「書く」ことを「伝え合う力の育成」に向けた重点課題に据えることとなった。
 一度研究テーマを広げた後にそれを絞ったからであろう。「書くこと」と「話すこと」を接続・循環させるための支援や工夫について,教師間の共通理解が進んでいたように思う。P1000259P1000239
 本日の研究授業(4年,6年)後の協議会でも,そうして点に関する熱心な議論が続いていたし,教室の掲示などにもそれが体現されていた。
 実はほぼ一年前にも6年生の国語の授業を見学した。その時の授業デザイン,授業研究の知見が継承されていたこと,本日の授業にはさらに新しい工夫が取り込まれていたことにも,好感が持てた。
 学校研究は,そのテーマに関して,それを具体化した授業に関して,継続性と発展性が保障されるべきであろう。この学校の実践には,派手さはないが,それを確認できる。だから,次の訪問,授業の見学が待ち遠しい。

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2006.09.13

「確かな学びを創りたい-教育実践への3つのアプローチ」(日本教育心理学会第48回総会準備委員会企画シンポジウム)

 今月16日から18日まで,岡山コンベンションビューローを会場にして,日本教育心理学会第48回総会が開催される。準備委員会が企画するシンポジウムの1つに,「確かな学びを創りたい-教育実践への3つのアプローチ」というものがある(18日13:00~15:30)。私も,指定討論者として登壇することになった。学会員ではないが,このシンポジウムの企画・司会者たる,青木多寿子さん(広島大学,もと岡山大学教育学部の同僚)から依頼され,畑違いは承知であるが,参加することになったのだ。
 話題提供者は,豊田弘司さん(奈良教育大学),秋田喜代美さん(東京大学),向後千春さん(早稲田大学)だ。私とともに,指定討論を担当なさるのは,田中俊也さん(関西大学)だ。私の他は,皆さん,教育心理学会員だ。的はずれなことを言って浮かないようにしなければならないが,さりとて,わざわざ呼んでいただからには,教育心理学とは異なるアプローチで問題に迫らなければならないだろう。このあたりのさじ加減が難しい――。

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2006.09.12

小中一貫教育の進展2

 昨日に続き,本日も広島県府中市の上下町の学校の実践研究に参画した。本日は,上下南小学校を訪問し,1年生の道徳,5年生の社会科の授業を見学した。
 今日も,子どもたちが進学する中学校の教員が授業を見学していたし,放課後の授業研究会に参加していた。なんと3名もの出席が実現していた。そして,いわゆる参加型,ワークショップ型の協議を進めたが,司会の小学校教員が適切に中学校教員を指名して,発言を引き出していた。そして,彼らもそれに応えていた。私も,(例によってアドリブで?)中学校教員の意見を求めてみたが,違和感なく,これにも応えてくれていた。
 上下町の小中学校の教員の合同授業研究会はすっかり定着したと思う。

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2006.09.11

小中一貫教育の進展

 本日,広島県府中市立上下北小学校を訪問し,5年生の英語活動の授業を見学した。校外学習で広島市の平和記念公園を訪問する子どもたちは,そこで,外国人の方に対して,インタビューを試みる。今日は,その際に必要となるセンテンスを練習する場面であった。
 このブログでも何度もレポートしているが,この学校は,町内のもうひとつの小学校,子どもたちが進学する中学校と,9年間一貫教育によってコミュニケーション能力を育もうとしている。今日の授業にも他校の教師たちが数名やって来ていたし,熱心にメモを取っていた。この春から,こうした合同授業研究会を重ねているが,だんだん自然になってきたように思う。この地域の小中一貫教育は着実に進展していると思う。
 ちなみに,11月21日(火)には,3校合同の研究発表会が催される。私も,朝から参加し,3校の授業を見学したり,分科会等で講師を務めたりする。

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2006.09.10

学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)に関する研究発表

 昨日もレポートしたが,11月3・4・5日,日本教育工学会第22回全国大会が関西大学で開催される。私は,一般研究発表の「教師教育」セッションで,昨年度から,松下教育研究財団の研究活動助成を受けて企画・運営している,学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)の中間成果について報告する。本当は,課題研究発表の「教師教育の新展開-指導力の体系とその育成方法の再考-」で発表したかったのだが,申込件数が多く,コーディネータとしては遠慮せざるを得なかった(もちろん,他にすぐれた発表があるのだから,私の力不足も否めないのだが――)。それだけに,この一般研究発表を成功させたいと思う。あと2ヶ月近くあるが,発表準備をしっかりやろうと決意する。
 そうは言っても,大会企画委員会副委員長としては,自分の発表よりも大会の充実に努力を傾注しなければならないことも少なくないが――。

