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2007.06.30

「家庭学習の充実」に注目して

 本日,新大阪で開催された総合学力研究会(事務局:ベネッセ教育研究開発センター)に参加した。メンバーは,これまでの取り組みの成果と課題を確認しながら,また最近の教育界の動向を踏まえながら,次なる調査研究のフレームワークを検討した。
 教諭や管理職,そして保護者による学力向上に向けたトータルな取り組み=総合教育力を「家庭学習の充実」をキーワードにして再構築すべきであるという点を確認した。これからしばらく,これを視座とする調査の設計に時間を費やすことになる。

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2007.06.29

「総合的な学習の時間」モデル事業に取り組む学校(和歌山県有田郡広川町立広小学校)

 29日,和歌山県有田郡広川町立広小学校を訪問し,低学年の生活科や中・高学年の総合的な学習の時間の授業を見学した。昨年10月に続き,2回目の訪問となる。同校は,町内の津木中学校とともに,「総合的な学習の時間」モデル事業に取り組んでいる。同校の総合的な学習は,地域課題,情報,国際理解(英会話)の3つの柱からなる。
 地域課題では,防災(減災)が4(6)学年を貫くテーマに設定されている。子どもたちは,様々な情報手段を駆使して,防災の歴史や実態,そのための工夫などについて,調べたり,まとめたり,伝えたりしている。
P1070466 研究授業では,第5学年の子どもたちが,災害時に家族と離れてしまった際に,家族を捜しに行くか,それとも避難所にとどまるかに関する葛藤場面で自分はどうするかについて,マンガを題材に考えていた。この後,それぞれの子どもたちは災害時の行動について家族と話し合いを深めるという。よく練られた構成だと思った。
 同校と津木中学校の研究発表会が,11月9日(金)午後に開催される。参加すると,総合的な学習の時間の全体計画について,また個々の授業のデザインについて,学ぶところがたくさんあると思う。

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2007.06.28

猛暑の授業に強い教師(守口市立橋波小学校・松浦教諭の放送教育実践)

 本日午前,大阪府守口市立橋波小学校・第5学年担任の松浦教諭が取り組んでいる,放送教育実践を見学に行った。この実践では,子どもたちが,NHK学校放送番組「5年理科 ふしぎワールド」を視聴して,植物の発芽や成長に関する関心を強めるとともに,ある程度の知識を獲得する。そして,それを踏まえて,本時では,彼らは,花粉や花,実の調査研究に従事した。その際に,ある植物は実際に顕微鏡等を用いて観察するし,ある植物についてはデジタル・コンテンツによって情報を収集する(いわば擬似観察)。いずれにしても,それらの成果は,ワークシートに集約され,次なる活動=思考の材料となる。P1070276
 2つの方法を同時並行で進めることによって,子どもたちは,種類の異なる植物をたくさん調査することができた。それは,次時の観察結果の整理(共通点の導出等の科学的な思考)をいっそう豊かなものにしてくれるに違いない。番組・観察・デジタル・コンテンツのよい関係がデザインされた,工夫のある実践だと言えよう。
この実践の模様は,8月20日に園田女子学園大学で催される,関西教育メディア研究協議会でレポートされる。ぜひ,多くの方に聴いてもらいたいと思う。P1070323
 それにしても,大阪は,今日も,気温30度を超えた。なぜか守口市の小学校のコンピュータ室には,冷房が設置されていない。午後からはプールがあるし,給食前の3・4時間目に実施された授業。そんな悪条件の中,子どもたちは,驚くほど,熱心に,集中して,観察やデジタル・コンテンツへのアクセスを続けていた。そういえば,松浦氏は,数年前にも,35度を超える中,デジタル・コンテンツを用いた社会科の習熟度別指導の実践にチャレンジしていた。不思議なほど,猛暑の授業に強い教師だ(それにしてもまた,首にタオルを巻いて授業――)。

