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2007.11.30

ホーリー・トリニティ教会(英国第5日目)

P1110840 学校等の訪問の合間をぬって,ストラトフォード・アポン・エイボンのホーリー・トリニティ教会を訪れた。シェイクスピアのお墓があることで名高い。800年くらい前に建てられたという。教会の中で,椅子に座り,しばし学問について考えた。

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2007.11.29

「創造性」喚起のためのワークショップスペース(英国第4日目)

P1110816 サセックス大学を訪問し,そこで大学生や大学院生の学習や研究を支援するためのWebサイトの開発やワークショップの企画・運営についてヒアリングした。この大学では,問題解決能力を含むスキルトレーニングを体系的に実施しようとしている。そのための組織も設けられている。さらに,彼らの「創造性」を高めるためのワークショップスペースまでも準備されていた(ブライトン大学との共同プロジェクトのようだ)。照明,ICTやカウチのレイアウトなどにまで配慮してあるスペースが学生のアイデアを十二分に引き出すらしい。部屋の利用は予約でいっぱいだという。

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2007.11.28

key skill educationは複雑だ(英国第3日目)

P1110792 ブライトンのシックス・フォーム・カレッジ(BHASVIC)を訪問し,そこで校長や副校長に対して,カリキュラムの全体像とkey skill educationの枠組み,運用体制についてヒアリングした。このkey skill educationはなかなか複雑だ。様々な要素から成る。その枠組みも変動的であるようだ。もともとは,コミュニケーションやICTに代表されるベーシックなスキルを柱とするものだったが,最近では,soft key skillとかfunctional skillあるいはwider key skillという表現が用いられ,より問題解決的な能力に育成の重点が置かれているようだ。学習内容も教科横断的な色彩が濃いと感じた。

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2007.11.27

5分と10分の間(英国第2日目)

 昨夜,ブライトン大学の教授に,英国の教育改革等についてヒアリングを試みた。彼女との待ち合わせ場所までにタクシーで行くことにして,滞在しているホテルのフロントに予約をお願いした。指定した時刻になってもタクシーは来ない。5分過ぎて,私がフロントに相談に行こうとすると,今回一緒に旅をしている矢野先生(大阪市立大学・教授)が「もう少し待ちましょう。10分経ったくらいまで。それならば,フロントも対応してくれるから。」とおっしゃる。多少不安になりながら(待ち合わせ時刻に遅れたくなかったので)それに従って待っていたら,8分くらいしたところで,タクシーが到着。無事に乗車できた。矢野先生は,英国に留学なさった経験があるし,私よりも訪英回数がはるかに多い(私ももう8回目くらいなのだが)。この国では,5分と10分の間には本質的な違いがあるのだ。それをよくご理解なさっている。さすがである。
 まあでも,そのタクシーは,住所を示したのに行き先を間違えてしまい,さらに問題が大きくはなったのだが――。

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カモメの鳴き声を聞きながら(英国第2日目)

P1110780 本日は,ブライトン大学の教授にヒアリングを試みる。その前に,ブライトンの街を歩いた。昨年5月に続き,2度目のブライトン訪問であるが,今度もまたとても穏やかな街だと感じた。カモメの鳴き声を聞きながら海辺を歩いていると,日本での慌ただしい毎日がウソのように思える。かつてこの地で在外研究の日々を過ごされた野中先生(和歌山大学)に,ピアの写真をお届けしよう(このブログをお読みになっているとは限らないが)。

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2007.11.26

ネット接続に難航して(英国第2日目)

 今,英国・ブライトンのホテルである。ネット接続に難航している。ハイスピードインターネット(のはず)を利用しようとするが,手続きが面倒な上,それをクリアしても接続が安定しない。部屋の場所のせいだろうか――。モバイルでやった方がよいくらいだ(でも,これはこれで課金が膨大になる)。
 まあ,外国のことだから,少々スムーズにいかないくらいが普通だと割り切り,あまりこだわらないことにしよう。というわけで,このブログの記事が滞ることがあるかもしれませんが,ご容赦を。

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2007.11.25

key skill educationに関する調査のために英国へ

 今,成田空港である。これから,英国へ向かう。8ヶ月ぶりの英国となる。矢野先生(大阪市立大学)が代表者をお務めになっている科研「ポスト義務教育における人間力育成を図る教育プログラム開発のための基礎的研究」の調査を実施するためだ。ブライトンとバーミンガムの大学やシックスフォームカレッジ等を訪問し,そこで営まれているkey skill educationのコンセプトや実際についてヒアリングを試み,それらに関する資料を収集する。このブログで,彼の地の様子をレポートしよう(インターネット環境が整っていれば――)。

