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2008.12.31

学究的態度を保つ

 あと少しで,2008年も終わる。この1年は,あっという間に過ぎた。大学での講義や論文指導,学会活動,学校現場との研究的関わり等で,スケジュール帳は埋まった。だから,がんばってはいたのだと思う。しかし,それでよいというわけではない。あまりにも慌ただしく,それゆえ,研究のデザインやデータ収集が甘い。それを緻密にするための文献購読や議論が足らないからであろう。
 2009年は,それを克服しなければなるまい。「授業研究と教師の成長」に関する学究的態度を保ち,むしろ充実させるための努力を重ねることを誓い,このブログの1年の締めくくりとしたい。

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2008.12.30

またまた卒論・修論の点検で年を越す

 2008年度が終わろうとしているが,自宅に,卒論・修論の草稿が届き,その点検で年を越すことになる。私にとって,これは,年中行事の1つである。ただ,大学を変わると,その年だけは担当が(基本的には)ないので,これをパスすることのなる。昨年末がそうであった(大阪教育大学に赴任した年だったので)。
 1つひとつに論文を読み,構成や文章の修正ポイントを指摘していくのは,なかなか骨の折れることである。けれども,それは,大学教員の使命であり,存在の証でもある。だから,がんばるしかない(自分が執筆すべき原稿の提出締め切りが迫っているのであるが--)。

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2008.12.29

家庭学習指導と授業改善の進展ステップ

 本日,年末にもかかわらず,学力・教育力調査に関するプロジェクトたる,総合学力研究会のミーティングに出席した。ベネッセ教育研究開発センターを事務局とする,この研究会は,子どもたちの学力,教師の指導力,学校の経営力,保護者の教育力をトータルに把握し,子どもの学力向上に教師・保護者のいかなる教育力がどのように影響しているかを明らかにするとともに,両者のよき関係の発展の可能性を,その力点を変えながら,継続的に探ってきた。今回の調査のキーワードは,「家庭学習」である。子どもたちの家庭学習の実態,それを促す教師たちの家庭学習の充実を図る指導とそれを踏まえた授業改善や学校改革の実態,さらには保護者の家庭学習サポートの実態等に迫った。
 調査研究プロジェクトは,調査結果の集計や分析が終わり,現在,報告書原稿の作成段階に入っている。私の担当は,「家庭学習の指導と授業改善をどう結びつけるか」「家庭学習指導と授業改善の進展モデル」「家庭学習を生かした授業改善のさらなる点検-家庭学習指導の評価基準-」等だ。本日の会議では,そのプロットを紹介し,他のメンバーから,執筆内容についてコメントを頂戴した。
 家庭学習の充実は,我が国の子どもたちの学力向上に向けた,重要課題である。報告書では,なかなか興味深い知見が呈されると思うので,その刊行(年度末)をお待ちいただきたい。

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2008.12.28

ICT活用の模擬授業(奈良教育大学大学院の「情報教育特論」にて)

P1070572 本日も,奈良教育大学大学院の「情報教育特論」の集中講義を担当した。先週,受講生に,ICT活用の実践プランを作成してもらった。そして本日,彼らに,そのプランに基づいて,模擬授業を実施してもらった。実物提示装置(書画カメラ)の利用,パワーポイントの活用といったICT活用の基礎的効果をねらうもの,自作ビデオクリップの提示によってICT活用の本質的効果を図るもの等,受講生は,自らのICT活用実践を発展させるべく,一生懸命模擬授業にチャレンジしてくれた。また,その後,平成21年度のICT活用プランを策定し,報告してくれた。
 年の瀬も押し迫った時期の集中講義であったが,受講生が熱心であったので,すがすがしい気持ちで奈良を後にした。

