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2007.05.31

大学における「あいさつ」の効用

 大阪教育大学に赴任して,2ヶ月が過ぎた。この二月,何度,学生とあいさつを交わしたことだろう。1日に何十回もやっているわけだから,相当な数にのぼる。こんなことは,これまでに勤務した3つの大学ではなかったことだ。講義等を担当している天王寺キャンパスは学生数が少ないので,学生と顔見知りになりやすいということはあろうが,しかし,まだ私の講義を受けていない学生がほとんどのはずだ。それなのに,相当数の学生が,「おはようございます」「お疲れ様でした」と声をかけてくれる。講義終了後の「ありがとうございました」なんて,もう涙ものである。
 赴任して2ヶ月で,大阪教育大学の一員としての自覚や誇りを持てるのに,この学生のあいさつは間違いなく影響を与えている。あいさつの効用だ。だから,最初は恥ずかしかった私も,最近は,笑顔と元気のよい声で応えるようにしている。
 なお,彼らの「あいさつ」は,ちょっと前の中学校等にみられたような,無理強いされたものではないことは明らかだ。もし,形式主義に基づくものであったら,ダブルバインドであったら,私に上述したような気持ちを抱かせなかっただろうから。

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2007.05.30

マンガでIT活用の可能性を訴える

 本日,熊本大学教育学部情報教育研究会のメンバーによる,『ITを自由自在に活用するヒント』が届いた。この本の執筆者,とりわけ,IT活用のイラスト制作を担当なさった,前田先生(熊本市立飽田東小学校)が送ってくださったのだ。
 IT活用の意義や実際をマンガに描いて訴えるというのは,自分にはできないことだ。そもそも,そういう発想が生まれてこない。感心させられた。これならば,マンガ世代,例えば教員志望学生などは特に,IT活用に興味を覚えてくれるだろう。
 もちろん,内容も充実している。IT活用は教師の創造力の発揮の機会であること,IT活用の効果が授業のデザインに依存していることなどの基本理念が確かだ。また,IT活用のレパートリーが豊富であるし,そのコツがきめ細かく紹介されている。
 このグループのパワーを感じる,見事な作品である。

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2007.05.29

研究者も小中学校で授業をすべきか

 先日,私以上に学校現場に足を運び,教師たちと共同的な関係を築いていらっしゃる研究者の方とお話をする機会があった。彼は,最近,小中学校で,飛び込みで授業をするようになったらしい。そして,それが,学校の先生方に好意的に評価されているとのことであった。そして,やってみることで授業の見方が変わるとおっしゃっていた。そして,「あなたもやってみるといい――」とアドバイスされた。
 しかし,私は,おそらく,トライしないだろう。私が飛び込みで授業をやっても,子どもの成長に,学級担任等ほどには役立つまい。それに,研究者が授業をやって初めて理解できる部分は,経験豊富な,あるいは熱心な教師たちには,当然のように,見える,分かる部分なのではないかとも思う。だとすれば,なにも,子どもに迷惑をかけてまで,私などが授業をする必要はない。
 逆に言えば,私は,観察の立場に徹して,小中学校の教師たちとは違った切り口で,授業を見学し,批評したいのである。他の方はいざ知らず,私は,実際に授業をしない立場に身を置く時に,それを自分としては最も多元的に把握し,立体的に語れるから

