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2007.10.31

中学校の教育課程から選択教科が消えてもよい?

 昨夜から,様々なメディアで,中央教育審議会の教育課程部会が指導要領改定案を示したことが報道されている。授業時間増や小学校における外国語活動(仮称)の創設などについての議論が華やかだが,私は,中学校の教育課程から,実質的に「選択教科」の学習が消えたのに驚かされた。総合的な学習の時間において部分的に取り組んでもよいという但し書きがあるが,中学校の教育課程表から,「選択教科」の名前が消えるというのは,重要な問題であろう。
 必修教科の時間数を確保したいという意向は分かるが,中等教育のカリキュラムに教科の選択が必要なことは,歴史や外国(先進諸国)をひもとくまでもなく,自明とも言える。また,現行の教育課程では,これは,「総合的な学習の時間」と並び,学校を基盤とするカリキュラム開発のよき舞台でもあったように思う。その消失が後顧の憂いとなると考えるのは私だけであろうか――。

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2007.10.30

「映せば,分かる」

 ある高等学校で,いくつかの授業を参観した。いずれにおいても,生徒は,おとなしく,勉強していた。けれども,教師の説明は,分かりにくい。チョーク&トークの連続で,説明が教材(教科書,問題集等)のどこに関するものなのかが,明確でないからだ。説明がモノローグになりかけていた。
 堀田さん(メディア教育開発センター)たちが前にキャッチコピーで使っていた,「映せば,分かる」という原理を今日も実感した。そういえば,私だって,大学,大学院の講義において,昔の紙資料等をわざわざイメージスキャナで読み込み,それをパワーポイントに貼り付けて,プロジェクターで拡大して映している――。

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2007.10.29

学校放送番組活用の可能性と課題

 川崎市の夢見ヶ崎小学校を訪問し,第5学年の理科の授業を見学した。同校の草柳教諭が「テレビ番組とICTの連動による探求型学習の効果に関する調査・研究」による授業を公開してくれた(文部科学省の平成19年度「先導的教育情報化推進プログラム」の一環)。
 指導にあたった草柳教諭は,子どもたちに,川の流れ,その特徴を確認するための実験に着手させたが,その形成的評価,実験計画の再構築場面で,学校放送番組『ふしぎワールド』の第11回「流れる川のはたらき」を視聴させた。子どもたちは,川の流れの速さや役割を調べる方法についてアイデアを吸収していた。
 それにしても,子どもたちの番組視聴にはっきりとした傾向があった。実写部分は集中して視聴し,様々な感想をもらしていた。ところが,アニメーションの部分,例えばキャラクターがクイズを出す部分などは,明らかに逸脱していた。学校放送番組の可能性と課題を再確認できる授業であった。

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このブログの記事へのコメント

 読者の皆さんへ。いつもこのブログをお読みいただき,ありがとうございます。記事へのコメントですが,現在,私が承認した後,ブログにアップされることになっています。残念ながら,コメントの一部に記事内容とは関係ないものが届くようになったからです。したがって,「コメントしたのに,それが画面に出てこない」ので,何度も投稿なさる方がいらっしゃいますが,ご心配には及びません。しばらくしたら,私が手続きしますので。少しタイムラグが生じるわけですが,お許しください。よろしくお願いいたします。

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2007.10.28

「学校研究」推進リーダー養成セミナーのご案内(最終報)

P1090436 11月4日(日)13:30~16:55に,新大阪駅東口から徒歩数分の会議室で,「学校研究」推進リーダー養成セミナーを開催する。最終報を載せておこう。このセミナーは,基調講演,実践報告(口頭2件,ポスター8件),それらを題材とする討論で構成される。実践報告の内容は,下記の最終報にあるように,伝え合う力や考える力の育成,ICT活用,小中一貫教育など多岐にわたっている。この半日のセミナーで,極めて多様なアイデアを吸収できるであろう。さらに,私が,学校研究推進リーダー養成プロジェクトによって開発したQ&A集も参加者にはお渡しする。
 あと少し,席が残っている。参加を希望なさる方は,急ぎ,私にご連絡いただきたい。「lt_seminar_0711043.pdf」をダウンロード


