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2008.11.30

教師たちのリフレクションが子どもの振り返りに再帰

P1070043 広島県三次市立三和小学校の研究発表会の授業を見学したエピソードをもう1つ提供したい。それは,3年生の国語の授業の終末の様子である。この授業,子どもたちが,自らが作成しているビデオのナレーションを撮影し,それをICTを用いて吟味し,改善するというものであった。授業開始から45分が過ぎ,チャイムが鳴った。彼らは,授業後に体育館で児童発表(群読)に取り組むことになっているから,何人かの子どもがその準備にかかろうとした。その時のことである。数名の子どもが口をそろえていった。「振り返りをせんと,いけんよ(振り返りをしないとダメじゃないの)」と。教師が指示したのではない。それでも,学びの省察を彼らは大切にしている。その姿は,リフレクティブに授業研究にたずさわる,同校の教師たちの姿とオーバーラップするものであった。

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2008.11.29

授業研究は終わらない

P1060979 昨日,広島県三次市立三和小学校の研究発表会が催された。同校は,「論理的に考え表現する力を育てる授業の創造-ICTを活用した算数科・国語科の授業改善を通して-」をいう主題で研究を推進してきた。その成果を全クラスで公開してくれた。写真は,その1つである。
 夕方の慰労会で,信じられないようなコメントを耳にした。同校では,3学期に,部会のメンバーが入れ替わる形で授業研究会を企画・運営する(つまり国語部会に属している教師が算数の授業を実施して協議を催す)。それによって,部会が産み出した知見の交流を促すのである。それがいかに大変なことであるか,読者には容易に想像できよう。
 にもかかわらず,2月に研究授業を実施する予定の教師(教職2年目)が,「これまで国語の研究授業ばかりだったので,ぜひ算数の研究授業を見てもらいたいんです」と言った。上記の「たすき掛け」の授業研究会が重要で
あることは衆目の一致するところであろうが,それを進んでやろうとする教師は,そう多くはなかろう(皆無?)。取り組みが増せば増すほど,自分が取り組んできた授業にこだわりたくなるのが,一般的な傾向であるから。
 このエピソードに象徴されるように,三和小学校の「授業研究は終わらない」。ますます発展している。

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2008.11.28

ICT活用の可能性を実践的に提案する,内容の濃い研究発表会

 28日,広島県三次市立三和小学校が研究発表会を催した。この学校は,「論理的に考え表現する力を育てる授業の創造-ICTを活用した算数科・国語科の授業改善を通して-」をいう主題で研究を推進している。
P1070033 本日は,全学年(クラス)において,ICT,学校放送番組等を用いて,子どもたちがしっかり考え,それを工夫して表現する授業が公開された。写真は,3年生の子どもが,自分たちが作成するビデオ作品のナレーションを吟味する際に,自分たちのナレーションの特徴と課題を把握するために,それを撮影した映像をICTを用いて分析・評価している様子だ。このようなICT活用の可能性がすべてのクラスの授業において実践的に提案された。また,同校におけるICT活用の進展,それを促す授業研究会の進行の工夫,実践研究のRPDCAサイクル等も紹介された。
 参加者が皆語っていたが,内容の濃い,研究発表会であった。

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若きリーダーが授業研究の企画・運営を工夫して

 本日,東大阪のある小学校の校内研修に参加し,そこで,第5学年の道徳の授業を見学した。また,その後の協議会にも参加した。教職3年目の教師が,構成的エンカウンターグループに関する教材を活用して,子どもたちに,自他の価値観を相対化する営みを繰り広げていた。
P1060937 授業後の協議会は,まだ20代の教師が仕切っていた。付箋に気づきを書く,グループでの話し合い,代表による発表等の活動を挿入して,協議会におけるアイデア交流を活性化しようとしていた。また,まわりに教師たちも,若き研究主任の提案に従って,意見を述べたり,それを集約したりしていた。若きリーダーが授業研究の企画・運営を工夫して,まわりがそれを受け入れている姿を見て,すがすがしい気持ちになった。

