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2010.10.31

他校の研究発表会で学ぼう

 秋は,小中学校等の研究発表会の開催が続く。私も,10月・11月と少なからずの学校のものに協力する。
 授業時数の確保等により,教師たちにとって,他校の研究発表会に参加することは難しくなっている。けれども,よく練られたプログラムの研究発表会への参加は,教師たちにとって,きわめて豊かな学びの場となる。だから,ぜひ,参加して,新しい情報やアイデアを吸収したり,自校の実践研究と他校のそれを比較し,実践の次なるステップの同定を図ったりしてもらいたい。そのためには,管理職には,そのような学びの機会を尊重し,特に研究推進リーダーが他校の研究発表会に参加する可能性を大きくしてもらいたい。
 1月末から2月にかけて催される研究発表会には,予算執行の関係か,自然と参加者が増える。けれども,学校における実践研究の進展にそれを役立てようとするのであれば,研究発表会への参加は,早い時期のものが望まれることは自明であろう。それを実現させるかどうか--管理職の手腕,研究推進リーダーの熱意が問われよう。

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2010.10.30

校舎の格差

 今年度卒論を指導している学生の一人は,学校の学習環境,とりわけ校舎のデザインを研究している。いくつかの学校を訪問し,その工夫による子どもの学びの可能性,マネジメント等の難しさ等をヒアリングしている。
 私が彼に紹介した,富山市立芝園小学校の建築は,すばらしい。昨年度訪問して,その工夫,その居心地のよさに,感心させられた。同校の教師たちが,そうした環境を生かして授業を充実させていたのにも,共感させられた。
 一方,私が訪問する学校のいくつかは,昭和40年代に,できるだけ少ないお金でまかなうことが目指されたため,あまり工夫なく建てられている。そもそも,暗い。中には,3階建てなのに,3階ではなく2階の教室で雨漏りがするという不思議な校舎まである。
 ICT環境もそうであるが,校舎自体の格差も著しい。

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2010.10.29

完璧な授業などどこにも存在しない

 ある中学校で催された授業研究の事後協議会で,授業者が「今日の授業は,完璧でした」と自評した。ふざけておっしゃったかもしれないが,「完璧な授業などどこにも存在しない」という哲学を有している私は,その発言に違和感を禁じ得なかった。それゆえ,協議会の最後に求められたコメントで,その危うさについて言及した。
 もちろん,指導案どおりに授業が進んだとか,子どもたちが一生懸命学んでいたといった,授業の様子は確認できた。だから,当該研究授業は,悪い授業ではないし,授業者が達成感を得られたのは喜ばしいことではある。
 けれども,その授業は,私からすれば,チャレンジがないと言わざるをえない。当該教科の実践動向が踏まえられているわけでもないし,学力向上のための工夫も皆無に等しい。要するに,研究授業を「こなす」ことが目的のように感じられた。それでは,先日の記事にて私が主張したような,授業研究が「語りと探究のコミュニティ」の成立と充実の舞台として機能しないのではないか。
 それでも,授業研究をやらないよりは,ましなのかもしれない。けれども,そうした形式主義は,子どもの学びに再帰するような気がしてならない。研究授業は,ある程度,そのデザインを練って初めて,事後協議会を活性化するパワーを持ちうる。たとえ,予想通りに進まなかったとしても。
 ちなみに,その「完璧」発言をしたのは,初任教師であった。

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2010.10.28

前回の協議会の意見を生かして授業を創る

 今日も,大阪市立長池小学校の校内研修に参加した。同校は,昨年度から,外国語活動のカリキュラム開発に着手している。特に,今年度は,1~4年においても,英語によるコミュニケーションの機会を子どもたちに提供している。
P1190559 今日は,3年生の子どもたちが,「レストランに行こう」という単元で,ゲームやごっこ活動を通じて,英語によるコミュニケーションを楽しみ,またその力を高めていた。
 指導者の学級担任が,自評時に,授業デザインのコンセプトを語ったが,それは,前回の協議会において,教頭や外部の講師(私と教育センター指導主事)が示唆したポイントを踏まえたものになっていた。つまり,前回の協議会の意見を生かして授業を創っていた。4年生以下の外国語活動のカリキュラムは,未だ,五里霧中である。しかし,今回の授業者のような姿勢で実践を蓄積していれば,いずれは,しっかりとしたカリキュラムが生まれるであろう。そう予感させる,授業研究会であった。
 なお,同校は,12月3日に,自主研究発表会を催して,その取り組みをオープンにする。