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2007.10.27

第58回放送教育研究会全国大会を終えて

 本日は,第58回放送教育研究会全国大会の2日目であった。午前中は開会行事(オリエンテーションや全放連基調提案等)とポスターセッション,午後は課題別・番組別研究交流会と閉会行事(優秀ポスターの表彰や大会のまとめ)というメニューであった。
P1100231 ポスターセッションが好評であった。多様な実践に接近することができるし,意見交換も繰り広げやすい。参加者の投票で優秀ポスターを決める仕組みも,放送教育実践の特長を再確認する上で機能したと思う。「なにわ放研」のメンバーのポスター発表は,2件が審査員特別賞(全部で3件)を獲得した。
 課題別・番組別研究交流会も,悪天候のためか参加者が少ないところもあったが,いわゆる参加型が定着し,参加者が放送教育実践の特徴と課題を深く考察する機会を提供できていたと思う。
 「統括指導講師」を拝命し,昨日のシンポジウムから,本日の「大会のまとめ」まで相当のエネルギーを費やした。大会のまとめの最後のパートで,参加者や運営サイドの労をねぎらいつつ,思わず「私も,くたくたになりました。」と言ってしまった。そして,「それだけ,一生懸命,放送教育のあり方について考えからです。」と言葉を重ねた。偽らざる気持ちであるし,それでよいのだと思う。

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2007.10.26

第58回放送教育研究会全国大会が始まった!

 本日,第58回放送教育研究会全国大会が始まった。今年は,第11回視聴覚教育総合全国大会と合同で催されている。
P1100203 第1日目,地デジの教育活用に関するシンポジウムが催され,私も,放送教育の研究組織の代表者として登壇した。富山や船橋の実践事例等を題材にして,地デジで授業がどう変わるのかについて議論が繰り広げられた。私は,この新しいメディアの活用は,子どもたちの学習参加を高めるものとなる(魅力ある授業),教師が子どもをていねいに評価できるようになる(確かな授業),リアルな学びが繰り広げられる(豊かな授業)という方向性に即したものであるべきだと主張した。そして,そのためには,放送教育の伝統たる,番組の丸ごと視聴を遵守すべきであるという意見を述べた。
 もっと時間があったら,地デジの活用は実体験の質の向上を喚起する,その定着には様々な要因がからむので数年を要する(その効果は一定程度の時間をおかないと確認できない)といった点も言及したかった。

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2007.10.25

11月10日に幼稚園・小中学校の合同研究発表会

 11月10日に,大阪教育大学附属平野学園の幼稚園と小中学校が合同研究発表会を催す。連携テーマは,「平野で育つ学び続ける子ども」である。保育や授業が数多く公開されるから,様々な実践アイデアを吸収できる。研究発表や教科領域別分科会はもちろん合同で開催されるので,幼小中連携の秘訣も入手できるだろう。
 私は,最後の「全体討議会」のコーディネータ役を仰せつかった。研究主任をはじめとする学校園の教員,他附属の研究主任,そして参加者等が異校園種連携の現状や課題について密に意見を交換できるように,いろいろと進行を工夫したい。
 土曜日の開催である。校務とのバッティングはそう多くないであろうから,ブログの読者には,ぜひ参加を検討してもらいたい。

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2007.10.24

いよいよ第58回放送教育研究会全国大会

 いよいよ,第58回放送教育研究会全国大会の開催だ。今年は,第11回視聴覚教育総合全国大会と合同で催される。
 プログラムをご覧いただきたい。第1日目は,地デジの教育活用に関するパネル討議等が催される(私も,放送教育組織を代表して,登壇する)。映画監督の山田洋次氏の講演もある。
 第2日目には,様々な実践交流の機会が設けられる。ポスターセッション,ワークショップと続き,それらを総括する「大会のまとめ」では,私とメディア教育開発センターの堀田先生,NHK教育番組部の小泉部長が鼎談を繰り広げる。
 参加者が,放送教育の伝統的意義・可能性,それとICT活用や学力向上等の接点を見いだせる,よき実践研究会になると思う。

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2007.10.23

学力向上に向けた教育委員会のイニシアチブ

 本日午前中,尼崎市教育委員会が事務局を務める,「学力向上推進委員会」に出席した。この委員会は,尼崎市教育委員会が推進する,小中学校の児童・生徒の学力向上施策について提言したり,評価したりする役割を負っている。
 平成19年度の取り組みの進捗状況を説明してもらったが,学力調査の結果を踏まえて,体系的に,しかし優先順位をつけながら,教育委員会が取り組みを充実させていることがよく分かった。例えば,学力調査の通過率から,最もターゲットにすべきは中学生の教科学力であることを把握し,中学校の授業研究会の企画・運営や授業改善の手引きの作成などのアクションである。こうした,「学力向上に向けた教育委員会のイニシアチブ」はやがて必ず,成果を生み出すだろう。

