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2006.10.31

子どもたちに視点やモデルを与えて考えさせる(池田市立呉服小学校の第1学年国語)

 31日,大阪府池田市立呉服小学校を訪問し,第1学年と第5学年の国語科の授業,さらに第2学年の英語活動の授業を見学し,事後協議会にも参加した。
 第1学年の国語は,「大きく心が動いたことを思い出して書く」という「書く能力」を育む単元であった。その目標は,1)日々の暮らしの中でみんなに伝えたいことを選び書くことができる,2)みんなに分かるように,順序よく思い出して綴ることができる,であった。本日は,書く題材が決定した後,いよいよ書き出しの文を考案する場面であった。
 P1010872 指導者は,写真のように,書き出しの視点を「したこと」「聞いたこと」「見たこと」のように提示し,さらに,それに即した例文までも子どもたちに提供した。思考の視点とモデルを手にして,子どもたちは,書き出しに成功していた。

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2006.10.30

「考える」音楽の授業

 先日もレポートしたように,28日,大阪教育大学附属平野中学校で教育研究発表会が催された。私は,授業を見学し,協議会に参加し,パネルディスカッションのコーディネータを務めた。授業の学際的展開については,28日の記事をご覧いただきたい。
 今日は,この日に見学した音楽の授業について紹介したい。第1学年の題材:歌唱「身体表現(指揮)を生かした歌唱表現をしよう」の1コマであった。教材は,「大きな古時計」である。本時の目標は,次の2つであった。
①速度や強弱のいろいろな変化に関心をもち,自分が感じた音楽表現を身体表現(指揮)しようと取り組む。
②自分が感じた速度や強弱の微妙な変化を身体表現で表すことができる。
 P1010730 写真のように,生徒は,速度や強弱の変化をどのようにして体で表現するかを真剣に考えていたし,その妥当性は,仲間に歌ってもらうことですぐに,またはっきりと確認できる。考える音楽の授業のすぐれた実践例であろう。異なる指揮に合わせて何度も歌うから,歌唱時間(量)もたっぷりと保障されていたし――。

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2006.10.29

日本教育工学会第22回全国大会での研究発表

 11月3~5日,日本教育工学会第22回全国大会が関西大学で催される。私は,3日15:40~18:20の一般研究発表2の「教師教育(2)」セッションの4番目の発表だ。タイトルは,「学校研究推進リーダー養成のためのe-Learningプログラムの開発研究」である。松下教育研究財団の研究活動助成を受けて推進している,LTプロジェクトのデザインや中間成果についてレポートする。学校の実践研究を牽引するミドルリーダーがその力量を高めていくための研修課題・方法,その工夫について,具体的に提案してみたい。
 なお,同日午前中の一般研究発表1の「教育メディア(1)」セッションでは,私が指導している大学院生が,「ベテラン教師が授業においてデジタルコンテンツを活用するための実践的知識-小学校のベテラン教師と若手教師の比較を通して-」というタイトルで発表する。彼女は,NHK学校放送番組『にんげん日本史』のデジタル教材を授業にどのように活用するかについて,複数の教師にていねいにインタビューした結果を比較・検討して報告する。あ,このセッションは,堀田大先生(NIME)や高橋先生(富山大学)もご発表なさるようだ――。

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2006.10.28

中学校における授業の学際的展開,その魅力

 本日,大阪教育大学附属平野中学校で,教育研究発表会が催された。私も,授業を見学し,協議会に参加した後,パネルディスカッションのコーディネータを務めた。附属平野中学校は,同附属小学校と,小中連携教育のカリキュラム開発に関する,共同的な研究を進めている。その成果が,例えば,律令国家等に関する追求の小中合同発表会の開催,2元一次方程式とつるかめ算の比較検討など,小中連携の具体的アイデアが呈された。
 P1010744P1010775
 同時に,社会科公民で労働に関する主張文を書く,美術科で大和絵巻を鑑賞し,それを英語で表現する,国語科で「言語『地図』」を読解するなど,授業が学際的に展開され,それが子どもたちの意欲や思考の質を高めていた。

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2006.10.27

教科におけるICT活用指導の要件(第32回全日本教育工学研究協議会全国大会の会場校=熊本市立砂取小学校にて)

