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2008.07.31

「学校リスクマネージメント」に関する教員研修プログラムの実施

P1030688 本日午後,摂津市市役所講堂で,本学が教員養成GPプログラムとして推進している,「学校リスクマネージメント」に関する研究プロジェクトの一環として,教員研修プログラムを実施した。参加者は,第二中学校区の小中学校の教員90名ほどである。私の講義,演習,事例分析等で構成した。
 事例分析の題材は,1)子ども同士のトラブルに関する保護者からの苦情への対応,2)チャイムが鳴っても教室に子どもが戻っていない場合であり,それらに対するマネージメントを考察してもらった。
 演習や事例分析では,いくつかの種類のグループワークを臨機応変に導入してみた。工夫の甲斐があって,参加者の多くから,学校リスクマネージメントに関する理解が深まり,関心が高まったと評価してもらった。摂津市教育委員会の方々のこれまでの,そして本日のご協力に感謝申し上げたい。

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2008.07.30

学生が講義内容に興味を抱いて研究的アクションを起こしてくれた

 本日で2008年前期の講義が終了した。フィナーレを迎えたのは,『教育総論』と『教育実践の研究Ⅱ』である。前者は,教育の思想や歴史,後者は現代の教育方法について講ずるものだ。
 さて,本日,驚いたことがあった。『教育総論』の履修者のうち3名が,講義で解説した「大村はま」の実践に興味を持ち,鳴門教育大学を訪れ,その図書館に収集されている「大村はま文庫」の資料を見学したと報告してくれたのだ。講義に触発されて研究的アクションを起こしてくれるとは,教員冥利に尽きる。この講義,本学の必修科目であるから,ともすれば学生は受け身になりがちである。それを打破するために,毎回,その内容や構成を工夫してきたが,それが報われたようで,うれしかった。

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2008.07.29

学力向上について共同で考えると--

P1030538 本日午後,本学の附属特別支援学校・附属平野小学校・附属平野中学校・附属高等学校平野校舎が合同で,教員向けの研修会,「ひらの発 教員ステップアップ研修会」を催した。学力向上のアプローチについて,私の講演を前座(?)にして,グループワークを展開した。写真は,その一場面である。学力向上のアプローチについて,個人-組織,短期-長期の2軸からなる座標を設定し,具体的な取り組みを整理していった。学力向上について共同で考えると,様々なアイデアが得られ,またそれらを個々が会得しやすい。それを実感できる研修会であった。私は,最後に,「このような研修会のスタイルを,授業に再現すれば,きっと子どもたちは,学ぶ意欲を高め,しっかり思考し,豊かに表現するでしょう,皆さんの今日の姿のように。」と締めくくった。
 なお,この研修会の特色は,その連続性にある。第1回目(7月29日)は,「確かな学びと豊かな学びを促す,多彩なアプローチ」をテーマにして,ワークショップ型の研修会を企画・運営する。私も講演等を担当させていただき,学力観や学力向上の取り組みを整理したり,それに関する事例を提供したりする。
 第2日目(8月22日)は,第1回目に参加者から出てきた,授業づくりの疑問に附属のスタッフが応える。個別相談会だ。そして,第3回目(11月8日)は,附属平野学園(幼小中高)の研究発表会に参加し,そこで,幼小中高をつなぐことを目指した保育や授業を見学し,それについて協議することになる。

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2008.07.28

放送番組・デジタル教材の活用方法を考える実践セミナー(日本放送教育協会「先生のための教え方教室」)

 本日,広島市立白島小学校を会場にして,「先生のための教え方教室」が催された。これは,日本放送教育協会が,NHKと連携して,NHKの学校放送番組とデジタル教材の活用に関するアイデアを参加者に吸収してもらうための実践セミナーだ。
P1030478 本日は,『おはなしのくに』『わかる国語 読み書きのツボ 3・4年』そして『伝える極意』と3本の番組を取り上げて,そして,模擬授業,指導案作成のワークショップ,番組分析等を通じて,参加者に,放送番組・デジタル教材の活用方法をしっかり考えてもらった。参加者の熱意に支えられ,よいセミナーになったと思う。準備をしてくださった日本放送教育協会のスタッフをはじめとする関係者に感謝したい。