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2007.11.24

学校評価の取り組みを充実させる

 昨日,大阪市立昭和中学校に出かけた。本年度,私は,この学校の学校評議員を拝命しており,この日に催された,第2回評議会に参加したからだ。
同校は,昨年度,文部科学省が推進した「義務教育の質の保証に資する学校評価システム構築事業」に参画し,学校評価の手順を実践的に開発した学校だ。昭和中学校は,本年度はこの事業の研究校にはなっていないけれども,その取り組みを継続・発展させている。その努力に敬意を表したい。特に,昨年度の学校評価によって明らかになった教員研修の充実を目指した取り組みを具体的に企画・運営している点は秀逸である。
 もちろん,問題点がないわけではない。本年度,同校の教師たちは,学校評価を進めて,「教育指導の計画」の見直しに着手していた。ただ,私からすれば,その見直しにやや具体性が欠けていた。年度の中間におこなう学校評価の取り組みは,残る期間にいかなるアクションを起こすかを具体的に検討する営為になるべきだと同校の教師たちに伝え,彼らとその意義や手続きを再確認した。

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2007.11.23

教科書の内容と必ずしも対応していない算数番組の活用(『マテマティカ2』の活用)

P1000008 本日,東京・渋谷のNHKで,全放連・学力向上プロジェクトの研究会が催され,私も参加した。本日は,12月7日(金)に,埼玉市立仲本小学校にて実施される研究授業に向けて,対象となる算数番組『マテマティカ2』を視聴し,それを活用する授業プランについて検討した。
 この番組は,今年度放送が始まった。試行錯誤して考えるおもしろさを子どもたちに実感させることが意図されている。1つのトピック(例えば,42個のみかんを4人で分けたい――)について,番組に登場するキャラクターがその解決にチャレンジするという構成になっている。
 教科書の内容と必ずしも対応していない(そもそも4~6年が対象学年に据えられている)ので,利用しにくいという,現場の声もある。それでもなお,例えば算数嫌いの解消に,既習事項の学び直しにこの番組の利用を位置づけようとするアイデア等を,研究会では交流した。

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2007.11.22

コミュニケーション能力の育成に関する幼稚園・小中学校の連携の進展(千早赤阪村立の幼稚園・小中学校)

 本日,大阪府の南河内郡千早赤阪村立の幼稚園・小中学校が合同で研究発表会を開催した。これらの学校園は,ここ3年間,コミュニケーション能力の育成を標榜し,英語科と情報科のカリキュラム開発,その12年間の系統の構築に腐心してきた。
P1110725 特に小学校英語活動については,様々なバリエーションの授業が提案され,参加者が自らの実践を創造する際に参考になる事例が示せたであろう。そして,中学校の英語の授業でも,小中学校の教員が協力して,生徒に英語によるコミュニケーションを楽しませる方針が立てられ,それを体現する教材や活動が準備されていたことは,見事であった。さらに,写真のようなポスターが学校園をまたいで掲示されていたのは,本村の学校園の連携が進展したことの証であった。

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2007.11.21

ICT活用の効果を高めるために

 和歌山大学の野中先生のエスコートにより,和歌山市内の2つの小学校を訪問し,ICTを活用した社会科の授業を見学した(野中先生,ご送迎,ありがとうございました)。いずれの授業も,プロジェクターで写真やノートを拡大して提示していた。それにより,子どもの学習参加意欲が高まるとともに,集中力の維持・向上が実現していた。
 ただし,こうした効果は,ICT活用の可能性の一部に過ぎない。授業を見学して,また教師たちと協議しながら,ICT活用の効果を高めるためには,「教材論」等がその鍵を握ることを,また実感した。例えば写真のどこに子どもたちの注意を向けるのかを指導者が意識をしていると,彼(彼女)は,ズーム機能を駆使する。何をどのように比較させるかを自覚していると,資料を重ねて提示することも試みる。そして,それらのアクションは,子どもの経験や学力によってその妥当性が変わるのだから,学級の実態に即して,複数のアクションを使い分けるようになる。
 ICT活用は,いわば,教材と子どもの出会いを演出する舞台であり,道具である。当たり前のことであるが,指導者が両者に精通していることが,ICT活用の効果を高めるための要件となろう。そして,機器の派手さに目を奪われて,指導者がそれをおろそかにする危険性に十分注意しなければなるまい。

