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2007.05.20

学術研究会における質問-その難しさ-

 昨日もレポートしたように,19日,北星学園大学で,日本教育工学会の研究会(JSET07-2)が催され,私も参加した。
 何度か,「よくない質問」を耳にして,がっかりした。学術研究会における質問は,難しい。教育工学会の場合であれば,質疑応答の時間は,5分あるかないかだ。だから,まず明快さが求められる。だいたい「質問が3つあります――」などと始まるのは,その時点で,あまりよい質問ではないだろうと予想がつく。3つの質問自体の説明に時間を要するし,それにまともに答えていたら,もう時間いっぱいになるからだ。
 さらに,質問の内容に問題があるケースに遭遇すると気がめいる。それは,発表者が伝えている「研究の目的」に即さない内容が質問される場合だ。例えば,研究主任の力量形成を目的とするe-Learningプログラムのデザインや実際,効果について,発表者が言及しているとしよう。それなのに,「参加する教師たちは,どうやって学習する時間を捻出したのか」「昨今,教師は忙しくて研究どころではないだろう」「e-Learningのシステムは高額なので,普及は難しいと思われる」などの発言が出てきたりすると「あーあ」と思いながら,発表者はやむなく回答することになるだろう。質問者が自分の興味とか知りたいことをストレートに発表者にぶつけるだけでは,討論にはならない。それらの多くは,発表が終わってから,個人的に教えてもらえばよいことだ。
 学術研究会における質問は,発表の主旨に即し,その本質的な問題点を,論理的に,また明確に主張することを目的として営まれるべきものだ。それならば,発表者と質問者の間に対話が成立するから。また,発表者も学べるし,他の参加者も議論に加われるから。
 もちろん,私も目指しているとはいえ,常にそれができているとは限らない。しかし,そうありたいと,いつも,努力しているつもりだ。自分が述べたいことを反芻し,相手にとって,会場全体にとって意味がある問いや意見になるかを再確認してから,質問を投げかけるようにしている。
 もう,独りよがりの質問を出すのはやめよう。学術研究会を建設的な議論の場にしよう。

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