« September 2009 | Main | November 2009 »

2009.10.31

新番組の利用可能性を追究するための授業研究

 本日,渋谷のNHKで催された,全放連の研究プロジェクト「放送学習による人間力の育成」のミーティングに出席した。12月に,目黒区立下目黒小学校の田端教諭が試みる,NHK学校放送番組の新番組「カラフル!」を利用した授業実践のプランを検討した。この番組(の半分の回)は,NHK学校放送がEBUとタイアップして提供する,外国の子どもたちの生活やがんばる姿を描いている。しかし,これには,利用しにくい要素が少なくない。番組では当然視されている外国についての基礎情報を子どもたちは有していない,作品の構成も独特のものがあり視聴能力が問われる等々だ。
 それでもなお,全放連のプロジェクトメンバーは,この番組を使って人間力の育成を図る授業実践を構想する。新番組の利用可能性は,授業研究を通じてしか確認できないからである。

| | Comments (0)

2009.10.30

第35回全日本教育工学研究協議会全国大会(茨城つくば大会)にて

 つくば市で催されている,第35回全日本教育工学研究協議会全国大会(茨城つくば大会)に参加している(やっぱり到着するのに,けっこう時間がかかる)。今日は,小学校~高等学校における授業公開と基調講演やシンポジウムというメニューである。シンポジウムの会場は,演劇鑑賞用のすてきなセッティングである。
 明日は分科会形式での研究発表とシンポジウムが用意されている。私も,ある分科会(F分科会:校務の情報化,ICT活用推進体制)の司会・進行を担当する。

| | Comments (0)

2009.10.29

授業の比較研究

 本日,講義で,メディアミックスによる授業づくりについて講じた。私が学部生だった頃,水越先生や田中先生が金沢市内の小学校の教師3人に,同じ放送番組『みどりの地球』「熱帯雨林」を主メディアに位置づけながら,そして2時間扱いという制約を同じく下ながら,しかしコンセプトが異なる授業を構成してもらった。
 私も,数年前,5年生の社会科番組を共通項にしながら,異なる学力の育成を5人の教師に図ってもらった。なぜ,同じ番組を利用しても異なる授業が生まれるのか,その妥当性をどのように保障するかなど,授業の比較研究を通じて得られる知見は,少なくない。

| | Comments (0)

2009.10.28

第60回放送教育研究会全国大会にて

P1110532 昨日から,愛知県豊橋市や岡崎市等で,第60回放送教育研究会全国大会(第13回視聴覚教育総合全国大会と合同大会)が催されている。第2日目は,全国放送教育研究会連盟等の基調報告(写真),校種別の分科会などが実施された。小学校分科会は,2時間30分に5件もの発表。しかも,内容にもほとんどつながりがない。私は,この分科会の助言者だったが,それゆえに,少々コメントしにくかった。それぞれの実践は,それなりに工夫されたものではあっただけに,研究会で複数の発表(実践)間の接続を図ることの重要性と難しさをあらためて感じた。

| | Comments (0)

2009.10.27

我が卒業生のすばらしい研究授業

 茨木市立大田学校を訪問して,初任教師の研究授業を見学した。彼女は,この3月に大阪教育大学を卒業したのだが,私が卒論指導を担当した学生であった。本日,すばらしい授業を見せてくれた(私がこれまで見た,同じ内容を扱ったどの授業よりも,よかったかも)。
P1110488 第3学年算数の三角形と四角形の導入部分であった。子どもたちにこの図形に対する興味を抱かせるために,ミステリーボックスの中に図形を入れ,それをクイズであてさせる活動,辺と頂点を定義し,それをワークシート等を用いてていねいに確認する活動など,学習過程が実によく練られていし,それを実行できた。
 おまけに,子どもたちのワークシートをデジカメで撮影し,それを拡大提示して発表をサポートするという小技まで見せてくれた。

| | Comments (0)

2009.10.26

初任者が研究授業でがんばる(池田市立呉服小学校にて)

P1110432 池田市立呉服学校を訪問して,2つの研究授業を見学した。そのうちの1つは,第2学年を担当する初任者のかけ算の導入であった。子どもに,「1あたりの数」「いくつ分」「全部の数」の関係を導き出させるために,写真のような教具を与えて,グループワークに従事させていた。子どもたちは,月曜日の5時間目にも関わらず,45分しっかり考えていた。
 この初任者は,自評において,「1学期の研究授業は時間切れになって,中途半端に終わったので,今回はとにかく,指導案の本時の内容をやり切りたいと思いました」と回顧していた。こういう省察とそれに基づくチャレンジを重ねていけば,彼女は,さらに力量を高めるに違いない。

| | Comments (0)

