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2007.07.31

「わかる授業のためのICT活用講座」

 今週,NHK教育テレビで,11:00-11:30に,「わかる授業のためのICT活用講座」が放送されている。5回で構成されている,この番組では,授業におけるICT活用の意義,そのコツが,実践事例とともに分かりやすく紹介されている。本日は,第2回「なるほど納得!映像の見せ方」が放送されたが,映像の情意性,具象性(時空を超えて子どもに事象を示してくれる)といった特徴がICT活用によって授業に持ち込まれる術が示された。
 第3~5回も,ぜひ見てもらいたい内容である。

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2007.07.30

新しい岡山県総合教育センターで講演

 30日午後,この春に吉備中央町に新設された岡山県総合教育センターの講座の講師を務めた。校内研修・研究の企画・運営に関するもので,そのポイントを整理するとともに,典型事例を示したり,「問い」を用意して受講者に考えてもらう時間帯を確保したりした。

P1080144 新しいセンターは,緑に囲まれ,とても落ち着いた環境にある(それだけ山の中に作られたということなのだが――)。館内も整然として,気持ちがいい。ここで合宿研究会をやればよいのにと思った。

P1080141 このセンターに務めている,知り合いの指導主事の講座もちらっと見学させてもらった。きめ細かく受講者に接していたのはさすがだったが,そもそも講座内容が彼の得意なものと異なるのが少々かわいそうだった。

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2007.07.29

おめでとう!高橋純さん,寛子さん。

P1080137 29日午後,富山駅近くのホテルで,富山大学・人間発達科学部の准教授,高橋純さんと寛子さんの披露宴が催された。私も参加し,シャイな性格を殺して,お祝いのスピーチを述べさせていただいた。それくらい,この披露宴が催されたことがうれしかったからだ。私だけではない。多くの研究仲間や教師たちが二人を祝福した。「みんなの弟」たる高橋さんがよき伴侶を得て幸せそうにしているのは,私たちにとっても至福の時間となった。
 彼と最も親しくしている,あの某大先生など,自分でスピーチをしながら,涙を流しそうになっていた――。いや,実は,私も少々――。
 いずれにしても,心より「おめでとう」と言いたい。

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教育工学会2007年夏の合宿研究会(2日目)

 本日も,富山大学を会場にして,教育工学会2007年夏の合宿研究会が催された。これは,毎年,学会が企画・運営している,実践研究会だ。2日目は,「『ICT活用と学力向上』の普及を考える」というテーマが設定され,パネルディスカッションが営まれた。私は,学会として何に取り組むべきかという点を,いっそう具体的に(理念ではなく活動として)検討すべきであるとコメントした。
 続いて,2日間の総括を堀田先生(NIME)が担当した。日本の教育制度・システムを踏まえて,今,何ができるか。彼は,それを参加者に問い返すとともに,「できること」と「できないこと」を整理してくれた。また,「できること」の具体例を示してくれた。

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2007.07.28

教育工学会2007年夏の合宿研究会

 本日,富山大学を会場にして,教育工学会2007年夏の合宿研究会が催された。これは,毎年,学会が企画・運営している,実践研究会だ。今回は,1日目が「次世代の教室のICT環境を考える」,そして2日目が「『ICT活用と学力向上』の普及を考える」というテーマが設定され,基調講演,パネルディスカッション等が営まれた。私は,1日目のパネルディスカッションの司会を仰せつかった。2時間,パネラーやフロアから意見を吸い上げ,整理するのに,四苦八苦した。まあ,いろいろな方からコメントを頂戴できたので,よしとしようか――。

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2007.07.27

ただ今、サンダーバードの中

ただ今、北陸線、サンダーバードの中である。教育工学会の合宿研究会に参加するからだ。和歌山から富山まで、長い道程だ。

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和歌山の先生方はとても元気だ--

 本日,和歌山県有田郡有田町内で催された,和歌山県教育委員会による教育課程に関する教員研修会に参加した。「総合的な学習の時間のいっそうの充実に向けて」という,講演を担当させてもらった。その内容は,培う能力・資質,指導と評価の工夫,そして学校としての全体計画に関するものだ。それぞれについて,基本的な考え方,実践動向,典型事例などを呈した。
 講演の前には「振り返り」タイムを設けて各学校の実態を明らかにしてもらった。また講演後には,私が提供した視点や情報をもとに,各学校の「総合的な学習の時間」改善プランの素描に取り組んでもらった。両方とも,数名の教師に発表してもらったが,みんな元気よく,またテンポよく,自校の様子を語ってくれた。和歌山の先生方はとても元気だ――。

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2007.07.26

今日で講義が終了!

