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2006.11.30

「学校評価」に関する研修会(参加型・ワークショップ型演習の実施)

 30日,大阪市教育委員会事務局の会議室を会場にして,「大阪市学校評価事業運営連絡会」の研修会が催され,私も参加した。この事業は,文部科学省が示した『義務教育諸学校における学校評価ガイドライン』の実行や普及に資する研究プロジェクトである(2年間)。大阪市内10小中学校が学校評価のモデルケース開発に取り組む。
 学校評価は,1)各学校による自己評価,2)外部評価者による評価等,3)評価結果への説明・公表・設置者への提出,設置者の支援等というプロセスをたどることになる。本日の研修会では,自己評価書の作成,とりわけ,項目ごとの総括(複数の取り組み内容の個別評価結果の集約)について,演出活動を繰り広げた(私も,コーディネータ役を果たした)。ある学校の自己評価結果例をもとに,それを集約する練習に,各学校の管理職が従事した。少々時間不足だったが,自己評価書作成に向けた,自己評価結果の総括のイメージはなんとか伝わったと思う。

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2006.11.29

学校における授業研究をどう充実させるか(門真市立大和田小学校に校内研究会に参加して)

P1020971 本日,門真市立大和田小学校の校内研究会に参加した。6年生の社会科の授業(指導者は,写真のように,校長先生),3年生の理科の授業を見学し,それらを題材とする協議会にも参加した。それぞれの授業は,「学ぶ意欲を高める」ための工夫がたくさん盛り込まれていた。それらのよさを確認しつつ,さらなる可能性について検討した。
 その後,この学校が採用している授業研究のスタイル=それぞれが大テーマに基づいて個人課題を設定し,それに応えるための研究授業に全員が取り組むことについての形成的評価が営まれた。研究テーマの設定,授業研究のねらいやスタイルは,学校研究の企画・運営上,極めて重要な検討ポイントである。本日は,答えは出なかったが,年度末までにしっかり吟味して,「大和田小学校ならではの実践研究」の方針や枠組みを見つけてもらいたいと思う。

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2006.11.28

国語番組の活用と学力向上(全放連・学力向上プロジェクトの研究授業)

 本日,横浜市立境木小学校5年生担任の高野教諭が,NHK学校放送番組『わかる国語 読み書きのツボ 5・6年』を活用した研究授業を公開した。全放連・研究部・学力向上プロジェクトの研究活動の一環だ。
 光村図書の教科書の当該学年に用意された題材,「物語を作ろう」の指導に,上記番組の「いつだれがどこでなにした~5W1H~」の回を導入したのである。先日の事前検討会では別の回を用いることになったのだが,高野教諭は,果敢に「いつどこで~」の利用に挑戦した。
 P1020852 2時間連続の授業であったが,子どもたちの番組視聴,それを活かした「書く活動」はすこぶる充実した。彼らが90分連続の授業の後にチャイムを聞いて,「えー,もう終わり」とつぶやいたことに,それは顕著に示されよう。そして,それは,番組が書くこと,それを工夫することの「楽しさ」を子どもたちに訴えかけたからであろう。
 国語番組の活用と学力向上のよき関係を見いだせた研究授業であった。

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2006.11.27

こんな身近にも「未履修問題」

 27日,担当している講義「教職概論」において,「カリキュラム・プランナーとしての教師」というタイトルで,今日の教師に必要とされるカリキュラム開発能力について講じた。もちろん,その題材は,「総合的な学習の時間」の取り組み,特にその全体計画についてだ。
 本学の1年生の大半は,平成15年度に高等学校1年生となった,現行の高等学校教育課程1期生だ。だから,卒業までに,3から6単位分,総合的な学習の時間で学んでいるはず。けれども,聞いてみると,そうではない学生が少なからずいて――。こんな身近にも「未履修問題」があるとは――。