2009.10.24

こんな家庭学習なら子どもは熱心に取り組む(津山市立北陵中学校にて)

 津山市立北陵中学校を訪問して,社会科教室で,1年生が取り組んだ地図づくりの成果物を目にした。これは,生徒が自分でテーマを定めて,それに即した情報をWeb等から収集し,地図に貼り付けるものだ。例えば,「世界遺産」「料理」「盛んなスポーツ」がそのテーマである。
P1110275 1年生の作品を3年生が興味津々という様子で,眺めていた。「やってみたい?」とたずねたら,「楽しそう,やってみたい」と答えてくれた。こういう課題ならば,どの子どもも熱心に取り組むはずだ。昨年度,授業と家庭学習を連動させる授業モデルの開発,それを生かした調査研究に従事したが,そこで明らかになった,「ドリル的な課題と探求的な課題をバランスよく与えている教師が指導している子どもの学力は高い」という知見の確からしさを実感した。

| | Comments (0)

2009.10.23

授業づくりや授業研究の継続・発展(津山市立北陵中学校にて)

P1110345 津山市立北陵中学校で,5つの研究授業を見学した(並行して実施)。また,それらを題材とする授業研究会にも参加した。この学校の授業を見学するのは3度目であるが,その継続・発展は見事である。例えば,先日,活用型授業のための教材開発の視点を示唆したが,それに応えるべく,数学の応用問題(複雑な問題,身近な事象を取り上げた問題),社会科の裁判員制度のシミュレーション(写真の様子)等が登場した。また,授業研究については,分科会の報告を重ねるために,各分科会の議論をまとめた模造紙を閲覧するタイムを準備する,ある分科会の論点を他の分科会参加者に投げかけるといった設定が用意された。
 この学校は,2月22日にも,他校の教師たちを招き,彼らと授業づくりに関するアイデア交流を図る機会を持つ。次にどのような方向に,授業づくりや授業研究が進展するか,楽しみである。

| | Comments (0)

2009.10.22

授業力アップのためのワンポイント講座

P1110214 大阪市立九条南小学校に出かけた。この学校は,大阪市教育センターが企画・運営している,授業力アップのためのモデル校である。今日は,5・6時間目の授業を見学し,さらに,「授業力アップのためのワンポイント講座」にも参加させてもらった。今日のネタは,音楽の鑑賞や演奏のコツを研究主任が他の教員に伝授するものであった。例えば,子どもが飽きないように鑑賞曲を何度も聞かせるためにはどのような課題を投げかければよいのか,リコーダーの演奏技能の個人差を踏まえてどのように合奏させればよいのか等について,そのノウハウを実に適切に披露していた。

| | Comments (0)

2009.10.21

講義で学生を泣かせる

P1120582 Twitterでも「つぶやいた」が,前後期とも担当している「教育実践の研究Ⅱ」で,伊那小学校の実践記録映像を学生に視聴させた。子どもたちのがんばりに胸を打たれ,受講生が涙を流す。この講義では,受講生が教育方法の枠組みを理解し,学力観を視点として教育実践を分析する能力を高めることを目指しているのだから,涙を流させることがねらいではないが,やはり教員志望学生なのだから,教師と子どもたちがつむぐ実践ストーリーに関心を抱くことはよいことであろう。

| | Comments (0)

2009.10.20

第35回全日本教育工学研究協議会全国大会(茨城つくば大会)

 今月30,31日と,つくば市で,第35 回全日本教育工学研究協議会全国大会(茨城つくば大会)が催される。30日には,小学校~高等学校における授業公開と基調講演やシンポジウムが企画されている。また,31日には,分科会形式での研究発表とシンポジウムが用意されている。
 私は,数年前から,この協議会の常任理事を拝命している,その関係もあり,31日には,ある分科会(F分科会:校務の情報化,ICT活用推進体制)で,鳴門教育大学の藤村先生とともに,司会・進行を担当することになった。

| | Comments (0)