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2007.10.22

教師-子ども間の「学びの共鳴現象」

 兵庫県佐用郡佐用町立三日月小学校の校内研修会に参加した。同校は,平成20年度の兵庫県の社会科教育研究発表会の会場校だ。社会科の2つの研究授業(3年生,6年生)が営まれ,それを題材とした協議会が催された。
P1100178_2P1100085_3 協議会は,いわゆる「参加型」だ。授業を見て気づいたことを2種類のカードに書き出し,それを分類して,授業の特徴を明らかにしていく取り組みが,2グループ(3年生グループ,6年生グループ)で展開された。そして,その成果がグループ間で交流された。書き出したり,分類したりする活動が実にテンポよく進む。同校の教師たちの「研修力」は確実に向上している。そして,おもしろいことに,その姿は,子どもたちが授業中に見せる討論等の様子によく似ている。教師-子ども間の「学びの共鳴現象」だ。

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2007.10.21

「研究に貴賤なし」

P1100058 第14回日本教育メディア学会年次大会に参加し,秋田で3日目を迎えた。この街は,情趣がある。写真は,「川反(かわばた)」と呼ばれる地区のステキな街並みだ。
 宿泊しているホテルで,たまたま,大阪大学人間科学部で助手を務めていた頃の学部生(つまり後輩,研究者を目指した彼女は,今は,ある大学の講師になっている)に出会った。研究の方法論,その前提となる研究者としての人生観について意見交換した。彼女が,心理学的なアプローチを採った研究の知見をこの学会で発表したら,それについて異論が示されたことを嘆いていからだ。私は,持論である「研究に貴賤なし,それぞれのアプローチを極めることが大切」とアドバイス(?)した。他にも,「それぞれの研究者に,長所があれば,短所もある」「ちゃんと本を読んで勉強していたら,自分の(学術的な)至らなさを痛感せざるをえなくなる」「努力できることが研究者の唯一の資質」等々,彼女に語りながら,本当は自分に言い聞かせていた。

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2007.10.20

教育メディア学会の年次大会で授業の公開(秋田大学教育文化学部附属小学校)

 本日,第14回日本教育メディア学会年次大会の一環として,秋田大学教育文化学部附属小学校で4年生の国語と6年生の社会科の授業が公開され,それらを題材とする協議会が催された。
 いずれのクラスも探究の方法論を子どもたちが十分に獲得しており,それを生かして,課題となった内容について思考を繰り広げていた。例えば,6年生の社会科では,条約改正に至るステップで,様々な立場の人がそれを実現するための努力を払っていたことについて,教師が電子情報ボードを用いて子どもたちの思考や判断を促していた。
 協議会では,授業に対する評価が分かれたが,私は,上述したような点で,社会的な思考・判断としても,ICT活用としても,よく練られた授業であったと思う。

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2007.10.19

教育メディア学会で秋田市にやってきた--

P1100036 本日,明日から開催される,第14回日本教育メディア学会年次大会に参加のため,秋田市にやってきた。秋田市は,なかなか趣のある,よい街だ。写真の「赤れんが郷土館」などは,その象徴と言えよう。
 それにしても,日本カリキュラム学会,日本教育工学会,日本教育方法学会,そして,この日本教育メディア学会と7月から,学会の年次大会への参加が続き,そこでの発表・意見交換・司会・理事会等で,多少,疲れ気味である。そういえば,来週の金曜日は,第58回放送教育研究会全国大会が渋谷で催され,これにも,フル参加しないといけない――。

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2007.10.18

『授業研究と教師の成長』が置いてあった!

 本日,委員会等が催されるので,本学の柏原キャンパスに赴いた。私は,いつもは天王寺キャンパスにいるので,めったに柏原キャンパスにはやって来ない。不幸にして,ミーティング間に時間があいてしまった。行くところもなく,図書館で教育学関係の図書を眺めることにした。ふと棚を見ると,拙著『授業研究と教師の成長』(日本文教出版,2004年)が置いてあった。博士論文をほぼそのまま単行本にしたものだから,学校現場の先生にはよく「難しいですね」と言われる,この本。誰も読んでないだろうと思ったら,数名が借りた記録が残っていた。ちょっぴり,嬉しくなった。

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『「学校における実践研究」推進に関わるQ&A集』をダウンロードできる!