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2008.12.27

教師の力量に関して集中的に学ぶ

P1070555 本日,奈良教育大学で,「教師の力量形成に関する研究会」(第4回)を開催した。9名の研究者が集い,それぞれが英文雑誌からピックアップしてきた論文を報告した。また,それを題材にして,この領域の研究課題,論文の独自性や提案性等について意見を交換した。さらに,「共通論文」を設定して,それについては全員が読破し,意見交換に備えるという取り組みも実施した。
 例えば,教師の学びが子どもの学びに与える影響の効果測定の重視,それが世界的な動向であること等を把握した。また,レジリエンス(回復力)といった,教師の力量に関する新しいトピック等を共通理解した。

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2008.12.26

放送教育実践をたくさん検討する(第71回なにわ放送教育研究会)

P1120323 本日,大阪教育大学の天王寺キャンパス(私の研究室と隣の演習室)で,第71回なにわ放送教育研究会が催された。今回は,年末恒例の「全員発表」の回だ。2学期等の実践をメンバーがそれぞれ発表してくれた。
 それは,10本に及ぶ。大した数である。しかし,それゆえに,運営にも工夫が必要とされた。すなわち,5本ずつでグループを定め,グループごとに実践発表会をまず催す。そして,5本の実践報告の中からベストなものを選出して,もう一方のグループに対して発表する(選ばれなかった実践者は応援演説を担当する)という,進行が採用された。
 今年も,全放連から守屋先生が応援にかけつけてくださった。ありがたいことである。

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2008.12.25

学校長のリーダーシップの主柱の1つは,計画性

 本日,学校評価に早くから取り組んだ,元小学校長にインタビューを実施した。これは,大阪市立学校に学校評価に関する実践事例を集めたDVDを配付するという研究プロジェクトの一環としておこなうものである。
 いろいろ貴重なアイデアを提供してもらったが,その中でも,学校評価の取り組み(そして学校経営や学校改革
)では,学校長のリーダーシップ,とりわけ,その計画性が大切であることを痛感させられた。インタビューに応じてくれた方は,学校評価結果の公開を目指して,学校評価の意義をいつどのようにしてスタッフや関係者に了解してもらうか,各種アンケートをいつ実施しするかという点について,緻密な計画を策定していらっしゃった。
 私は,文部科学省の「義務教育の質の保証に資する学校評価システム構築事業」を大阪市教育委員会が推進していく際に,その協力校に学校評価の年間スケジュールを(仮のものでかまわないから)策定してもらうよう,主張してきた。本日のインタビューで,その妥当性が認められたように思った。

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2008.12.24

「手づくりの研究会」に参加すれば(尼崎市立七松小学校)

 本日,尼崎市立七松小学校を訪問した。同校は,1月23日に,自主研究発表会を催す。その際に公開される授業の指導案検討会に参加したからである。同校の研究テーマは,「自ら考え共に学び続ける子ども~伝え合う力を高める学習指導の工夫~」である。その実現に向けて,それぞれの指導者が,アイデアを練っていた。特に,教材開発,教材の配列の工夫(カリキュラム)が豊かである。
 それにしても,自主発表会は,いい。似たような挨拶が長々と続くこともない。研究紀要を読めば分かることを聞かされる指導講評も不要だ。その代わりに,たくさん授業が公開され,それに基づいた協議がポスターセッションスタイルで展開される。私のプチ講演が予定されているが,それも,形式にとらわれないようにするつもりだ。即興性を重視しよう。当日の公開授業やポスターセッションでの議論を踏まえて,当日,内容を作り上げる。
 この手づくりの研究会に参加すれば,授業のアイデア,研究発表会の意義やデザイン等,いろいろ学べるだろう。詳しくは,二次案内を。「nanatsumatsu_elementary_school_090123.pdf」をダウンロード

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2008.12.23

ポスト義務教育段階における人間力の育成

 本日,(休日にも関わらず),我が研究室で,大阪市立大学の矢野先生を研究代表者とする,科研費の研究プロジェクトのミーティングが催された。そのタイトルは,「ポスト義務教育における人間力育成を図る教育プログラム開発のための基礎的研究」である。私も,分担者の一人となっている(昨年度,このプロジェクトの研究活動の一環として,矢野先生と渡英して,シックスフォームカレッジ等に出かけた)。
 本日は,この2年間の各種訪問調査の結果を共有化しつつ,それらを位置づける「人間力育成モデル」の特徴について意見を交換した。