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2006.11.26

学力向上とICT活用の関係

 26日,聖心女子大学文学部の永野研究室で開催された科研の打合会に出席した。それは,本年度と次年度に企画・運営される「学力向上と学校におけるICT活用の効果に関する総合的・実証的研究」だ。私は,「B:学力向上とICT活用との関連分析」,「C:教育現場でのICT活用の効果の実証」グループのメンバーになっている。具体的には,「理想型」の学力実態を示す学校の比較研究,デジタルコンテンツの利用に関する教師比較研究に従事する。
 今日は,ベネッセ教育研究開発センターと共同で実施している,「学力向上のための基本調査2006」「指導の状況に関するアンケート(教諭対象)」中のICT活用指導関連項目から,学校のICT活用スコアを算出し,それと学力プロフィール(国語,算数・数学,読解力,学びの基礎力,生きる力の高低)の連関に関する知見を報告した。

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2006.11.25

第58回放送教育研究会全国大会に向けて

 本日,全国放送教育研究会連盟(全放連)の研究部のメンバー数名と,第58回放送教育研究会全国大会のプログラムについて,意見を交換した。先月中旬に第57回大会が開催されたばかりだが,もう次年度のデザインを始めているというわけだ。
 第58回大会は,2007年10月27,28日に,東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで,開催される。諸事情から保育・授業公開は設定されないが,1日目には記念講演・パネル討議が,そして2日目には,全体会(全放連基調提案等),ポスターセッション,研究交流部会等が用意される
 ポスターセッションや研究交流部会の報告・提案の一部は,公募制が採られる予定である。多くの方の応募を期待したいし,その締め切りが1学期に設定されることを考えれば,放送教育実践家には,今年度の残りの期間に番組活用をさらに重ね,そのエッセンスを大会で報告・提案することを念頭に置いてもらいたい。

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2006.11.24

笑顔のある授業

P1020749 23日,「大阪市学校評価事業」協力校の1つを訪れた。学校評議員のメンバーたちと全クラスの授業を見学し,また生徒の作品展示などを眺めた。その後,学校評価委員会の第2回を催した。

P1020738 この学校の生徒たちは,とても落ち着いて学習していた。今年も様々な学校を訪問してきたが,この中学校の生徒が示す学習への集中力は見事である。生徒たちは,真摯に,教師の説明に耳を傾け,練習問題に取り組む。
 「それにしても,こんなに緊張を続けていたら疲れるだろうな」と思っていたら,ある教室で写真のような場面に出会った。英語の授業風景であるが,生徒たちは,楽しく,実践的コミュニケーションの課題に挑戦していた。
やはり,「笑顔のある授業」は,いい。

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2006.11.23

地道な努力が「司会力」を高める(第45回なにわ放送教育研究会にて)

 昨日も報告したが,22日夜,NHK大阪で,第45回なにわ放送教育研究会が催された。その際,ある教諭が実践報告等の司会・進行役を務めていたが,(私には)見通しを欠いた,場当たり的な進行に思えた。しばらくだまっていたが,改善される様子がなかったので,注意するとともに,自分が司会をさせてもらった。
 しかし,この教諭は,反省し,努力した。私が司会・進行役を果たしている間,私がだれにどのように問いかけるかを書き取っていた。こうした地道な努力は,きっと彼の司会力を高めてくれるだろう
 そういえば昔,大学院生だった頃,私も,演習で毎回,(質問ではないが)コメントのシミュレーションをやっていた。指導教官が投げかける問いに対して,先輩の院生がどのように発言をするかを予想していた(しかも複数)。また,それに対して指導教官がどのようにリアクションするかも,考えていた。さらに,もし次に自分が指名されたら,どのようにコメントするか,違った切り口を常に探していた。私にちょっとした司会力があるとすれば,それは,20代のこの努力の積み重ねのたまものだと思う。

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2006.11.22

『道徳ドキュメント』の可能性(第45回なにわ放送教育研究会にて)