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2007.05.28

あと3週間もない日程で研究授業を実施してもらうことになって――

 先日,とある学校の校内研修に参加した。終了後,6~7月の授業研究会の日程について検討した。「空いた日があるか」と問われ,2つの選択肢を示した。結局,そのうちの1日に定まった。
 しかしながら,研究授業をおこなうクラスは1年生で,その日は,4時間目までしか授業は予定されていない。その一方で,他の学年は6時間目まで予定されている。他の日と振り替え,1年生を5時間目まで残して研究授業を実施し,研究授業後は,中高学年のクラスでは通常の授業を実施し,協議を15:45くらいに始めることになった(当然,協議の時間は少なくなる)。
 研究授業を実施してもらえることになったのは,うれしいことだ。けれども,実施まで,あと3週間もないのだから,授業者にとっては慌ただしかろう(もちろん,研究授業だからといって,飾る必要はまったくないのだが)。突然その日に予定外の5時間目をやることになったと言われて,子どもも戸惑うかもしれない。上記のような制約の下では,協議の充実も難航しよう。
 もう2月早かったら,いや4月早々ならば,私の方にも,もっと選択肢があったのだ。もう少し無理なく,研究授業の日程を決め,授業者も,児童も,それなりに納得して研究授業に望めたのではないか――。たしかに年度が新たにならなければ決められないこともあるだろうが,早くから私に相談をもちかけてくれた学校も少なくないわけだから,ある程度定めることはできるように思う。

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2007.05.27

カリキュラム・リーダーシップに関する研究発表

 本日,矢野先生(大阪市立大学),森さん(愛知江南短期大学)と研究会を開催し,カリキュラム・リーダーシップについての議論を繰り広げた。この概念が浮上してきた背景,カリキュラムマネージメントとの異同,その特徴などについて,3時間近くも検討した。
 その成果の一端を矢野先生が日本カリキュラム学会の第18回大会(7月7・8日,埼玉大学)で報告する予定である。第1日目の自由研究発表Ⅰのセッションだ。私も,同席し,矢野先生をサポートする。

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2007.05.26

日本教育工学会の「夏の合宿研究会」

 日本教育工学会では,毎年,夏(あるいは秋に)と冬に,合宿研究会を開催している。本年度,前者については,7月28日・29日に,富山大学黒田講堂会議室を会場として,実施される。テーマは,「次世代の教室のICT環境と学力向上を考える」である。
 会場を取り仕切るのは,同大学の高橋純さんだ。彼は,NIMEの堀田さんと仕事をしながら,学校現場でのICT活用に関して,実践的な知見をたくさん有している。様々なセミナー等で活躍した経験から,こうした研究会の企画・運営にも長けている。だから,参加すると,ICT活用に関するアイデアを手にして,帰途につけるに違いない。私も,パネルディスカッションのコーディネータをおおせつかっていることもあり,フル参加する。読者も,参加をご検討いただきたい。

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2007.05.25

学び続け,挑戦し続ける教師たち

 本日,広島県府中市立上下南小学校を訪問し,2つの授業を見学した。いずれも,教職経験が20年をはるかに超えるベテラン教師が研究授業に臨んだ。両者とも,指導案を作成するだけでなく,さらに展開を細かく予想し,板書計画などもよく練っていた。写真は,教卓に置いてあった,授業細案を記したノートだ。
P1060385 しかし同時に,彼(女)らは,それに固執せずに,授業を柔軟に展開していた。子どもの活動の様子から,アドリブで,指示を与えたり,費やす時間を変更したりしていた。理想的な授業展開である。

P1060386 同校の教師たちは,「論理的に考え,表現できる児童の育成~資料を読み取る力を高めるための指導法の工夫」というテーマで,国語,算数,理科という3教科を対象として,実践研究を推進している。難しい,テーマである。それでも,7月6日には,研究発表会を催し,授業を公開するとともに,進行を工夫した協議会を催す。授業は,初任者から,教職経験30年に成ろうかという教師まで,全員が公開する。その熱意には,頭が下がる思いだ。
 このブログの読者にも,「学び続け,挑戦し続ける教師たち」の姿にふれるべく,研究発表会に参加してもらいたい。

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2007.05.24

ICT環境の整備に時間がかかって――

 誕生日から一夜明けた24日,待望のネットワークプリンタがやってきた。一日遅れのお誕生日プレゼントだ。コンパクトなのにカラー印刷もできるし,なによりデジタル複合機だから,コピー,スキャン,FAXもできる。「やったあ!」と思ったら,なんとまあ,設定に時間がかかる,かかる。13時前に到着して,15時30分過ぎてもまだ設定が終わらない。業者の方が4人で,そこに私も加わって知恵を絞ったが,とうとうネットワークを通じて印刷をすることはできなかった。悲しい――。問題の解決は,来週に持ち越しとなった。
 結局,思い通りにはならず,とても疲れた。苦労してICT環境を整備している,教育情報化リーダー教師の気持ちがちょっぴり分かった――。

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2007.05.23

第58回放送教育研究会全国大会実践発表者の募集始まる!