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2008.07.27

番組を活用した授業プランについてしっかり考える(第7回「虎の穴」OB会)

 昨日も紹介したように,本日と,東京・渋谷のNHKで,放送教育指導者養成講座(虎の穴)の第7回OB会が催され,私も参加した。
P1030474 本日は,今年度にスタートした,NHK学校放送・第6学年社会科番組『見える歴史』の「織田信長」の回を視聴し,それを活用する授業プランをグループで作成し,報告してもらった。また,その妥当性や課題について,制作者も含めて,意見交換した。このような番組研究と活用プランの作成は,放送教育の研修会の特徴的な活動だ。今日も,番組の特徴を生かした,そして学力向上に資する,授業プランについて,参加者がしっかり考えていた。
 ところで,このOB会,次回は,8月1・2日(土日)に北海道で催されることに決まった。OBの皆さんには,出席できるように努力してもらいたい。

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2008.07.26

第7回「虎の穴」OB会が始まる

 本日・明日と,東京・渋谷のNHKで,放送教育指導者養成講座(略称:「虎の穴」)の第7回OB会が催される。
P1030444 本日は,7人のOBが,近況報告,とりわけ1学期の実践を報告してくれた。それぞれが「新しい挑戦」に取り組み,その成果と課題をレポートできていたという点から,また学校内外で放送教育実践の啓発や普及に工夫を凝らしているという様子から,彼らの「虎の穴」OBとしての活動が充実していることが分かった。

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2008.07.25

一度に10本も放送教育実践を聞いて(第66回なにわ放送教育研究会)

 本日夜,谷町のNHK大阪で,第66回なにわ放送教育研究会が催され,私も参加した。今日は,1学期実践を交流する機会である。なんと10本の実践が報告され,番組の性格(その変遷),番組の位置づけ方,評価の仕方等を議論した。8分で発表,7分の討議という,あわただしい設定であるが,しっかりした意見交換ができた。なにより,これだけたくさんの実践を並べて,その共通項や独自性を検討して,放送教育の実践動向を確認することができた。

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2008.07.24

学校評価を解説したホームページ(大阪市教育委員会の取り組み)

 本日午前,大阪市生涯学習センターで催された,大阪市教育委員会が企画・運営する研修会に参加した。これは,学校評価に関する研究プロジェクトの参加校の教師たちが,自己評価の項目・指標の策定,それらを用いた自己評価の推進に関する考え方を吸収する機会である。
 研修会のスタートに,大阪市教育委員会総務部企画担当のスタッフが開設した,学校評価のポイントを解説したホームページが紹介された。学校評価の基本的な考え方,その諸要素,そのスケジュール等が実に分かりやすくまとめられている。あれを閲覧すれば,学校評価の意義と手続きがかなりの程度理解できるであろう。
 とりあえず,大阪市教育センターの「にぎわいねっと」で公開されている(ただし,当該ページは大阪市立学校園だけがアクセスできるイントラネットになっている,だから,残念ながら私も,自分ではアクセスできない--)。大阪市立学校園の関係者は,これを利用して,学校評価に関する理解を深め,取り組みのイメージを鮮明にしてもらいたい。

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2008.07.23

もうすぐ第7回「虎の穴」OB会

 7月26,27日,東京・渋谷で,放送教育指導者養成講座(虎の穴)のOB会が催される。これで7回目のOB会だ。今年のメニューは,1期生の田端さんや竹下さん,そして3期生の草柳さんたちによって,1日目は番組活用実践の報告,2日目は模擬授業等のワークショップというメニューが用意されている(予定)。
 昨年もそうであったが,今年も参加者が減った。開催も危ぶまれた。上記メンバーに本当に開催するのかとたずねたところ,参加者数が少なくても,この勉強会を続けたいとのことであった。
 プロジェクトの取り組みを継続・発展させることは,難しい。その熱が冷めるのは,自然なことである。けれども,それでもなお続けたいという教師がいるならば,それに,私もとことんつきあってみようと思う。