2009.10.19

学校における実践研究を尊ぶ文化

 5月に続き,鳥取県教育センターで開催された「新任研究主任研修」に協力した。小中学校等の60人ほどの研究主任が参加するこの研修では,新任研究主任たちは,5月に学んだ,学校研究の企画・運営ポイントを活かした取り組みの進捗状況についてレポートし,相互評価する。
P1110134 それにしても,鳥取県の小中学校の実践研究は,とても充実している。それは,例えば,研究テーマの設定方法に,また授業研究の量や質に,さらには実践研究のPDCAサイクルの回数や実施方法に,象徴される。参加者には,自校の取り組みをポスターにして発表するという課題が与えられていたが,彼らはいずれも,構造的なポスターを作成し,自校の取り組みの特徴や課題を上手にまとめて発表していた。その姿にも,学校における実践研究を尊ぶ文化が体現されている。
 彼らに対するエールとして,私は,研究テーマと授業研究を連結させるための「授業モデル」の重要性や代表例,年度をまたいで研究を発展させるための術について語った。

| | Comments (0)

2009.10.18

実践リーダー自学自習用テキスト開発プロジェクト

P1120579 本日も,大阪教育大学の天王寺キャンパス中央館で,実践リーダー自学自習用テキスト開発プロジェクトのミーティングを開催した。このプロジェクトは,パナソニック教育財団の支援により推進される,「先導的実践研究助成」
である。研究主任が,学校における実践研究の企画・運営のために駆使する必要がある知識を獲得するための学習材である。その構成は,学校研究の意義,学校研究の動向,研究テーマの策定,研究組織の構築と運営,研究計画の策定,授業研究の企画・運営,若い教師への配慮,研究発表会の開催,研究紀要の作成,講師の活用,後進の育成,研究主任の学び,から成る。
 学校研究の意義,学校研究の動向の2項目は総編,「研究テーマの策定」以降は各論である。各論には,初級・中級・上級の3つの事例研究問題が呈される。理論編の内容を理解したり,事例研究問題に取り組んだりすることで,研究推進をつかさどる実践リーダーは,その力量を高めることができよう。
 本日は,各人が作成した原稿案の内容・表記の確認をおこなった。テキストの完成は,2月が予定されている(その前に,草稿を何名かの研究主任に点検してもらい,形成的評価を実施する)。

| | Comments (0)

2009.10.17

パナソニック教育財団の先導的実践研究助成

 上京し,虎ノ門のパナソニック教育財団を訪ねた。同財団が企画・運営する「先導的実践研究助成」について意見を述べるためだ。この助成は,高等教育機関に属する研究者が,学校現場の実践的な課題に対してアプローチし,その知見を学校現場の教師たちに広く提供するものだ。次年度からの本格的実施を前にして,その枠組みについて,侍医団スタッフや他の研究者と検討した。

| | Comments (0)

2009.10.16

板書のない,中学校の国語科の授業

 京都府総合教育センターで催された,「授業力向上特別講座シリーズⅡ」に参加した。10:30~17:00の長丁場である。京都府下から集った小学校~高等学校の教師たちが,自校の授業研究等について,レポートした。また,ある中学校の国語科の授業を見学し,それを題材として,ワークショップ型の事後協議会を繰り広げた。
P1110099 この授業,なかなか見応えがあった。指導者が,よく練られた課題(子どもたちの学習参加を促す,選択型の問い)を提示し,彼らの考えを引き出す発問を投げかけていた。だから,まったく板書がないにも関わらず,子どもたちがよく反応していた。また,文学的な文章が題材だったのだが,構造的なワークシートが準備され,子どもたちの読解とその表現が支えられていた。名人芸だった。我が国の伝統的な一斉指導がよく機能すれば,あのようになるのだと思う。しかし,だからこそ,あの授業は,簡単には真似ができないのであるが--。

| | Comments (0)

2009.10.15

卒論ガイダンスにて

 本日,21:10から,次年度の卒論指導教員を決めるためのガイダンス(教育・心理系)が行われた。6人の教員に対して,希望する学生50名ほどが集まった(ただし,第二希望としてこの系を考えている学生もこの数には含まれよう)。
 3分強の時間で自分の研究内容や卒論指導ゼミの内容を伝えるために,パワーポイントでスライドを示した。担当している講義,研究分野,研究活動,担当した卒論テーマ例,そしてゼミの特徴や運営方針である。

| | Comments (0)

