教育実践研究の要はデザインモデル
本日と明日は,大阪教育大学大学院実践学校教育専攻の修士論文公開審査会である。各人が,10分で研究概要を報告し,主査・副査から,質問や意見が示される。修士課程2年の院生たち(ほとんどが現職教員)が,取り組んだ調査研究や実践研究を上手にまとめて報告してくれた。
私もいくつか査読をしているが,自らの教育実践を題材とする研究の報告を読みながら,いろいろと考えた。特に,デザインモデルの重要性を痛感した。多くの教育実践研究は,ターゲットする能力・資質を定め,それを育むための実践を重ね,その過程や評価結果をレポートする。自らの実践が研究論文になるか否かは,その実践をつかさどる原理があり,それを体現するためのデザインモデルを呈しているかに依っていると思う。それらを欠くと,ていねいな実践であっても,その価値や特徴を把握しがたいからである。他の実践を生み出す装置に成りがたいからである。換言すれば,それらを欠くと,その叙述は,読み応えのある実践記録となり読者の感動は呼ぶが,次なる実践を生み出す実践的知識の表現たりえないということになろう。
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