 第58回放送教育研究会全国大会が,平成19年10月26日(金)・27日(土)に,国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)で催される。今年度は,平成13年度以来となる,視聴覚教育の研究団体との合同研究発表会だ。
 27日(土)午後には,団体別に分科会が催されるが,放送教育では,「心を育てる」「考える力を育てる」など,8つの分科会が開催される。また,同日の午前中には,ポスターセッションも繰り広げられる。分科会のいくつかとポスターセッションは,発表者を公募制で決めることになっている(発表者には,旅費が,発表件数によって変わる部分もあるが,支給される)。既に案内が出ているので,全国の放送教育実践家に発表申込をしてもらいたいと思う。全国の放送教育実践と交わる,この上ないチャンスだから。

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2007.05.22

日本教育工学協会主催のセミナーへ

 私が常任理事を務めている,日本教育工学協会が,教育の情報化に関する実践セミナーを開催することになった。それも,我が大阪教育大学の天王寺キャンパスで。7月21日(土)の午後だ。詳細はこれから明らかになるが,教育の情報化に関する講演(山西会長<富山大学>),ICTやデジタルコンテンツを活用した実践事例の報告(和歌山大学の野中先生の司会進行),企業展示などで構成される予定だ。同じく常任理事を務めている,堀田さん(NIME)も応援に駆けつけてくれることになっている。
 多くの学校の先生に参加してもらいたいので,この日のスケジュールを確保していただけると助かります。先着○名の方には,木原研究室でおもてなしの特典(?)を付けます(あくまで予定)。

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2007.05.21

きめ細かな指導の好例(目黒区立田道小学校・田端教諭の授業)

 本日,目黒区立田道小学校・田端教諭の授業を参観した。第6学年の国語の読解に関するものであった。彼女は,学校放送番組等を駆使して,絵等をじっくり見て文章をつくる活動に子どもたちを従事させ,それを通じて,彼らに,事実と推論を重ねた文章を書く力をつけようとしていた。
P1060246 教材構成も巧みであったが,なにより,田端教諭は,「きめ細かな指導」が実に見事であった。例えば写真は,文章を作成するヒントを個別的に与えている様子だ。45分間一度も声を荒げることなく,子どもたちを優しく諭して,学習に向かわせていた。こういう授業を見ると,なんだかほっとする――。