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2008.11.26

すごいぞ,三和小学校の研究紀要

 広島県三次市立三和小学校が,明日28日,研究大会を催す。そこで配布される研究紀要が昨日,自宅に届いた。その内容と構成に驚かされた。これほどまでに充実した研究紀要に,私は,接したことがない。学校研究の過程と成果が,実践事例や各種データをもとに,上手にまとめられている。総論と各論,理論・モデルと実践例のバランスが見事である。図表や写真も巧みに活用されている。リーフレット版も作成するという,徹底ぶりだ。
 この研究紀要は,研究発表会に参加しない(できない)人にも,ぜひ入手して研究紀要作成のノウハウを吸収してもらいたい,すぐれたモデル,秀作である。

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教育実習生も英語活動に取り組む

P1060835 昨日,本学の附属平野小学校で,教育実習生の研究授業を見学し,批評した。6年生の英語活動,5年生の道徳と理科である。彼らは皆,展開を練り,資料等をていねいに準備していた。よくがんばったとほめてあげたい(ただし,多少,評価に対する考え方が甘いのは,反省すべきではあるが)。
 それにしても,最近は,研究授業の教科等に「英語活動」を選んで実施する学生がいるのだ--。教師をめぐる状況が動いていることの証であろう。

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2008.11.25

全放連・人間力向上プロジェクトの授業研究会に向けて

 12月5日に,目黒区立緑が丘小学校で,全国放送教育研究会連盟(全放連)の人間力育成プロジェクトの授業研究会が催される。このプロジェクトは,全放連がプロジェクトチームを組んで取り組む,研究活動だ。その一環として,年に数回,放送番組を活用して人間力の育成を図る授業をデザインし,実施し,そして評価する。つまり,授業研究会を企画・運営する。
 当該授業では,放送教育のベテラン教師たる,鈴木衆教諭が,4年生に,NHK学校放送『みんな生きている』の「いじめをなくすためには」の回を利用して,授業を展開する。番組が子どもたちの共感をどこまで引き出すか,それから人間力のいかなる部分を浮き彫りにしていくかが,授業研究会の協議における論点となろう。

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2008.11.24

学校評価の取り組みを継続・発展させる

 本日,日曜日にも関わらず,大阪市立昭和中学校に出かけた。本年度も,私は,この学校の学校評議員を拝命しており,この日に催された,第2回評議会に参加したからだ。
 同校は,一昨年度,文部科学省が推進した「義務教育の質の保証に資する学校評価システム構築事業」に参画し,学校評価の手順を実践的に開発した学校だ。当時,各種のデータを蓄積し,それを分析して自己評価書を作成し,さらに,それを外部評価委員会で点検・評価してもらい,その結果を踏まえて次年度の学校経営計画を策定するという手順をていねいに踏んだ学校である。
 感心させられたのだが,昭和中学校は,本年度も,学校評価の取り組みを発展させている。例えば,その項目や指標を,新学習指導要領の実施に向けて,改訂している。保護者や生徒に対するアンケートの内容や収集・分析方法にも,新たな工夫が投入されている。そうしたチャレンジ精神に触発されて,学校評議員の学校に対する学校評議員のコメントやメッセージも豊かになったように思う。大したものである。

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2008.11.23

教育委員会のスタッフもいろいろだ

 先日から,いくつかの教育委員会の指導主事から依頼があった。ある依頼では,協力させていただきますと回答したら,担当の方がわざわざ電話をかけてくださり,お礼を述べてくださった。こちらが恐縮した。あるものは,日程の都合でお引き受けできなかったが,「またよろしくお願いします」と再度メールが送られてきた。
 先日,ある教育委員会の指導主事に接する中で実に嫌な思いを味わい,少々,指導主事不信に陥っていただけに,上述した機会でそれを払拭することができた(完全にではないが)。
 教育委員会のスタッフにも,いろいろな人がいるものだ--。

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2008.11.22

第34回全日本教育工学研究協議会全国大会・三重大会

 21日,22日と,三重県津市等で,第34回全日本教育工学研究協議会全国大会・三重大会が催された。教育工学関係の実践的な知見が交流される,もっとも大きな研究会だ。私も,協議会の常任理事を拝命しているので,参加し,分科会で司会役を果たした。
 担当したのは,分科会9の「わかって楽しい授業づくり②」である。ここでは,9件の取り組みが発表された。授業改善に向けた,教師たちの熱心な取り組み等に感心させられた。