 平成17・18年度,松下教育研究財団の助成により,学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)を企画・運営した。その成果公開の一環として,先日,『「学校における実践研究」推進に関するQ&A集』が刊行の運びとなった。
P1090436 このQ&A集には,「学校における実践研究」の企画・運営に必要とされる知識やスキルが,5つのパートで整理されている。それらは,1)研究計画の作成,2)研究テーマの設定,3)授業研究の企画・運営,4)研究紀要の作成,5)研究発表会の開催である。それぞれのパートには,20項目前後の「問い」とそれに対する「解答」が用意されている。「問い」は,研究主任等が所属校の実践研究を推進する際に踏まえるべきポイントに応じているし,解答は,極めて具体的に示されている。それゆえ,このQ&A集は,研究主任等にとっては,「学校における実践研究」の特徴や要件を理解するためのテキストにも,またそれを推進する際のチェックリストにもなるに違いない。
 先月末に,財団のホームページから,このQ&A集のデータをダウンロードようになった。簡単なアンケートに答えるだけで,46ページにも及ぶデータ(PDFファイル)を入手できる。ぜひ,アクセスし,ダウンロードしてもらいたい。

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2007.10.17

大学院における現職教員向けのプロジェクト学習2

Dsc05865 本日も,大学院実践学校教育専攻で現職教員の大学院生向けに開講している,「教育プロジェクト研究」の講義を実施した。この講義は,受講生たる,現職教員たちが,チームを組んで,期限までにアウトプットを出す。写真は,私が,松下教育研究財団の支援を受けて企画・運営した,学校研究推進リーダー養成プロジェクトのメンバーとともに作成した,『「学校における実践研究」推進に関するQ&A集』の改訂に取り組んでいる様子である。いよいよ来週は,プロジェクトの成果を報告することになる。どのような根拠に基づき,いかなる修正案を呈してくれるだろうか。また,それを通じて,彼らが,学校研究の企画・運営に関わる実践的知識をどの程度獲得するか,そして,プロジェクトマネージメントの方法論をどこまで会得できるだろうか。今から,楽しみである。
 なお,来週の発表会後は,もう1つのプロジェクト,ある学校の実践研究改革プランの策定に着手してもらう。

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2007.10.16

小学校の英語活動に関する特別講義(ご案内)

 大阪教育大学の第二部の講義で,私は,「教育実践の研究Ⅱ」を担当している。この講義は,「わが国の教育方法の今日的な状況について,総合的・具体的に理解する」ことを目標とし,そのために,戦後60年間の教育方法の潮流を概説するとともに,現在学校現場で推進されている授業改善事例を紹介する。
 そのうちの1コマ(12月11日火曜日の17:45~19:15)で,小学校の英語活動に関する特別講義を開講する。この講義では,まず,私が小学校の英語活動の実践動向を整理する。次いで,そのための教材たる,NHKの「えいごリアン」シリーズの考え方や作品をNHK教育番組部のディレクターが紹介する。そして,「えいごリアン」を活用した実践事例を岸和田市の小学校教員が報告してくれる。研究者,制作者,実践者が協力して,小学校の英語活動に関する実践的な知見を受講者に提示する。実に貴重な機会であると思う。
 せっかくの機会なので,この講義に,学校現場の教員にも参加してもらいたいと考える。場所は,大阪教育大学天王寺キャンパスの中央館2階の215教室だ(交通の便もよい)。興味やニーズのある方は,このブログの「コメント」にて,参加の意思表明をしていただきたい(この「コメント」は,ブログ上にはアップしません)。

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2007.10.15

エビデンスを大切にした授業づくり(池田市立呉服小学校の研究授業にて)

P1100009 大阪府池田市立呉服小学校を訪問し,第4学年と第6学年の算数科の授業を見学し,事後協議会にも参加した。いずれの授業も,月曜日にもかかわらず,子どもたちが課題にしっかりと取り組んでいた。教師たちも,教室中を動き回り,きめ細かな指導を徹底していた。
 ところで,第4学年の指導案では,子どもの学力実態や算数の学習への態度を数値データで明らかにしつつ,指導観等が述べられていた。広島県の学校の教師たちが作成する指導案などではすっかり定着した感があるが,全国的に,「エビデンスを大切にした授業づくり」を推進する傾向が強まってきたように思う。