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2007.06.27

「実践学校教育専攻」で学ぶ

 先日,大阪教育大学の大学院教育学研究科(修士課程)の学生募集要項ができあがった。本学大学院は,18もの専攻を有しているが,私は,「実践学校教育専攻」で講義等を担当している。この専攻は,現職教員のための夜間大学院である。10年以上の歴史を誇る。スクールリーダーコース,教職ファシリテーターコース,そして授業実践者コースから成る。
 私は,教職ファシリテーターコース用の講義を提供しているが,ここでは,例えば教師の授業力量の高め方,校内研修・研究の企画・運営方法といった実践的問題を,その背景にある理論も踏まえながら,学習できるように講義等のデザインや教材を工夫している。
 天王寺キャンパスの立地条件のよいところにあるので,関西の学校現場の教員に,「実践学校教育専攻」で学ぶことをぜひご検討いただきたい。
 ちなみに,入試も,口述試験・小論文・研究計画書で構成されており,いわゆる学力検査は割愛されている。9月8日(土)が入試日である。

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2007.06.26

高等学校の経営革新プロジェクト

 本日,大阪教育大学がその推進に協力している,大阪府教育委員会の事業「府立高等学校経営革新プロジェクト事業」の平成19年度第1回推進協議会が催された。私も,委員を拝命しているので,出席した。
P1070236 本年度は,21校が推進校に指定されており,今日は,各校が全体会や分科会で平成18年度の成果を報告するとともに,19年度の構想を交流した。各校なりに,経営革新に努めていることがよく分かった。本学の同僚である,大野裕己氏の講評にあった「学校づくりの『点』が『線』になってきている」という言葉に,それは象徴されよう。
 私は,自分が担当した学校に対して,事業実施計画のさらなるスケジューリング,子どもたちの実態(例えば習熟度別指導の経験等)把握の追加,家庭学習習慣を確立するための教材開発(例えばマンガ)や環境の整備(たとえばDS)の重要性等を説いた。

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2007.06.25

授業研究が熱を帯びる中学校

 本日,彦根市立南中学校を訪問し,美術・社会・音楽の授業を見学し,それを題材とする協議会に参加した。この学校の教師たちは,「主体的・意欲的な学習活動を支える授業の創造-学びの環境を整え,自己の向上をめざす生徒の育成-」という研究主題の下,①理科・数学・美術小部会,②国語・社会・英語小部会,③音楽・保体・技家小部会を設定して,研究を推進している。それぞれの授業には,研究主題を具体化すべく,様々な工夫が導入されていた。
P1070219 そして,写真のように,教師たちは,研究授業について,部会単位で密な議論を繰り広げていた。異なる教科であれだけ積極的に意見を交換できることがまずもって,すばらしい。付箋紙を用意して気づきを書き出す,その際に用いる「参観の視点」を用意する,参観の視点を踏まえて司会がコーディネーションを繰り広げるといった点も,見事であった。
 こんなに授業研究が熱を帯びる中学校がどこにでもあるわけではなかろう。この学校は,教育課程に関する研究指定を彦根市から受け,その成果を平成20年1月21日に公開することになっている。

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2007.06.24

番組とデジタル教材を活用した「探求型」学習

 本日,渋谷のNHKで,「テレビ番組とICTの連動による探求型学習の効果に関する調査・研究」の会議に出席した。これは,文部科学省の平成19年度「先導的教育情報化推進プログラム」に採択された,プロジェクトである。
 これまでのNHKのデジタル教材に関する実践的研究や全放連の学力向上プロジェクトなどのノウハウや知見を導入して,番組とデジタル教材を活かした単元やカリキュラムを開発し,その効果を実証する,さらにはその知見を番組やWebで公開するという取り組みだ。
 私は,理科班を担当し,3校の授業実践のデザインや評価計画についてアドバイスするとともに,それらの蓄積を測定・評価するための学力調査の実施等についてコーディネートすることになる。