 本日は,教育学演習Ⅰの最終回を実施した。私にとって前期の最終講義となった。大阪教育大学に赴任して「教育総論」「教育実践の研究Ⅱ」「教育学演習Ⅰ」(学部),「教師発達学」(大学院)の講義を担当したが,いずれも,当初のスケジュールどおりに講義を進めることができた。出張や学生大会による休講もすべて補講で対応した。
 1つひとつの講義には反省すべき点も多いが,毎回の講義の準備とテスト等の工夫については,それなりの水準を達成できたと思う。授業評価アンケートがどのような結果になるか,分からないが――。
 後期は講義コマ数が増えて,6つ。各講義の充実に向けた,いっそうの努力が求められよう。

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2007.07.25

テストに向けて,こんなにも準備してくれて――

 今週は,前期の講義の最終週となる。本日は,「教育総論」と「教育実践の研究Ⅱ」のテストを実施した。
前者は,教育の思想や哲学,歴史について講ずるものである。それゆえ,テストは,ある実践記録(映像記録)を提示し,それを教育思想家がどのように評価するかを予想させたり,歴史的教育実践との異同を考察させたりするスタイルを採っている(我ながら,工夫したテストだと自負している)。
P1080095 ところで,受講生がしっかりとテストに向けて講義内容を再確認している姿に驚かされた。例えば,テキストやこれまで配布した資料にインデックスをつけてくる学生がいた。写真のように,自分なりに講義内容を再整理してくるものまでいる。テストに向けて,こんなにも準備してくれて,教師冥利に尽きる。

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講義が終わったら,握手を求められた――

 本日,大学院・実践学校教育専攻の『教師発達学』の最終回を迎えた。この講義では,教師の授業力量について,理論・モデルや事例を講じてきた。
 本日は,受講生(全員,現職教員)に,自らの授業力量形成プランを報告してもらった。いずれも,来し方を振り返り,自らの授業力量を省察して,今後の授業力量形成について具体的に語っていた。手前みそだが,よいフィナーレを迎えられたと思う。
 ところで,講義が終わったら,ある受講生(年輩男性教師)から握手を求められた。拍手とかお礼を言ってもらうことはこれまでにもあったけれども,握手というのは初めてで,新鮮であったし,それなりに講義が充実していたことを示すものだと思う。
 なお後期の大学院の講義では,「校内研修・研究」について,その方法論を解説したり,いくつかの事例を検討したりして,体系的に学んでもらう講義「教職ファシリテーター論」等を担当する。

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2007.07.23

「並行カリキュラム」による番組利用

 本日,NHK大阪で,第53回なにわ放送教育研究会が催された。全員のプチ発表の後,今回は,まず,8月や10月に発表を控えているメンバーがその準備状況等を報告した。
 その後,小学校高学年向け算数番組「マテマティカ2」の第3回「円を四角く」を視聴し,小グループに分かれて,その利用プランを考えた。その上で,実際に授業で利用した浅香さんが,「並行カリキュラム」(この用語の意味するものを,虎の穴のメンバーは理解しているかな?)で活用している様子をレポートしてくれた。
 それにしても,今日の会は参加者が12名で,盛況だった。

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2007.07.22

年度をまたいだ研究計画の策定

 本日,新大阪で,2つの小学校の研究主任とミニ会議を開いた。これは,松下教育研究財団の支援によるプロジェクト,「学校研究継続・発展のための『手引き』開発プロジェクト」のミーティングだ。
 各学校の実践研究を,年度をまたいで進展させるために,研究主任はいかなる布石を打つべきかについて小冊子にまとめる予定である。冊子には,研究主任等が自校の研究を自己点検・評価する際に活用できる,「学校研究継続・発展の基準表」等も盛り込むつもりだ。
 本日のミーティングでも,「布石」のいくつかを確認できた。例えば,研究主任には,「年度をまたいだ研究計画の策定」が期待されることだ(ただし,同僚にそれを示すかどうかは状況による)。この場合の「計画」は,1年度目に○○,2年度目に△△といった重点課題を宣言しただけのものではない。活動を整理したものだ。だから,3年間の見通しであれば,36ヶ月間の活動をイメージ化し,表などにまとめたものを意味する。
 読者は,自校の実践研究の進展をどこまで先読みできるであろうか。