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2008.11.21

またまた大学院のオープンキャンパス

 我が大阪教育大学大学院・実践学校教育専攻では,7月に続き,再度,オープンキャンパスを催す。それは,次のような3つの活動から成る。
(1)授業公開:平成20年12月8日(月)~13日(土) 18:00~21:10 
(2)入学相談会:平成20年12月11日(木)19:00~,13日(土)17:10~
(3)教育フォーラム:平成20年12月13日(土)15:00~17:00
 授業公開では,私は,「教職ファシリィテーター論」と「教育プロジェクト研究」をオープンにする。前者は,校内研修・研究の理論・モデルを講ずるとともに,その事例について検討する講義だ。講義の最後には,平成21年度の校内研修・研究の計画を策定し,発表してもらう。後者は,ある小学校の研究主任を招聘し,その学校の校内研修・研究の改革プランを受講生で構想し,その研究主任に向けて提案するというものだ。興味のある方は,ぜひ,ご参加いただきたい。
 詳細は,ここを。

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2008.11.20

三和小学校の研究発表会-その工夫-

 28日に,広島県三次市立三和小学校で,研究発表会が催される。その研究発表会のプログラムは,とてもよく練られている。二次案内をご覧いただきたい。公開授業の前後に,研究発表やポスターセッションが設けられて,実践的な提案が立体的になるよう,工夫されている。もちろん,最後のパネルディスカッションにおいても,同校jの実践が話題の1つとして,取り上げられる。
 研究発表会のデザインモデルといえよう。「miwaannaiA4.pdf」をダウンロード

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小学校の英語活動用番組をどう活用するか(第70回なにわ放送教育研究会)

 本日,我が大学(の私の研究室の隣の部屋)で,第70回なにわ放送教育研究会が催された。私が講義があってNHK大阪局に行けないので,今回は会場をここにしてもらった。
P1120269 今回は,英語活動用番組の活用に関する検討だ。松浦さんが,『スーパーえいごリアン』を利用した実践を報告してくれた。また,宮田さんは,『えいごでしゃべらないとJr.』の利用の可能性と限界を子どものアンケート結果をひもときながら,語ってくれた。
 英語によるコミュニケーションが苦手な教師にとっては指導の助けにはなるが,例えば,文部科学省が提供する『英語ノート』とどのように重ねるか(使い分けるか)等,小学校の英語活動用番組の活用は悩ましい(難しい?)という声が少なくなかった。

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2008.11.19

授業について真剣に考える

 昨日,食堂で夕食を取っていると,学生二人の会話が聞こえてきた。彼らは,少し前まで教育実習に行っていた。その際の授業について,彼らは,熱心に語っていた。道徳の授業で,教師が説話をする時間,そのタイミング等について,既に終わった授業のことなのに,子どもたちのワークシートを前にして,長い時間,話し込んでいた。授業実践を省察する態度に,感心した。
 食堂から研究室に戻る時,今度は,現在実習中の学生に会った。彼女は,昨日,初めて子どもを前にして授業を実施したそうである。上手に展開できなかったようで,悔し涙を流していた。
 授業について真剣に考える姿は,すがすがしい。

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2008.11.18

デジタル・リテラシーに関する国際セミナー

 12月5日午後,奈良教育大学を会場にして,デジタル・リテラシーに関する国際セミナー「学校・家庭・地域において今後の子どもたちのデジタル・リテラシーを考える」が催される。同大学の小柳氏が企画・運営するものだ。英国やオーストラリアから,この分野の研究者が集い,意見を交換する。参加をお勧めする。「nara_univ. of Education.pdf」をダウンロード