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2010.10.27

学校長と研究主任のリーダーシップ(大阪市立味原小学校)

 大阪市立味原小学校を訪問した。この学校は,本年度,大阪市教育センターが企画する,授業力アップサポート事業のモデル校の1つである。
P1190493 本日,第5学年の国語科の研究授業の後,参加型で協議がおこなわれた。その際には,あるグループに配属された学校長が書記役を写真のように果たしていた。そのような形で,学校長が率先してグループワークに取り組み,民主的なリーダーシップを発揮していた。
 一方,研究主任は,研究授業実施者に,研究授業の指導案検討や事後協議会から得たもの,さらなる課題等をレポートにまとめるようリクエストし,授業研究会による学びの進展を促すという,実践的リーダーシップを駆使していた。また,彼女自身が,大阪市教育センターの研究報告書のレポートから授業評価シートの項目を作成していた,つまり研究主任としての学びを充実させていた。

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2010.10.26

学校園長の学ぶ姿勢も様々だ

 先日,ある市の教育センターが催す,学校園長の研修会で,実践研究のテーマや企画・運営に関する講演を担当した。150名ほどの参加者の様子は様々である。私のコメントの一言一句を逃すまいと必死にメモを残す姿もあれば,目をつむって何もしない,グループ協議を雑談に代えてしまう姿も一部には見られた。
 その姿勢は,おそらく,学校の教諭の学ぶ姿に投影し,ひいては,子どもたちの学びの様相にも影響を及ぼしているだろう。

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2010.10.25

府立支援学校リーディングスタッフ実践協議会

 本日午後,大阪府教育センターで催された,府立支援学校リーディングスタッフ実践協議会に参加した。府立支援学校に勤務する彼らは,市町村のリーディングチームや各学校のコーディネータに対するサポートを繰り広げる。その際のコーディネーションやファシリテーションの考え方,実践的リーダーが採るべきアクション等について考えるための研修会だ。
P1190399 この協議会は,3回連続のものであり,本日は,写真のように,各リーディングスタッフが,夏休み等に自らが企画した研修会等の様子や成果と課題をポスターにして発表した。
 ポスターの中に,「自らが企画する研修会では『参加者のネットワークやひきだしを増やしたい』」と,そのねらいを記しているものがあった。彼らが,教員研修を,教育実践に関する,語りと探究のコミュニティ構築の機会であると理解していることの証であろう。

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2010.10.24

授業づくりをめぐる,語りと探究のコミュニティ

 本日は,卒論ゼミをおこない,各人の進捗状況を報告してもらうとともに,今後の手順を確認した。後半,昨年度卒論を私のゼミで仕上げたOBもやって来て,現役ゼミ生にアドバイスを送ってくれた。
P1130387 また,このOBが先日実施した授業を私とある現役ゼミ生が見学していたので,その写真を用いて,当該授業のデザインや改善策について,自由に意見を交換した。
 このようにして,年度をまたいでゼミ生がつながり,そのネットワークが拡充している。換言すれば,授業づくりをめぐる,語りと探究のコミュニティが成長している。それは,充実感を味わえる,やりがいのある営みである。

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2010.10.23

小1プロブレムの構造をどう把握するか--

 (株)ぎょうせいの月刊教育雑誌『悠プラス』の今年度11月号では,「子どもの発達をつなぐ『スタートカリキュラム』」が特集となっている。いわゆる「小1プロブレム」の対策として,幼児期の教育と小学校教育を接続するための様々な試みが紹介されている。
 それらは,2つのアプローチに大別される。小学生として身につけるべきルールの導入や採るべき行為のトレーニングといった,規範を獲得させる取り組みである。もう1つは,子どもたちの小学校生活への適応を支えるために,学びのシステム(人的・物的・時間的・内容的)を柔軟に構成しようとする工夫である。
 読者は,それらにどのような印象をお持ちであろうか。私は,これらのアプローチは,相互補完的,相互作用的であり,両者の組み合わせが,入学した1年生の小学校生活の導入を充実したものにすると考える。