 10月27,28日と熊本で,全日本教育工学研究協議会全国大会が開催されている。27日には,様々な学校でICTを活用した授業が公開された。私は,熊本市立砂取小学校に出かけて,算数,国語,社会等の授業を目にした。写真は,5年生の国語の物語文の読解に関する授業で,登場人物の気持ちが分かる表現を,デジタル教科書を用いて,子どもたちが発表しているところだ。P1010655
 私は,授業後の協議会では,この学校の教師たちのICT活用の共通項について言及した。それは,1)様々なレパートリーがある(活用主体,活用場面,活用目的等),2)例えば国語では「ことば」の分析にICTが用いられるなど,教科の独自性を生かす,引き出す形でICTが活用されている,3)ICT活用が「きめ細かな指導」や「学び方の育成」など,授業づくりの基本の徹底と並行して推進されている,である。これらは,「教科におけるICT活用指導の要件」と言えよう。

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2006.10.26

「大村はまと国語単元学習」(平成18年度「教育学演習IV」)

 本年度後期,学部の講義のひとつで,「教育学演習IV」を担当している。テキストは,『時代を拓いた教師たち-戦後教育実践からのメッセージ-』(田中耕治編著,日本標準)である。
 本日は,このテキストの「大村はまと国語単元学習」のパートを担当者にレポートしてもらった。次いで,NHK教育テレビの『わくわく授業』を用いて彼女の実践の様子やインタビューへのコメントなどを,私が紹介した。それらを踏まえて,彼女の実践の時代背景,普遍的価値,そして今日的展開について議論を繰り広げた。我ながら,今日も,なかなか実りある演習になったと思う。

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2006.10.25

第32回全日本教育工学研究協議会全国大会(熊本大会)

 今年度より,日本教育工学協会の常任理事を拝命することになった。この協会が取り組んでいる,教育工学の普及促進等に関わる様々な活動の1つに,全日本教育工学研究協議会全国大会がある。今年度で32回を数えるが,10月27,28日が大会開催日だ。
 第1日目には,5つの小中高等学校が会場となり,授業が公開される。私は,熊本市立砂取小学校で3つの授業を見学し,授業研究会でコメントを呈することになる。和歌山大学の野中先生もそうらしい。他にも誰かに会えるだろうか――。

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2006.10.24

拙著『教師が磨き合う「学校研究」』の書評

 本日,明石市教育研究所主催の「ステップアップⅡ特別公開講座」の講師を務めた。講演のタイトルは,「校内研修担当者に期待するもの」であったので,いわゆる学校研究の意義と特徴,それを推進するための実践的知識とコーディネーションスキルについて,事例を交えながら,またプチ演習を挿入しながら,私なりに提案した。
 ところで,同研究所発行のニューズレター「もくせい」第155号に,拙著『教師が磨き合う「学校研究」』(ぎょうせい,2006年)の書評が載っていた。拙著の内容を的確にご紹介いただき,感謝している。ご担当の方には,第2部のモデル編,特に「学校研究の歳時記」が,「一年の流れをイメージでき,学校研究の点検・評価になる。」と好評のようであった。

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2006.10.23

「総合的な学習の時間」モデル事業に取り組む学校(和歌山県有田郡広川町立広小学校)

 23日,和歌山県有田郡広川町立広小学校を訪問し,低学年の生活科や中・高学年の総合的な学習の時間の授業を見学した。同校は,町内の津木中学校とともに,「総合的な学習の時間」モデル事業に取り組んでいる。同校の総合的な学習は,地域課題,情報,国際理解(英会話)の3つの柱からなる。
 P1010475 地域課題では,防災(減災)が4(6)学年を貫くテーマに設定されている。子どもたちは,様々な情報手段を駆使して,防災の歴史や実態,そのための工夫などについて,調べたり,まとめたり,伝えたりしている。第6学年の「防災ポスター」の制作などは,国語や図工の要素も含んだ取り組みだと思う。
 最近,総合的な学習の時間への取り組みが手薄になっている学校が少なくない。けれども,そのデザインを工夫すれば,この時間は,今日学校に期待が寄せられている,学力向上にも資するはずだ。だから,このカリキュラムの開発に関する実践研究はおろそかにできない。今日もそう思った。