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2007.10.14

番組とデジタル教材を活用した「探求型」学習

 千代田区の番町小学校を訪問し,同校の先生方と,「テレビ番組とICTの連動による探求型学習の効果に関する調査・研究」による単元開発について意見を交換した。これは,文部科学省の平成19年度「先導的教育情報化推進プログラム」に採択された,プロジェクトであり,理科・社会科・総合における探求型学習の推進に,9つの学校・教師が取り組む。私は,番町小学校を含む,理科グループを担当している。
 同校は,12月3日(月)に研究発表会を開催するが,それを見据えて,第4学年担当の先生方が「水の変化」等の単元における,番組やデジタル教材の活用を構想している。私は,学習活動の振り返りと番組視聴による課題づくり,デジタル教材を用いた複線型の探求学習のあり方等について助言した。

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2007.10.13

「笑顔で授業するようになった」-小中連携の効果を物語るエピソード-

 昨日もレポートした,広島県府中市立上下北小学校が催した,第2回上下中学校区合同授業研究会では,国語と英語活動の授業で,小学校の学級担任と中学校の教師がティーム・ティーチングを展開していた。
P1090839 前者の授業は,学校のニュースを,上下中学校の生徒や同校にともに進学する上下南小学校の児童に伝えるものである。その内容や構成について,中学校教員がアドバイスを児童に送る(写真)。また後者は,上下中学校の教師だけでなく,上下南小学校の児童と学級担任もバスでやってきて,学校をまたいだ合同学習となった。中学校の英語教諭は,日頃,両小学校の英語活動の一部に参加しているので,彼が,いわば,2つの小学校を結ぶキューピッド役を果たす。
 研究授業後の協議会で,英語のティーム・ティーチングに従事した教師が,「小学校で授業をするようになって,小学生や学級担任につられて(?),笑顔で授業をするようになりました」と回顧していた。小中連携の効果を物語るエピソードの1つであろう。

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2007.10.12

夢を見るほど授業について考えたからこそ(広島県府中市立上下北小学校の研究授業)

P1090825 広島県府中市立上下北小学校が,第2回上下中学校区合同授業研究会(同校にとっては研究発表会)を開催した。半日の研究発表会だが,英語劇,全クラスの授業公開,分科会(国語,算数,道徳・英語),そして全体会(分科会報告,講評,振り返り)という多彩なメニューが用意された。英語劇の題材は,キャッツ。この学校が研究発表会で英語劇を上演するようになって5年目を迎えるが,毎年,パワーアップしているように思う。今年は,ダンス等が磨かれていたように思う。
P1090895 公開された授業も,実に多様だった。「ことばの教育」,算数的活動,少人数指導,ICT活用,学級担任と中学校教諭のティーム・ティーチング,隣の小学校との合同学習,評価を生かした授業展開(評価規準の明示,学習プロセスの確認,形成的評価と学び直し)等,指導と評価の工夫に関する,生きたハンドブックを見せてもらった。
 なにより,教師たちの授業づくりにかける意欲。何度も研究授業をやっている夢を見た人がいるかと思えば,指導案を作成する夢を見て起きたらできていなくてがっかりした人がいる。ベテラン教師がそろっているから,多少手を抜いても,研究授業の45分はやりすごせるに違いない。でもそんな風に逃げずに一生懸命考えたからこそ残るものが,必ずある。重ねた努力は,うそをつかない。同校の先生方,お疲れ様でした。

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2007.10.11

小中連携の継続的な取り組み(鳥取大学附属小中学校)

 鳥取大学附属小中学校が,11月22日に,「学びを創り楽しむ授業の創造-小中9年間の連続した学びを問い直す-」というタイトルで,研究発表大会を催す。同日は,2コマで30近くの授業が公開され,それらを題材とする協議会が各教科等で催される(もちろん,小中合同)。さらに,全体会では,鳴門教育大学の村川先生を含む5名の登壇者によるシンポジウム等が企画されている。
 私は,昨年度の研究発表大会に参加したが,極めて質の高い学びが成立していたことに感心させられた。教材,学習過程等の工夫は見事であった。
 実は,この附属小中学校は,もう何年も,共同研究に取り組み,その成果を合同研究発表会で公にしている。その継続的な取り組みは,各教科等における授業づくりの工夫以上に,貴重なものであろう。鳥取県内外の先生に,参加をお勧めする(私自身は,千早赤阪村内5校園の合同研究発表会に参加しなければならないのであるが――)。二次案内をアップロードしておこう。「tottori_univ. Attached Schools.pdf」をダウンロード