 22日夜,NHK大阪で,第45回なにわ放送教育研究会が催された。今回は,全員のプチ実践報告の後,『道徳ドキュメント』「静寂のマウンド」を活用した実践,『えいごリアン4』を活用した実践が報告された。前者は,『道徳ドキュメント』を初めて利用する教師によるものだった。チャレンジが増えるのはうれしいことだ。
 前回取り上げた回もそうだったが,この番組が示唆する価値項目は多様である。それゆえ,複数の価値項目を統合的に扱う授業,それぞれの子どもたちが自分なりに価値を反芻する授業などが実現しうる。番組を活かした道徳授業は,こういった可能性を大切にしたい。

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2006.11.21

小中連携の前進,継続・発展(広島県府中市立上下中学校区の小中学校の挑戦)

 P1020697本日,広島県府中市上下町内の上下南小学校,上下北小学校,そして上下中学校が合同で教育研究発表会を催した。まず午前中に,3校の授業が公開された。公開授業の時間設定を工夫しているので,3校をめぐって,なんと16の授業を見学した(とても疲れた)。
 午後は,教科,道徳,キャリア教育に分かれて,3校合同で分科会が設定された。3校の授業をつないで,協議が繰り広げられた。最後は,小中学校の教師,保護者代表,教育委員会スタッフ,そして私が登壇者となり,別の研究者のコーディネーションによって,小中連携・一貫教育の現状と課題に関するパネルディスカッションが展開された。
 3つの学校が足並みを揃えるのは,簡単ではない。けれども,本年度,合同の研究発表会を催すことができたのは,大きな進歩である。ぜひ,継続・発展させてもらいたい。
 P1020582上下北小学校の廊下に飾られた,上下南小学校や上下中学校の児童・生徒の絵画は,3者の絆を象徴している。次に上下町を訪れた際に,それが,量的・質的に充実していることを願っている。

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2006.11.20

「個に応じた指導」の浸透

 本日,自分が担当している講義「教職概論」において,「学力観」の再構築や「個に応じた指導」の展開について,その動向を整理し,その事例を示した。講義前半の教師の普遍的な力量に続いて,今日の教師に特に必要とされる力量を論じるためにだ。
 「個に応じた指導」,とりわけ習熟度別指導を小中学校で受けた経験があるか否かを受講生にたずねてみたが,けっこう多くの学生が「経験がある」と回答してくれた。その割合は,毎年増えているような気がする。習熟度別指導や少人数指導には可能性とともに問題点もあるが,いずれにしても,「個に応じた指導」が学校現場に浸透しつつあることは間違いないだろう。それゆえ,こうした新しい指導法を駆使する能力・資質がこれまで以上に,今日の教師には必要とされよう。

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2006.11.19

拙著『教師が磨き合う「学校研究」』の書評その2

 本日,株式会社:ぎょうせいより刊行されている月刊誌『悠』の12月号を手にした。この号の書評欄に,拙著『教師が磨き合う「学校研究」』がとりあげられていた。書評をご担当いただいたのは,兵庫教育大学の佐藤真先生である。そのタイトルは,「[教育実践の研究]という快楽の世界への招待」であった。拙著の内容を的確に整理し,その特徴をするどく言及してくださった佐藤先生に,衷心より御礼申し上げたい。
 そして,書評の結語で示された叙述がなんとも味わい深いので,紹介しておきたい。私が,学校をめぐり,教師たちと対話し,彼らと協力する際にも,いつも,同じような思いを抱き,学校研究に対するコメント等にも,その気持ちを込めている。
 「学校の『みんなで研究することは,こうも楽しいものなのだ』と実感し,考え続けながら実践することで子どもの姿が変わり,教育の意味を納得する――(後略)」

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2006.11.18

秋の研究発表会続く

 一昨日も紹介したように,21日,広島県府中市の上下町内の上下南小学校,上下北小学校,そして上下中学校の3校が合同公開研究会を催す。
 続いて,12月1日には,鳥取大学附属小中学校がやはり,合同研究発表会を企画・運営する。
 さらに,12月8日には,京都市立仁和小学校がICT活用や情報教育に関する授業を公開し,ワークショップ型で研究協議会・全体会を実施する。
 いずれの研究会でも,分科会やパネルディスカッション等に私の出番がある。読者にどこかの研究会でお会いできるとよいのだが――。