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座談会で学力向上と学校における実践研究について語る

 本日,虎ノ門の日本教育新聞社で,学力向上と学校研究等に関する座談会に出席した。財団法人パナソニック教育財団の「実践研究助成」を題材にして,学力向上と学校における実践研究の意義について,同財団の遠山敦子理事長,日本女子大学の吉崎静夫先生と意見を交換した。
 私は,子どもたちの思考力や表現力の向上が,教師たちの授業研究の充実(対話と探究の豊かさ)と共鳴していることを事例をひもときながら,レポートした。
 コミュニケーション力や自尊感情の重要性,思考力や表現力を育むための授業づくりのアイデアが問われていること,それらを吸収し,拡充するための授業研究の重要性等については,三人ともに強調していたように思う。そうそう,それを促す,教育委員会のサポート力や指導力の必然性,その地域格差も話題になった。それから,学力向上と学校研究を連結させる舞台や装置として,財団の実践研究助成が役立つ,しかも様々なシーンで貢献することももちろん再確認した。
 なお,この座談会のエッセンスは,12月15日の日本教育新聞に掲載される。

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2008.11.17

ここにも,学力向上に向けたチャレンジが

 神戸市立六甲小学校を訪問し,そこで,3年生の算数と5年生の国語の授業を見学した。同校は,神戸市教育委員会の「分かる授業」推進事業拠点校であり,平成18年度から,学力向上を目指して,授業改善等を重ねてきた。
 今日も,その厚みの力強さを感じた。例えば,3年生の算数では,単元を単位として少人数指導(単純分割),習熟度別指導が使い分けられていた。本日の授業では,児童が問題を自作して,相互に解答し,解法の秘訣を「なぜなら--」という言葉を用いてレポートする文脈,それをICTによって支援する場面などがデザインされていた。
P1060794 5年生の授業では,文学作品を選んで,その続き話を作成し,劇化するという活動が準備されていた。それに際して,劇団の方からのアドバイスを受ける場面が設定されていた。写真は,それを経て,子どもたちが劇のシナリオを修正しているところである。
 いずれも,学力向上を目指して,教師たちが開発した手だてである。この学校にも,学力向上に向けたチャレンジがたくさん生起している。それらは,1月27日(火)の研究発表会で,より多くの教師に提案されることになろう。

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2008.11.16

カリキュラム・リーダーは専門的自叙伝から学ぶ

 昨日は,ここ数年続けている,カリキュラム研究会が開催された。ここのところずっと,カリキュラム・リーダーシップに関する文献を輪読している。前回,今回(そして次回)の題材は,Dale L. BrubakerのRevitalizing Curriculum Leadershipである。
 昨日私が報告を担当したのは,「専門的自叙伝から学ぶ」である。カリキュラム・リーダーが自らの日常や実践史を分析し,それを他者と共有する意義,その手続き,その事例について述べてあった。

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2008.11.15

放送教育に関する実践研究のツボをおさえた発表

 14日,相模原で催された,平成20年度神奈川県視聴覚・放送教育研究合同大会(相模原大会)に参加した。午前中,「人間力の育成に資する教育メディアの活用」について講演をおおせつかった。人間力の定義やそれが重視されるに至った経緯,その構造,それを育成するための放送番組やICTの活用について話題や事例を提供した。
 午後,小学校分科会2にも参加し,そこで実践提案を拝聴した。川崎市立久本小学校の佐藤拓教諭がNHK学校放送番組『伝える極意』を活用した実践を報告してくれた。子どもの実態の診断,番組の特徴の把握,学習モデルの提供としての番組活用,その成果の評価(事前-事後)など,現在の放送教育に関する実践研究のツボをおさえた発表であった。

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2008.11.14

授業研究の潮流

 13日,大学院の講義「教職ファシリィテーター論」で,校内研修の企画・運営の工夫について講じた。この日は,学校研究のテーマ設定の工夫であった。その要件の1つは,「時代性」である。学校における実践研究のテーマは,時代や社会が求める教育課題に,ある程度応えるものでなければならないからだ。
 それは,当然,変化する。例えば,私の手元にある資料では,80年代半ばの授業研究のテーマが総括されているが,それらの見出しは,「指導案研究」,「教材精選・分析研究」,「発問・説明・助言・指示研究」,「合科・
総合学習研究」,「一斉授業の改善研究」,「学習の個別化・個性化研究」,「自己学習力研究」,「学習集団研究」,「学習意欲・態度研究」,「メディア教育・コンピュータ理解教育」,「学習評価研究」,そして「同和教育研究」であった。
 もし,同じ営みを進めるとしたら,どのような内容がリストアップされるであろうか。つまり,今日の授業研究のテーマは,どのようなものが重要視されるであろうか。院生は,この問いに対して,言語力の育成,習熟度別指導,ICT活用,特別支援教育,情報モラル教育等が呈してくれた。
 読者は,授業研究の潮流をどのようにお考えだろうか。