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2008.07.22

「思考力・表現力・判断力の育成-その原理と具体的事例」(ぎょうせい『悠プラス』2008年8月号)

 先日,出版社:ぎょうせいから刊行されている教育雑誌『悠プラス』2008年8月号に拙稿が載った。この号では,「学ぶ力を引き出す授業」が特集されている。私は,「思考力・表現力・判断力の育成-その原理と具体的事例」というタイトルで小論を綴っている。
 読者ならば,このタイトルでどのような授業づくりを語るであろうか。私は,紙幅の都合上,1)考える時間の確保,2)手がかりやモデルの提供,3)振り返りのための道具の提供を掲げた。また,それらの典型事例を紹介した。そして,それらの前提には,学力向上のアプローチをじっくりと思考し,仲間の間で表現し合う,教師の姿勢が必要とされることを,まとめに代えて,主張した。

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2008.07.21

研究者にも(にこそ)学習コミュニティが必要

 本日,我が研究室で,「教師の力量形成に関する研究会」(第が回)を開催した。前回に続き,8名の研究者が集い,それぞれが英文雑誌からピックアップしてきた論文を報告した。また,それを題材にして,この領域の研究課題,論文の独自性や提案性等について意見を交換した。さらに,「共通論文」を設定して,それについては全員が読破し,意見交換に備えるという取り組みも採用した(その内容に関する意見交換の時間も,長めに確保した)。
 自らの発表の準備も,共通論文の論点の整理も,そして他者の報告を理解するのも,なかなか骨が折れる。さらに,司会進行役もローテーションで担当しなければならないし,討論中も突然指名されたりするので,朝10時過ぎから夕方5時まで,気を休める時がほとんどない。ある方のお言葉を借りれば,まるで「トライアスロン」のような勉強会である。
 しかしそれでもなお,研究者にも,いや研究者にこそ,このような学習コミュニティは必要である。学術的知識の獲得,その思考の精錬は,他者との対話によって実現し,また促進されるから。

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2008.07.20

カリキュラムに関する,マクロとミクロの歴史を共鳴させて

 昨日午後,我が研究室で,カリキュラム研究会をが開催された(隔月開催)。James George Henderson & Rosemary Gornik (2006) Transformative Curriculum Leadershipの第9章の内容について,担当者が報告し,全員で議論した。この章では,カリキュラム開発を民主的に推進するためには,それに関するネットワークを拡充する必要があること,そのネットワークでは,カリキュラムの学術的・個人史的知見が共通の基盤や指針となることが述べられていた。
 著者等は,カリキュラム研究の系譜を整理し,それが2人のカリキュラム研究者のライフストーリーに確認できることを論じて,この本を締めくくっている。カリキュラムに関する,マクロとミクロの歴史を共鳴させて論を締めくくるというのは,見事なレトリックである。

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2008.07.19

NHK学校放送に関するインタビュー

 このブログでも何度も紹介してきたが,「2011年以降の学校放送番組とデジタルコンテンツのあり方に関する調査研究プロジェクト」の企画・運営にたずさわっている。これは,2011年,そしてそれ以降のNHKの教育サービスのあり方について,具体的に提言するための調査研究である。NHKが日本放送教育協会に,その企画・運営を委嘱している。
 このプロジェクトの一環として,本日,ある教育委員会の指導主事に,放送教育実践に関するヒアリングを試みた。この実践者の20年以上に及ぶ放送教育への取り組みには,放送教育の多様性を二重,三重に確認できた。また,NHK学校放送番組の最大の特色が,その教材性,とりわけ,教科書の内容からの発展可能性にあるという意見を重ねて聞けた。