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2006.11.17

松下教育研究財団の実践研究助成

 読者は,松下教育研究財団の実践研究助成という事業をご存知だろうか。これは,「視聴覚・情報通信メディアを効果的に活用し、教育課題の改善に取組む 実践的な研究計画を助成」するものだ。平成18年度の場合,全国の60の学校園等が助成金50万円を得て,実践研究をステップアップさせている。
 「助成式」では研究計画についてのアドバイスを私たち審査委員から受けられるし,助成を受けた翌年には「成果報告会」で実践研究をアピールできる。そういう舞台を手にできるのも,そのきめ細かさも,この助成事業の特徴だ。
 どこの地域でも,学校等の予算は豊かではあるまい。学校研究を充実させるために,ぜひ,松下教育研究財団の実践研究助成の存在に注目してもらいたい。
 申請書類にてどのように自校の研究内容をアピールするのか,研究主任等の手腕が問われることは言うまでもあるまい。例年,翌年度の助成の応募が12月1日に始まる。そろそろ準備に着手した方がよいかもしれない。

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2006.11.16

いよいよ上下町小中学校合同公開研究会(11月21日<火>)

 私はもう8年も,広島県府中市の上下町の小学校等の実践研究に協力している。21日,同町内の上下南小学校,上下北小学校,そして上下中学校の3校が合同公開研究会を催す。公開授業は3コマで構成される。まず9:20から上下南小学校で6つの授業が,続いて10:20から上下北小学校でやはり6つの授業が,そして11:20からは上下中学校で4つの授業が公開される。午後は,教科指導,道徳教育,そしてキャリア教育の3つの分科会で協議が繰り広げられ,その後,小中連携教育に関するパネルディスカッションが繰り広げられる。私は,キャリア教育の部会の助言とパネルディスカッションの登壇者をおおせつかった。
 これまでに私は,上下南小学校と上下北小学校がそれぞれ企画・運営していた研究会の講師を務めてきたいが,今度は,勝手が違う。2小学校の教師たちも,中学校区の3小中学校が合同で開催する公開研究会は初めての経験であり,戸惑いも少なくないようだ。けれども,これだけの厚みのある授業公開,3小中学校の教師たちが交じった協議会などは,どこでもできるものではあるまい。小中連携,小中一貫教育などを目指す地域の教師たちにとっては,ためになる研究会であろう。ぜひ参加をご検討いただきたい。

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2006.11.15

中学校における授業研究(滋賀県彦根市立中央中学校にて)

 本日,滋賀県彦根市立中央中学校の校内研修会に参加した。同校は,「自ら未来を切り拓き,たくましく生きる生徒の育成-一人ひとりの生き方を主体的に創造させる指導方法の工夫-」を研究主題に掲げ,1)自分を知る部会(道徳),2)自分を磨く部会(教科),そして自分を試す部会(総合的な学習の時間)の3部会を編成して,実践研究に取り組んでいる。
 P1020457 1年間に全員が研究授業を実施し,その成果を「私の実践」として『あしあと』という実践記録集にまとめる。本日も,総合的な学習の時間(第2学年),体育(第1学年)を題材とする,参加型の協議(付箋紙を使った論点の抽出・整理,小グループでの議論,グループ代表の報告等)が繰り広げられた。中学校における授業研究は,教科の専門性から,実施が難しいと言われるが,この学校のように,そのデザインを工夫すれば,ちゃんと成立する。
 P1020458 もちろん,さらなる工夫の余地もある。例えば,分科会後には,各人が授業研究会から得たものを振り返る時間帯の設定が望まれよう。小中連携の推進に配慮するならば,合同の授業研究会の企画・運営も期待されよう。授業研究に熱心な,この学校の教師たちならば,やがてそれらにもアプローチしてくれるに違いない。