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2007.11.20

学校評価の手順を学ぶ管理職,それを支える教育委員会

 大阪市では,小中学校10校が,文部科学省が推進する「義務教育の質の保証に資する学校評価システム構築事業」に参画し,学校評価の手順を実践的に開発している。本日,その第2回協力校連絡会が催され,顧問である私も参加した。
 集まってきたのは,10校の校長先生や教頭先生,教務主任である。大阪市小学校長会の「学校研究」に関する研究部会のメンバーも自主的に参加なさっていた。今日のメニューは,各学校の進捗状況の報告,自己評価書等の作成演習,そして外部評価委員会運営の検討だ。2時間の間,管理職の方々はとても熱心に意見を述べ,課題等を吟味していた。
P1110508 そして,教育委員会のスタッフも資料の準備,協議の司会,そして演習の素材を提供するための役割演技の実施と大活躍だった。特に役割演技は,何度もシナリオを書き直して実施なさっていた(私が発案したものだが,準備が大変だったであろう。お疲れ様でした。)。これは,とてもリアルで,外部評価委員会開催が間近に迫っているので協力校のニーズに応えるものであった。

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2007.11.19

異なる教科の授業にも教師が積極的にコメントできる中学校

 彦根市立南中学校を再度訪問し,国語・家庭科・理科の授業を見学し,それを題材とする協議会に参加した。この学校の教師たちは,「主体的・意欲的な学習活動を支える授業の創造-学びの環境を整え,自己の向上をめざす生徒の育成-」という研究主題の下,①理科・数学・美術小部会,②国語・社会・英語小部会,③音楽・保体・技家小部会を設定して,研究を推進している。それぞれの授業には,研究主題を具体化すべく,様々な工夫が導入されていた。
P1110490 6月に訪問した際と同様,教師たちは,研究授業の長短所について,部会単位で密な議論を繰り広げていた。異なる教科の教師間であれだけ積極的に意見を交換できることはすばらしい。
 この学校は,教育課程に関する研究指定を彦根市から受け,その成果を平成20年1月21日に公開することになっている。中学校の教師たちには,この発表会に参加して,中学校における実践研究の方法論をぜひとも吸収してもらいたい。

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2007.11.18

地道にがんばっている研究者が救われる――

 昨日,本日と,数名の若手研究者と話す機会があった。話題の1つが,就職の問題であった。初めて研究職を得ようとする場合,次のステージを考えている場合と,彼らの状況は異なるが,いずれもどうすればよいかとずいぶん悩んでいた。
 私も,似たような経験を幾度となく味わった。なかなか思い通りにならず,無能感にさいなまれたり,世を憂えたりした。逆に,自分の判断や意思決定が関係者を悲しませたり,憤らせたりしたこともあろう。だから,彼らの心情に共感できる。
 彼らがよき舞台を得られることを祈るばかりである。そして,不安におののきながらも地道にがんばっている研究者が救われる世の中であってほしいと願っている。

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2007.11.17

全日本教育工学研究協議会全国大会(千葉県旭市大会)

P1110412 昨日,本日と全日本教育工学研究協議会全国大会が千葉県旭市で催された。本日,研究発表が8分科会構成で実施された。私は,第1分科会の司会・進行を仰せつかった。各発表の持ち時間はたったの10分(その後の質疑応答は5分)。発表者は皆,苦労して,自身の実践の特徴を聞き手に伝えようとしていたが,全体として,この時間設定では,それは,かなり難しいようだった。
 そんな中で,私が司会をしていた,分科会の発表者の一人であった國香先生(富山市立光陽小学校)は,とても落ち着いた口調で,ほぼ時間どおりに発表を終えられた。取り組みの概要も特徴もよく分かった。大したものである。

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2007.11.16

教育実習の研究授業を参観

P1110390 附属天王寺小学校で実施された,本学4年生(二部)の基本実習の研究授業を3コマも参観した。細かな点はいろいろ問題点もあるが,全体として,子どもと真摯に向き合う姿勢には共感できた。だから,私も,一生懸命コメントを参観票に残した。