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2008.07.18

教員採用試験の季節に思う

 7月中下旬,都道府県・政令市等の教員採用試験が実施される。最近,一部の心ない人が起こした問題によって,教員採用の仕組み,ひいては教員志望者にも冷ややかな目が向けられている。悲しいことだ。
 教員志望学生の多くは,いやほとんどは,教職にあこがれ,学生時代,その準備に余念がない。本学の学生ももちろん例外ではない。学部の講義・演習では,教育の理論,その実践的知識を吸収しようと努力を重ねている。教育実習やインターンシップでは,子どもに積極的に働きかけ,教師たちのコメントに熱心に耳を傾けている。卒業論文では,教育実践が抱える問題について,トピックを定め,長期的,多面的に検討している。彼らは,よき教師になろうと一生懸命なのだ。
 今日も,卒論指導を担当している学生が,採用試験の面接について相談があると,研究室にやってきた。教師になりたくて,だから教育実践の事実,その可能性や課題を必死で考えている,その姿を多くの方に知ってもらいたいと思った。

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2008.07.16

放送番組・デジタル教材の活用に関する実践セミナー(日本放送教育協会「先生のための教え方教室」)

 日本放送教育協会は,毎年,NHKと連携して,「先生のための教え方教室」を催している。これは,NHKの学校放送番組とデジタル教材の活用に関する実践セミナーだ。全国10ヶ所で実施される。そのうちの1つに,私も協力する。7月28日(月),広島市の白島小学校を会場とするものだ。この日は,国語番組や関連するデジタル教材の活用法をワークショップ型で参加者に体験・会得してもらう。『おはなしのくに』『わかる国語 読み書きのツボ 3・4年』そして『伝える極意』と3本もの番組を取り上げるのが,特長だ。活動も,模擬授業,指導案作成と多様性に富んでいる。「ことばの力と番組等の活用の接点」を確認したい方は,ぜひご参加いただきたい。

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2008.07.15

教員ステップアップ研修のご案内

 本学の附属特別支援学校・附属平野小学校・附属平野中学校・附属高等学校平野校舎が合同で,7月29日(火)午後,教員向けの研修会を催す。題して,「ひらの発 教員ステップアップ研修会」だ。
 この研修会の特徴は,その連続性にある。第1回目(7月29日)は,「確かな学びと豊かな学びを促す,多彩なアプローチ」をテーマにして,ワークショップ型の研修会を企画・運営する。私も講演等を担当させていただき,学力観や学力向上の取り組みを整理したり,それに関する事例を提供したりする。
 第2日目(8月22日)は,第1回目に参加者から出てきた,授業づくりの疑問に附属のスタッフが応える。個別相談会だ。そして,第3回目(11月8日)は,附属平野学園(幼小中高)の研究発表会に参加し,そこで,幼小中高をつなぐことを目指した保育や授業を見学し,それについて協議することになる。
 これだけのメニューをそろえた研修会は,どこにもあるわけではなかろう。読者にも,ぜひ,参加をご検討いただきたい。

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2008.07.14

研究発表会のプログラムの工夫(広島県三次市市立三和小学校)

 このブログでも何度か紹介してきた,広島県三次市立三和小学校が11月28日に,研究発表会を催す。同校は,国語科と算数科を対象として,思考力・表現力の育成を実践的に追究している。三和小学校は,その取り組みをできるだけ多く,参加者に公開したい,参加者とともにそれを議論したいと考えている。しかし同時に,この日,同校は,広島県小学校視聴覚教育研究大会の会場校としての役割を果たさねばならない。松下教育研究財団の実践研究助成(特別研究指定校)を受けているので,その成果を公開する必要もある。
 様々な思いや期待,リクエストに応えるために,三和小学校は,研究発表会のプログラムに工夫を凝らした。それは,例えば,公開授業後の協議を短い時間でもこなせる「ポスターセッション」であり,参加者が議論に加わる「パネルディスカッション」である。詳しくは,第一次案内をご覧いただきたい。