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2006.11.14

学校研究におけるチャレンジ,その成果(広島県府中市立南小学校の実践研究)

 P1020297 本日,広島県府中市立南小学校の教育研究発表会に参加した。同校は,「論理的思考力の育成」を研究主題に掲げ,国語部会と算数部会を設けて,実践研究に取り組んでいる。昨年度の確かな学力の育成-コミュニケーション能力の育成を通して-」という研究主題を発展させたものである。
 P1020292 授業のデザインも進展している。昨年度は影も形もなかったIT活用がベテラン教師の授業に登場したり,中学校教員とのティーム・ティーチングが誕生したりしていた。もちろん,昨年度までの実践で培った,きめ細かな指導や思考力の基礎を育む「ことばの教育」の推進も日常化されていた。
 学校研究は簡単に発展するものではない。どちらかと言えば,地道な取り組みを必要とする。けれども,学校研究に傾注した努力は,必ず実りをもたらす。チャレンジを重ねていれば,教師たちは,成果(子どもの成長,カリキュラムの充実等)を手にすることができる。この学校の授業改善の事実は,それを物語るものであろう。

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2006.11.13

「質問の達人」を目指して

 先日も報告したように,11日,綿商会館(東京都中央区日本橋)で,第2回情報教育マイスター養成研究会が催された。私は,パネルディスカッション「情報教育のステキな授業」のコーディネータなどの役割を果たした。自分としても,まずまずの仕切り(「おおむね満足できる」状況にあるコーディネーション)であったが,その後,ある方が次のように批評してくださった。
 「木原先生は質問の名人です。みんなが聞いてほしいことを,さらりと質問しながら,問題の本質にせまっていく。かといって,一方的ではなく,まわりをまきこんでいく手法は,誰も木原先生をまねできません。
 質問された方も,すぐに答えなくてはならないので,すごく考えます。
 答えながら,自分はこんなことを考えていたんだよね,と感じます。
 まわりの思考を引き出していくすばらしいコーディネータだったと思います。」
 かなりリップサービスしてくださっているので,私がこのようにできているとは,もちろん思っていない。ただ,この方の批評は,「(パネルディスカッション等における)すぐれた質問」の条件を確認させてくれる。
 それは,みんなが聞いてほしいこと=代表性,問題の本質に迫っていく=本質性,まわりをまきこんでいく=連続・発展性が保障された質問であるとまとめられよう。もちろん,その前提として,単純明快(時間をかけずに,分かりやすく)という条件も満たされねばなるまいが――。
 また,発展的な質問には,本質的であると同時に意外性もあり,聞かれる側がはっとするという特徴があろう。加えて,ユーモアがあり参加者から思わず笑みがこぼれるという機能も確認されよう。
 私も,これらの条件を満たす質問を次々と出せるように,つまり「質問の達人」になれるように,精進しようと思う。

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2006.11.12

『学力向上のための基本調査2006中間報告』

 P1020214 先日,ベネッセ教育研究開発センターより,『学力向上のための基本調査2006中間報告』が刊行された。30ページ足らずの小冊子であるが,「読解力」を高める教師の指導・家庭での働きかけ・学校経営の在り方を探るための総合学力調査,総合教育力調査の結果がまとめられている。
 私も総合学力研究会のメンバーの1人として,その作成に多少なりとも貢献した,総合学力モデル,「読解力向上に関する取り組み」の構造モデルなどを,読者にぜひともご覧いただきたい。

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2006.11.11

情報教育マイスター養成研究会(第2回)

 本日,綿商会館(東京都中央区日本橋)で,第2回情報教育マイスター養成研究会が催された。この集いは,情報教育の推進に資する,校内のリーダー教師に必要とされる力量をその候補者等に幅広く獲得してもらうことをねらったものである。今回は,「情報教育のよい授業悪い授業」というテーマで,情報教育のリーダー教師に必要とされる能力・資質のうち,「授業デザイン力」の内実に迫るものだ。P1020183
 私も,パネルディスカッション「情報教育のステキな授業」のコーディネータなどの役割を果たした(もし読者に参加者がいらっしゃったら,ぜひ,あのパネルの感想をコメントしていただきたい)。熊本の前田先生,鳥取の田中先生のベストプラクティスを比較検討し,情報教育の優れた授業の要件を導出した。