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2008.12.22

教育活動とボランティアに関する検討プロジェクト

 日本教育大学協会は,「教育に関する学術の研究及び教育者養成を主とする大学・学部(これに準ずるものを含む)」を会員とする組織である。いくつかの研究プロジェクトを展開しているが,その1つが,「教育活動とボランティアに関する検討プロジェクト」である。今年度,研究協力員を務めることになり,本日,そのミーティングに参加した。今日は,いくつかの大学で企画・運営されている,教員志望学生による学校やその他の施設におけるボランティア活動について報告を拝聴した。活動を通じた学生の成長とともに,そのマネージメントの難しさ(不安定さ)等が共通理解された。
 それにしても,これが,今月7回目の上京(すべて日帰り)。今日も,午後からは,天王寺キャンパスに戻り,卒論指導。なかなかハードである。

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2008.12.21

ICT活用の実践プランの作成(奈良教育大学大学院の「情報教育特論」にて)

P1070544 奈良教育大学大学院の「情報教育特論」で,受講生に,ICT活用の実践プランを作成してもらった。最終日(28日)には,彼らに,そのプランに基づいて,模擬授業を実施してもらう。プラン作成に先んじて,昨日は,教育の情報化の枠組みを私が解説し,本日は,受講生に,私が示した事例やテキスト(野中・堀田(編)『教室のICT環境』三省堂)のすぐれた事例に学んでもらった。そして,それらを踏まえながら,自らのICT活用の課題を同定して,それを解決するための実践プランを作成してもらった。

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2008.12.20

またまた集中講義(奈良教育大学大学院の情報教育特論)

 またまた集中講義を担当した(本年度3つ目)。奈良教育大学大学院の「情報教育特論」である。本日は,教育の情報化について,その全体像を示した。ICT環境の整備,情報活用能力の育成,校務の情報化,そしてICT活用について,その基本的な考え方を示し,実践事例を提示した。明日は,ICT活用の事例分析と実践プランの作成である。そして,最終日(28日)は,そのプランの実施(模擬授業と相互評価),21年度のICT活用計画の策定を予定している。
 履修者は,たったの4名。だから,とても密なコミュニケーションが実現する。そもそも,土日の開講は,受講生の希望である。それゆえに,とても熱心である。だから,講義を実施していても,疲れない。ただし,なぜか,講義室が寒い--。エアコンが集中管理のため,温度設定もできない(冷風が出てくる)。私も受講生も,コートを着用しての授業である。

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2008.12.19

教師の力量形成に行政研修等はどう役立っているか

 今年度,国立教育政策研究所の研究プロジェクト,「教員の質の向上に関する調査研究」の「研修・指導力研究班」の所外研究員に加えていただいている。同研究所の千々布敏弥総括研究官が企画・運営している,このプロジェクトでは,今年度,全センターを対象とするアンケート調査等が計画されている。
 続いて,次のステージでは,教師の力量形成に,教育センター等で催される行政研修がどう役立っているかを把握する。例えば,いわゆる優秀教員やエキスパートティーチャーに対して,力量形成の契機をたずね,そこに行政研修がどの程度位置づくかを確かめる。今後,このような調査の企画を詰めることになる。

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2008.12.18

座談会「21世紀の学校像を語る」

 12月15日付けの日本教育新聞に,座談会「21世紀の学校像を語る」という記事が載っている。これは,パナソニック教育財団理事長の遠山敦子氏,日本女子大学教授の吉崎静夫氏と私が,学校教育のあるべき姿や授業力向上の秘訣等について意見交換したものだ。パナソニック教育財団の実践研究助成の意義や申請の際の留意点についても言及している。ぜひ,お読みいただき,申請のアクションを起こしてもらいたい。