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2007.06.23

カリキュラム・リーダーシップに関する研究発表

 本日,2ヶ月に1回程度開催している,カリキュラム研究会を,我が大阪教育大学天王寺キャンパスで催した。内容は,前回に続き,カリキュラム・リーダーシップについてである。今回は,2件の発表である。まず,1件目は,矢野先生(大阪市立大学)のご発表。カリキュラム・リーダーシップの主体や要素,カリキュラムマネージメントとの異同,台頭の背景について,2時間近く議論した。その成果の一端は,日本カリキュラム学会の全国大会(7月7・8日,埼玉大学)で報告される。
 続いて,私自身の発表。タイトルは,「学校研究の企画・運営におけるリーダーシップグループの役割-研究主任は他のリーダーとどう関わっているか-」である。学校研究を発展させるために,研究主任が他のリーダー(学校長やプロジェクト・リーダー等)をいつ,いかなる側面で協力・共同しているかを2つの事例を比較・検討しながら,明らかにしようとするものである。これは,9月末の教育方法学会で発表の予定。

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2007.06.22

授業づくりに工夫を重ねる学校だから――

 本日,岡山市立吉備小学校を訪問し,第6学年の算数の授業を見学し,それを題材とする協議会に参加した。この学校は,岡山県教育委員会の「授業で勝負!」支援事業実施校として,算数科における「コミュニケーション能力を大切にした授業づくり」に努めている。
 若い授業者が,同学年等の同僚からアドバイスやエールをもらいながら,授業のデザインを練っている様子,本時の展開の中で子どもの学びのよさをつかみ,讃える姿には感心させられた。
P1070166 同校の教師たちは,協議会においても熱心だった。教師たちは研究授業の可能性と課題について積極的に発言していた。若い教師が最初に質問を出したり,私の小講演が終わっても質問が相次いだりしたくらいだ。
 けれども,同校は,学級数29クラスの大規模校である。それゆえ,教員だけでも40名を超える。だから,多くの同僚の意見を吸い上げ,それを整理したとは,残念ながら,言えない。その人数の協議会を充実したものにするには,熱意だけではどうしようもない部分があるからだ。全員参加を実現するための仕掛けや環境設定が必要だし,昨日紹介した上下北小学校で大切にしている「司会術」も磨かねばなるまい。
 授業のデザインと協議会のそれは,研究が深まれば同型性を帯びる。だから,授業づくりに工夫を重ねる同校だから,やがて協議会のあり方も再考してくれるものと思う。

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2007.06.21

協議会の充実は,司会の腕次第

 本日,広島県府中市立上下北小学校を訪問し,授業研究会に参加した。隣の小学校の教員も参加して,3年生と6年生の算数の授業に関する協議が繰り広げられた。
 この学校では,私が紹介して,数年前から,いわゆる参加型協議が実施されている。カードに自由に授業の感想を書き,それらを集約して論点を定め,議論を展開するという方法だ。このやり方,授業に関する意見を出しやすいし,授業の全体像を確認できるという利点がある。けれども,何度もやっていると,なんとなく緊張感を欠いた,形式主義に陥ることがある。
P1070119 今日の授業研究会では,司会役の教師が,それを回避しようとして,「突然指名」を試みたり,小グループの話し合いを取り入れたり,議論の要点を書き出したりしていた。つまり,即時的に協議を盛り上げるためのアクションを起こしていた。だから,短い時間だったら,かなり密な意見交換ができた。やはり,協議会の充実は,司会の腕次第である。

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2007.06.20

第2回日中教育工学研究推進フォーラム

 昨日,本日と関西大学(千里山キャンパス)にて,第2回日中教育工学研究推進フォーラムが催された(主催:日本教育工学会)。
 日中双方から,教育工学研究の事例が報告され,比較検討された。私は,例の「教室のICT環境の将来像について-地域・学校の特色等を活かしたICT環境活用先進事例に関する調査」の一環として行われた,「教育の情報化」の実態把握に努めた,1万校を対象とする質問紙調査の結果を報告した。中国の研究者は,都会ほど「ICT環境の整備」が遅れていることが不思議でならないようだった。