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2006.11.10

今日も,カリキュラムについて大まじめに考えた

 本日は,2ヶ月に1回程度開催している,カリキュラム研究会の日だった。これは,大阪市立大学の大学院生やOBと企画・運営している,カリキュラムの理論と実践に関する研究的交流の舞台だ。今回は,前回に続き, Allan A. GlatthornらによるCurriculum Leadershipの第1章Nature of Curriculumを矢野先生がレポートし,その内容について議論した。今日も,カリキュラムの類型など,カリキュラム論の基礎・基本について,大まじめに考えた。また,著者の主張を踏まえ,学校長がカリキュラム開発において発揮するリーダーシップについても検討した。

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2006.11.09

小中学校合同の教育研究大会(12月1日<金>,鳥取大学附属小中学校)

 P1020085 本日,鳥取大学附属小中学校を訪問し,3つの授業を参観した。いずれも,子どもたちの「かかわり合う力,適切に判断する力,自分を生かす力」を培うことを志向した,授業づくりであった。例えば,写真は,小学校3年生音楽の題材「ジャンベでわくわくリズム」の授業風景だ。西アフリカの太鼓の演奏の工夫,とりわけ本時では「終わり方の工夫」について,子どもたちが,彼の地の実際の演奏に学びながら,しっかり考えていた。
 P1020138 鳥取大学附属小中学校の教師たちは,育成を図る力,それを満たすための授業構成や支援のコンセプト,カリキュラム評価の視点などを共有している。その成果が,12月1日(金)に,教育研究大会で披露される。当日は,朝学習や2コマの授業の公開,小中合同の教科別分科会,そして,全体会,シンポジウムというプログラムが準備されている。この小中合同部会は,両校の複数の授業をつないで議論が繰り広げられることになる。進行の工夫が問われよう。小中連携(一貫)教育に欠かせぬ,両校種の教師たちによる授業研究会の企画・運営についても,参加者に吸収できるものがあるだろう。
 私は,シンポジウムに登壇する。最近は,コーディネータの役割を果たすよう依頼されることが多いが,今回は,パネリストを仰せつかっている。
 附属校が12月に研究大会を開催するのは,珍しい。他の研究大会との日程面での重なりはないだろうから,中国地方の方を中心に,ご参加をぜひご検討いただきたい。

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2006.11.08

全放連・学力向上プロジェクトの研究授業(横浜市立境木小学校・高野教諭のチャレンジ)

 28日,横浜市立境木小学校5年生担任の高野教諭が,NHK学校放送番組『わかる国語 読み書きのツボ 5・6年』を活用した研究授業を公開してくれる。全放連・研究部・学力向上プロジェクトの研究活動の一環だ。
 光村図書の教科書の当該学年に用意された題材,「物語を作ろう」の指導に,上記番組の「おはなしの地図(物語の型を知る)」の回を導入しようとするものだ。番組は,物語を作る際には全体の構想が大切であること,読み手を惹きつけるストーリーには意外性が盛り込まれていることなどを視聴する子どもに示唆してくれる。
 ただ,番組の問題点についての意見もメンバーから少なからず呈され,それらを克服しながら,「書く力」を高める指導と番組利用の接点をどう見いだすか,高野教諭の腕の見せ所である。研究授業は,28日午後実施される。

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2006.11.07

「授業力・保育力を磨く」(岡山市教育講演会にて)