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2007.05.20

学術研究会における質問-その難しさ-

 昨日もレポートしたように,19日,北星学園大学で,日本教育工学会の研究会(JSET07-2)が催され,私も参加した。
 何度か,「よくない質問」を耳にして,がっかりした。学術研究会における質問は,難しい。教育工学会の場合であれば,質疑応答の時間は,5分あるかないかだ。だから,まず明快さが求められる。だいたい「質問が3つあります――」などと始まるのは,その時点で,あまりよい質問ではないだろうと予想がつく。3つの質問自体の説明に時間を要するし,それにまともに答えていたら,もう時間いっぱいになるからだ。
 さらに,質問の内容に問題があるケースに遭遇すると気がめいる。それは,発表者が伝えている「研究の目的」に即さない内容が質問される場合だ。例えば,研究主任の力量形成を目的とするe-Learningプログラムのデザインや実際,効果について,発表者が言及しているとしよう。それなのに,「参加する教師たちは,どうやって学習する時間を捻出したのか」「昨今,教師は忙しくて研究どころではないだろう」「e-Learningのシステムは高額なので,普及は難しいと思われる」などの発言が出てきたりすると「あーあ」と思いながら,発表者はやむなく回答することになるだろう。質問者が自分の興味とか知りたいことをストレートに発表者にぶつけるだけでは,討論にはならない。それらの多くは,発表が終わってから,個人的に教えてもらえばよいことだ。
 学術研究会における質問は,発表の主旨に即し,その本質的な問題点を,論理的に,また明確に主張することを目的として営まれるべきものだ。それならば,発表者と質問者の間に対話が成立するから。また,発表者も学べるし,他の参加者も議論に加われるから。
 もちろん,私も目指しているとはいえ,常にそれができているとは限らない。しかし,そうありたいと,いつも,努力しているつもりだ。自分が述べたいことを反芻し,相手にとって,会場全体にとって意味がある問いや意見になるかを再確認してから,質問を投げかけるようにしている。
 もう,独りよがりの質問を出すのはやめよう。学術研究会を建設的な議論の場にしよう。

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2007.05.19

「情報教育ミドルリーダーのコンピテンシーに関する研究」(JSET07-2「地域教育力と情報教育」での研究報告)

 本日,北星学園大学で,日本教育工学会の研究会(JSET07-2)が催され,私も参加した。鳴門教育大学の藤村さんが,中川さん(メディア教育開発センター)や私と共同で進めてきた情報教育の実践的リーダーに関する研究の知見を報告してくれた。
 情報教育マイスター研究会の機会に参加者に回答してもらった「情報教育マイスター・セルフチェックシート」の結果を上手に整理して,情報教育を牽引するリーダーに特に必要とされる能力・資質を明らかにしてくれた。そして,その中に,私が主張するカリキュラム・コーディネーションに関わる能力・資質が位置づいていることについても言及してくれた。
 P1060201 ただし,情報教育ミドルリーダーと教育情報化コーディネータや情報化推進リーダー教師との違いについての質問が呈されたように,情報教育ミドルリーダーを現実の学校でどのような存在として具体化するかについては,さらなる検討を要するであろう。私の立場からすれば,それと研究主任の役割との異同についても吟味する必要がある。
 それにしても,寒い。気温も,たった10度--。

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2007.05.18

札幌に来た

P1060193 本日から3日間,札幌に滞在する(写真は札幌駅)。昨年10月の放送教育全国大会以来だ。今回は,北星学園大学で催される,日本教育工学会の研究会に参加するためにやってきた(中川さん,藤村さんとの共同研究の成果が報告されるので)。それ以外にも,やはり研究会に参加する堀田さんや高橋さん,野中先生と各種の打ち合わせをこなす予定である。
P1060195 そういう理由で今回もまた,観光はお預けとなると思っていたら――。札幌駅に到着して「ラーメン共和国」で旭川ラーメンを食した後,少しばかりの時間が生まれたので,東の方面に出かけた。どこに行ったかというと――写真のとおりである それにしても,雪を頂く山を見ると,やはりびっくりする――。

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2007.05.17

研究授業をどのように観察するか

 読者は,小中学校等の研究授業をどのように観察しているだろうか。その方針や手順はどのようなものだろうか。
 先日の大阪府南河内郡千早赤阪村の赤阪小学校で英語活動の授業を見ていた,幼稚園教諭は,子どもとともに英語の歌を歌ったり,子どもたちがゲームを繰り広げる様子を近づいて眺めたりしていた。彼女たちは,とにかく「体」がよく動く。まるで,自らが授業に参加しているような気持ちで,授業を観察しているのだろう。こういう主体的な観察ならば,教室等の子どもたちが何をどのように学んでいるかが実感できるに違いない。
 私は,とにかく,「立体的に」観察することを目指す。例えば,(タイミングを見計らい)子どもに教科書やノートやファイルを借りて,本時の学びと前時や前単元のそれとの連続線を探る。教卓上に置かれた教師のメモ(指導案に加筆された事項)を読む。学級通信・学校通信の記述も参考にする。時には,隣の教室の様子と比べてみたりもする。
 研究授業のよさを見いだすためには,それに主体的に,また多角度から迫るべきである。それは,自明であろう。けれども現実には,教室後方の椅子に座り続けてぼんやりしている教師が少なくない。どうしてだろう――。不思議である。