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2006.10.22

研修の基礎力

 秋は,「学校研究」が盛んになる時期だ。公開研究発表会も数多いし,いわゆる校内での授業研究会の機会も増す。だから私も,この時期は,学校をたくさん訪れるようになる。
 けれども,悲しいことに最近,数ヶ月とか半年前に依頼があり,校内研修・研究への協力を承諾したが,それ以後何も連絡がないというケースが続いた。業を煮やしてこちらから,何時に行けばよいのでしょうとたずねたり,指導案を送ってくださいとお願いしたりすることとなった。
 そんな調子だと,学校は自分に何を期待しているのかが分からなくなる。小学校で授業をやったこともない私が当該校にとってプラスになるコメントを呈するためには,研究授業の指導案を事前に読んでおく必要がある。いわゆる参加型・ワークショップ型の事後研を展開するためには,その進行についての事前打ち合わせが不可欠だ。
 学校研究,とりわけ授業研究会を充実させるために,外部人材を招聘するのであれば,そのための連絡等は,面倒でも怠るべきではあるまい。「研修の基礎力」が衰えている学校が増えているのだろうか――。

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2006.10.21

遠方より同志来る(第44回なにわ放送教育研究会にて)

 20日夜,NHK大阪で,第44回なにわ放送教育研究会が催された。今回は,全員のプチ実践報告の後,『道徳ドキュメント』「巨樹にもらった希望」を活用した,2つの実践が報告された。1つは,守口市立八雲小学校の重松教諭によるもの,もう1つは,枚方市立五常小学校の松浦教諭によるものである。
 P1010345 番組が示唆する価値項目は多様なのでそれをどのように生かすか,映像に十分には表れていない「自然に対する畏敬の念」をどのように強調するかなど,実話を扱った道徳番組の活用方針についてしっかりと検討した。
今回は,岡山からはるばる,岡山県情報教育センターの高橋さんが参加してくれた。遠方より同志が来てくれて,メンバーによい刺激を与えてくれた。ありがたいことだ。次回は,11月22日(水)18:30からだ。今度は,昨日初めて参加してくれた大東市立四条小学校の白石さんが,やはり『道徳ドキュメント』を利用した実践に挑戦し,その模様を報告してくれるという。楽しみだ。

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2006.10.20

学力向上を志向した放送教育の展開-その意義・モデル・実践事例-(日本教育メディア学会における研究報告)

 全国放送教育研究会連盟(全放連)研究部では,昨年度から,「学力向上プロジェクト」を発足させ,研究活動を推進している。プロジェクトメンバーは,学校放送番組を活用して「豊かな学力」を育む実践を計画・実施し,その成果を評価している。その中で,例えば,継続視聴の再評価,それによる学習習慣の定着などが明らかになっている。また,丸ごと視聴が学級経営の充実や個に応じた指導に資することも確認されている。
 ここまでの成果を,プロジェクト委員会の委員長の竹下さん(千代田区立九段小学校教諭)が,14日の日本教育メディア学会で「学力向上を志向した放送教育の展開-その意義・モデル・実践事例-」というタイトルで報告した。

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2006.10.19

「無着成恭と生活綴方」(平成18年度「教育学演習IV」)

 先日もレポートしたように,本年度後期,学部の講義のひとつで,「教育学演習IV」を担当する。今年は,『時代を拓いた教師たち-戦後教育実践からのメッセージ-』(田中耕治編著,日本標準)をテキストに指定し,その読解を進めている。
 前回は,私が序章をレポートし,戦後教育実践を俯瞰した。本日からいよいよ各論に入った。今日は,「無着成恭と生活綴方」について,テキストと参考文献に基づき,議論した。無着成恭のライフストーリー,『山びこ学校』誕生の経緯,その意義と課題などについて担当者がレポートし,その特徴について意見交換を繰り広げた。
そして最後には,今日『山びこ学校』のような実践はどのような形で展開されるべきか,その精神を受け継ぎながらもいかなる要素を変えるべきかについても,発展的に検討した。こういう考察はおもしろい。そう感じる私は,やっぱり,(○○ではなくて),ピュアな教育学が好きなのだと思う。

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2006.10.18

ポイントや手がかりをきちんと指導して,子どもたちにチャレンジさせる(神戸市立六甲小学校の学力向上への取り組み)

 本日,神戸市立六甲小学校の校内研修会に参加した。この学校は,神戸市教育委員会が推進している「分かる授業」づくりに向けた事業の協力校となっている。本日は,研究授業として,第1学年の国語,第4学年の算数(2クラス合同の3コース制の少人数指導)が公開された。いずれも提案性のある授業であり,放課後の協議も盛り上がった。
 P1010240 第1学年の国語の授業は,かの有名な『くじらぐも』である。本時の目標は,「くじらぐもと子どもたちがお互いに誘い合っている様子を想像して楽しく音読することができる」というものであり,指導者は,題材文のストーリーをていねいに確認し,それを生かした読み方をモデル化・例示して,子どもたちに,グループ読みに着手させた。教師が音読のポイントや手がかりを確かに指導したから,子どもたちの音読が発展し,その質が向上した。学力向上,とりわけ「考える力」の育成が,放任ではなく,教師の指導性によって促されることをまた確認した