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2008.12.17

学術論文に何が求められるか

 「学術論文には何が求められるか」と問われたら,読者はどのようにお答えになるだろうか。先日,ある学位請求論文の審査に参加する機会を得た。先行研究を整理し,自らのスタンスを明らかにした上で,実証的な研究を企画・運営し,その知見をきちんとまとめていた。これまでの私の経験からしても,学位を取得できるレベルの内容であった。
 ただ,結論とは必ずしも結びつかない形で,それゆえ,研究の目的から離れた内容の叙述が,論文末に何十ページも続いていた。著者は,それが「もっとも書きたいこと」であると言うが,私には,そうは思えなかった。
 ある研究者が「論文とは,論理的な文章であるから,論理的な構成が最も大切である」と述べているのを聞いたことがある。もちろん,提案性(新規性),妥当性等の観点も論文執筆には大事であるが,読者が理解できない構成や叙述であると,悲しいかな,それらも伝わるまい。「書きたいこと」ではなく,「書くべきこと」=「読者が読みたいこと」を意識する方が,研究の特長が伝わると思うのであるが--。

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2008.12.16

自主公開研修会が開催されて--

P1070526 昨日,泉佐野市立末広小学校で,自主公開研修会が催された。私も参加し,研究授業を見学した。また,分科会にも出席し,参加者の意見を聞いた。泉佐野市内の小学校教員の他に,校区の幼稚園教員,教育委員会指導主事,元教育長も参加し,末広小学校の教員に対していろいろなコメントを呈していた。こういう機会があると,授業づくりやカリキュラム開発の進展が期待される。授業の問題点を指摘されることは気持ちのよいことではないだろうが,その痛みを補ってあまりある,実践的アイデアが得られたであろう。やはり,授業実践をオープンにすることは,よいことなのである。

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2008.12.14

2011年度以降の学校放送番組とデジタルコンテンツ(略称:NHK2011)

 本日,渋谷のNHKで,「2011年度以降の学校放送番組とデジタルコンテンツのあり方に関する調査研究」の第7回ミーティングが催された。このプロジェクトは,地上デジタル放送がスタートし,新学習指導要領が全面実施になる2011年度以降に,NHK学校教育番組部は,どのようなサービスを学校現場に提供すべきかを,教師のニーズを把握したり,海外の取り組みと比較検討したりして,明らかにするものである。
 9月に中間報告書を提出し,プロジェクトは,第2ステージに入った。これまでのアンケート調査,インタビュー調査等の知見を踏まえて,これから,番組編成や番組の内容・構成等に関して具体的に提言するための資料の収集をおこなう。また,サービスの範囲や方針を策定するための議論を重ねる。

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2008.12.13

探究と共同がキーワード

 本日,我が大阪教育大学大学院・実践学校教育専攻が,新学習指導要領を踏まえた授業づくりに関してフォーラムを催した。
 本学の長尾学長の基調講演,それに続くパネルディスカッションという構成である。中学校教員,教育センターのスタッフ(いずれも本専攻の修了生),そして本専攻の教員(国語教育)にパネラーになってもらい,新学習指導要領と教師の力量形成について,情報や意見を交換した。学習指導要領の内容は流動的である,今回の指導要領が学校現場に期待するものはたくさんある,それらのすべてに応えることは難しい。だから,各教師・学校が学習指導要領の何に優先的に応ずるべきかを主体的に考えることが重要であることを共通理解した。つまり,学習指導要領への対応は,他でもない(例のカリキュラム・リーダーシップの特徴と同じく),探究と共同がキーワードになるというわけだ。

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2008.12.12

習得・探究・活用の授業モデル

 千代田区立番町小学校を訪問し,同校の研究発表会に参加した。この学校は,国立教育政策研究所の教育課程研究指定校である(文部科学省の平成20年度「先導的教育情報化推進プログラム」の1つたる「テレビ番組とICTの連動による探求型学習の効果に関する調査・研究」の協力校でもある)。本日は,新学習指導要領の新単元や移行単元を中心に,生活科・理科の授業が,全クラスで公開された。4年生の授業では,筋肉の構造や働きについて,イメージ模型,実物(鶏の手羽先),視聴覚教材等が複合的に活用されて,「実感を伴う理解」が促されていた。
 公開授業の後,研究主任や教務主幹による研究発表を拝聴した。習得・活用・探究の定義やモデル等が示された。多くの学校で参考になる,実践的な提案であった。研究紀要の内容・構成も,よく工夫されていた。研究のリーダー役を果たしている教師は,入手すれば学ぶものが少なくなかろう。