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2007.05.16

小学校英語活動の成立と普及を支えるボランティア精神

 昨日もレポートしたように,大阪府南河内郡千早赤阪村の赤阪小学校等で英語活動の授業を見た。そのうちの1つは,教科等を言語材料とし,それをインタビューゲームで習得する授業であった。
P1060117 そこでは,写真のようなイラストが活用されていた。これは,私も親しくさせていただいている,熊本市の小学校の前田先生が描き,Web等で提供してきたものだ。英語活動の充実には,こうした道具が欠かせない。この授業でも,そうだったと思う。
 前田先生は,自らが小学校の英語活動カリキュラムをデザインし,運用する中で培った道具を一般に提供している。ここだけではない,他の小学校でもそうした風景を目にしたことがある。
 見知らぬ教師のために自分が苦労して築いた財産=教材等を一般に提供するなんて,なかなかできることではない。前田先生のボランティア精神,授業づくりネットワーク構築の想いに、心から敬意を表したいと思う。

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2007.05.15

異校園種の連携による教育のレパートリー

 本日,大阪府南河内郡千早赤阪村のこごせ幼稚園と3つの小学校(千早,赤阪,小吹台),そして千早赤阪中学校が,文部科学省指定研究開発学校として取り組んでいる,英語科のカリキュラム開発の一環として営まれている授業を3つも見学した。
P1060080 写真は,幼稚園の5歳児と赤阪小学校の1年生とが合同で英語活動に従事している様子である。それぞれのクラスでも活動できるのであろうが,2クラス合同で実施することで,ティーム・ティーチングが実現して教員が助け合える。小学校側としては,小学校には存在しない(驚きだが――)多目的教室を利用させてもらえる。AET(この人がまたすぐれているのだが――)を有効に活用できるという,様々なメリットがある。
 本日は,赤阪小学校の第5学年の学級担任とAETのティーム・ティーチング,千早赤阪中学校の第1学年の中学校教諭と小学校教諭のティーム・ティーチングなども見せてもらった。異校園種の連携による教育のレパートリーが,本村はとても豊かである。
 11月22日(木)には,合同研究発表会が催される。これに参加すれば,1日でかなりの知見が得られるに違いない。

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2007.05.14

「なにわ放研」の参加者増える!(第51回なにわ放送教育研究会)

 本日,NHK大阪で,第51回なにわ放送教育研究会が催された。今回は,まず,本年度の研究会の内容や日程等を話し合った。参加者が増え(本日は,14名が参加だった),実践発表のスケジュールをきちんと定めないといけなくなったからだ。うれしい悲鳴をあげることとなった。
 次いで,生駒市立生駒小学校の金原さんが『理科6年 ふしぎ情報局』の「ものが燃えるとき」を活用した実践を報告してくれた。番組利用の必然性やタイミング(実験との兼ね合い),部分視聴の可能性と問題点等について議論した。

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2007.05.13

『新しい研究主任の役割と実務』(教育活性化研究会編著,東洋館出版)

「研究主任」の役割について体系的に論じた図書は,そう多くない。この『新しい研究主任の役割と実務』(教育活性化研究会編著,東洋館出版)は,その1つである。先日,これを購入し,読み始めている。学校の実践研究のリーダー的存在の方には,たいへん,役に立つ書ではないかと思う。例えば,「研究主任の体験者は語る 2 私の悩み・工夫・喜び」などは,研究に熱を入れてくれない同僚に頭を悩ませている人には,それを解決するためのアクションについて,参考になるアイデアが載っていると思う。