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2006.10.17

若い教師の授業力を伸ばす学校

 17日,京都市立仁和小学校の校内研修会に参加した。同校は本年度,昨年度の引き続き,京都市教育委員会の指定を受け,「伝え合う力」の育成を主柱とする情報教育の実践研究に取り組んでいる。その一環として,5年生国語と4年生体育の研究授業が実施された。
 P1010107_1 前者は2年目の教師,後者は1年目の教師によるものだ。この若い教師たちは,実によい授業,提案性のある授業を試みてくれた。例えば,国語では,資料文を読んでそれに対する意見を話し合う場面が設けられたが,全員共通の課題と発展的な課題が用意されていた。また体育では,器械運動(跳び箱)の習熟の程度に応じたコースが用意され,さらに自らの運動の問題点を把握するためにICTによる撮影・記録・内省コーナーが設けられていた。もちろん,両方のクラスとも,子どもたちは,落ち着いて学習に取り組んでいた。P1010182
 大都市では教員大量採用時代を迎えて,若い教師の授業力が疑問視されることが少なくない。けれども,実は,私は,それは必ずしも正しくないと常々感じていた。本日の授業実践例は,その証左であろう。
 若い教師の成長は,当然,同僚に支えられている。若い教師が育っている京都市立仁和小学校は,学校力が豊かである。そんな同校の研究発表会が,12月8日(金)に催され,全学年の授業が公開される。ICTを小道具に,あるいは切り札に位置づけた,提案性のある授業が公開される。多くの方の参加を期待したい。

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2006.10.16

大学の講義でもやっぱり丸ごと視聴(?)

 本日,自分が担当している講義「教職概論」において,「重要な他者」としての教師像を受講生にイメージしてもらうために,NHK総合テレビのプロジェクトXの「駅伝日本一 運命のたすきをつなげ」という番組を視聴してもらった。これは,兵庫県立西脇工業高校の駅伝チームを指導する教師のライフストーリーを主柱に据えたものだ。生徒に近づく,彼らを見つめる,彼らに聞く(たずねる,教えてもらう),それらを踏まえて生徒と対話することを繰り返している様子をこの番組からつかんでもらうことが,そのねらいだ。
 それにしても,45分の番組を分断して利用しようとしたら,例えば中島みゆきの歌のイントロをスキップしようとしたら,受講生から「えー」というブーイング。番組利用は,やはり,大学の講義でも「丸ごと視聴」が基本なのかもしれない。次回から,私も,チャレンジしてみよう。

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2006.10.15

放送教育研究会全国大会における全放連提案

 連日報告しているように,13,14日と,第57回放送教育研究会全国大会(北海道札幌大会)が開催された。P1010063 14日午後,全放連の研究推進委員長として,放送教育指導者養成講座(通称:虎の穴)卒業生の田端さんが,下記ファイルのような内容をレポートした。放送教育の過去・現在・未来,その特徴がよくまとめられている。pdfファイルをアップロードするので,放送教育実践に取り組む方は,これでしっかり勉強してもらいたい。「Zenporen061014.pdf」をダウンロード
 なお,とある方の提案により,次回の虎の穴OB会では,この全放連提案を「あなたなら,どう改訂するか」というワークショップを企画・運営する予定である。参加(予定)者は,今から,構想しておいてほしい。

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2006.10.14

「豊かな学力の育成を目指して-教科番組の多様な活用を通じて-」(第57回放送教育研究会全国大会(北海道札幌大会)の番組別研究交流会)

 昨日に続き,第57回放送教育研究会全国大会(北海道札幌大会)が開催された。私は,午前中の番組別研究交流会のある部会のコーディネータを務めた。それは,「豊かな学力の育成を目指して-教科番組の多様な活用を通じて-」という内容であった。ここでは,放送教育指導者養成講座(通称:虎の穴)の卒業生(草柳さん,水野さん)を含む,3名が,学力向上に向けた番組活用事例を発表してくれた。Kihara061014 P1010056
 それを整理した枠組みを示した後,それぞれの参加者に,学校放送番組を活用した学力向上プランを策定してもらい,それを,交流してもらった。私は,それらのプランを批評するとともに,本日の提案や議論を「豊かな学力の育成を目指す放送教育実践の要件」として,次のように総括した。
・育成を図る学力の明確化
・番組,デジタル教材の性格の同定
・番組等の利用場面・スタイルの検討
・学力向上の測定・評価
・番組等を用いた深化・補充学習(学び直し)

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2006.10.13

虎の穴卒業生がんばる!