 本日,岡山市教育委員会主催の教育講演会で,「授業力・保育力を磨く-子どもの学力向上に資する実践研究とは-」というタイトルで,講演を担当した。
 参加者の95%は,教頭や学校長という,実質的には管理職研修であった。その背景には,岡山市でも教職員評価システムが導入され,管理職が「授業を評価する視点」を確かに有していなければならないという事情があるようだ。
 私は,それを踏まえて,講演内容を,1)学力向上への今日的アプローチ(学力観の再構築,本時・単元・学期(年間)レベルでのアプローチ),2)学校(園)研究企画・運営のポイント,そして3)管理職に期待されるアクションと定めた。つまり,どのような学力をターゲットにし,そしていかなる指導と評価を繰り広げることが各教師に期待されるのか,そしてそのような授業(保育)力を校園内研修・研究でどのようにして育むのかを論じ,まとめに代えて,そのような取り組みの充実に資する管理職のアクションを示した。
 様々な例を参照しながら,今求められる授業や研修の姿を私なりにモデル化していったのだが,講演終了後,教育委員会のスタッフが「講演をお聞きして,自分も授業をやりたくなりました。」とコメントしてくださった。そういう思いを引き出すことができたのだから,まあ,今日の講演は合格点をもらってもよいかな――。

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2006.11.06

「生徒指導の実際」を講ずるための事例知識(Y先生の講義から)

 6日,担当している講義「教職概論」に,ゲストスピーカーとして,学校現場から,Y先生をお招きした。生徒指導の実際について,学生に語っていただくためにだ。今年も,魅力的な講義を展開していただいた。
 P1020043 生徒指導を特効薬(緊急手術)たる事件対策と漢方薬たる集団づくり=自尊感情&つながりづくりに分類した上で,両者が1日の生徒指導の中でどのように発生するのかを「仮想:教職2年目大阪市郎の生徒指導日誌」として,構造的かつ具体的に学生に示してもらった。また,その典型的事例をZ中学校の「仮想:生徒指導週間報告」を用いて,示していただいた。
 毎年のことであるが,このような整理や事例知識は,とても私では学生に提供できないと痛感させられる。まあ,私も,授業研究,学校研究,カリキュラム開発についてならば,ある程度,こうしたエピソード知識,事例知識を有してはいるだろうが,大学ではそんな機会はないだろうなあ。あ,でも,現職教員を相手にした大学院等では,それらを役立てる講義等が存在するかもしれない。そういえば,本年度前期に非常勤講師として担当した『教師発達学』(大阪教育大学大学院実践教育学専修,受講生は現職教員がほとんど)では,教師の力量形成に関する事例知識を駆使した,事例研究を導入していた。

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2006.11.05

課題研究のコーディネーション(日本教育工学会第22回全国大会)

 日本教育工学会第22回全国大会も,3日目を迎えた。午前中の一般研究4のセッションに続いて,午後は,最終セッションたる課題研のセッションが運営された。
 私は,「教師教育の新展開-指導力の体系とその育成方法の再考-」の司会進行を務めた。このセッションは,教員養成・現職教育の新しい動き,例えば教職大学院の創設を踏まえて,教師の力量の体系化,新しい力量,例えばICT活用指導力の育成方法などについて検討するものだ。
 2時間30分の時間しかないのに6件の発表を設定したため,討論の時間が窮屈になった。内容的にも少々広がりすぎたか――。あるトピックやテーマに,いくつかの発表を連結させて迫ろうとする,課題研究のコーディネーションは難しい。今回もまたそう感じた。
 このブログの読者であの課題研究に参加なさった方がいらっしゃったら,感想をお聞きしたい。

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2006.11.04

他者の研究発表についての検討(日本教育工学会第22回全国大会)

 昨晩,院生と夕食をともにしながら,日本教育工学会第22回全国大会2日目の一般研究3のセッションへの参加について議論した。1日目に論文集を手にしているのだから,明日までに,各人(私も入れて4人)が,規準に基づいて,すぐれていると思われる研究発表を選び,それを翌朝(つまり4日朝)に照らし合わせようということになった。
 規準は,1)目的・方法・結果・考察が整合的である,2)学術的な体系を意識し,それに位置づけて自らの研究の独自性を主張している,3)教育現場の営みに対するなんらかの貢献を期待できる,4)表現の了解性が保障されている,5)その他よい部分があるといったものだ。
 4日朝,(院生を会場まで私が運転して運びながら――),「お勧めの」研究発表を大学院生に報告してもらった。もちろん,私も披露した。意見が一致した研究発表もあれば,そうでないものがあり,研究発表のあり方についてしっかりと議論できた。
 午後,発表を聞いてその内容等も考慮しながら,再度,他者の研究発表についての意見交流を図る。