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2007.06.19

学校評価の取り組みを継続・発展させる

 17日(日),大阪市立昭和中学校に出かけた。本年度,私は,この学校の学校評議員を拝命しており,この日に催された,第1回評議会に参加したからだ。
 同校は,昨年度,文部科学省が推進した「義務教育の質の保証に資する学校評価システム構築事業」に参画し,学校評価の手順を実践的に開発した学校だ。昨年度,各種のデータを蓄積し,それを分析して自己評価書を作成し,さらに,それを外部評価委員会で点検・評価してもらい,その結果を踏まえて次年度の学校経営計画を策定するという手順をていねいに踏んだ学校である。
 昭和中学校は,本年度はこの事業の研究校にはなっていない。けれども,学校評議会に出てみると,学校評価を継続・発展させる取り組みが報告された。なにより,前年度の学校評価の結果を踏まえた学校改革のアクションがはや起こされていた。研究の成果をちゃんと日常化させている。学校評価の手続きは,面倒なことが多い。だから,研究指定が終われば一休みしたくなるのが常だろうに――。研究の成果を定着させようとする,この学校の努力を,同校の学校評議員としても,大阪市の学校評価事業運営連絡会の顧問としても,そして教育学者としても頼もしく,また誇りに思う。

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2007.06.18

たくさん発表があって――(第52回なにわ放送教育研究会)

 本日,NHK大阪で,第52回なにわ放送教育研究会が催された。全員のプチ発表の後,3つの発表(松浦さん=「みんな生きている」「ふしぎワールド」の活用,櫻井さん=「とことん見聞録」の利用,宮田さん=「えいごでしゃべらナイトJr.」の利用)がなされた。おかげで時間がなくなり,うれしい悲鳴をあげることとなった。

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2007.06.17

日本教育工学協会「教育の情報化」実践セミナー2007(大阪会場)

 私が常任理事を拝命している,日本教育工学協会(JAET)では,7月21日(土)13:00~16:45に,「教育の情報化」実践セミナー2007(大阪会場)を開催することとなった。会場は,私のホームグラウンド,大阪教育大学・天王寺キャンパスだ。
 プログラムをご覧いただくとよく分かるが,基調講演あり,展示見学あり,実践報告ありと多彩なメニューが用意されている。特に,3件の実践報告については,その特徴等を,なんと堀田先生(NIME)と野中先生(和歌山大学)が二人がかりであぶり出してくれる。基調講演は,大御所の山西先生(富山大学)にご担当いただく。私などは,出る幕がなく,受付係に徹することとなった(しかし,私の「受付スキル」もなかなかのものであり,一見に値するとも思うが――)。
 いずれにしても,多くの方の参加を期待している。 「JAET070721Program.pdf」をダウンロード

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2007.06.16

日本教育工学会の6月シンポジウム

 私が属している日本教育工学会では,毎年,6月に総会と合わせて,シンポジウムを開催している。午前,午後の2部制だ。午前の部シンポジウム1のテーマは「高等教育における教育実践の成果をどのように共有し活用するか」,午後の部シンポジウム2のテーマは「新しい教育課題に教育工学は何ができるか~現代的問題に挑む~」である。
 シンポジウム1では,4つの大学の教授法の開発,授業評価,FD(ファカルティ・ディベロップメント)等が紹介され,異同が確認された。各大学が高等教育の改善に果敢にチャレンジしていることがよく分かったが,学生に「何を」指導するか,学ばせるかという「カリキュラム論」が足らないような気がした。それによって,指導や評価のあり方は変わるから。