 13日,第57回放送教育研究会全国大会(北海道札幌大会)の会場校,北海道札幌市立栄緑小学校を訪問した。そして,放送教育指導者養成講座(通称:虎の穴)の卒業生,岡田光紀さんの授業,NHK学校放送番組:理科4年生『ふしぎ大調査』「葉をからすのはだれだ(秋の植物と昆虫)」の活用を見学した。P1000951
 マイツリーの変化を確認する単元の導入,葉の観察とデジタル教材利用を並行させる活動,番組視聴による本日の学習の振り返り等,単元や本時のデザインがよく練られていた。今日までの彼の苦労がしのばれた。お疲れ様,岡田さん。
 私は行けなかったが,あいの里東小学校では,やはり虎の穴卒業生の坂野宏明さんが,『わかる国語読み書きのツボ』を活用した授業を公開し,参加者から,よい評価を得ていたようだ。
 虎の穴卒業生のがんばりに感心した1日であった。

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2006.10.12

『時代を拓いた教師たち』を読む(平成18年度「教育学演習IV」)

 18年度後期,学部の講義のひとつで,「教育学演習IV」を担当する。今年は,『時代を拓いた教師たち-戦後教育実践からのメッセージ-』(田中耕治編著,日本標準)をテキストに指定した。講義概要は次のとおりである。

 「今日,学力低下問題や授業崩壊などがマスコミ等で取り沙汰されている。そして,それらに連動して,教師の「授業力」についての関心が高まっている。
 しかし,我が国の小中学校の教師たちは,伝統的に,自らの授業技術,授業に関わる実践的知識を高めるための営みを繰り広げてきた。それは,世界にも類を見ない,教師文化である。本演習では,下記のテキスト,戦後60年間の代表的な教育実践の記録の購読とそれらに関する討論を通じて,戦後60年間の教師たちの授業力向上の取り組みの実際にふれるとともに,その意義,特徴,背景などを探る。
これらの活動を通じて,受講生には,教師の授業力を,その普遍性と時代性を視野に入れて考察する能力を獲得してもらうことを期待する。」

 本日は,先週のオリエンテーションに続いて,いよいよテキストの購読に入った。序章のレポーターは私であった。レジュメの作り方,発表の仕方,補足資料の準備方法などをモデル化するためには,演習のスタートを講義担当者が切るのがよいと,私は考えている。特に,この著作の序章は,戦後60年の教育実践史が足早に語られているので,整理するのは,至難の業であった。私は,著者の本章の主張点を,「1.本書で取り上げる『教育実践』は,それぞれの時代と社会状況に真正面から立ち向かい,すぐれた成果を残したものである,2.それぞれの『教育実践』は互いに影響するとともに,先達の教育実践の蓄積の上に自らの教育実践を構築している,3.『実践記録』読解・作成の効用」とまとめてみた。
 本書は,15の教師(グループ)を窓口にして,戦後教育実践を俯瞰することができる好著である。このブログの読者にも,一読をお勧めする。

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2006.10.11

授業研究に熱心な中学校(彦根市立南中学校)

 P1000838 11日,滋賀県彦根市立南中学校を訪問し,第2学年国語科の授業を見学し,事後協議会にも参加した。導入場面でのゲームや音読によって,生徒の学習意欲や集中力が高められていた。なにより,枕草子のテキストの特徴を読解し,それを活かして「秋のをかし」に関する短作文を構成するという活動の流れは,よく練られていた。それを円滑に進めるためのワークシートの準備も功を奏していたし,その課題を提示する際に秋の写真をプロジェクターで提示したのも,さりげないIT活用であるが,効果的だった。提案性のある授業であった。
 P1000878 同じくらい感心したのは,この研究授業を参観している,他の教師たちの姿勢である。40名以上の教師たちが実に熱心に授業を見学し,気づきをメモにしたためる。生徒が活動している近くに歩んで,その詳細を見つめる。時には,第2,第3の指導者として機能する。自らが担当する教科は異なる教師が多いのだが,研究授業を自分の授業ととらえて,彼らは,身を投じていた。協議会でも,多くの教師が,研究授業から自分が何を学んだかを具体的にコメントできていた。
 授業研究に熱心で,実践研究が教師文化として浸透している学校を訪れるのは,気持ちがいい。とても勉強になる。私も,本日の研究授業や学校の取り組みについて,その特長と課題を精一杯コメントした。