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2008.07.13

「NHK学校放送に関するアンケート」への回答,ありがとうございました。

 先日,「2011年以降の学校放送番組とデジタルコンテンツのあり方に関する調査研究プロジェクト」の一環たる,「NHK学校放送についてのアンケート」への回答が終了した。540名を超える方から回答を頂戴することができた。現在,集計および分析中である(本日も,渋谷でその作業に従事していた)。8月末には,中間報告書をNHKに対して提出する。このブログを読んで,お忙しいのに回答してくださった現職教員の皆さんに,厚く御礼申し上げる。また,そのご厚意に応えるために,これからの放送教育のあり方を明確に示すことを誓いたいと思う。

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2008.07.12

教師と子どもの学びの共鳴

P1030361 昨日レポートしたように,富山県氷見市立明和小学校の6年生たちの「人や動物のからだ」に関する探究活動はとても充実していた。それを指導する,表教諭の机の上には,写真のように,4社の教科書が置いてあった(もともとは積んであったが,私が,扇のように広げた)。子どもたちの学習課題は,多岐に及んでいる。それらは,基本的な問題なのか,それとも応用・発展的なトピックなのか--。表教諭は,いわゆる教科書比較を通じて,それを確かめようとしたのであろう。だからこそ,彼は,子どもたちが示した疑問を「学級共通の課題」「個人課題」に分けることができたのである。
 大阪からとても遠い場所であったが,教師と子どもの学びの共鳴を感じることができて,すがすがしい気分になった。なお,表教諭の机周りの本棚には,教科書や指導書,副読本以外に,教育工学会の発表論文集,○○式描画法といった実践書などもたくさん並べられていた。彼の学びのレパートリーも感心させられた。

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2008.07.11

科学的な思考と表現の充実

 富山県氷見市立明和小学校で6年生の理科の授業を見学した。同校の表教諭は,私が委員を務める,文部科学省の平成20年度「先導的教育情報化推進プログラム」の1つたる「テレビ番組とICTの連動による探求型学習の効果に関する調査・研究」プロジェクトのメンバーであり,その取り組みの一環として,単元「人や動物の体」において,子どもたちに,そうした内容に関する探究的な活動に従事させ,追究成果をICTを活用してプレゼンテーションさせた。
P1030332 子どもたちは,「人や動物の体」に関する素朴な疑問を抱き,それを,実験やNHKの学校放送番組・デジタル教材等を通じて明らかにしていった。プレゼンテーションでは,これまでの燃焼と呼吸を連結して考察するなど,科学的な思考の充実が確認された。また,グラフや表を用いた分かりやすい説明が浸透していた。
 そもそも,彼らの探究への意欲に圧倒された。11時間配当の授業なのだが,この単元の学習だけで,子どもたちのノート1冊分が費やされているのだから。

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2008.07.10

依頼の3方向コミュニケーション

 教育行政からの講演等の依頼,学校からの助言の要請,マスコミ等からの取材のリクエストを受けた時,私は,できるだけそれに応えたいと思い,自分の専門性で対応できるもので日程が合うものについては,可能な限り引き受けることにしている。しかし残念ながら,かなりの依頼等をお断りせざるを得ない。依頼のメールが届き,内容や日程を検討し,応じられない場合は,返信メールにてそれをお伝えすることになる。
 読者が依頼者であったら,それを読んでどうなさるであろうか。「ダメなのか,仕方ないな。じゃあ,別の人に--」とそれっきりにするか--。それとも,「残念ですが,またの機会にお願いします。」等のメールを送るか--。前者の方が少なくない。いや,過半数がそうである。引き受けてもらえないのだから,確かに,もう私に用はないのであろう。しかし,この間から,何度もこれが繰り返され,なんとなく,寂しくなった。「引き受けてもらえないのだったら,あなたとの絆は不要です」「代わりの人もいますから」と「無言のメッセージ」を届けられているようで--。
 講演や助言等の担当者を確保するという意味からすれば,実際に,そうなのだろう。しかし,本当にそれでよいのであろうか。私にもよく分からないが,依頼への回答だって,それなりに検討する時間も必要であるし,返信を書くのにもある程度のエネルギーを要する。そう思えれば,再返信があって然るべきとも考える。
 授業における教師と子どものコミュニケーションは,「3方向」であるべきだと言われている。元教育工学会の会長であった,坂元昂先生のご提言である。教師が子どもを指導(例えば説明)し,それに対する反応を子どもが示したら,子どもに対して評価情報(KR)を教師は提供すべきだというものだ。依頼をめぐるやりとりも,できれば,3方向コミュニケーションであってほしいと願う。