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学力向上と学校におけるICT活用

 本日,聖心女子大学で開催された科研の打合会に出席した。そのテーマは,「学力向上と学校におけるICT活用の効果に関する総合的・実証的研究」である。昨年度と本年度に企画・運営されており,聖心女子大学の永野和男先生が代表者である。
 私は,総合学力研究会(事務局:ベネッセ教育研究開発センター)が実施している「学力向上のための基本調査2006」の結果から主張できる,学力向上とICT活用の連関,その実証的知見について報告書にまとめる。また,18年度に実施した,文部科学省委託事業地域・学校の特色等を活かしたIT環境活用先進事例に関する調査研究」の一環たるアンケート調査の結果をそれに重ねて,ICT環境の整備と学力向上の連関についても若干の考察を試みる。
 さらに,和歌山の小学校で繰り広げられる,ICT活用の関する事例研究にも(少しだけ)参画する予定である。

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2007.05.12

「実践研究推進の手引き」(松下教育研究財団の実践研究助成をどう活かすか)

 昨日もレポートしたように,東京・芝パークホテルで,松下教育研究財団の松下教育助成・助成金贈呈式が催された。そこで,助成校・グループに,私が18年度に作成した,「実践研究推進の手引き」が配布された。この小冊子は,いわゆる外部資金を獲得して実践研究をステップアップさせるために,研究主任等のリーダーが何をすべきかについて,4月から3月までの1年間のアクションがまとめられている。助成校・グループには,これを上手に使って,それぞれの研究を充実させてもらいたい。
 この手引きのコンセプトや活用シーン等を私がまとめた文章=「はじめに:松下教育研究財団の実践研究助成で学校やグループによる研究活動を充実させよう!」は次のとおりである。

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2007.05.11

実践研究の形成的評価-その重要性-(松下教育研究財団の実践研究助成・助成金贈呈式にて)

 本日,東京・芝パークホテルで,松下教育研究財団の実践研究助成金贈呈式が催された。たくさんの教師たちが助成金を獲得し,教育実践研究に取り組む。
P1060038 贈呈式に続いて,財団お得意の「くるま座セッション」が始まった。これは,ワークシートに現状や研究活動後に期待される成果,研究の内容等をまとめ,それをグループ内で発表し,審査委員等からコメントしてもらう機会だ。これは,研究計画の再点検の契機となる。
 助成を受けることが決まってから,約二ヶ月が過ぎている。その間,さらに計画を詰めたと学校と,ややのんびりしていたところの差は歴然としている。私は,それを指摘するとともに,実践研究の形成的評価,とりわけ外部の方の目を投入する方法による評価,それを通じた計画の見直しや取り組みの改善の大切さを説いた。
 用いたスライドを公開しよう。「practical_research070511.pdf」をダウンロード


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2007.05.10

もっとたくさんの教師の生き様に

 先日,『授業の出前,いらんかね。』(山本純士著,文春文庫)を読んだ。長期入院を余儀なくされた子どもたちを訪問して授業を実施する教師たちの喜びや悲しみ,工夫や苦労が余すところなく記されていた。
 本日,NHK総合テレビの番組「にっぽんの現場 言葉あふれ出る教室」を視聴した。横浜の盲学校で学ぶ子どもたちが取材されていた。彼らの笑顔がとても印象的であったし,それを導き出すための教師たちの指導技術や教材開発の巧みさに感心した。
 1年間に何十回と学校を訪れ,100以上の授業を見学し,何百人(もしかしたら何千人?)という教師に出会う私であるが,こうした著書や番組に接すると,まだまだ勉強が足らないことを痛感させられる。と同時に,もっとたくさんの授業・学校を見てみたい,もっとたくさんの教師の生き様にふれてみたいという気持ちが強まる。