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2007.11.15

「教育の情報化」に対応するための管理職研修

 日本教育工学協会を会場にして,平成19年度文部科学省委託事業(先導的教育情報化推進プログラム)の1つ,「管理職のための戦略的ICT研修カリキュラムの開発」の研修プログラム開発ワーキンググループの会合が開かれ,メンバーの一員として,参加した。このプロジェクトは,名前のとおり,「教育の情報化」に対応するためのリーダーシップを管理職(あるいはその候補者)等に獲得してもらうための研修プログラムの開発を目指すものである。英国で効果が確認されている,SLICT(Strategic Leadership of ICT)の日本版を開発する営みであるとも言える。
 プログラムの開発にあたり,その対象・内容・方法などを幅広く議論した。なかなか意見がまとまらなかったが,とりあえず,教育委員会の指導主事や学校園長に,学校の情報化の必然性,それらに必要とされるマネージメントスキル獲得の重要性を理解してもらうための教材開発が優先課題であることを共通理解できた。

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2007.11.14

学校長の応援

 昨日も紹介したが,大阪府守口市立橋波小学校・第5学年担任の松浦教諭が,現在,メディア・リテラシー育成の実践を,国語科と総合的な学習の時間をタイアップさせて実施している。
P1110280_2 昨日の授業を同校の学校長が見学なさった。2時間続きの授業をずっと見学し,時には,子どもとともにデジタルコンテンツを操作なさっていた。そして,授業後,「こういう授業だと楽しいわね」とおっしゃっていた。一般に,管理職に,メディア・リテラシーの授業の意義を理解してもらうのは,簡単ではない。また,教育課程への位置づけ,実践化となると,なおさらであろう。松浦教諭は,理解のある学校長の応援を得られて,その点では,恵まれていると思った。
 ただし,コンピュータ教室の環境は整っているとは言い難い。未だに20台しか設置されていないし,そのうち数台は故障中であった。OSも古いし,部屋には冷房設備もない。なかなかうまくいかないものだ――。

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2007.11.13

今度はメディア・リテラシーの育成にチャレンジ

P1110306 本日午前,大阪府守口市立橋波小学校・第5学年担任の松浦教諭が取り組んでいる,メディア・リテラシー育成の実践を見学に行った(と言っても,私が実践化を依頼したのであるが――)。この実践では,子どもたちが,総務省のプロジェクトで開発された教材「映像不思議缶シミュレーター」を活用して,映像の撮影・編集等が構成されたものであることを学ぶ。そして,それを踏まえて,自分たちも,保護者等に伝えるニュース番組を作成する。その際に,映像作品制作のポイントの補充用に,NHK学校放送番組『体験!メディアのABC』も用意され,子どもはそれを選択的に視聴する。
 子どもたちは,「映像不思議缶シミュレーター」を上手に使いこなして,ニュース番組のストーリーの多様性を体感していた。松浦氏は,放送教育の実践に熱心ではあるが,メディア・リテラシーの育成を得意にしているわけではない。けれども,チャレンジ精神旺盛に,この授業を計画・実施してくれた。
 なお,この実践の模様は,12月8日に岩手大学で催される,日本教育メディア学会の2007年度第2回研究会で報告される。それにしても,いつ授業を見学しても,松浦氏は,赤い服(Tシャツ,ウインドブレーカー等)を着ている。これも,彼の意欲の表れなのか――普通はネクタイとスーツなのだが――。

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2007.11.12

校内研修会に研究発表会のスタイルを持ち込んで

 またまた兵庫県佐用郡佐用町立三日月小学校の校内研修会に参加した。同校は,平成20年度の兵庫県の社会科教育研究発表会の会場校だ。社会科の2つの研究授業(4年生,5年生)が営まれ,それを題材とした協議会が催された。
 今回も,協議会は,いわゆる「参加型」で企画・運営された。ただし,前回(10月22日)とは異なり,1)校内の教員だけでなく,町内の社会科担当者等の10名も協議会に参加している,2)2つの研究授業が同時に展開され,参加者はその両方を見学して協議会に臨んでいるという,難しい条件下の営みとなった。
P1110258 果たして対話が成立するか,豊かなコミュニケーションが実現するかが心配であったが,このスタイルは研究発表会で採用するものであるから,挑戦せざるを得ない。幸い,三日月小学校の教師たちがこれに馴染んできたこともあり,写真のように,意見交換が密になったし,教師たちのふり返りも充実していた。