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2008.07.09

授業見学者を迎えて

 昨日,担当している「教師発達学」の講義を本学の大学院入学を考えている現職教員等に公開した。私が所属している,大阪教育大学大学院・実践学校教育専攻では,7月7日から12日まで,大学院の講義を公開し,入学相談会を催す。その一環である。
 見学者にも授業の内容が分かるように,この回の講義全体における位置づけ,90分の構成などを解説し,これまでの講義内容を簡単に説明した。これは,受講生にとっても,ちょうど学びを振り返るタイミングであったので,意義があることだった。そして,その後,この回のメインのトピック,すなわち教師の授業力量の形成を「ライフストーリー」として把握する考え方やその事例を紹介し,そして受講者自らのライフストーリーを分析・考察するための視点を確認した。
 一連の流れを持つ講義のある地点で急に見学者を迎えるのは,なかなか難しい。けれども,それは,我々が現職教員に講義等を通じて何を提供できるかを,我々がもっとも具体的に示し,そして彼らに極めてリアルに感じてもらえる機会である。昨日の見学者11名は,どのような印象を抱いたであろうか--。

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2008.07.08

全放連・人間力向上プロジェクトの授業研究会

 本日,千代田区立九段小学校で,全国放送教育研究会連盟(全放連)の人間力向上プロジェクトの授業研究会が催された。このプロジェクトは,全放連がプロジェクトチームを組んで取り組む,研究活動だ。その一環として,年に数回,放送番組を活用して人間力の育成を図る授業をデザインし,実施し,そして評価する。つまり,授業研究会を企画・運営する。
P1030260 今日の授業では,プロジェクト委員長の竹下教諭が,1年生に,NHK学校放送『おはなしのくに』の「かたあしダチョウのエルフ」の回を視聴させ,「片足になったエルフの姿を想像し,エルフの優しさや悲しみ,勇気について読み味わう」授業を実施した。月曜日の5時間目という悪条件化であったが,子どもたちは,番組のストーリーに引き込まれていった。それを,例えば「目を閉じてエルフの姿を想像させる」等,竹下教諭の指導技術が促した。
P1030292 研究授業後の協議会は,プロジェクトのメンバー等の放送教育実践家(幼稚園~中学校までの教員)と九段小学校の教師たちが,グループを組んで授業に関する意見を交換した。また,この番組を活用するプランを構想した。NHKの番組制作者が番組のコンセプト等を紹介してくれて,それらの活動を支えてくれた。様々な立場の人間が多様なアイデアを交流する,そして互いにそれを尊重する,よい機会となった。プロジェクトの授業研究スタイルに合わせて校内研修を企画・運営してくださった,九段小学校の先生方に厚く御礼申し上げる。

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2008.07.06

日本カリキュラム学会で司会を担当して

 昨日の発表に続き,本日は,日本カリキュラム学会第19回大会のある自由研究発表セッションにて,司会を仰せつかった(もうお一人は,帝京大学の市川博先生だった)。このセッションでは,英国のパーソナライズド・ラーニング,ドイツの教師のICT活用指導力,そして,(フランスの)ドクロリー法に関するものであった。共通点は,「外国の教育」というだけ--。総合討論における論点の設定が難しかった。まあ,それでも,最初の発表の内容に関連して,自分が把握していた英国のパーソナライズド・ラーニングの本質について,正鵠を射たアドバイスを送れたと思うので,司会として最低限の役割は果たせただろう。