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2008.12.11

卒論指導の担当者を決めるにあたって

 大学の秋は,次年度の卒論指導の担当者を決める時期である。ここ2週間ほど,その相談をたくさん受けている。私を選ぶ理由も,多様だ。卒論のテーマが私の専門に近いことを強調する学生もいれば,講義で感銘を受けたことを一生懸命話す学生もいる。
 一人ひとりの理由や希望を聞いて,私が担当すべきかどうかを判断するのは,けっこう大変だ。しかし,このプロセスは,1年以上もコミュニケーションを続けるわけだから,不可避であろう。

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2008.12.10

日本教育新聞に三和小学校の様子が

 日本教育新聞の12月8日版に,広島県三次市立三和小学校の取り組みがレポートされていた。11月28日の研究発表会に関する取材がそのもととなっている。私も,ヒアリングに応じた。同校の取り組みの特徴,すなわちICT活用による授業改善,参加型授業研究の展開,実践研究のR-PDCAサイクルといった側面がコンパクトにまとめられている(紙幅の都合か,授業改善の詳細,例えばICT活用と体験との組み合わせ,評価の工夫等は記されていない,これは研究紀要等を参考にしないと--)。
 そうそう。もう一つ,私に関係した紙面が。それは,2月28日に大阪で催される,「教育ソリューションフェア2008 第3ステージ in 大阪」の紹介だ。私も,「分科会1 学校リーダー向けセミナー」の「学校力・教師力アップのための授業研究」を担当する。興味のある方は,ご参加いただきたい。

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2008.12.09

小学校外国語活動の授業づくりへの熱意

P1070302 尼崎市立尼崎北小学校で,6年生の外国語活動の授業を見学した。文部科学省が提案している「英語ノート」(仮称)の「自己紹介」のユニットに関するもので,学級担任とALTが協力して,子どもたちを,コミュニケーション活動に従事させていた。
 小学校の外国語活動の在り方は,まだ定まっていないように思う。それを少しでも明らかにしようとして,尼崎の小学校の教師たちは,プロジェクトチームを編成し,ブレインストーミングを実施したり,今回のような授業研究を企画・運営したりしている。特に,この授業研究は,同じトピックを,3人の教師がスタイルを変えて実施し,その特徴,成果と課題を比較検討した。外国語活動の授業づくりに対する彼らの熱意を感じた。

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2008.12.08

授業研究を大切にする学校文化

P1070249 兵庫県佐用町立利神小学校の授業を見学し,それを題材とする協議会にも参加した。驚くほど,授業研究を大切にする学校文化が豊かだ。授業に関するコミュニケーションが熱っぽい。若い教師からベテラン教師まで,熱心に意見を述べ,ワークショップに従事している(教頭先生が一番熱心かもしれない)。
 態度だけではない。協議会のデザインもよく練られている。例によって,1)付箋に気づきを書き出し,2)それを本時の指導過程(を模造紙に拡大印刷したもの)に貼り付ける,3)それらから,授業の特徴と課題を物語るものをピックアップしながら,今度は,別の模造紙に,概念として整理し,ネーミングを与える,4)最も大事なキーワードを創出する,等である。

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2008.12.07

今日も,習得・活用・探究と言語力について考える

 本日,渋谷のNHKで,文部科学省の平成20年度「先導的教育情報化推進プログラム」の1つたる「テレビ番組とICTの連動による探求型学習の効果に関する調査・研究」プロジェクトのミーティングが催された。私も委員の一人として参加した。プログラムの評価委員,外部専門家に,プロジェクトの概要と実践事例を報告し,評価コメントをもらった。
 今日も,「習得・活用・探究」という学習プロセスをどのように定義し,授業デザインにおいて体現するかについて意見交換した。また,それを通じて,養われる「探究型言語力」の操作的定義についても議論となった。私は,結局は,子どもたちの作品やプレゼンテーションで示される「メッセージ」の要素と構造が教科書のものを拡充している,そこに番組の論理とデジタル教材の情報が内包されていることが,放送教育によって培われる言語力であると述べた。