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2007.06.15

想像をふくらませて読む楽しさ

 本日,神戸市立六甲小学校の授業研究会に参加した。第1学年の国語の学習を見学したが,光村図書の「はるのみち」という題材文を読み,その続きを考えて発表する活動が構成されていた。
P1060899 指導者は,子どもたちに,教科書の文章のストーリーをおさえさせた後,挿絵から想像をふくらませて,「ぼくのわたしの『はるのみち』」を構想させ,文章化させ,発表させていた。ある子どもの作品をグループの他の子どもに紹介させる等の工夫も功を奏して,子どもたちは,想像をふくらませて読む楽しさに浸っていた。
 ただ,だからこそ,私は,事後協議会では,こうした活動の成果を報告する場面では,子どもたちに,声の大きさとかアイコンタクトといったスキルの駆使をめあてや相互評価の視点に据えるのをあえてやめてもよいのではないかと訴えてみた。子どもたちがイマジネーションを発揮していれば,彼らの作品自体(自らが書いた文と描いた絵)の豊かさが聴衆(この場合は友だち)を魅了するのだから。また,教科書の題材文は,そうした「あたたかな『伝え合い』」を誘っているに違いないから。

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2007.06.14

高等学校の経営革新-その効果を「廊下ギャラリー」に見る-

 本年度,大阪教育大学がその推進に協力している,大阪府教育委員会の事業「府立高等学校経営革新プロジェクト事業」の推進協議会委員を拝命している。このプロジェクトは,平成17年度から3年間企画・運営されるものであるが,その目的は,以下のとおりである。
 「生徒の学力の向上と希望進路の実現をめざし,学校の持つ総合的な教育力の向上を図るため,明確な目標設定に基づく創意工夫に富む教育実践に取組む学校を推進校に指定し,その成果を他の府立高等学校に広げることにより,府民の期待に応える府立高等学校づくりを進める。」
 21校が推進校に指定されたが,そのうちの4校を対象とする,詳細なリサーチが本年度計画・実施される。私も,ある学校のリサーチを担当することになり,本日,最初の訪問日を迎えた。
P1060859 学校長や教頭へのヒアリング,資料の閲覧,学校内の施設や授業の見学などを通じて,この学校が経営革新をめざして挑戦を続けていること,それらが生徒の学力向上や進路保障にある程度結実していることを確認できた。例えば,写真は,廊下がまるでギャラリーのように生徒の絵画作品で飾られており,居心地のよい空間が設けられている様子だ。生徒が絵画を飾るスペースを自分たちで決めているというエピソードも聞いた。
 夏休み以降もさらに訪問等を重ねて,この学校の経営革新の実態と課題に迫る予定である。

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2007.06.13

目標や評価規準の焦点化-自身の講義の反省も含めて-

 昨日訪れた中学校の研究授業では,多くの場合,複数の目標とそれに応じた評価規準が用意されていた。まず授業の導入で意欲を持たせ,課題を提示して,生徒に,その解決に向けた思考を繰り広げさせる。さらに,思考の結果を生徒間で発表させ,交流させる。その中で明らかになったことを知識として教師がまとめるという流れだ。確かに,活動としては多様なものが設定されているが,例えばある授業は8時間扱いの単元の最初の時間だから,つまるところ,当該事象に対する「関心・意欲・態度」を喚起することが大切であった(私が「重点目標」をたずねたら,授業者もそう回答していた)。
 多くの目標や評価規準を用意すると,ていねいな指導や学び直しの機会の保障が難しくなる。だから,目標(評価規準)の焦点化は,「わかる授業」への王道である。昨日もまたそう思った。
 しかし,分かっていても,できない場合もある。恥ずかしながら,本日の私の講義もそうであった。今日は,小中学校の連携と中高一貫教育とをセットで講ずることを試みたが,前者に講義時間の大半を費やし,中高一貫教育に関する説明が不十分になったり,受講者に討論させる時間を保障できなかったりした。これまで,中高一貫教育だけに90分を費やしていたのに,ついよくばってしまった結果,慌ただしい,まとまりのない講義となった。反省するとともに,次回に,そのリカバリーを図ることを決意した(はや,その再設計に着手した)。