2009.10.14

授業研究のアプローチについて考える

 本日,夕方,授業研究に取り組みたいという,某大学の研究者が相談にやってきた。その相手をしながら,授業研究のアプローチの多様性を自分でも再確認していた。自分自身も,最初は,授業設計や授業分析,授業の比較研究に従事していたが,今は,授業研究を通じた教師の力量形成,とりわけ,授業研究におけるリーダーシップの問題に研究的関心が移っていることを再認識した。しかし,いずれにしても,自分の持ち味は,数多くの学校現場に出かけ,多種多様な授業を見学し,それらの事例知識,それらを集約する授業モデルやカリキュラム・フレームワークを有していることであろう。

| | Comments (0)

2009.10.13

講義の授業評価の結果から

 前期の講義(学部分)の授業評価の結果が戻ってきた。教育総論(56名履修),教育実践の研究Ⅱ(38名履修),そして教育学演習Ⅰ(18名履修)である。各講義について,学生の参加,授業内容,担当教員(熱意,教え方),教員-学生関係,授業の成果の5つの観点の10の項目について,受講生が5段階で評定する。50点満点になるわけだが,3つの講義の評定結果は,43.2(教育総論),47.6(教育実践の研究Ⅱ),そして48.4であった。履修人数と反比例の関係にある--。それぞれ,内容や方法を工夫しているのだが--。
 私としては,自由記述欄に注目したい。講義のねらいや性格を受講生が把握してくれているものが少なくなかったからだ。例えば,教育総論は,教育の思想や歴史について講ずるものであるが,ある受講生は,その意義を「とても楽しい授業でした。先達のやってこられた教育実践が,今の私たちに課題を与えてくれてるんだと感じました。ありがとうございました。」と実感してくれている。また,教育実践の研究Ⅱは,今日の教育方法の現状と課題について検討するものであるが,これを受講して,「教育方法や指導の多様性について考えさせられました。」と受講生が振り返ってくれている。教育学演習Ⅰであれば,専門科目であるから,「この授業を受けて教育学に興味を持ちました。」とか「この授業を通して,教育学で卒論を書きたいという気持ちが固まりました。」というコメントが出てきたのは,うれしい。
 ちなみに,我々は,この結果を受けて,各講義について改善案を作成し,提出することを課せられている。

| | Comments (0)

2009.10.12

教育工学若手研フィナーレ

Dsc01271 昨晩,堀田さん(玉川大学),小柳さん(奈良教育大学),山内さん(東京大学),そして私の4人が集まり,堀田さんの博士学位取得のお祝い会を開催した。この4人は,1998年から定期的に集って,教育工学研究,とりわけ実践研究のデザインや方法論,データの取り方や知見のまとめ方(論文化)等について意見を交換し,議論を重ねてきた。その時は,30歳前後の4人だったから,教育工学若手研究会と名付けて,集いを持ったり,研究プロジェクトを企画・運営したりしていた。全員が学会誌に論文を掲載させ,博士論文を作成して学位を取得することをゴールに定めていたが,先日,堀田さんが学位を取得し(おめでとう!),そのゴールを迎えることとなったので,お祝い会兼解散式を催したわけである。写真は,各人が博士号取得の際に,他のメンバーからプレゼントされるボールペンだ。
 私自身の博士論文作成の折にも,3人に,いろいろサポートしてもらった。メンバーは,所属も,研究課題も異なるけれども(だからこそ?),それは,貴重なものであった。よい仲間に巡りあえて,よかった。

| | Comments (0)

2009.10.11

初任者が研究授業の後に涙を流す姿を見て

 先日,ある小学校の授業研究会に参加した。当日の授業者は,今年度,その学校に赴任した,初任者であった。彼女による授業は,すこぶる充実していた。落ち着いて指導できるだけでなく,当該校の研究テーマに即して,幾重にも指導を工夫していたからだ。つまり,学校研究の取り組みに即した指導と評価が繰り広げられたからだ。ゆえに,事後協議会の議論も盛り上がった。様々な意見が示され,他の教師の学びが促された。
 事後協議会で,授業についての自評を行う際,研究授業をやり終えて安堵したのか,それとも本人としては満足できない点があったのか,この初任者,思わず涙を流し,声を詰まらせた。事後協議会を終えて校長室で私が個別にコメントした時も,そうなった。いや,この時は,親子ほども年の離れた学年主任も一緒になって泣いていた。それが,彼女の頑張りと周りの教師たちとの関係性を象徴しているであろう。

| | Comments (0)

2009.10.10

『教育テレビ&ICT活用で授業力アップ』(改訂版)完成!