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2008.11.12

学力向上に向けた,それぞれの教師のちょっとした工夫

 尼崎市立園田中学校を訪問し,50分間に,5教科の7つの授業,それをもとにした教科別協議会を見学した。この学校は,文部科学省の指定を受け,本年度より3ヶ年,学力向上に向けた取り組みに関する研究を推進する。
P1060642 本日見学した授業のいずれにも,学力向上に向けた,それぞれの教師の工夫を確認できた。それは,派手なものではないが,知識・理解を徹底するためのワークシートの提供,少人数指導によるきめ細かな指導,サーチエンジンの利用による調べ学習の導入等,子どものために授業改善を図ろうとする教師たちの気持ちが感じられた。
 それらがやや習得型の授業づくりに偏っていたとはいえ,また協議会や全体会における報告が少し単発的であったけれども,指導案から,また実際の授業から,子どもたちの学力向上を図るために,自分の教科指導で何ができるかを教師たちがしっかり考えていることが伝わってきた。その姿勢には,敬意を表したいし,この学校の教師たちの取り組みの発展に大きな期待を寄せたい。
 それにしても,こういう学校を後にする時は,よい気持ちになって帰途につける(自宅ではなく,天王寺キャンパスにであるが)。そしてなぜか,講義における語りが豊かになる(ように自分では思う)。

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2008.11.11

そのフロンティア精神がある限り--

P1060508 兵庫県佐用町立三日月小学校が催した,社会科教育に関する研究発表会に参加し,授業を見学した。この学校は,社会科における読解力の育成に取り組んでいる。本日は,全クラスが,その授業を公開した。写真は,第6学年の児童が鉄道の乗客数の変化のグラフ,新聞記事等を比較検討しながら,戦後の復興について考察している様子である。
 授業後に,この学校の取り組みについて意見交換がなされた。完璧な実践なんてどこにもないから,認識論的な甘さ等が指摘されたが,この学校の教師たちは,2年間,読解力の育成という未知の世界にチャレンジし,例えば読解力のレベル設定やそれを育成するための体系的なカリキュラムの開発,資料活用能力育成のためのトレーニングプログラムの開発や学習環境の構築等を実現してきた。そのフロンティア精神がある限り,本日の指摘にも応えられる日が来るに違いない。実践的であれ,学術的であれ,研究とはそういうものであろう。

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2008.11.10

学ぶ子どもは学ぶ教師から生まれる

P1060398 本日,たつの市立新宮小学校で,総合的な学習の時間の授業を見学した。学区にある埋蔵文化センターを照会するためのホームページを構築する活動に子どもたちが従事していた。授業者は,ホームページのデザインを子どもたちに吟味させるために,評価の視点を提示した。また,それらを満たした,すぐれたホームページ例を紹介していた。子どもたちは,それらの活動を通じて,ホームページによる情報発信の留意点を会得していた。
 授業後の協議会等で,授業者の準備をいろいろと知った。彼は,指導案作成にあたって,先輩や後輩にたくさんアドバイスをもらっている。過去に同じ教材を用いて営まれた授業の際の協議会記録を取り寄せ,どのような点が課題となるかについて検討したという(私のコメントも,予想されていたらしい)。
 今日の子どもと教師の様子に,「学ぶ子どもは学ぶ教師から生まれる」という,教職の再帰性を実感した。
 