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2007.06.12

髪の毛の色や服装に関係なく(ある中学校の研究授業から)

 本日,滋賀県のある中学校の授業研究会に参加した。数学,理科,社会,英語の4つの研究授業が並行して実施され,少々せわしなかったが,全部見学させてもらった。実は,この学校を前にも数回訪れているが,生徒の生活習慣等の乱れに教師たちが手を焼いている様子を目にしてきた。
P1060821 それでも,授業改善への努力を怠らなかった教師たち。その成果が,今年になってはっきりと現れてきたように思った。茶髪の生徒も,シャツをはだけている生徒も,顔にメイクを施している生徒も,学習に参加し,課題に取り組んでいる。髪の毛の色や服装に関係なく,彼らは,学んでいる。それをもたらしたものは,確かに学習規律の徹底や学習集団形成の取り組みも効いているだろうが,それだけではあるまい。それらと同じく,いやもしかしたら,それ以上に,教師たちの学ぶ姿勢が好影響を及ぼしているに違いない。授業が楽しくなかったら,それに参加する契機を見いだせなかったら,生徒は授業から逃避するだろうから。
 シャツをはだけ,髪を極端に伸ばした男子生徒が,前の友人に,「おい,起きろや。授業中だぞ。」と呼びかける姿に接した時は,もう驚きだった。

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2007.06.11

学校研究を発展させるためのプランの策定(鳥取県教育センターの新任研究主任研修)

P1060735 本日,鳥取県教育センターで催された,新任研究主任研修の講師を務めた。10時から16時までの長丁場だ。これくらい時間をかけることができると,研修のメニューも豊富になる。最初に,各学校の研究について,うまくいっているところと課題を書き出し,グループ間で交流する。その結果を踏まえながら,私が,さらなる点検のポイントを提示する。あるいは,例えば研究テーマの成熟度についてレベルを示す。それらを材料にして,最後に,参加者が自校の学校研究を発展させるための術について整理する(アクションの主体やその効果などによって)。そして,それについて交流する。
 これぐらいていねいにやれば,「学校研究を発展させるためのプラン」について,確かなものができる。よいメニューの行政研修に貢献できて,私も気持ちよく,鳥取を後にした。

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2007.06.10

地方の教師たちの向学心

 本日,明日からの県教育センターでの講義に備えて,鳥取入りした。数名の教師たちが,出迎えてくれ,さっそく情報交換会となった。今の関心事や学校の様子を伝えあうし,それらに関する意見も述べあう。とにかく,実践研究に対する熱が高い。
 また,彼らは,東京や大阪で催されるセミナーに参加したり,各地域の教師や研究者を招聘したりして,常に新しい情報をつかんだり,人的ネットワークを築いたりしている。
 鳥取の教師たちのそれに代表される,地方の教師たちの向学心には,本当に頭が下がる。そして同時に,そうした真摯な姿勢は,必ず,彼らの実践の発展に資するに違いないと思う。

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2007.06.09

異校園種の連携に取り組んで

 昨日,大阪府南河内郡千早赤阪村の小吹台小学校で,英語活動の研究授業を参観した。この学校は,村内の幼稚園,小中学校とともに,文部科学省指定研究開発学校としてコミュニケーション能力の育成に取り組んでいる。
P1060670 見学した授業では,自分たちのクラスの時間割と他の2つの小学校のそれについて,英語でたずねあう学習活動が用意されていた。これは,やがて中学校で机を並べて学ぶ(将来の)友人の状況にふれる機会となるという意味で,価値のある活動であると思った。また,授業者の教卓の後ろには,幼小中の12年間の英語カリキュラムをまとめたプリントが貼ってあり,彼女がそれを常に意識して授業を組み立て,展開していることがうかがわれた。これらは,連携がホンモノになってきた証であろう。
 この研究に関する発表会が,11月22日(木)に催される。参加すると,きっと異校園種の連携の本質を学び,そしてそれを具体化した実践的アイデアを数多く得られるだろう。

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2007.06.08

学校インターンシップでがんばる!