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2006.10.10

研究紀要の作成の秘訣(LTプロジェクトのテレビ会議から)

 9日夜,LTプロジェクトのテレビ会議を実施した。これは,松下教育研究財団の支援を受けて企画・運営している,学校研究推進リーダー養成プロジェクトだ。今年で,2年度目の活動となる。参加メンバーは,昨年度にプロジェクトで獲得した実践的知識を活用して,所属校の実践研究の推進に資するアクションを構想し,実行している。その中間報告・相互評価に,テレビ会議や集合研修を通じて,メンバーは着手する。Ltproject061009
 昨日の報告とそれを題材にした討論では様々なトピックが扱われたが,その1つが,「研究紀要の作成」であった。その秘訣について協議した。例えば,年度末に作成するものであっても,研究主任はすでにそれを構想し,必要な材料を集めておく(集めておいてもらう)こと,次年度に活用できる内容を盛り込むこと,そのためには,研究紀要には次年度の研究計画のプロトタイプ版を挿入すること,紀要の執筆になれてもらうための「書く機会」を校内研修・研究において設定しておくことなどが重要であると共通理解した。
 LTプロジェクトの初年度の成果に,研究紀要の作成に関するQ&Aがある。研究紀要の内容や作成手順に悩む読者がいたら,ぜひ,ご覧いただきたいと思う。

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2006.10.09

学力向上ハンドブックの改訂(Benesse教育研究開発センターとの共同研究)

 本日,新大阪で,『学力向上ハンドブック』(Benesse教育研究開発センターとの共同研究)の編集会議が催され,私も,それに参加した。このハンドブックは,学力調査に基づいて,授業改善のアクションプランを作成し,また実践し,そして評価するというR-PDCAのプロセスを読者に案内するものだ。先にプロトタイプ版を作成したが,ユーザーの意見を得て,現在,改訂を試みている。例えば,活用をナビゲートするパートを設けてCD-ROM化する,ダイジェスト版を作成するといったように。
 同時に,プロトタイプ版執筆者が原稿の加除訂正に取り組んでいる。私は,この改訂で,学力向上に資する,教師の指導力調査の結果,とりわけ,指導力の代表的なパターン(理想型,特長型,バランス型,部分型,問題型)について紹介している。

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2006.10.08

「授業の構築」に関する用語

 先日,小学館『総合教育技術』編集部から,『教育基本用語』執筆の依頼を受けた。これは,教育を29の領域に分けて,それぞれの領域の「現状と課題」を見通すとともに,基本となる用語を選んで解説するものである。
 私に与えられた領域は,「授業の構築」であった。これに関する用語を50ほど選んで,解説することになる。しばらく時間をかけて,用語選択に努めるつもりである。
 読者だったら,どんな用語を選んで解説してもらいたいだろうか。ちなみに,「教師の力量」「カリキュラムの開発と経営」「学力と学力観」「総合的な学習」「教育評価」といった領域が別途設定されている。

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2006.10.07

第57回放送教育研究会全国大会(北海道札幌大会)近づく!

 今月13・14日,第57回放送教育研究会全国大会(北海道札幌大会)が開催される。第1日目の13日には,幼稚園・小学校・中学校・高等学校・養護学校で,保育や授業が公開される。小学校の会場校では,放送教育指導者養成講座(通称:虎の穴)の卒業生が授業を見せてくれる(栄緑小学校の岡田さん,あいの里東小学校の坂野さん)。
 私は,中学校の会場校たる,札幌市立北辰中学校で講師を務める。この学校は,全クラスで放送番組を活用した実践を展開する。中学校向けの学校放送番組がそれほど多くは放送されていない状況で,全教職員で工夫して放送番組を活用し,それを通じた子どもたちの学力保障,成長保障を目指しているのは,見事である。ぜひ,ご参会いただきたい。公開授業の後,研究交流会が催され,そこで,「中学校における放送番組利用の多様性」と題するパネルディスカッションが繰り広げられる。私は,コーディネータ役を果たす。
 第2日目は,午前中に番組別研究交流会,午後に全体会が用意されている。前者では,私は,「豊かな学力向上の育成を目指して-教科番組の多様な活用を通じて-」という分科会で,やはりコーディネータを務める。ここでは,やはり虎の穴卒業生(草柳さん,水野さん)が2名も学力向上に向けた番組活用事例を発表する(全部で3つの実践報告)。後者では,全放連提案も,虎の穴卒業生の田端さんが担当してくれる。
 忙しい2日間になりそうだが,北海道,そして全国の放送教育実践家との交流を楽しみにしている。