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2007.11.11

学ぶ人,学ばない人

P1110067 昨日催された,大阪教育大学附属平野学校園の幼小中の合同研究発表会では,教師の学びについて考えることとなった。まずは,公開授業の準備等に関する工夫である。平野学校園の教師たちは,教材開発に努め,子どもたちと教材の出会いを上手に演出していた。例えば,写真は,小学校3年生の社会科の授業において,指導者が,地域の商店街の可能性と課題を象徴する写真(教師自身がフィールドに出かけて撮影しているので,実にリアリティがある)を子どもたちに提示している様子である。
 また,参会者の顔ぶれからも,「学ぶ意欲」について考えさせられた。我が大阪教育大学・大学院・実践学校教育専攻の大学院生たちが,たくさん参加していた。彼らは,平日の夜,講義や演習等に時間を費やしている。それでもなお,土曜日に催された研究会に参加して,学ぼうとしているのである。なにわ放研のメンバーも数名参加していた。彼らは,このブログを目にして参加を決めたという。
 一方,この研究会にぜひ来てほしいと私が願う教師たちが参加していないのは,少々残念だった。小中連携に悩む,あの学校の教師たちなら,参加すれば,きっとよいアイデアが湧いてきただろうに――。学力向上に取り組む,あの教師なら,きっと得るものが多かっただろうに――。そう感じた。
 休日に研究発表会に参加することは,面倒なことだ。けれでも,毎週ではないのだから,調整はかなりの程度可能であると思う。「学ぶ」「学ばない」の違いが教師の力量形成に与える影響は,1回1回はそう大きくはないのかもしれない。けれども,それは,回数が重なると,驚くほど大きな差に至るであろう。

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2007.11.10

幼稚園・小中学校の合同研究発表会を終えて

P1110036 11月10日に,大阪教育大学附属平野学校園の幼稚園と小中学校が合同研究発表会を催した。私は,最後の「全体討議会」のコーディネータ役を仰せつかったので,朝の研究提案からずっと会に参加した。連携テーマたる「平野で育つ学び続ける子ども」の下,保育や授業が数多く公開された。例えば,写真のような小中学生の合同授業も展開された。研究発表や教科領域別分科会も,もちろん合同で催された。同学校園の連携教育は,進展している。
 ただし,まだ体系的ではない。全体討議会においても,それが明らかになった。これから,芽生えている連携の取り組みの継続と整理が必要になるし,それは,ある意味で,「カリキュラム・リーダーシップ」の問題であろう。

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2007.11.09

総合的な学習における評価の充実

 和歌山県有田郡広川町の小中学校の5校が合同で研究発表会を開催した。教育委員会が調整役を果たし,町を挙げての研究発表会となった。2年間,「豊かな地域教材を生かす総合的な学習の時間」のカリキュラム開発に取り組んできた。私も,総合的な学習の時間の全体計画の必要性や教科との連携の可能性についてアドバイスやエールを送ってきた。
P1100877 取り組みの成果が,研究発表会でいろいろと示された。例えば,評価の充実だ。評価指標(評価の観点,判断の基準等)の確立,教師のていねいな評価,外部人材による「真正の評価」等だ。写真は,広小学校の第6学年たちが「防災対策」に関する追究の成果を,実演を交えてレポートした後の振り返りの場面である。子どもたちの批評が「発表の仕方」に偏っていたので,指導者は「内容についても――」とコメントし,彼らに,評価活動の再考を促していた。
 私はこれまで,「技術面に偏った,発表に関する自己・相互評価を刷新しましょう」と同校の教師たちに働きかけてきたので,その方針が教師たちに定着していることがとてもうれしかった。

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2007.11.08

学校における実践研究に関するコンサルテーションのトレーニング

 大学院・実践学校教育専攻で担当する科目に,「教育プロジェクト研究」というものがある。これは,受講者がプロジェクトチームを組んで,いくつかの問題解決にあたるものだ。今年度は,2つのプロジェクトを課題として提示した。1つは,「学校における実践研究」推進に関するQ&A集の改訂作業だ。これは,無事終了し,学校研究推進リーダー養成プロジェクトで開発したQ&A集をバージョンアップすることができた。
 もう1つは,ある学校の校内研修・研究の改革プランの策定だ。これが,昨日,始まった。昨日は,対象校の中堅教員を招聘し,学校の状況,実践の歴史,今年度の研究計画を報告してもらい,受講者が対象校の全容を理解する場面であった。この後,この学校の研究テーマ,研修等の年間計画,授業研究(研究授業と事後協議会)についてそれぞれ吟味し,その結果を踏まえて,同校の校内研修・研究を総括的に評価する。また,その改善を図るための「20年度校内研修・研究計画」を策定する。このような過程は,学校における実践研究に関するコンサルテーションのトレーニングとして役立とう。