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2008.07.05

カリキュラム・リーダーシップに関する学会発表(日本カリキュラム学会第19回大会)

 本日,鳴門教育大学を会場にして催された日本カリキュラム学会第19回大会にて,矢野先生(大阪市立大学)及び森先生(愛知江南短期大学)と,カリキュラム・リーダーシップに関する学会発表をおこなった。これまで取り組んできた文献研究,国内外の学校視察を通じて得られた知見を呈した。
 けっこう多くの方から質問や意見を頂戴したので,それなりにインパクトはあったのかと思う。ただ,カリキュラム・マネージメントとカリキュラム・リーダーシップの違い,カリキュラム・リーダーシップのモデルの特徴等を短い時間で伝えるのはとても難しかった。

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2008.07.04

模擬授業を実施できる指導主事

 ある県の総合教育センターに出かけた。少人数指導を担当する教師たちの義務研修で講演を仰せつかったからだ。個に応じた指導,それを通じた学力向上の考え方,そのための教員研修の刷新等について,モデルを提示したり,事例を紹介したりした。
 さて,隣では,人権教育の研修講座が催されていた。こちらでは,知り合いの指導主事が情報モラルについて,自ら,模擬授業を実施して,この問題に関する,参加者の考えを促すという。研究者には,そういうアプローチは採れない(特別なケースは別にして)。彼らの立場と経験等を生かした,よい取り組みであると思う。でも,それなのに,必ずしも普及していないような気もする--。考えてみれば,不思議なことである。

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2008.07.03

講義の褒め言葉

 最近,講義の褒め言葉(と,私は思っている)を受講生からいくつか聞かせてもらって,うれしかった。例えば,教育総論という教育の思想や歴史を講ずるものを受けている学生が,「木原先生の講義は,他の講義の内容につながる」と評してくれた。また,現職教員の大学院生から,「受講後,学校で実践を進めていて,木原先生の講義の内容を思い出し,ああそういうことだったのかと思っています」というコメントをもらった。
 いずれも,講義で教育に関する理論を提供できていること,それが受講生のものになっていることの証ろう。私の授業は,改善点も少なくないが,本学の講義に期待される要件,教育に関する理論と実践のバランス,両者の融合については,とりあえず「おおむね満足できる状況」にあると考える。

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2008.07.02

「思考力・表現力・判断力の育成-その原理と具体的事例-」

 出版社「ぎょうせい」から刊行されている,雑誌『悠プラス』の8月号では,「新教育課程対応の授業をつくる」という特集が組まれる。私も,「思考力・表現力・判断力の育成-その原理と具体的事例-」と題する拙稿を寄せた。紙幅の都合上,思考力・表現力・判断力の育成の最重要ポイントを綴ることしかできなかった。それは,1)考える時間の確保,2)思考の手がかりや表現のためのモデルの提供,3)振り返りのための道具の提供である。詳しくは,今月中旬以降に刊行される同号をご覧いただきたい。

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2008.07.01

その教師の授業づくりの過去・現在・未来

 本日,本学大学院・実践学校教育専攻で担当してい講義の1つ,「教師発達学」でベテラン教師の授業づくりについて講じた。拙著『授業研究と教師の成長』に載せた事例を参照しながら,ベテラン教師が,あえて苦手なものに挑戦していく意義,その進め方の特徴等を解説した。中堅教師の事例について,「この教師が経験を重ねてベテランになったとしたら,どのような授業づくりに挑むべきだろうか」,「それにはいかなるレパートリーを想定できるだろうか」と問いを重ねた。
 教師の授業づくりの過去・現在・未来を考えるのは,とても興味深い。それを踏まえると,他者の授業を見ても,それに関するコメントに厚みが生まれる。

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