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2007.07.21

JAET「教育の情報化」実践セミナー2007(大阪会場)

 本日,我が大阪教育大学・天王寺キャンパスで,JAET「教育の情報化」実践セミナー2007(大阪会場)が催された。その内容は,以下のとおりである。

13:00-13:10 オリエンテーション:木原俊行(大阪教育大学/JAET常任理事)
13:10-13:40 基調講演「学校と企業が共に取り組む『教育の情報化』」
 講演者:山西潤一(富山大学/JAET会長)
P1080057P1080072
13:40-14:00
展示見学


14:00-16:30 事例報告「実践に学ぶ『教育の情報化』」
 司会:堀田龍也(メディア教育開発センター/JAET常任理事)
 コメンテーター:野中陽一(和歌山大学/JAET理事)
 *4社の製品とその活用事例のレポート
16:30-16:45 セミナーのまとめ等:木原俊行(大阪教育大学/JAET常任理事)
16:45-17:00 展示見学後に流れ解散

 いずれのメニューも,内容が豊かであったと思う。会場担当して,ほっとした。それにしても,会場の運営には,たくさんの方のお力添えをいただいた。山西先生(JAET会長)や堀田先生(JAET常任理事),野中先生(JAET理事)には,プログラムで講演や司会等でご活躍いただいた。さらに,準備等にご協力くださった豊田先生のチーム,遠く富山からやってきて手厚くサポートしてくれた高橋先生にも,衷心より御礼申し上げる。
 もちろん,最もうれしかったのは,学校現場の先生が各地からかけつけてくれたことだ。ありがたい話である。その気持ちに報いるセミナーになったであろうか――。自信がないが,自分としては,セミナーを無事終えられて,ともかく一安心だ(この準備のために遅れていた,自分の仕事に戻らないと――)。

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2007.07.20

「考える力を育てるICT活用」(関西教育メディア研究協議会第8回夏期特別研修会)

 この夏,全国各地で,様々な教員研修会が催される。その1つに,関西教育メディア研究協議会第8回夏期特別研修会がある。この研修会のテーマは,「考える力を育てるICT活用」である。いわゆる思考・判断力を育むためには,授業デザインの工夫が必要とされる。この能力は,子どもが自律的に獲得していくものであるが,そのための環境設定や道具の提供等に教師は腐心しなければならない。それに,どうICTが資するか――。この研究会に出席すれば,その答えが見えてくるであろう。
 ちなみに,なにわ放研のリーダーの松浦さん(守口市立橋波小学校教諭)も,例の植物の成長の学習にデジタルコンテンツ等を位置づけた実践をレポートしてくれる。

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2007.07.19

「教師の仕事とは」(月刊誌『教員養成セミナー』)

 時事通信出版局が刊行している月刊誌『教員養成セミナー』の2007年9月号では,「教員採用試験『はじめの一歩』」という特集が組まれている。これに,「教師の仕事とは」という拙稿が掲載されている。
 「授業研究と教師の成長」を自分の専門に据えている私としては,実に重い内容であった。紙幅も限られているし,読者は教員採用を目指す学生が中心だから,分かりやすくまとめなければならない。
 なんとか,以下のような原稿にまとめた(最終的に掲載されている文章は,校正時に若干の加除訂正が施されている)。果たして,教職の特徴や魅力を浮き彫りにできたであろうか。読者の意見を待ちたいと思う。「Kihara070721.pdf」をダウンロード

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2007.07.18

講義の最後をどのように迎えるか

 本日,前期に担当した講義のうち,2つのものが最終回を迎えた(次週はテスト,正確にはそれが最終回だろう)。いずれも,第1回から第13回までの内容を総括したり,再確認したりする場面を設けた。
 例えば,受講生に,各回の内容を,「魅力ある教育実践だと思う」「自分も教師になったら取り組む」という観点から,4件法で評定してもらった。また,ある授業記録を見せて,それが講義の内容のどれと関係深いかを考察させたり,講義で解説した教育実践家がそれを見たらどのようにコメントするかを予想させたりした。
 いずれにしても,講義の最後は,受講生が学んできた内容を振り返り,それを再度自分のものにする仕掛けが必要となる。その成果は,もちろん,次週のテストで明らかになろう。