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2006.10.06

さらに小中連携の教育研究発表会

 ここ数日紹介した,広島県府中市の上下町の小中学校,大阪教育大学附属平野小中学校以外にも,小中連携教育の研究発表会があり,私も参加するので,ご案内したい。
 それは,12月1日(金)に,鳥取大学附属小・中学校が合同で開催する,教育研究大会だ。研究のテーマは,「学ぶ意欲を高め,実践的な行動力をもった児童・生徒の育成-かかわり合う力,適切に判断する力,自分を生かす力を培う小中一貫教育のあり方-」である。当日は,朝学習や2コマの授業の公開,小中合同の教科別分科会,そして,全体会,シンポジウムというプログラムが準備されている。
 私は,シンポジウムに登壇する。最近は,コーディネータの役割を果たすよう依頼されることが多いが,今回は,提案等を仰せつかっている。
 附属校が12月に研究大会を開催するのは,珍しい。他の研究大会との日程面での重なりはないだろうから,中国地方の方を中心に,参加をぜひご検討いただきたい。

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情報教育マイスター養成研究会(第2回)のご紹介

 11月11日(土)に,綿商会館(東京都中央区日本橋)で,情報教育マイスター養成研究会が催される。この集いは,情報教育に関する校内のリーダー教師に必要とされる力量をその候補者等に幅広く獲得してもらうことをねらったもので,主に,金沢大学の中川先生がその内容や活動をデザインされている。私もパネルディスカッションのコーディネータなどで参画する。鳴門教育大学の藤村先生が進行役を務められるワークショップも企画・運営され,情報教育に関するアクティブな学びが実現するので,ぜひ参加をご検討いただきたい。
 詳しい内容や参加申込は,こちらから。
 チラシをダウンロードしてください。「ict_061111.pdf」をダウンロード

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2006.10.05

小中連携の教育研究発表会

 本日夕刻,大阪教育大学附属平野中学校を訪問した。28日(土)に,同校で,教育研究発表会が催され,そこで設定されるパネルディスカッションに登壇するので,その打合会に参加したからだ。このパネルディスカッションは,私がコーディネータを務め,附属小中学校の研究主任,小中一貫教育の研究開発学校の中学校長にパネリストをお願いする。
 附属平野小中学校は,ここ数年,様々な形で小中連携教育に取り組んでいる。例えば,中学校の教師が小学校6年生の授業を担当する,小学校3・4年生の英語活動を中学生が「指導」する,9年間を見通した一貫カリキュラムを策定するといった取り組みだ。
 全国各地で小中連携,一貫教育が推進されているが,この日の教育研究発表会に参加すれば,その多様性を俯瞰できるであろう。読者にもぜひ参加を検討してもらいたい。

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2006.10.04

小中一貫教育の研究発表会(広島県府中市上下町内の小中学校)

 本日,広島県府中市立上下北小学校を訪問し,2年生の国語,4年生の道徳の授業を見学した。前者は,大事な言葉に留意して読解する力を育むための「繰り返し学習」に,後者は,実話をもとにした「感動」教材の提供に,特色がある。P1000675
 これらの授業づくりの工夫は,11月21日(火)の研究発表会で披露される。町内の上下南小学校,上下中学校との合同研究発表会だ。スケジュールを調整して,3校の授業を見学することができるようになっている(車があればだが――)。また,午後は,3校合同で分科会が催される。もちろん,全体会も小中一貫教育に関するものだ。P1000698
 この日の研究会に参加すれば,小中一貫教育の多様な実践を眺めることができるし,合同研究会開催のスタイルを吸収することもできる。交通の便がよいとは言えない地にあるけれども,参加すると小中一貫教育についての貴重な実践情報を得られるだろう。読者もこの研究会参加を検討なさってはいかがだろうか。