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2010.10.22

ベテラン教師の若々しい授業

 長岡京市立長岡第七小学校を訪問し,いくつかの授業を見学した。同校は,京都府総合教育センターが企画運営している,「『教師力向上』教育実践力継承事業」の開発実践校の1つである。
P1190302 いわゆる研究授業を実施したのは,聞くところによると,教職経験30年近い(越えている?)教師であった。しかし,その授業は,とても若々しい。所作がきびきびしていて上,笑顔で楽しそうに,子どもたちに接している。最近訪問する学校では,教職経験の少ない教師による研究授業が少なくなかったので,彼女のようなベテラン教師が授業デザインを工夫し,また,しっかり準備して臨む研究授業がなにか新鮮に思えた。
 なお,長岡第七小学校は,学力向上に組織的に,また体系的に取り組んでいる。それは,掲示物や朝学習等のメニュー等に,代表される。その姿勢や努力にも,共感した。

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2010.10.21

語りと探究のコミュニティを成立・充実させる舞台としての授業研究

 教育開発研究所が刊行している教育雑誌『教職研修』11月号に拙稿が載った。タイトルは,「『授業研究』の効果的な推進をどう図るか」である。授業研究を教育技術等の点検や伝達の機会ではなく,授業づくりをめぐる語りと探究のコミュニティを成立・充実させる舞台として位置づける考え方,その方法論についてまとめている。お読みいただき,感想など聞かせていただければ幸甚である。「jugyou_kenkyuu.pdf」をダウンロード

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2010.10.20

事後協議会のスタイルの多様化(大阪市立明治小学校)

 大阪市立明治小学校を訪問し,同校の校内研修に参加した。この学校の教師たちは,大阪市教育センターによる,授業力アップサポート事業のモデル校の1つであり,子どもの学力向上に資する,校内研修の改革に努めている。
P1190257 本日は,初任教師の国語の研究授業を題材とする協議が参加型で行われた。教師たちは,授業中に,気づきをメモし,それを指導案を拡大コピーした用紙に貼り付けた後,それらを眺めて,気づきの共有化を図った。さらに,同校が定めている研究の視点(学び合いのための場や評価の工夫等)に基づき,本時のデザインの改革に,グループワークで取り組んだ。特に後者は,不戦を活用した協議のマンネリ化を危惧して,新しく始めた,チャレンジである。事後協議会のスタイルにオールマイティーなものはない。授業研究会のねらいに基づいて,そのスタイルを多様化した方がよい。それに着手している,明治小学校の校内研修は,さらに発展を遂げるであろう。
 なお,同校の研究部が刊行している,研究通信『研ちゃん通信』の内容も見事であった。各回の授業研究会のねらい,記録等が巧みに整理されている。それもまた,同校の校内研修の成熟を物語るツールである。

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2010.10.19

玉川大学堀田研究室訪問

 本日,もろもろの打ち合わせのため,玉川大学の堀田研究室を訪問した。玉川大学前駅を降りると,たくさんの学生がいて,小さな所帯の我が大学との違いを痛感した。システムも,ずいぶん異なる。学生の個別指導を研究室ではやらない(ロビーでおこなう),2時間目と3時間目の間に昼休憩がない,保健管理センターは「健康院」と呼ばれている等々,色々な違いにも驚かされた。
 堀田研究室は,きれいに片付いていて,またスタイリッシュな調度が揃っていて,すてきな研究室であった(応接間の趣がある)。

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2010.10.18

3年連続の自主研究発表会(尼崎市立七松小学校)