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2007.07.17

もうすぐ第6回「虎の穴」OB会

 8月4,5日,大阪で,放送教育指導者養成講座(虎の穴)のOB会が催される。これで6回目のOB会だ。今年のメニューは,2期生の松浦さんによって,1日目は(番組利用に関する)ワークショップ,2日目は実践報告というメニューが用意されている(予定)。
 今年は,例年に比べると,やや参加者が少ないようだ。学校行事の関係もあるようだ。残念だと思うが,参加者数が少なくても,この勉強会を続けることに意味があると思っている。放送教育について集中して検討した1年(「虎の穴」の現役生だった年の取り組み)を無駄にしたくない,それを自らの教師人生の糧にしたい,そしてなにより,自分は学び続ける存在でいたいと願う教師がOBにいる限り,夏に各地から集い,互いに学び合い,磨き合う機会は貴重だから。私も,自分なりに協力したいと考えるし,また自らも学びたいと思うから。

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2007.07.16

今年も和歌山に行く機会が多い

 本日は,ある教員研修会の資料を作成していた。それは,8月上旬に催される,和歌山県教育委員会の10年経験者研修・教科指導研修だ。紀北の部と紀南の部の2回を担当することになる。これに,先立ち,7月下旬には,やはり同委員会主催の総合的な学習の時間のコーディネータ研修の講師役も果たす。6月には,「総合的な学習の時間」のカリキュラム開発に取り組む小中学校を訪問したし,8月下旬には和歌山大学で集中講義を担当する。11月9日には,広川町立広小学校を会場とする,同町の小中学校の研究発表会(総合的な学習の時間のカリキュラム開発に関する実践的な研究)に参加する。
 今年も,和歌山に行く機会が多い――。

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2007.07.15

協議会の柔軟な展開

 昨日レポートしたように,13日に,全国放送教育研究会連盟(全放連)の研究活動,「学力向上プロジェクト」の一環として,千代田区立九段小学校の竹下先生が算数の研究授業が実施された。
P1080021 学力向上プロジェクトでは,授業研究会,とりわけ研究授業後の協議会のスタイルも,工夫を重ねている。この時は,司会・進行役を果たした草柳先生(川崎市立夢見ヶ崎小学校)が作成した,授業評価表を活用してみた。放送教育や学力向上の実践の要件たる,10項目が準備されており,各項目を4段階で評定する。いくつかの項目の評定に関して,見学者の意見が分かれた。それは,議論すべきポイントを明確にしてくれたことに他ならない。授業評価表を作成した彼の努力は,協議会の充実に役だった。
 ただし,少し残念だったのは,授業評価表にもとづく議論にかける時間が少なかったことである。議論が盛り上がりかけたのに,次の作業(自らのデジタル教材等の活用プランの作成)に移ってしまった。もったいない――。私は,それをカットしてもよいから,授業評価表にもとづいた議論を掘り下げた方がよいと思ったし,そう講評した。実りある協議会は,授業と同様,シナリオにこだわらない,柔軟な展開から生まれると思うからである。
 10月26・27日に開催される,第58回放送教育研究会全国大会の分科会「考える力を育てるⅠ」にて,再度,草柳先生が,司会・進行役を務める。今回の協議会を踏まえて,さらに工夫した協議会を設定してくれる。そのコーディネーションも,研究授業と同様,提案性のあるものとなろう。

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2007.07.14

提案性のある授業

 昨日,全国放送教育研究会連盟(全放連)の研究活動,「学力向上プロジェクト」の一環として,千代田区立九段小学校の竹下先生が算数の研究授業を実施した。
P1070951 この授業は,「算数ワンダーランド」の名づけられた単元の一環である。学校放送番組「感じるさんすう1,2,3」の6回分を子どもたちは視聴し,そこで紹介された算数的な活動に従事する。そして,自分たちが楽しんだ活動を選択し,単元の最終場面でそれを保護者等に紹介するという,プロジェクト的なデザインが採用されている。それらを通じて,子どもたちが算数に関するセンス(ある種の関心・意欲・態度)を磨いていくことが期待されている。写真は,子どもたちが「算数ワンダーランド」の開催に向けて,算数的な活動の手順等を確認(練習)している様子である。
 番組をある時期に集中的に視聴していること,低学年の子どもたちが番組で紹介された活動を選択していること,情意面に目標を焦点化してプロジェクト的な学習を展開していること等の面で,実にチャレンジングな授業であった。
 なお,この実践は,10月26・27日に開催される,第58回放送教育研究会全国大会の分科会「考える力を育てるⅠ」にてレポートされる。