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2007.05.09

木原流の「生活綴方」の解説等

 大阪教育大学で,教職科目の「教育総論」という講義を担当している。この科目では,教育の思想や歴史について言及する。最初は,欧米の教育思想や教育実践の系譜をモデル化して解説したが,中盤から,わが国の戦後60年の教育実践について,歴史的背景や社会状況を踏まえつつ,その特徴を語る。
 今日は,その2回目で,生活綴方による社会科教育の展開たる,「山びこ学校」の取り組みを解説した。そして続けて,コンピュータやビデオをツールとして用いて,子どもたちが自らの生活実践を記録し,編集し,交流するという実践記録を提示した。両者の異同について探ってもらうためである。こういう比較もけっこうおもしろい。受講生も最初は戸惑っていたが,次第にリアリズムやヒューマニズム,そして集団主義という生活綴方的教育方法の原理を実感してくれたから。

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2007.05.08

教職1年目の様子(大学院・実践学校教育専攻の『教師発達学』にて)

 本日,学院・実践学校教育専攻の『教師発達学』の5回目の講義を迎えた。本日から,講義も第2のパートに入った。それは,若手・中堅・ベテラン教師の授業力量とその形成の特徴に関するものだ。第1のパートが授業力量に関する枠組みの概説=総論ならば,今回から6回は各論にあたる。
 今日は,教職1年目の様子を振り返ってもらったり,私が明らかにしてきた1年目の教師の1年間の成長(とその限界)について紹介したりした。前者では,受講生たる現職教員たちが「昨日のことのように覚えている」と言いながら,当時を語ってくれたのが印象的だった。また,私が追跡した事例と彼らの経験がかなりオーバーラップしていると述べてくれたのも,自信になった。

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2007.05.07

研究を大切にする文化

 本日,とある附属中学校の研究主任と話をした。同僚が研究授業や研究紀要の執筆に積極的になってくれないと嘆いていた。研究授業も「授業時数の確保」の声でなかなか実施できないという。
 たしかに,「授業時数の確保」は大切だ。しかし,やり方はいくらでもあるはずだ。例えば,一部の教師だけが見学する場合があってもよい。公立学校でも,そういうやり方で研究授業の回数を増やし,教師の授業力を高めている中学校が増えているように思う。そういう姿勢を,この附属中学校の教師たちにも,ぜひ示してもらいたいものだ。もともと,研究を大切にする文化を好んで,附属中学校に赴任したのだろうから。

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2007.05.06

カリキュラム・リーダーシップの今日的意義や特徴等

 本日,2ヶ月に1回程度開催しているカリキュラム研究会で,カリキュラム・リーダーシップについての議論を繰り広げた。その今日的意義や特徴,カリキュラムマネージメントとの異同,リーダーシップを発揮する主体などについて,3時間近くも意見を交換した。
 その成果の一端を,代表して,矢野先生(大阪市立大学)が日本カリキュラム学会の全国大会(7月7・8日,埼玉大学)で報告する予定である。私も,同席するつもりである。

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2007.05.05

授業力のチェックリスト(「NHK学校放送利用促進パンフレット」)

 先日も紹介したように,現在,NHK・日本放送教育協会が作成している「NHK学校放送利用促進パンフレット」に掲載する文章等を,実践者とともに執筆している。私は,「教育テレビ&ICT活用で授業力をアップさせよう」という趣旨文や実践報告の解説の他に,「あなたの授業力をチェックしてみませんか」という,チェックリスト(6つの領域の25項目のそれぞれを4段階で評定する様式)を提案する。本日作成した点検リストの一部を紹介しよう。「番」「デ」という文字が文末にあるものは,授業力のアップにNHKの番組やデジタル教材の活用が深く関係するものだ。