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教育センターが催す教員研修の実態

 今年度,国立教育政策研究所の研究プロジェクト,「教員の質の向上に関する調査研究」の「研修・指導力研究班」の所外研究員に加えていただいている。同研究所の千々布敏弥総括研究官が企画・運営している,このプロジェクトでは,全国各地の教育センターが催す教員研修の実態や課題を明らかにする。具体的には,全センターに対するアンケート調査等が計画されている。
 今回,10の教育センターの実態等が報告され,その視点について意見を交換した。私は,センターの研修企画力等を問う項目として,「センタースタッフ自身が実践研究を推進する機会,彼ら自身が学ぶ仕組みや道具(例えば,研究紀要の刊行,研究プロジェクトの企画・運営等)」の有無や内容について確認することが大切ではないかと発言した。これまでの経験から,センタースタッフの学びの程度や質と彼らが企画・運営する教員対象のそれとが共鳴していると思うからである。

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2008.11.09

しっかり思考させ,豊かに表現させる授業

 11月8日(土)に,大阪教育大学附属平野学校園が合同研究発表会を催した。私も,一参加者として,たくさんの授業を見学した。その中で,「しっかり思考させ,豊かに表現させる授業」を目にした。中学校の社会科,井寄教諭が実施した授業である。
P1060316 この授業は,「一遍聖絵」を教材として,それから,中世社会の特色を考える,考えたことを1000字のレポートに表現し,またそれを友人のものと比較して,その妥当性や信頼性を高めるものである。教材のユニークさ,それを際だたせる手法(ICT活用で絵の細部に迫る等),思考をガイドするワークシートやモデルの提供等,今日の確かな学力,とりわけ高次な学力の育成を目指す授業の模範とも言える構成であった。
 しかも,井寄先生の得意な分野は,地理である。歴史分野の研究授業は,初めてのことであった。そういうチャレンジ精神もまた,すばらしい。

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2008.11.07

それぞれの教師が授業づくりを工夫して(尼崎市立七松小学校)

 本日,尼崎市立七松小学校を訪問した。3コマで,17の国語の授業を見学した。また,合計110分の協議にも,参加した。長丁場であったが,苦ではなかった。それは,それぞれの教師が工夫のある授業を見せてくれたからだ。学習計画や先輩の作品を示して子どもの目的意識を高める手だて,子どもの思考を促すためのワークシートの構成,多彩な情報源にふれさせて言語体験の多様化を促進する等,確かな学力,とりわけ伝え合う力の育成に役立つ実践的なアイデアが授業に導入されていた。その厚みとレパートリーは,子どもたちの学びの充実を生み出していた。
 七松小学校では,1月23日に自主公開が催される。参加すると,きっとよき刺激と実践情報を得られるであろう。

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2008.11.06

学校における実践研究の活性化を支援する教育センター等

P1060037 全国教育研究所連盟第19期共同研究第2回全国研究集会の分科会で,各地域の教育センター等の取り組みを拝聴した。いずれも,「学校における授業研究」の活性化,その支援に関するものである。授業研究モデルの開発,授業改善シート等の提供,ハンドブックや事例集の作成,実態把握のためのアンケート調査等,教育センターのスタッフが学校における実践研究の推進,その活性化を多面的に支援しようとしていることがよく分かった。頼もしい限りである。私が取り組んでいること,大切にしたいと思っていることともかなりオーバーラップしている。
 これを機会に,各地域の教育センターによる校内研修・研究に対する支援について,注意を払ったり,協力したりしたいと思った。

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2008.11.05

全国教育研究所連盟の研究集会

 仙台にやってきた。明日から,ここで,全国教育研究所連盟第19期共同研究第2回全国研究集会が催されるからだ。私は,明日の午前中,基調講演を仰せつかっている。そのタイトルは,「教師による実践研究の可能性と課題-校内研修を中心に-」である。
 連盟の共同研究のテーマは,「実践的な指導力の向上を図るこれからの教員研修のあり方」である。特に,「実践的な指導力の向上を図る校内研修の在り方」が研究の柱の1つになっているので,分科会では,全国各地の教育センター等の取り組みが交流されるようだ。事前に頂戴した資料を拝見したところ,例えば「校内研修ハンドブック」の開発と現場への提供等,私が取り組んでいることと似た課題に着手しているセンターがいくつかあるようだ。だから,明日は講演後も会場にとどまり,分科会に参加して,そこでいろいろと学ぶつもりである。