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2007.11.07

現職教員が夜間大学院で学ぶ意義

 我々,大阪教育大学大学院・実践学校教育専攻のスタッフは,12月9日(日)15時から,ここ(天王寺キャンパス)で,フォーラムを催す。そのテーマは,「教師の力量形成・自己実現に資する大学院での学び-その意義・可能性-」である。特に,現職教員が夜間大学院で学ぶ意義等について意見交換が繰り広げられる。また,その実際がOBや現役院生から語られる。案内をアップロードするので,ぜひ,ご参加いただきたい。「Forum071209.pdf」をダウンロード

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2007.11.06

「挑戦する教師」を応援したい

 先日,本年度の日本賞受賞作品が発表された。これは,世界的に有名な教育番組のコンクールである。本年度で34回を数える。
 本年度のグランプリは,カナダ放送協会が制作した「特別授業 差別を知る~カナダ ある小学校の試み~」であった。この番組は,差別に関して子どもたちに真剣に考えてもらいたいと思った教師が,子どもたちに教室で差別的な行為をシミューレーションさせ,その問題性を痛感させるプロセスを追ったものである。下手をすれば子どもたちの心に傷をつけることになるが,あえてそれにトライしてみた様子をていねいに描いている。それが,受賞につながった。
 表彰式で,制作者が「このような授業を実施することには危険が伴うが,我々は,『リスクを冒す教師』を応援したい」と述べていた。学校,教室,授業は,保守的になりがちな空間・営みである。それを打破するために,教職の営みでは,リスクを冒すことが不可欠であろう。私も,「挑戦する教師」を応援したいと思う。

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2007.11.05

参加型協議会成立の条件

 たつの市立室津小学校で催された,同地域の社会科の研究会に参加した。この研究会は,同地域の中学年社会用に開発されたデジタル副読本を活用した授業の実施,それを題材とする協議会で構成されている。
 授業は,教職7年目を迎える教師が試みた,社会科の初めての研究授業であった。10回以上も指導案を書き直すなど,準備に努力を惜しまなかった授業であり,その熱意は,子どもの学習活動への意欲に再帰していた。彼の努力に,敬意を表したいと思う。
P1100767 授業後におこなわれた協議会では,いわゆる参加型が採用され,授業についての気づきを書き出し,整理し,発表する活動が展開された。また,私の話をはさんで,デジタル副読本活用アイデアの発表も位置づけられた。それらの活動に用意された時間は短いけれども,参加者は,文句一つもこぼさずにてきぱきと,自分の意見を報告したり,アイデアを表現したりしていた。参加型の協議が初めての方もいらっしゃったが,おそらく,相当疲れたであろう。
 それは,協議会の司会をしていた,揖保小学校の清久教諭のていねいな準備に依るだろう。彼は,会のスタートにおいてまず,ゴールやプロセスをパワーポイントで確認していた。作業のためのプリント(指導案の拡大コピー)や付箋紙,マジック,教科書や副読本の準備に漏れがない。活動の様子を写真におさめ,節目でそれを振り返り用に提示している。
 そうしたていねいな説明や周到な準備に加えて,彼の研究会活性化に向けた努力がこの研究会の仲間に認められていることが参加型協議会の成立に大きく影響していると感じた。換言すれば,人間関係が構築されているから,できるアクションだ。作業中,私は,年輩の教師に「時間が短くて,大変な作業ですねえ」と投げかけてみた。すると,その教師は,「清久先生がやろうと言われることですから(がんばってやります)」と返答してくれたのであった。