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2007.10.10

大学院における現職教員向けのプロジェクト学習

 本日は,私が,大学院実践学校教育専攻で現職教員の大学院生向けに開講している,「教育プロジェクト研究」の第2回目であった。この講義は,受講生たる,現職教員たちに,チームを組んで,期限までに,アウトプットを出してもらう。15回の講義の中で,今回は,2つの課題を出した。1つは,私が,学校研究推進リーダー養成プロジェクトのメンバーとともに作成した,『「学校における実践研究」推進に関するQ&A集』の改訂である。そして,もう1つは,ある小学校の実践研究改善プランの作成である。
Dsc05856 写真は,1つの課題に取り組んでいる様子である。このプロジェクト学習では,年齢も校種も異なる教員が協力して,Q&A集の項目・内容・表現の改善に努めている。そして,その過程で,学校研究の企画・運営に関する実践的知識を吸収したり,再構築したりしている。

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2007.10.09

「わが国の学校研究の歴史や他国のものとの異同」を講ずる

 本日も「教職ファシリテーター論」等の講義を担当する。今日は,現職教員に,「校内研修・研究の歴史や国際比較」を講ずる。この講義は,中盤から後半にかけて,所属校の実践研究の改善プランを策定するといった,極めて実践的な内容を取り扱う。前半は,そのための考え方を鍛えるパートだ。拙著『教師が磨き合う学校研究』(ぎょうせい,2006年)に,理論編として,わが国の学校研究の歴史や他国のものとの異同を論じている部分があるので,それを解説する。
 歴史や体系は,直接には,受講者が所属する学校の校内研修・研究の改革に資するものではなかろう。しかし,それをある程度獲得してもらわねば,実践にも限界が生ずる。例えば,学校が変わったら,その実践研究の改善をどう図るべきかが分からなくなるかもしれないから。

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2007.10.08

「コンピュータを使った教育実践の動向」

 先日,日本教育方法学会が編集し,毎年刊行している図書が届いた。『教育方法36 リテラシーと授業改善』(図書文化,2007年10月)である。拙稿「コンピュータを使った教育実践の動向」も掲載されている。「コンピュータを使った――」という題目は古めかしいが,これは,学会より与えられたものである。
 この論文では,ICT環境の整備,学力向上を目指したICT活用,情報モラル教育に対する熱い眼差し,学校を基盤とするアプローチによる「教育の情報化」への対応について論じている。校正前の原稿をアップロードしておこう。「trend_of_the_practices_in_computer_education.pdf」をダウンロード

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2007.10.07

『教育とは-イギリスの学校から学ぶ』(小林章夫著,NTT出版)

 ここ数日の移動の時間を使って,『『教育とは-イギリスの学校から学ぶ』(小林章夫著,NTT出版)を読破した。著者が在英研究時に体験した,彼の地の教育システム,特にシックス・フォームや大学の模様がビビッドに描かれている。とても,分かりやすい。
 もちろん,教育学研究の見地からすれば,学校長のリーダーシップ,複線化を旨とする学習環境,アシスタント等が組み入れられた指導組織など,我が国の教育現場との差異点をさらに指摘してもらいたくなるが,紙幅の都合上,やむを得ないだろう。
 いずれにしても,英国の教育の伝統,特徴などを概観できる,好著であろう。

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2007.10.06

番組とデジタル教材を活用した「探求型」学習

P1030194 本日は,渋谷のNHKで,「テレビ番組とICTの連動による探求型学習の効果に関する調査・研究」のコアメンバー会議に出席した。これは,文部科学省の平成19年度「先導的教育情報化推進プログラム」に採択された,プロジェクトである。
 番組とデジタル教材を活かした単元やカリキュラムを開発し,その効果を実証する,さらにはその知見を番組やWebで公開するという取り組みだ。既にいくつかの地域で実践が始まり,その記録や評価結果等が蓄積されている。本日は,今後の活動計画を再確認するとともに,情報活用能力の向上を測定・評価するための質問紙調査の項目を検討した。