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2006.10.03

全放連・学力向上プロジェクトの研究発表

 本日,渋谷のNHKで,全放連・学力向上プロジェクトの研究会が催された。本日は,3つの内容を扱った。そのうちの2つは,10月中旬の研究発表の予行演習だった(最後の話題は,11月の研究授業に関するもの)。1つは,放送教育研究会全国大会「番組別研究交流会」「豊かな学力向上の育成を目指して-教科番組の多様な活用を通じて-」(14日9:30~)における草柳さん(川崎市立夢見ヶ丘小学校)の実践報告,もう1つは,日本教育メディア学会・自由研究発表(14日15:15~)における竹下さん(千代田区立九段小学校)による学力向上プロジェクトのレポートだ。
 いずれも,短い時間での発表だから,主張点をはっきりさせないといけない。口頭説明と配付資料の叙述の使い分けも重要だ。発表を担当する2人には,ベストを尽くしてもらいたい。

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2006.10.02

福島県立美術館を訪ねて

 P1000613 先日,福島大学を会場として開催されている日本教育方法学会に参加したが,ちょっとした時間を見つけて,福島県立美術館を訪ねた。閑静な住宅街に突然,美術館と図書館が現れる。山を借景(?)にして,とても感じがよい。建物もステキだ。P1000597
 館内も広々として,心地よい。展示品も季節ごとに変えているようだが,日本画も洋画も,テーマが準備され,整然と並べられていた。人が少なかったせいもあるのだろうが,訪問者に落ち着いて鑑賞してもらえるよう,館が配慮しているのがよく分かる。例えば展示室間に設けられた休憩室などに,それは,代表されよう。学芸員への質問電話が各所に用意されているのは,なんだか微笑ましかった。P1000603
 先日の山梨県立美術館もそうだったが,やはり地方の美術館はいい。また,どこかに行きたい。

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大学の食堂(福島大学の場合)

 再度,大学の食堂の話になる。「授業研究と教師の成長に関する研究ポートフォリオ」というタイトルにあわないが,ご容赦いただきたい。
 先週末,福島大学で,第42回日本教育方法学会が催され,私も参加・発表した。1日,同大学の学生会館の食堂で昼食をとった。
 メニューは,写真のとおり,カレー,ブロッコリー,魚フライで,450円弱だった。学生食堂の実力を測るには,カレーの味が重要な指標になる。ここのカレーは,けっこうおいしかった。P1000626_1
 それにしても,大学キャンパスでは,木々の紅葉が始まっていた。美しいキャンパスだった。

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2006.10.01

学会発表は練習すればするほど――

 10月1日に催された日本教育方法学会第42回大会(第2日目)では,私の他にも,大阪市立大学大学院の学生数名が,研究発表をした。昨夜,2名の院生の発表練習に,つきあった。
 P1000624 論旨が明快でない部分を指摘し合ったり,どんな質問が投げかけられるかを予想したりする。昨晩の練習が生きて,配付資料が読みやすくなった。口頭での説明も筋が通ったと思う。やはり,学会発表は練習すればするほど上手になる。前もって準備したものを批評され,修正するのは気が重いことではあるが,その努力は必ず実る。特に,若いうちは,吸収力があるので,磨かれ方が著しい。今回の2名の院生の努力をほめてあげたいと思う(ただ,練習会はもっと早くに,大阪にいる間に開催したいものだ)。

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発表への反応は今ひとつ?

 本日,福島大学で催された第42回日本教育方法学会で,「カリキュラム・コーディネータの養成を志向したe-Learningプログラムの可能性と課題-参加者に対する追跡調査の結果を踏まえて-」というタイトルの研究発表をおこなった。奈良教育大学の小柳さんと,(私としては久しぶりに)共同で,開発した教員研修プログラムの枠組み,実際,成果,とりわけ参加者の追跡調査の結果をレポートした。
 e-Learningの効果を参加者の所属校におけるアクションにおいて確認するという,研究トピックは,教育工学会等ではかなり関心が高いように思っていたが,今回の聴衆の反応は今ひとつだったかも。質問は出たが,「追跡調査」の結果に関するものではなかったし,それほどたくさん手が挙がるわけではなかったからだ。今回の発表のネタは新規性といい,実践的有効性といい,けっこう自信があったのだが――。やはり舞台を選択し間違えたか――。発表後に「興味があるので資料を送っていただきたい」と寄ってきた人もいたけれども。

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