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2008.11.04

「学校リスクマネージメント」に関する教員研修プログラムの実施

 本日午後,大阪府教育センターで,本学が教員養成GPプログラムとして推進している,「学校リスクマネージメント」に関する研究プロジェクトの一環として,教員研修プログラムを実施した。今回は,同センターとの連携によるもので,センターが催す府立学校長研修の一部に,事例研究,私の講義等を位置づけてもらった。
 写真は,ビデオを用いた事例研究の様子である。いわゆる「学校裏サイト」問題への対応を扱ったものだ。プロジェクトで実施したアンケート調査では,この問題はまだそれほど発生頻度は高くないけれども,今後深刻になることが予想されるということで,あえて,事例研究のトピックに据えた。

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2008.11.03

学生による「私のオススメ講義」

 本日は,平成21年度に,本学に編入学しようと考える人のための相談会であった。我々教員も説明,相談に従事するが,現役の学生もいろいろと希望者の相談に応じてくれていた。
 さらに,彼らは,自分たちでパンフレットも作成・配布してくれていたが,その中に,「私のオススメ講義」というページが設けられていた。そこには,8名くらいの学生の一押しの講義が紹介されていた。意外なことに,私の「教育総論」を2名の学生が選んでくれていた。この科目は,教職科目(必修)で,その内容は,教育の思想や歴史に関するものである。欧米の教育思想家,我が国の戦後教育の変遷など,理論を講ずる時間が少なくない。だから,相対的には,学生には人気がないだろうと思っていた(他の講義の方が,実践事例をたくさん紹介しているので,また比較的少ない人数できめ細かく指導できるので,むしろ肯定的に評価されていると思っていた)。けれども,今日の実践との連続線をグループで検討するといった活動を肯定的にとらえてくれていた。講義スタイルを自分なりに工夫しているだけに,この「オススメ」はうれしかった。

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2008.11.02

学校の研究発表会を評価するためのツール

 今年度,パナソニック教育研究財団と協力して,学校が催す研究発表会の内容等を評価するためのツールたる,評価シートを開発している。その観点と規準が定まってきた。例えば,観点の1つは,「(1)案内」がある。それは,次の5項目から,成る。
①早い段階から,開催時期等が案内されていた。
②複数の方法で,開催が案内されていた。
③案内では,研究会の特長や魅力がアピールされている。
④最終的な案内では,研究テーマや公開授業の内容が詳しく説明されている。
⑤案内を見て,実践の内容や研究会の日程等について,研究会開催までにたずねるための連絡先等が示されている。
 5観点で25項目を用意し,各項目を4点満点で評価することにした(観点ごとに自由記述による評価もおこなうし,例えば昼食の手配などの「番外編」とも言える評価項目も準備中である)。これらを用いて,今年度,いくつかの学校の研究発表会に,講師ではなく一般会員として参加し,研究発表会の内容等を点検する。もしかしたら,あなたの学校のものにも,こっそり(?)参加するかも--。
 聡明な読者はお分かりであろうが,開発中のシートは,研究発表会を開催する学校の研究主任にとっては,その準備を点検するためのチェックリストとして機能しよう。

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2008.11.01

卒論作成にかける熱意(富山大学の高橋研究室)

 富山大学・人間発達科学部の高橋先生の研究室に赴いた。ひょんなことから,彼が指導する学部生の卒業論文の中間報告を聞き,それについてコメントすることになった。彼女たちが先月日本教育工学会に参加し,そこで熱心に学んでいた様子に感心し,それに関する記事を投稿したが,今回はさらに驚かされた。
 発表用に内容の濃いレジュメを作成している上,私に発表を聞いてもらうために,発表練習までしたという。それも,全員で。また,私とのプチ勉強会終了後には,全員が「木原先生との勉強会で学んだこと」を振り返って,長文のレポートを送ってくれた。彼女たちの卒論作成にかける熱意には,感動さえ,覚えた。
 専門や就学形式が違うので,その形や進め方は異なるだろうが,私のゼミ生も,高橋研究室の学生に負けない熱意を持ち,それを保ってほしいと思う(今のところ,大丈夫だ)。

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