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2007.07.13

『教育テレビ&ICT活用で授業力をアップ』

 本日,NHK・日本放送教育協会が作成した『教育テレビ&ICT活用で授業力をアップ』というパンフレットができあがった。私も,1部,手にした。これは,NHKの学校放送番組・デジタル教材を利用して,いわゆる授業力をアップさせる考え方,実践事例とその解説,そしてチェックリスト等から成るものだ。
P1080020 監修をしたから褒めるわけではないが,なかなか充実した内容になったと思う。今日の放送教育と学力向上や教師の授業力の関係が分かりやすく,また具体的に紹介されている。装丁も写真のように,かわいらしい(なんとなく,わくわくする)。放送教育関係者だけでなく,授業力の向上を図る教師一般にも,さらには教員志望学生にも役立つ内容である。ぜひ,手にしてもらいたい。
 そうそう。この中には,私の新しいイラストも登場する。似ているか,似ていないか――。パンフレットを入手して,ご意見を寄せていただければ幸いである。

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2007.07.12

大学院の講義で,受講生に自らの授業力量形成プランを作成してもらう

 大阪教育大学に勤務するようになって,4ヶ月目を迎え,そろそろ前期の終わりが近づいている。大学院・実践学校教育専攻の『教師発達学』では,教師の授業力量について理論・モデルや事例を講じてきた。
P1070905 各回でも,理論や事例を鏡にして,自らの授業力量を考えてもらってきたが,最終場面では,授業力量に関する理論等をさらに吸収してもらうために,受講生(全員,現職教員)に,自らの授業力量形成プランを作成してもらい,また報告してもらう。
 その様式や評価規準等を示しておこう。読者ならば,どのようなプランを描くだろうか――。「kihara-report.pdf」をダウンロード


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2007.07.11

大学における授業評価

P1070915 今週、我が大学は,授業評価ウィークを迎えている。各講義を10分前に終了し,十数項目から成る授業評価票を評定や自由記述で埋めてもらう。
 項目は,各講義共通のものと独自のものが設定される。また,同じ項目で講義担当者も評定等を試み,受講生と講義担当者の評価のズレを確認できるようにもなっている。果たして,どのような結果が戻ってくるか――。
ユニークなのは,授業評価の実施に学生がイニシアチブを発揮することである。教員には評価票を返却しにくいからだろうか(無記名であるが),配布から回収,そして事務方への提出まで(担当の?)学生がやってくれる。

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2007.07.10

ていねいな評価が子どもを育てる

 先日,東京都目黒区立田道小学校・田端教諭の授業を参観した。彼女の指導の特長の1つは,子どもの学びに対するていねいな評価である。
P1070883 例えば,見学した授業は,ブックトークの構想を練り,その妥当性を確認する場面であるが,写真のように,一人ひとりにブックトークをさせて,自らの構想に関する振り返りを促していた。クラスの児童は23人だが,このような評価は学級担任だけでは実現しないと彼女は考え,同校の加配教師に依頼して,この時間だけ,評価者の役割を果たすために授業に加わってもらっていた。それでも,人手が足りず,なんと私も協力させられた(田端教諭の機転?陰謀?)。たった1人の児童であるが,あとでお礼を言いに来てくれた。
 授業中だけではない。例えば,子どもがもっているファイルにはさまれたワークシートには,赤ペンでいろいろとアドバイスが記されていた。5月に見学したときに比べて,子どもが様々な面で成長していたが,それにこの「ていねいな評価」がなんらかの形で貢献していることは間違いないと思う。

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2007.07.09

これは,何でしょうか

P1070845 本日,目黒区立田道小学校・田端教諭の授業を参観した。彼女のきめ細かな指導は別の記事で紹介するが,教室で,写真のようなものを目にした。読者は,これが何であるか,お分かりだろうか。おそらく関西の教員の方は,あまり目にしたことがないと思う。座布団でもクッションでもない。

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2007.07.08

今日は,カリキュラム学会でお勉強

 本日も,日本カリキュラム学会に参加した。昨日は新参者なのに発言しすぎたという反省(?)に基づき,本日は,基本的には各報告を拝聴することにした。
 世界の授業研究の動向とそれに基づく日本の授業研究の課題,校内研修におけるワークショップとカンファレンスの異同等について,勉強することとなった。特に,前者については,私も,来る9月29・30日に京都大学で催される,日本教育方法学会第43回大会の課題研究「世界における日本の授業研究の意義と課題-校内研修としての授業研究を中心として-」における提案を仰せつかっているので,興味深く報告を聞き,そして,自分の研究との接点や差異点を確認した。