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2007.05.04

教育研究者も放送番組で学習しないと――

 講義で学生に実践事例を紹介するために,私は,教育関係の放送番組があれば,できるだけ視聴し,必要があれば録画することにしている。今日も,22時過ぎから,BSでカナダの小学校のいじめ撲滅プロジェクト,それに取り組む若き学校長が描かれている番組が放送されていた。いじめ問題がユニバーサルであること,学校長のリーダーシップ,教師とカウンセラーのパートナーシップなど,様々なトピックが印象に残った。
 新聞のテレビ欄を眺めてみると,教育問題,学校の様子を扱った番組が少なからず放送されている。忙しくなると,そのチェックを怠りがちになるが,地道に努力を重ねるよう,心がけている(録画のシステムも向上しているし)。講義で学生に実感を抱かせるためには,映像教材,しかもナレーション等もきちんと入った番組が効果的であるから。教育研究にたずさわる学者も,放送番組で学習しなければならないのだ。

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2007.05.03

持つべきものは,研究仲間

 今日は,一日中,原稿を執筆していた。「コンピュータを使った教育実践の動向」というタイトルの原稿だ(ちょっとネーミングが古めかしい――私が定めたのではないのだが)。その内容の1つに,情報モラル等に関する教育の取り組みを盛り込むことにした。学校現場等を訪れ,この分野の熱をある程度は感じていただけに,自分なりにその潮流をまとめていたつもりではあった。ただ,代表的な実践例に自信がなかったので,厚かましい(失礼な?)話だが,この分野に精通している,堀田さん(メディア教育開発センター)に,たずねてみた。連休中でもあり,また自身の研究でも忙しいだろうに,この盟友は,すばやく,また的確に,事例を紹介してくれた。さらに,この分野の動向を語る際の視座を与えてくれた。ありがたい話である。持つべきものは,研究仲間だ。
 もちろん,教えてもらうだけの一方的な関係では,ダメである。なにかの機会に,必ずご恩返しをするつもりである。

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2007.05.02

Small is Beautiful.

 大阪教育大学に勤務して,1ヶ月が過ぎた。勤務のシステムにも,講義のサイクルにも慣れてきた。先日もコメントしたように,現職教員たる大学院生はもちろんのこと,教員を目指す学部生の熱心さにはよく驚かされる。
 天王寺キャンパスには,夜間に学ぶ学生だけが通っているので,1学年の人数は少ない。学部の定員は90名(うち編入学生が50名)だ。大学院の定員は,今年から増えたとはいえ,30名だ。大阪大学,岡山大学,そして大阪市立大学に奉職した私からすれば,この規模はとてもsmallなのである。
 けれども,それだけに,雰囲気がアットホームだ。学生が,よくあいさつをしてくれるし,話しかけてもくれる(質問にもよく来る)。私が担当する,ある科目は,必修科目であり,卒業までに全員が受講する。だから,顔見知りになりやすい。
 かつて佐藤学氏(東京大学)が,学校改革に関する論述の中で,複数の学校が統合して大規模になり,スケールメリットを駆使した学校経営を展開するタイプの改革について異論を呈し,「Small is Beautiful.」という原理に基づく学校づくりの重要性,そこにおける教師と子どもの関係性構築の可能性を力説していらっしゃったが,自分もそういう大学に勤めてみて,それを実感している。もちろん,大学経営全体としては,両者の原理の両全を目指すべきなのであろうが。

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2007.05.01

自らの授業力量のチェック(大学院・実践学校教育専攻の『教師発達学』にて)

 本日,大学院・実践学校教育専攻の『教師発達学』の4回目の講義を迎えた。本日は,ここまでの講義前半部分の中間まとめにあたる。ここまでの講義内容(授業力量の枠組み,その実際等)を踏まえて,受講者たる現職教員に,自らの授業力量を点検・評価してもらった。また,その結果を受講者間で交流してもらった。
 私の講義は,いわゆるミドルリーダー向けのものであるが,受講者の振り返りをまとめてみると,彼らの信念はそれなりに熟し,また,その技術は経験によって蓄積されてはいるが,実践的知識が足らない,整理されていないということになろうか。読者にも,チェックリストを用いて,自らの授業力量の省察を試みてもらいたい。「teacher_development_w4.pdf」をダウンロード


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