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2007.11.04

「学校研究」推進リーダー養成セミナーを終えて

P1100665 11月4日(日)午後,新大阪で,「学校研究」推進リーダー養成セミナーを開催した。これは,平成17・18年度に私が松下教育研究財団の支援を受けて企画・運営した「学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)」の成果報告を兼ねた,研究主任向けの実践セミナーである。
P1100691 本日のメニューは,私の基調講演,実践事例報告(口頭2件,ポスター8件),そして振り返り(所属校の実践研究の発展に向けたアクションの構想)であった。日曜日の午後にもかかわらず,遠くは鳥取や石川から,参加者を得た。3時間ほどのセミナーであったが,実に密に対話を繰り広げてもらうことができたと思う。既に基調講演時から,参加者には,私が指名をして発言してもらっている。実践事例報告では,全員の前で,また少人数のグループで,意見を述べてもらった。振り返りタイムも同様である。
 議論の内容も,例えば研究指定を受ける(獲得する)ことのメリットとデメリット,若手が多い場合の研修デザイン,研究の成果を子どもの姿で(特にエビデンスによって)明らかにすることの重要性等,深いところにまで迫れたと思う。
 参加者の皆さん,お疲れ様でした。

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2007.11.03

研究発表会で研究主任等が何役も果たすこと

P1100641 昨日の記事でも紹介したが,広島県三次市立三和小学校の研究発表会に参加した。当日,同校の研究主任は,大活躍だった。自らのクラスで算数の授業を実施し,公開すること以外に,例えば,授業後の協議会ではポスター発表を試みていたし,授業前には学校の研究の全体像をプレゼンテーションするといったことにも従事していた。さらに,児童発表(合唱)のピアノ伴奏まで――。
 仕事の負担は公平にすべきだという意見もあろう。しかし,私は,当人にそれなりにやる気があるのならば,研究発表会で研究主任等が何役も果たすことは,必ずしも悪いことだとは思わない。何役も果たすことで,それぞれの活動を横断的に見る視点,積極的に関連づける視座を得られる,鍛えられるからである。また,学校の活動は研究だけではないので,より広い範囲で公平性を担保していけばよいからである。そしてなにより,ある時期,自分に限定をかけず,「できないかもしれない,無理かも――」と不安におののきながら,仕事=この場合は実践研究の企画・運営をよくばってみることで,教師の力量が飛躍的に向上すると思うからである。
 このブログの読者で研究主任等の役割に就いたことのある方は,そんな経験を味わっていないだろうか――。

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2007.11.02

「思考力・表現力の育成と教育メディアの活用」

 広島県三次市立三和小学校を訪問し,同校の研究発表会に参加した。全学級の授業を見学し,国語・算数の分科会にも出席した。そして,「思考力・表現力の育成と教育メディアの活用-学校放送番組とICTの活用を中心に-」というタイトルの講演を担当した。
 この学校は,学力向上フロンティアスクールとして算数科の指導法の工夫改善に取り組んできたが,平成20年度には,広島県の視聴覚教育の研究発表会を催すことが決まり,国語科も対象教科に据えた。そして,それらの教科における思考力・表現力の育成に教育メディアの活用を位置づけた授業の創出に努力を傾注した。
P1100578 その努力が実り,公開授業では,電子情報ボードや実物提示装置・プロジェクターで教材や子どもの作品を拡大提示したり,思考のポイントを確認したりする取り組みがどの教室でも見られた。また,学校放送番組の活用による,活動のモデルの示唆も実現していた。
 特に,指導案の様式は,他校の取り組みの参考になろう。授業の位置づけのカリキュラムレベルでの検討,評価規準と判断基準の用意,エビデンスの提示等,現在の実践研究に必要なパーツがそろっているからだ。その上に,例えば,指導計画に「期待される思考・表現の姿」欄が設けられていたり,学習過程に「教育メディア活用の意図」が吹き出しで示されていたりと研究テーマに即した項目等が準備されていたからだ。

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2007.11.01

学校研究の継続・発展に向けたアクション

 たつの市立揖保小学校を訪れ,2つの授業を見学するとともに,研究推進のリーダー等にヒアリングを試みた。この学校も,昨年度,松下教育研究財団の実践研究助成校であり,プロジェクター等のICT活用に学校をあげて取り組んだ。
P1100459 1年生の算数と6年生の社会科の授業の様子を見せてもらったが,いずれの授業者も,プロジェクターで映像や実物を提示して,子どもの課題把握を確かにし,また彼らの思考を充実させていた。教員の異動が多かったことや他の教育課題の研究指定を受けたことなどが研究の継続・発展を難しくしてはいるものの,研究助成申請に再度トライすることで研究の振り返りが進むことをリーダーが自覚しているのが,頼もしかった。また,地域で自主的なサークルを構成し,研究知見を普及させようとするアクションにも感心させられた。

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