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2006.09.09

日本教育工学会第22回全国大会の一般研究発表

 9日,東京・田町のキャンパスイノベーションセンターで,教育工学会の大会企画委員会が催された。今回は,関西大学で催される,第22回全国大会(関西大学)の一般研究発表のプログラムを組むという,最も重要な委員会だった。私ももちろん,同委員会の副委員長として参加した(これで4年目となる――)。
 全員で,各セッションの部屋割りを考えたり,各セッションの運営ルールを確認したりした。その後,私は,主として教師教育や授業研究などのセッションについて,発表のラインナップを定めたり,座長候補者を提案したりした。
 発表件数が史上最大(500件を超えた)となった今大会の成功を祈念している。

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2006.09.08

カリキュラムについて大まじめに考える

 本日は,2ヶ月に1回程度開催している,カリキュラム研究会の日だった。これは,大阪市立大学の大学院生やOBと企画・運営している,カリキュラムの理論と実践に関する研究的交流の舞台だ。今回は,まず,現役大学院生と私がそれぞれ,10月1日(日)に第42回日本教育方法学会の自由研究で発表する研究について,レポートした。ここでは,カリキュラム開発研究の潮流や眼目について意見を交換した。
 その後,Allan A. GlatthornらによるCurriculum Leadershipの第1章Nature of Curriculumをなんと矢野先生がレポートし,その内容について議論した。カリキュラムの定義,類型など,カリキュラム論の基礎・基本について,大まじめに考えた。こういう研究グループを構成し,研究的議論を繰り広げることができるのは,大阪市立大学の教育学教室の関係者ならではだろう。知的刺激のあるイブニングだった。

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2006.09.07

教員向けe-Learningプログラムの縦断的評価(日本教育方法学会第42回における発表)

 平成16年度,カリキュラム・コーディネータ養成のためのe-Learningプロジェクト(eCCプロジェクト)を松下教育研究財団の助成を得て,企画・運営していた。参加者のうち2名を対象として,平成17年度,追跡調査を実施した。eCCプロジェクトで得た,カリキュラム開発に必要となる知識をが,そのアクションに資するものとなっているか(適用されているか)を,彼らの学校を実際に訪れ,授業を見学したり,インタビューを実施したりして,探った。教員向けe-Learningプログラムの開発研究は少なくないが,その効果を実践的,長期的に明らかにしようとする試みは少ないと思う。我ながら,希少性のある研究だと思っているが――。
 プログラムの縦断的評価の知見を,9月30日,10月1日に福島大学で開催される,日本教育方法学会第42回大会自由研究でレポートする。カリキュラム開発と教師教育,さらにはカリキュラムマネージメントにまたがる領域の研究になるので,それらの領域の研究者と建設的な議論ができることを期待している。

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2006.09.06

第32回全日本教育工学研究協議会全国大会(熊本大会)

 今年度より,日本教育工学協会の常任理事を拝命することになった。この協会が取り組んでいる,教育工学の普及促進等に関わる様々な活動の1つに,全日本教育工学研究協議会全国大会がある。今年度で32回を数えるが,10月27,28日が大会開催日だ。なんと今年は,知人も少なくない,熊本市が会場となる。
 第1日目には,6つの小中高等学校が会場となり,授業が公開される。私も,どこかの会場をたずねて授業を見学し,授業研究会に参加する。さて,どこに行こうか――。会場で,このブログの読者とお会いできるのを楽しみにしている。

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2006.09.05

指導の状況に関する比較研究(大都市-地方都市間,小中学校間,そして日中間)

 昨年度,華東師範大学・教育科学学院のメンバーとの共同研究プロジェクトの一環として実施した「指導の状況に関するアンケート」の分析・考察が山場にさしかかっている。調査は,(1)学校の概要,(2)学力観,(3)教科学習の工夫改善(少人数指導,習熟度別指導,補充学習,発展的な学習,宿題等の課外指導),(4)総合的な学習の概要(実施時間数,カリキュラム開発の体制,目標と内容,指導体制,実践上の課題),(5)小学校5年(中学校2年)の総合的な学習の代表的実践(領域,目標,指導の工夫と成果,評価),(6)教員研修(教科指導に関わる力量形成,総合的な学習のカリキュラム開発に関わる力量形成,その他)から成る。
 これらについて,この大都市-地方都市間,小中学校間,そして日中間で回答傾向を比較する。やはり日中間の違いは大きい。こうした比較の結果を今月29日午前の研究会(大阪市立大学・田中記念館)で報告するが,この会には,中国から研究チームのリーダーもやってきて,分析・考察のすりあわせもおこなう。短い時間ではあるが,有意義な意見交換の機会としたい。