 大阪教育大学は,大阪市教育委員会などと提携して,学校インターンシップを企画・運営(単位化)している。教員志望学生が学校で教師たちの営みにふれたり,補助的活動に従事したりして,実践的指導力を高めるためのカリキュラムだ。大学側の指導担当者の1人として,昨日,ある小学校に,あいさつに出かけた(合意書の交換も必要だったので)。
P1060654 学校長が,「学生さんがよくやってくれて,我々も助かっている」と言ってくださり,安心した。ちょうど,この日からインターンシップを始める学生の様子を見ることもできた。教師と子どものやりとりを一生懸命メモしていた。今はまだ観察の域を出るものではないが,この熱心さがあれば,そのうち彼女も,教師を支援できるようになるだろう。自分のため,学校のため,そして子どもたちのために,がんばってもらいたい。

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2007.06.07

ポスターセッションの発表に申し込もう!(第58回放送教育研究会全国大会)

 第58回放送教育研究会全国大会が,平成19年10月26日(金)・27日(土)に,国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)で催される。今年度は,平成13年度以来となる,視聴覚教育の研究団体との合同研究発表会だ。
 27日(土)には,団体別に分科会が催されるが,放送教育のパートでは,午前中に,ポスターセッションが設けられる。ここでの発表は,公募制を採っている。ひとつの会場に,放送教育実践に関する,何十というポスターが掲示される。だから,参加すると,様々な取り組みにアクセスできる。優秀ポスターは表彰されるので,それもよい励みになると思う。
 発表申込締め切りが延長されたので,「発表しようかかなと考えていたら,申し込み締め切り日が過ぎていた」という方には,朗報である。ぜひ申し込んでもらいたい。また,大会には,第1日目から参加することが望ましいが,26日は平日なので校務で学校を抜けられないという方が多いことがわかったので,両日参加は「原則として」ということになった。だから,この点も気にしなくてもいい。
 私は,ポスター表彰の審査委員長を務めることになる。たくさんの応募があり,多くの方と当日出会えることを楽しみにしている。

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2007.06.06

自校の研究発表会の宣伝

 教育雑誌の『悠プラス』が,紙面でも,ホームページでも,全国の学校等の研究発表会の情報を提供してくれている。最新ホームページには,私が,長く通っている,広島県府中市立上下南小学校が7月6日(金)に催す研究発表会の概要も示されている。
 広島県では最近研究発表会を催す学校が増えて,その日程が重なり,各研究会の参加者が少なくなるという事態が生じているらしい。参加者の多寡は,研究の質とは別の問題であるから,そう気にする必要もない。けれども,ある程度の参加者を確保できないと,研究発表会を学校研究の外部評価として機能させるのが難しくなる。それゆえ,『悠プラス』の雑誌・ホームページのような舞台を借りて,学校研究を宣伝することが,これからの時代には,必要とされよう。
 しかし,私に似てか,自分が関わる学校はシャイなところが多くて――。

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2007.06.05

教室のICT環境等の将来像

 昨年度参画した,文部科学省の委託事業たる,「地域・学校の特色等を活かしたIT環境活用先進事例に関する調査研究」事業の成果がWeb化された。
 私は,アンケート調査の企画・運営に関する部会のリーダーであったが,わが国のICT環境の整備とその活用に関する実態,とりわけ整備と活用の連関について,確かに指摘できたと思う。
 アンケート調査の他に,国内外の視察調査を実施し,それらによる知見を踏まえて,「教室のICT環境等の将来像」について提言をまとめているので,読者にもぜひ目を通してもらいたいと思う。
 なお,それらをビジュアルにまとめた,イラストにも注目していただきたい。これは,和歌山大学の野中先生のお知り合いが,我々や文部科学省の面々と何度もやりとりして描いた,労作である。

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2007.06.04

参加型協議会はまだ一般的ではない?