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2008.12.06

大阪市教育改革フォーラム2008でDIPモデルを紹介

 本日,クレオ大阪中央等で,大阪市教育改革フォーラムが催された。午前中は全体会(基調報告,対談トーク),午後は分科会(実践発表,パネルディスカッション等)という構成だ。私は,第5分科会「ともに学び,ともにはぐくむ,『なにわっ子』」のパネルディスカッションのコーディネータ役,分科会助言者役をおおせつかった。
 パネルディスカッションのタイトルは,「子どもの学力向上に資する,学校・家庭・地域の連携」である。学力向上を目指した,それぞれの思いやアクション等をパネラー(教育委員会スタッフ,学校長,PTA関係者)に語ってもらった。時間が足らずに議論を掘り下げるのが難しかったが,最後に,私は,まとめに代えて,総合学力研究会が提唱している,家庭の教育力に関するDIPモデル(Discipline=規律やしつけ,Interaction=家庭での交流・支援,Participation=学びへの参画)と総合学力の連関について紹介した。

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2008.12.05

ベテラン教諭のチャレンジ精神に敬意を表したい

 本日,目黒区立緑が丘小学校で,全国放送教育研究会連盟(全放連)の人間力向上プロジェクトの授業研究会が催された。このプロジェクトは,全放連がプロジェクトチームを組んで取り組む,研究活動だ。その一環として,年に数回,放送番組を活用して人間力の育成を図る授業をデザインし,実施し,そして評価する。
 本日の授業では,放送教育の大ベテラン教師,鈴木衆教諭が,4年生の子どもたちに,NHK学校放送『みんな生きている』の「いじめをなくすためには」を視聴させ,この問題への自らの関わりを考えさせた。
 授業後の協議会では,番組のメッセージや構成等について、制作者を交えてじっくり議論した。私は,番組利用による人間力の育成の特徴,それを体現する番組内容に対する「共感」のベクトルについて,いくつかの方向性を示した。人間力の育成と番組利用の可能性の接点に関する,よい意見交換ができたと思う。
 それは,鈴木教諭のボランティア精神によるところ大だ。実は,様々な事情からこの授業研究会の実施が危ぶまれた時期があった。その時に「それでは私がやりましょう」と鈴木教諭が手を挙げてくれたので,本日の授業研究会が成立したのである(彼自身も所属校等の行事で,本当は実施しにくい状況であったにも関わらず)。ベテラン教諭のチャレンジ精神に敬意を表したい。

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2008.12.04

講義で学校放送番組利用のベクトルを探る

 本日,学部の講義『教育学特論Ⅱ』において,NHK学校放送番組・小学校5年生理科の『ふしぎワールド』の「動物のたんじょう」を学生に視聴させた。そして,それをかつての理科番組『わくわくサイエンス』の同一タイトルのものと比較検討させた。
 番組としての見応えは,やはり『わくわくサイエンス』に軍配があがる。けれども,資料として用いるのであれば,マガジン形式を採用している『ふしぎワールド』の方が使いやすいのではないかという意見も登場した。放送番組利用のベクトルを彼らがよく把握していることが分かった。
 さらに,子どもの実態によってどのような方向性で利用するかが変わるのではないかというコメントも出てきた。実験観察に意欲を持てない子どもには,キャラクターが出演して,楽しい(?)クイズを投げかけてくれる『ふしぎワールド』を好むであろうが,意欲が高い子どもは,『わくわくサイエンス』を視聴し,自らも探究に取り組むであろうと,彼らは考察していた。
 講義で,学校放送番組利用のベクトルを探らせるのは,なかなかおもしろい。