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2006.09.04

学校の第三者評価に関する実践研究研修会

 4日,東京国際交流館で,「学校の第三者評価に関する実践研究研修会」が催され,私も,評価委員候補として,出席し,研修させていただいた。
 Dsc05828 文部科学省初等中等教育局主任視学官の挨拶,国立教育政策研究所教育政策・評価研究部長の小松先生の講演の後,この実践研究の意義・手続き等を初等中等教育局学校評価室長が示した。
 学校評価の意義や手続き等に関する説明は私の予想を超えるものはなく,復習しただけだったが,各都道府県・政令市から委員を3人ずつ選出したり,2校ずつ協力校を設定したりする厚み,試行ではあるが学校評価のフォーマットを定めてそれにしたがって第三者評価を進める提案性などに,この問題にかける文部科学省の意気込み,その熱をみたように思う。
 それにしても,人の話を聞くだけの研修は疲れる――。

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2006.09.03

カリキュラム開発におけるリーダーシップについての勉強会

 3日,三重県津市で,科研「学校を基盤とするカリキュラム開発におけるリーダーシップグループの役割のモデル化」の打合会を開催した。これは,私が代表者を務め,大阪市立大学の矢野先生,愛知江南短期大学の森さん(大阪市立大学・大学院文学研究科・教育学専修の出身者)に分担者になってもらっている,小グループでの研究プロジェクトだ。実は,今日の会場は,矢野先生が所有なさっている別荘をお借りしたものだ(こんな静かなところに別荘なんて,うらやましいなあ)。Dsc05817
 3年間に及ぶ文献研究,事例研究,日英比較研究を通じて,我が国の小中学校におけるカリキュラム開発におけるリーダーシップグループの組織化,その役割のモデル化を図る。
 本日は,Allan A. GlatthornらによるCurriculum Leadershipの第9章Supervising the Curriculumを読解した。この本は,カリキュラム開発におけるリーダーシップについて包括的にまとめたものだ。たいへん勉強になる。
 次回は,第10~12章を読破するために,合宿形式で実施する予定である。

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2006.09.02

中学校における放送教育実践の公開(第57回放送教育研究会全国大会・札幌大会に向けての北辰中学校の取り組み)

 1日,第57回放送教育研究会全国大会(札幌大会,10月13・14日)の中学校の会場校たる,札幌市立北辰中学校を訪れ,そこで,7つの授業を目にした。大会当日は,それらを含めて,全クラスで放送番組を活用した実践が公開される。ものすごい厚みだ。
 Dsc05767 中学校向けの学校放送番組がそれほど多くは放送されていない状況で,全教職員で工夫して放送番組を活用し,それを通じた子どもたちの学力保障,成長保障を目指している。例えば,英語科では,小学校向けの「おはなしえいごリアン」を活用して,生徒の表現力を豊かにしようとしている。同時に,各教科におけるメディア活用の方針が実にしっかりしている。例えば社会科では,学校放送番組10 min. Boxを導入して発展的な学習を構成しつつ,地図といった「資料」の活用も重視して,社会科学の方法論を踏まえた情報手段の活用を実現させているように,各教科の本質や特性がおろそかにならない形で,むしろそれを強化する方針で,番組が活用されているのが頼もしい。
 全員が学習に参加するための道具や環境の準備,教室の学習環境の巧みな構成,子どもたちの学習習慣の確立,学び合う集団づくりなど,学びの基礎力を確かにするための指導も申し分ない。
 この学校を訪問する教師は,放送教育を含む,中学校における教育実践研究のフロンティアにふれることができるに違いない。

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2006.09.01

北海道の「虎の穴」OBがんばる!(ぜひ応援メールを)

 31日,和歌山大学教育学部での集中講義を終えて,札幌に向かった。現地で,まずは,第57回放送教育研究会全国大会(札幌大会,10月13・14日)の中学校の会場校たる,札幌市立北辰中学校の先生方とミーティングをおこなった。
 Dsc05683 次いで,放送教育指導者養成講座(通称:虎の穴)の第5期生,札幌市立あいの里東小学校の坂野宏明先生にお会いした。この学校も,全国大会の会場校である。彼は,学校の研究推進のために,虎の穴の経験を生かして,様々なアクションを試みているようだ。公開授業の構想も,自分のものを工夫するだけでなく,若い人のものの相談にも積極的に乗っているようだ。実際,私たちが,旧交を温めていた深夜,新任教師から相談のメールが届き,すぐに返信していた。よくがんばっている,立派だ。NHKの宇治橋デスクとともに,感心した。
 今回の全国大会ではやはり北海道出身の虎の穴のOB,札幌市立栄緑小学校の岡田光紀先生も授業を公開する。北海道内外のOB陣は,ぜひ,OBメーリングリスト等で彼らを励ましてあげてほしい。

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