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2007.07.07

カリキュラム学会で討論

P1070826 本日,埼玉大学を会場にして催された,日本カリキュラム学会に参加した。「カリキュラム・リーダーシップ概念の検討」というタイトルで,矢野先生(大阪市立大学)が私を含むメンバーで推進している共同研究の中間成果を発表したからである(写真はその様子)。
 質問や意見に,共同研究者として応じた。特に,カリキュラム・リーダーシップとカリキュラム・マネージメントの異同,関係性に関する討論において,2,3コメントした。また,同じセッションの他の研究発表に対して,質問を呈したりした。
 この学会には昨年も参加したが,他の方の発表や討論を聴いているだけであった。今年は,複数回発言したので,参画の度合いを高めたと言えよう。そもそも学会員になったし――。来年度は,もしかして,自ら発表かも――。

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2007.07.06

実りある研究発表会

 本日,広島県府中市立上下南小学校で研究発表会が催された。実りある会であった。
 まず,同校の教師たちは,「論理的に考え,表現する児童の育成」に国語,算数,理科という3教科で取り組んでいるが,そのための指導体系が練られている。具体的には,各教科の学習の基礎を成す「言語技術」の指導,「おはなし朝会」などにおける言語技術の活用がまず用意されている。続いて,国語科における「書く」活動の重視,算数科や理科における「資料の読み取り」のトレーニングと教科固有の考えの伝え合いなどが試みられている。さらに,それらにおける「個に応じた指導」の実現も念頭に置かれている上,「論理的に考え,表現する力」の育成に関する小中連携の試み,例えば一貫カリキュラムの作成,中学校教師との協力教授なども実施されている。このように,研究テーマに即して多彩な実践メニューが準備されているのは,見事である。
P1070819 それだけでなく,研究発表会のプログラムにも,工夫が凝らされている。授業者の1分間スピーチ,分科会の進行の工夫(例えば,司会役を共同研究校の教員や中学校の教師にまかせる,適切なタイミングで指導主事にコメントをもらうなど),全体会における分科会報告など,とにかく,指導と評価について「しっかり考え,伝えあう」ための活動が満載であった。だから,13:20スタートの(時間的には短い)会なのに,真剣に考え続ける場面が続き,とても疲れた。それは,おそらく,私だけではあるまい。でも,それだけに得るものが多い会になったに違いない。

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2007.07.05

理科におけるICT活用の好例

 本日午前中,和歌山大学教育学部附属小学校を訪問し,2年生の算数,4年生の保健,そして3年生の理科の授業を見学した。
P1070683 理科の授業で,実に効果的なICTの活用を見学できた。植物の根を実物提示装置とプラズマディスプレイで拡大投影し,その特徴に子どもたちに注目させるものだ。写真のように,子どもたちが観察によって気づいた点を,映像を用いて上手に発表していた。また,それが集団思考を盛り上げていた。理科におけるICT活用の好例と言えよう。
 同校では,教師たちが,学校研究主題を踏まえながら,ICT活用への挑戦を続けている。その成果を他校の教師と共有するための研究会を,2月1日(金)に開催するそうだ。参加すると,ICT活用や情報教育について,多面的に考える,よき機会となろう。

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2007.07.04

「もう辞めたら――」と言われた教師たち

 昨日,大学院の講義「教師発達学」で,教師のライフストーリーについて説明したり,事例を紹介したりした後,受講生(いずれも現職教員)に自らの実践史を整理させ,分析させた。
 それぞれの転機や実践の連続・発展性を確認してもらった後,最後に,応用編として,「ライフコースリサーチ」的な分析にも着手してもらった。つまり,同世代の教師たちの実践史に共通する点を見いだしてもらうという課題を与えた。
 不思議なことに,教職経験10年ほどの教師たち3人が皆,2年目くらいの時期に,管理職等から「お前なんか,もう辞めたら――」などという手厳しい言葉を浴びせかけられたと回顧していた。そして,「なにくそ――」と思って教師としての力量形成に努めたとのことであった。その3人の勤務地や校種は違っているにもかかわらず,こうした類の体験を共通に確認でき,しかも,他の「コホート」はそうした体験を語らなかったのであるから,これには,なんらかの時代・社会的要因が影響を及ぼしているはずだ――。