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2008.12.03

それでもまだ,改善の余地がある

 先月28日,広島県三次市立三和小学校が研究発表会を催した。この学校は,「論理的に考え表現する力を育てる授業の創造-ICTを活用した算数科・国語科の授業改善を通して-」をいう主題で研究を推進してきた。その成果の一端を公開したのである。
 理由あって,この研究会の参加者に対するアンケートを私が作成した。主として,次のような項目から成るものだ。この他に,属性等を問う項目や自由記述の欄も設けた。

1.研究大会のプログラム(研究発表,授業公開,ポスターセッション,分科会,パネル等)やその時間設定は適切だと思う。
2.研究発表を聞いて,学校の取り組みの全体像が分かった。
3.研究主題に即した授業が公開されていた。
4.それぞれの授業者が,授業展開や学習活動,学習環境等に工夫を凝らしていた。
5.ポスターセッションでは,公開授業について,授業者や参加者としっかり意見を交わした。
6.ポスターセッションでは,自分の授業づくりについて,しっかり考えた。
7.廊下等の掲示物等からも,学校の取り組みを学べた。
8.研究紀要に研究の過程や成果,悩みや課題が記されており,それを読んで,学校の取り組みがよく分かった。 

 ある人には「直すところがない」と言われた研究会。それでも,アンケートを整理してみると,例えばポスターセッション等の問題点も見えてきた。授業と同じだ--研究会の企画・運営にも,完璧はない。それでもまだ,改善の余地がある。

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2008.12.02

12月13日の教育フォーラムに参加すると--

 我が大阪教育大学大学院・実践学校教育専攻では,7月に続き,再度,オープンキャンパスを催す。それは,次のような3つの活動から成る(案内をアップロードする)。
(1)授業公開:平成20年12月8日(月)~13日(土) 18:00~21:10 
(2)入学相談会:平成20年12月11日(木)19:00~,13日(土)17:10~
(3)教育フォーラム:平成20年12月13日(土)15:00~17:00
 
P1120276
 教育フォーラムは,私がコーディネータを務めて,新学習指導要領を踏まえた授業づくりについて,大学研究者,教育センターのスタッフ,そして実践者による情報・意見の交換を繰り広げる。ぜひ,参加していただきたい。なお,このフォーラムに参加していただくと,私や他の研究者が,ベネッセ教育研究開発センターをとともに推進してきた「学力向上のための基本調査2008」の速報結果報告書をもれなくお渡しする。この調査は,「授業と結びつけた家庭学習充実のための取り組みの在り方を探る」という副題に示されるように,授業改善のターゲットを家庭学習にも広げ,家庭学習の量的・質的充実を図るアプローチ,その実態等についてレポートしたものである。「graduate_school_evening_class.pdf」をダウンロード

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2008.12.01

中学校の教師たちの授業に関するコミュニケーション

 「2011年以降の学校放送番組とデジタルコンテンツのあり方に関する調査研究プロジェクト」のの一環として,昨日,3人の中学校教師(うち一人は,現在は,小学校に在籍)に,放送教育実践に関するヒアリングを試みた。座談会形式のインタビューの過程で出てきたコメントに,興味深いものがあった。それは,中学校の教師たちの授業に関するコミュニケーションについてのものだ。よく,教科が異なると授業に関する意見を述べにくいとか,教科の専門性といった言葉を耳にする。けれども,インタビューに応じてくれた3名の教師たちは,口をそろえて,異なる教科の教師間でも,それが少なくないと語った。例えば,学校放送番組の利用も,いわば口コミで学校内外に広まるという。だから,放送教育に関する研究会組織がない(機能していない)と,その伝承のチャンスが少なくなるとも述べていた。
 少し突っ込んで聞いてみようと,「中学校の先生方のコミュニケーションは,生徒指導とか,部活動指導に関する話題が多いのではないですか」とたずねてみたが,それと同じくらい,「よい授業,例えば子どもが落ち着いて学ぶ教材の存在等」に関する情報交換をインフォーマルに進めているとのことであった。
 これらからすれば,中学校における放送教育の潜在的可能性は小さくないということになろう。

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