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2007.10.05

研究発表会が終わっても

 7月に続いて,広島県府中市立上下南小学校を訪れた。同校は,7月6日に,「論理的に考え,表現する力を育む」ための指導と評価等について,授業公開を主柱とする研究発表会を催した。
P1090641 その成果をさらにパワーアップさせるべく,研究発表会が終わっても,同校の教師たちは,授業研究を重ねている。その努力は,日々の授業づくりのちょっとした工夫を増やしている。例えば,第3学年の子どもたちが,植物の発芽と成長に関する観察の結果をイラスト入りのレポートにまとめる様子を見学したが,その際に,指導者は,子どもたちの作品の一部を,他の子どもたちに,モデルとして活用させていた。それによって,「教えて,学ばせる」授業展開が成立していた。本日,研究授業の前に,時間があったので急に各クラスを見学して回ったが,そこでは,教科におけるプロジェクト的な学習の展開,評価規準の提示(子どもとの共通理解)などが継続して実施されていた。
 授業研究,学校研究にかけた時間とエネルギーは,ウソをつかない。その蓄積は,必ずや教師の授業力アップ,子どもの学力向上に結実する。

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2007.10.04

町を挙げての総合的な学習の研究発表会(和歌山県有田郡広川町の小中学校)

 11月9日(金),和歌山県有田郡広川町の小中学校の5校が合同で研究発表会を開催する。教育委員会が調整役を果たす,町を挙げての研究発表会だ。これらの学校は,2年間,「豊かな地域教材を生かす総合的な学習の時間」のカリキュラム開発に取り組んできた。私も,総合的な学習の時間の全体計画の必要性や教科との連携の可能性についてアドバイスやエールを送ってきた。
 その成果が,研究発表会では,公開授業,ポスターセッション,全体会等によって披露される。総合的な学習の時間のあり方を再確認できるので,ぜひ,多くの方に研究発表会に参加してもらいたいと思う。「Hirogawa-cho1.pdf」をダウンロード「Hirogawa-cho2.pdf」をダウンロード

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2007.10.03

居心地のよい高校

 本年度,大阪教育大学がその推進に協力している,大阪府教育委員会の事業「府立高等学校経営革新プロジェクト事業」の推進協議会委員を拝命している。その活動の一環として,このプロジェクトの参加校たる,吹田東高等学校を訪問した。
 学校長や教頭,首席へのヒアリング,資料の閲覧,学校内の施設や授業の見学などを通じて,この学校が経営革新をめざして挑戦を続けていること,それらが生徒の学力向上や進路保障にある程度結実していることを確認できた。私のような外部の人間にもにこやかに微笑みながら,あいさつをしてくれる。
P1090597 ヒアリングで印象に残ったのは,「この学校では3学期になっても3年生が欠席しないで学校で時間を過ごす」というコメントであった。それは,生徒にとってここが「居心地のよい高校」であることを物語るエピソードであろう。

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2007.10.02

「教職ファシリテーター論」等がスタート

 本日は,後期の講義のスタートである(昨日の月曜日は講義を担当しない曜日だったので)。大学院・実践学校教育専攻の「教職ファシリテーター論」等が始まった。これも,前期の「教師発達学」と同様,教職ファシリテーターコースの必修科目となっている。今日は,教職ファシリテーター=○○主任・部長の役割について概説するとともに,講義の主柱を成す,校内研修・研究のコーディネーションについて,また研究主任の役割の基本的性格について,講じた。
 講義の日程は以下のとおりである。ちなみに,テキストは,拙著『教師が磨き合う「学校研究」』(ぎょうせい,ISBN:978-4324078952)である。

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2007.10.01

「学校力」に関する座談会に出席

 1日午前,岡山で,岡山県教育委員会が催した,「学校力」に関する座談会に出席した。これは,その記録が,同委員会が毎月発行している『教育時報』の通算700号記念号(昭和24年から刊行されている!)に掲載されるものだ。
 秋田喜代美先生(東京大学),高橋香代先生(岡山大学,教育学部長),そして岡山県教育委員会教育長や2校の学校長とともに,「学校力」を「教師力」「組織マネジメント力」,そして「家庭・地域等との連携力」の側面に分けて,その現状,充実に向けた課題などについて意見交換した。
 岡山を,生誕の地たる広島,学生時代を過ごし,また今も住んでいる大阪に次ぐ,第三の故郷(岡山大学に平成6年10月から平成12年3月まで奉職していた)と考える私は,岡山の学校や先生の顔を思い浮かべながら,その発展や成長に期待を寄せながら,コメントした。

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