P1100976 先日,『教育テレビ&ICT活用で授業力をアップ』というパンフレットが完成した。これは,NHKの学校放送番組・デジタル教材を利用して,いわゆる授業力をアップさせる考え方,授業力の点検・評価,実践事例とその解説等から成るものである。
 本年度から放送が始まった新番組の活用事例を含めて,10の実践事例が紹介され,解説されている。また,授業力アップのヒントや研修事例も載せられている。放送教育に取り組む実践家,学力向上を目指す教師の皆さんに,ぜひ,手にとっていただきたいパンフレットである。
 ちなみに,これに,私の新しいイラストも載っている。前のものと比較して,楽しんで(?)もらいたい。

| | Comments (0)

2009.10.09

この学校の公開研究発表会に行けば(尼崎市立七松小学校)

 本日も,尼崎市立七松小学校の校内研修会に参加した。同校では,「自ら考え共に学び続ける子ども~知識・技能の活用をめざした,思考力・判断力・表現力を高める学習指導を探る~」という研究テーマを掲げて,教師たちが,実践研究に着手している。
P1110036 この学校の授業研究は,見事である。まず,教師たちの授業観察の意欲が極めて高い。あらゆる教師が子どもたちの学びに接近して,しっかりメモをとっている。事後協議会でも,グループに分かれて実に密な議論を繰り広げている。授業を観察して気づいた点をコンパクトに語り,それを上手に集約している。さらに,全体の場でグループ協議の成果の交流を図っている。要するに,この学校の教師たちは,授業研究の意義を実感し,それゆえに,その方法を重ねて工夫しているのだ。そして,その態度は,子どもたちの学びに向かう姿勢に,確実に再帰している。
 12月7日午後,七松小学校は,自主公開研究会を催す。これに参加すれば,教師の力量形成に授業研究がいかに資するかを実感できるであろう。

| | Comments (0)

2009.10.08

まだまだ現実は厳しい

 本日,ある市の教育センターが催した,校内研修担当者を対象とする講座に参加した。この講座は,年間3回実施されるが,今日は,2回目の集いだ。前回は,グループに分かれて,なかなか積極的な意見が出たと聞いていた。
 しかしながら,今回は,まず,参加者が対象者の3分の1ほどであった(朝8時過ぎまで暴風警報が出ていたことが影響したかもしれない)。遅刻者も相当数だ。やはり,この地域の学校の校内研修の企画・運営に関する熱意は高くないのか--。ここ数年,多くの教育行政が校内研修の企画・運営を担うリーダーの養成,その力量形成に力を注いでいることが分かっているだけに,学校側が必ずしもそれに応えてくれないのは,残念であった。まだまだ現実は厳しい。
 ただし,講座に参加してくれた教師たちは,私の講演に熱心に耳を傾けてくれ,また意見を出してくれた。それが救いである。

| | Comments (0)

2009.10.07

教育実習生を温かく見守っていただいて

 本日,守口市立橋波小学校を訪れ,本学の学生が取り組んでいる教育実習,特に研究授業を見学した。内容は,小学校5年生の算数であった。驚いたことに,学生は,私が放送教育や学校研究推進リーダー養成プロジェクト等に一緒に取り組んでいる,あの松浦教諭の学級に配属されていた。
P1100960 研究授業では,本人も,よくがんばっていた。活動している子どもに接近し,それを支えるために努力していた。そして,橋波小学校の先生方がたくさん,実習生の授業を観察し,コメントしてくださった。同学年の先生方は,この日だけでなく,なんどもご覧いただいたと聞いた。ありがたいことである。橋波小学校の先生方に,厚く御礼申し上げたい。

| | Comments (0)

2009.10.06

事後協議会のスタイルを変えようとして(大山崎町立大山崎小学校)