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2007.07.03

生活科や総合的な学習をきちんと実践する学校

 本日,大阪市立長池小学校を訪問した。同校は,本年度,文部科学省が推進している「義務教育の質の保証に資する学校評価システム構築事業」に参画し,学校評価の実践的研究に取り組んでいる。私も,いわゆる「外部評価委員」を拝命しており,その第1回会議に参加するために,出かけた。
 学校長以下,教職員が子どもの成長に向けて,工夫と努力を重ねている。学校評価の指標に照らしても,問題点が皆無と言ってよいだろう。施設・設備が老朽化している点は改善を要するだろうが,それとて,むしろ設置者の課題と把握すべきであろう。
P1070572 だから,久しぶりに,生活科や総合的な学習をきちんと実践している様子も見学できた。例えば,生活科の探検カードに厚みがあった。どこかの学校だと1枚か2枚しかないものが,10枚近く(子どもによってはそれ以上)蓄積されていた。その違いは,振り返りの質の違いを生むに違いあるまい。ちなみに,各カードには,教師のコメントがちゃんと残されていた。
P1070597 総合的な学習では,地域の福祉関係施設を見学した結果を発表する場面に遭遇したが,指導者は,複数の施設の様子に共通する点を導出するように,投げかけていた。

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2007.07.02

「授業で勝負!」の支援事業でがんばる中学校

P1070502 本日,倉敷市立郷内中学校を訪問し,国語と理科の授業を見学した。また,それらを題材とする協議会に参加した。この学校は,岡山県が実施している「授業で勝負!」支援事業の指定を受けており,教師たちは,「分かる授業」の実現を目指して,授業力の向上に努めている。本日の授業でも,「きめ細かな指導」の実現や「読解力の育成」の工夫に,教師たちが挑戦していた。
 年間12回の研修が計画され,全員が研究授業を実施する。そのほとんどに,倉敷市教育委員会,岡山県教育センター,他の中学校の教員,複数の大学研究者などの外部人材が招聘されている。加えて,倉敷市内他の中学校にも,同校の研修への参加を呼びかけている(実際,本日も,10名くらい,他の学校からの参加者がいた)。
 研修のこのような厚みやオープンマインドネスは,必ずや同校の教師たちの授業力を向上させるに違いない。9月19日(水)に,再訪の予定。

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プリンターのインクカートリッジがほしい人はいませんか

 プリンターの消耗品を買ってためておかないと,いざ使おうと思った時に,インク切れ,トナー切れで困ることがある。心配性の私は,だから,プリンターの消耗品を買いだめする,(悪い?)くせがある。
 ところが,消耗品の備蓄が無くなる前に,プリンター自体が壊れることがある(少なからず)。先日(といってもかなり前になるが),Canonのプリンターでまた,そうした喪失体験を味わうこととなった。手元に残った,たくさんのインクカートリッジ――。どなたか,使ってくださる方はいないだろうか。使ってもらえずに悲しい思いをしているカートリッジ群は,次のとおりである。
BCI-3eBK(3個),BCI-6BK(6個),BCI-6M(4個),BCI-6C(4個),BCI-6Y(6個)
 学校で子どもたちが使っているプリンターであれば,この古いタイプのプリンター用インクカートリッジももしかしたら使ってもらえるかもしれないと思って――。「着払いの宅配便で」送ってもらうことをご希望の方は,その旨,お知らせいただきたい。

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2007.07.01

「世界における日本の授業研究の意義と課題-校内研修としての授業研究を中心として」

 日本教育方法学会第43回大会が,9月29・30日に,京都大学を会場にして催される。その課題研究Ⅰには,「世界における日本の授業研究の意義と課題-校内研修としての授業研究を中心として」というテーマが設定されている。
 私も,提案者の1人となった。その題目を,「校内研修による反省的授業実践文化の創造-授業研究の継続・発展を促す『装置』への注目-」と定めた。学校における授業研究を活性化させるための仕組み,例えば研究紀要の作成や研究発表会の開催について論ずるつもりである。
 第1日目の午前中だから,あまり人が集まらないかもしれないが,このテーマは,私が,自らの研究者人生において最も大切にしたいと考えている領域の1つだから,精一杯がんばろうと思う。

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