道徳番組の独自性,活用の可能性
先日,ある小学校の第2学年のクラスで,NHK学校放送番組『ざわざわ森のがんこちゃん」のある回を活用した授業を見学した。その回は,ちょっとした言葉遣いで友人関係が危うくなったり,それが原因でウソをつかなければならなくなったりするというストーリーであった。授業者は,番組テキスト等を読解し,「あいさつや言葉遣いの大切さ」を子どもたちに考えさせようとしていた。それは,ある意味では正しい。
けれども,番組のストーリーは,価値項目としては,「あいさつや言葉遣い」に留まらない。友情,助け合いや協力,誠実等に及ぶ。だから,それを包括的に扱えることが,学校放送番組の道徳教材としての独自性であると思う。
また,そうしたストーリーのいかなる部分に,子どもたちが反応するのか(しないのか)は,実際に視聴させてみないと分からない。それゆえ,教師は,子どもたちが視聴後に示す反応を踏まえて,授業展開を柔軟に変更して,上述したような多面的(多元的)な価値構造に迫れる。だからこそ,動的な,緊張感にあふれた授業を創造できる。それが,道徳番組の活用の可能性であろう。
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