 4日午後から長い時間高熱に悩まされ,薬を飲んでも効かず,5日の早朝を迎えた。まだ37度台(ただし,私の平熱は35度程度しかないので,これくらいの熱でもけっこう辛い)。5日に京都府大山崎町立大山崎小学校の授業研究会に参加する予定であったが,「今日はもう無理だ」と諦めかけていた。「20年以上,いろいろな学校の訪問を予定し,それを病気等のためにキャンセルにしたことは一度もなかったのに--」となさけなくなった。しかし,なぜか,7時を過ぎて熱が下がり,36度台へ。なんとか起き上がれるし,頭も重たくない。意を決して,学校に向かうことにした。
P1100915 大山崎小学校は,京都府教育委員会の「教師力向上」教育実践力継承事業に参画し,理科・生活科の授業づくりを中心にして,学力向上を図っている学校である。3時間目の研究授業,4・5時間目の全クラスの授業見学を経て,15時からの(研究授業に関する)事後協議会等に臨んだ。事後協議会は,これまではグループ協議を中心に展開していたが,この日はひとつの模造紙に全教員が気づきを記し,それを題材にして集団討議を繰り広げるスタイルを採用していた。運営面でさらに工夫が必要な点はあったけれども,一つのスタイルに固執することなく,様々なものに挑戦するスタイルには好感が持てた。それをさらに重ねていただくことを期待したい。
 協議会の最後にコメントを求められ,30分以上話していると,さすがに声が嗄れてきた。夕方は,5~6年ぶりに,病院にも行った。「喉風邪」との診断であった。とはいえ,診察前の検温では,なんと平熱の35度。我ながら,驚くほどの快復力である。

| | Comments (0)

2009.10.05

運動会で子どもたちのきびきびした姿を見て(大阪市立長池小学校)

P1100792 4日,大阪市立長池小学校を訪れ,運動会の様子を見学した。私はここ数年,同校の学校評議員を務めているが,運動会に参加するのは,初めてである。普段の子どもたちの様子から,きっと,こどもたちが一生懸命がんばっているだろうと予想していたが,期待に違わず,いやそれ以上に,入場行進からずっと,子どもたちがきびきびと動いていて,すがすがしかった。また,それを促し支える教師たちやPTAの方々の様子を見て,感心させられた。写真は,開会式での赤白組のエール交換の場面である。
 なお,せっかく同校の運動会を見学してよい気持ちになったのに,このところのハードスケジュールに体が悲鳴をあげたのか,4日午後から,発熱。20時間以上も寝込むことになった--。

| | Comments (0)

2009.10.03

「未来の教室-テクノロジーを学校に-」(大阪教育大学開学60周年記念事業)

P1120557 本日,大阪教育大学の天王寺キャンパスで,開学60周年記念シンポジウム第4回が催された。テーマは,「未来の教室-テクノロジーを学校に-」である。野中先生(横浜国立大学)に基調講演をお願いしたのだが,教室のICT環境整備やICT活用について,実に内容の豊かな,そして主張が明解な,お話を賜った。野中先生にお願いして,本当によかった。野中先生,ありがとうございました。
 さらに,野中先生の他に,柳原氏(インテル株式会社),重松先生(守口市立八雲小学校)にご登壇いただき,ICT環境整備の実態,ICT活用や情報教育の実際と課題について幅広く意見交換していただいた。特に,2015年の教室イメージを共通理解できたことがよかった。関係各位,それから呼びかけに応じて参加してくださった方々に,厚く御礼申し上げる。

| | Comments (0)

2009.10.02

近畿の教育研究所等のスタッフがんばる

 本日,大阪市教育センターで催された,「平成21年度近畿地区教育研究(修)所連盟 学校経営部会」に参加した。「授業力向上のための校内研修のあり方」と題する講演を担当した。オーディエンスは,近畿圏の教育研究所(研修所,センター等)のスタッフ。私の話題提供や事例紹介に,実に熱心に耳を傾けてくれた。あるいは,講演前には積極的に企画・運営している研修講座について,情報交換していた。
 この真摯な姿勢からすれば,彼らは,きっと,管下の学校における実践研究を上手にリードしたり,サポートしたりしてくれるであろう。

| | Comments (0)

2009.10.01

学者が学校現場の営みに関わる時に

 秋は,学校現場を訪問し,実践研究に関与する機会が多い。その時,学者(研究者)は,どのようなスタンスを抱くべきか。先日の日本教育工学会のシンポジウムで似たようなことをたずねられ,次のような点に気をつけているとコメントした。
 1)授業実践の主体は教師であるから,最後の意思決定者は彼らであるという態度を堅持する。
 2)授業づくりを語るための枠組みやモデルを有し,それを明解に語る。
 3)上記の枠組み等に即した,豊富な事例を持ち,それを提示できる。
 4)学術の概念・用語と教育現場のそれを相互に翻訳できる。
 こういう態度や能力をどのように培っているかという点も質問されたが,それについては,モデリング,換言すれば,指導教官や先輩から徒弟的に学ぶことが多かったように思うと答えた。

| | Comments (0)

« September 2009 | Main | November 2009 »