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2006.11.03

日本教育工学会第22回全国大会(関西大学・総合情報学部)

 本日から3日間,高槻市の関西大学・総合情報学部で,日本教育工学会第22回全国大会が催される。
本日は2つの一般研究セッションとシンポジウム1(A,B)が設定された。私が指導している大学院生が午前中,私が午後,研究発表をおこなった。院生の発表も自分のものも,けっこう多くの方に聞いていただけた。ありがたい話だ。読者の中に発表をお聞きになった方がいらっしゃったら,感想をお聞かせいただければ幸甚である。
研究以外にも,共同研究仲間,知り合いの学校現場の先生方等々,たくさんの知り合いに再会できたのも嬉しかった。
 それはそうと,開催校の先生方のご尽力であろうが,各部屋の会場係の学生(だと思う)がとてもきびきびしていて,また礼儀正しくて,気持ちがよかった。

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2006.11.02

発表を練り上げるための枠組みやモデルの提供

 本日,大阪府南河内郡千早赤阪村の赤阪小学校で,第4学年の情報科の授業を見学した。この学校は,村内の他の学校園とともに,文部科学省指定研究開発学校として,幼小中の一貫性のある英語科や情報科のカリキュラム開発にたずさわっている。
 P1020010 第4学年の子どもたちは,自分たちが春から取り組んでいるビオトープやバタフライガーデンの開発の経緯,その工夫,継続への願いなどを保護者等に発表するための構想を練っていた。指導者は,子どもたちに,発表を構想する枠組みをワークシートで提供するとともに,壁新聞やアンケート調査の実例をモデルとして示して,彼らの発表の充実を促していた

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2006.11.01

指導主事のアクション(池田市教育委員会Y氏が研究授業を見学して)

 昨日もレポートしたように,大阪府池田市立呉服小学校の研究授業に参加した。私は,第1学年と第5学年の国語科の授業,さらに第2学年の英語活動の授業を見学し,事後協議会にも参加した。
 第5学年の国語の授業を池田市教育委員会のY氏が見学していた。お仕事の都合で,協議会には参加されなかったが,授業終了後,授業者に短く印象を伝えていらっしゃった。そして,翌日,2ページの感想メモを手渡されたという。そのこと自体もすばらしいと思うが,その内容がまたステキだ。授業者の学級経営の充実ぶりを認めつつ,国語の指導法について,いくつかの改善点を具体的に提案している。例えば,発問の工夫であれば,「A:おみつさんの気持ちが一番動いたのはどの場面ですか,B:おみつさんの大工さんへの思いが大きく変化するのは大工さんのどの言葉でしたかのどちらかを最初の発問にしてみましょう。」といった具合に。聞くところによると,この指導主事が,こうしたメモを作成し,当事者に渡すのは,私が訪れた日だけではないらしい。
 各地の授業研究会で指導主事と同席し,がっかりすることがある。授業とは関係のない文科省の文書を読みあげて終わる,授業の細かな点を長々と話すが本質が何なのかが伝わってこない,かつての自分の授業づくりや他所の学校の紹介に終始する,「大学の先生にお任せします」と言って自らはコメントを避けるなどの言動を目にしたときだ(それではすまないように,突っ込みを入れることも少なくないが――)。
 予算獲得とか報道対応とか,指導主事が忙しいことは分かっているつもりだ。けれども,彼らには,学校を訪問し,そこで授業を見たならば,その長短所を多面的に,そして自分の言葉で語ってもらいたいと思う

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