先日,校内研究や校内研修の改革について,ある都市の教育研究所で講義を担当した。対象は,全小中学校の教務主任であった。講義の終わりに,講義による学びに関する振り返りタイムを設けて,その後,今年度中にいかなる改革に着手するかを参加者に問うた。そうすると,「研究授業後の協議会のスタイル」の刷新に取り組むという回答が少なくなかった。
 私としては,講義途中に「これは,既に試みている学校が少なくありませんが――」と前置きして話したほど,協議会スタイルの刷新は学校現場に浸透しつつあると思っていただけに,少々意外であった。いわゆる参加型協議会,つまり付箋紙等に気づきを記し,それを小グループを組んでまとめながら,研究授業を多面的に評価していく過程,さらには,それを踏まえて,参加者それぞれが自らの授業改善の見通し等を語る場面を有した協議会は,まだ一般的ではないのだろうか――。

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2007.06.03

学校放送番組・デジタル教材を利用して授業力のアップを図る(「教育テレビ&ICT活用で授業力をアップさせよう」)

 昨日,渋谷のNHKに出かけた。NHK・日本放送教育協会が,作成している「教育テレビ&ICT活用で授業力をアップさせよう」というパンフレットの最終編集会議が催され,それに出席したからだ。昨日は,表記の統一性やレイアウト等の細かい点まで踏み込んで議論した。7月中旬には完成を迎え,日本全国で配布される予定だ(1万部も印刷の予定)。
 これは,NHKの学校放送番組・デジタル教材を利用して,いわゆる授業力をアップさせる考え方,実践事例とその解説,そしてチェックリスト等から成るものだ。放送教育関係者だけでなく,授業力の向上を図る教師一般にも,さらには教員志望学生にも役立つ内容である。ぜひ,手にしてもらいたい。

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2007.06.02

津波防災教育センター(和歌山県有田郡広川町)

P1060488 昨日,和歌山県有田郡広川町立津木中学校を訪問したが,その前に,同町内に4月にオープンした,「稲むらの火の館」に行ってみた。これは,濱口梧陵の生涯や偉業を学ぶ「濱口梧陵記念館」と、地震・津波防災を学び体験できる「津波防災教育センター」からなる施設だ。
 後者は,写真のような津波シミュレーションとか津波レンジャーゲームなど,津波について学ぶための工夫がこうじられた施設だ。けっこう楽しく,またしっかりと学習できる。一度,行ってみるといいだろう。

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2007.06.01

総合的な学習で学校文化を育む(和歌山県有田郡広川町立津木中学校)

 本日,2月に続いて,和歌山県有田郡広川町立津木中学校を訪問し,総合的な学習の時間の授業を見学した。同校は,町内の広小学校とともに,「総合的な学習の時間」モデル事業に取り組んでいる。同校の総合的な学習は,福祉分野,環境分野,そして国際理解分野の3つの柱からなる。今日は,3分野の学習のすべてを見学したが,いずれも,活動の振り返りが尊重されており,子どもたちが目的意識をはっきりさせて,学習に従事していた。教師たちは,それを支えるべく,たいへんていねいに,リソースや評価ツールを提供していた。
P1060589 特に,環境分野の「水環境プロジェクト」,その一環としてのホタルの飛翔調査は,10年以上にもわたって継承されている。彼らの取り組みは,日本学生科学賞で内閣総理大臣賞を受賞するほど,充実している。もう,ある種の学校文化にまで成熟していると言ってもよかろう。
 町内の他の学校とともに,11月9日(金)に,研究発表会を催し,授業を公開してくれる。総合的な学習の時間の充実を願う教師には,学ぶものの多い機会になると思うので,ブログの読者には,この日にぜひ広川町を訪問してもらいたい。

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