 尼崎市立七松小学校を訪問し,7つの研究授業の指導案検討に参加した。同校の教師たちは,「自ら考え共に学び続ける子ども」という研究テーマを掲げて,授業改善の取り組みを重ねている。
 同校は,12月1日に自主公開研究会を開催する。これで,3年連続の自主研究発表会開催だ。そのプログラムの改編にも,同校の教師たちは着手している。例えば,全学年の研究授業の後に,学年ごとのブースが設けられ,当日の授業をめぐるプレゼンテーションとインフォーマルな協議の時間が設定される。一部は,ポスターセッション形式も採用される。研究発表会に参加すれば,授業づくりとともに,学校研究の進展についても,実践知を吸収できるであろう。

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2010.10.17

免許更新講習でどう学ぶか

 本日は,日曜日にも関わらず,大学に赴き,いわゆる教員免許状更新講習の講座を2コマ担当した。これらも含めて,今年は,夏と秋で,「学校マネジメント」領域に関する6コマ分を担当した。
 今日の2コマは,いずれも,100名弱ほどの教員が受講した。その属性は多様である。幼稚園・保育所から高等学校までの年齢が様々な教員が集っている。そして,それ以上に,幅があるのが,受講への熱意である。私のコメントに耳を傾け,必要だと感じた内容を熱心にメモしたり,演習時にまわりの教員としっかり情報交換をしたりしている教員もいれば,85分間ほぼ何もせずに,また黙って過ごす教員もいる。
 免許更新講習でどう学ぶか--それは,最終的には受講者の姿勢に依存している。これを,誰かが勝手に決めた,煩わしい時間だと認識するか,それとも(成り立ちがそうであっても)せっかく来たのだから,得るものを多くしようと考えるのか--。子どもの学びの成立と充実を願う教師の姿勢として,どちらが望ましいか--明らかであろう。

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2010.10.16

PLCでは,学校長自らが学び,変わるべきだ

 本日は,専門的な学習共同体(Professional Learning Community)に関する文献購読会に参加し,私も,ある文献の内容を報告した。それは,PLCには,5つの原理(①支援的・分散的なリーダーシップ,②信念・ビジョンの共有,③共同的学習とその実践化,④支援的な諸条件(物理的・構造的,人的)の整備,⑤個人的実践の共有)があるが,それを学校長がどのような方策によって具体化しているか,またそれに教師たちはいかなる形で応じているかに関する実証研究の結果をまとめたものであった。
 その結びは,学校長のスタンスにかんするものであった。すなわち,ある学校長のコメントに象徴されるが,「教師たちが,自分と同じ改革の道を歩んでくれるためには,『自分自身が変わる』必要があり,そのために何をすべきか」を学校長は考えるべきである。

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2010.10.15

盛岡の教師たちの授業づくりに学ぶ

 第52回放送教育研究大会東北大会・岩手大会の会場校園で保育や授業を見学した。いずれも,子どもたちが落ち着いて,学んでいたし,それを指導者が上手にコーディネートしていた。そして,放送番組がその材料やモデルを子どもたちに提供していた。
P1190103 会場校のひとつの盛岡市立城北小学校では,4つのクラスで放送番組やデジタル教材を活用した授業が公開された。私は,授業者たちの研究授業のデザインについて意見交換してきた。今日の授業に,それは反映された。
 城北小学校の教師たちに代表されるが,盛岡の教師たちは,よく学ぶ。そして,新しいアイデアをよく吸収し,自分のものにする。しかも,粘り強く,また工夫して。それは,子どもの学びの成立のために,今,我が国の教師にもっとも期待される姿であろう。

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紅葉

P1190007 山中では,紅葉も少し。

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2010.10.14

きれいな沼を見た

 東北の山中で,きれいな沼を見た。P1190032

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2010.10.13

日本教育大学協会編『教育支援人材育成ハンドブック』(書肆クラルテ,2010年)

 先日,日本教育大学協会編『教育支援人材育成ハンドブック』(書肆クラルテ,2010年)が刊行された。この本は,日本教育大学協会が平成19年度から3年間取り組んだプロジェクト「教育活動をボランティアに関する検討プロジェクト」の成果をまとめたものである。理論編・実践編・資料編から成る。
 私も,理論編において,教育支援人材の定義について執筆した。そこでは,教育支援人材の概念と役割・類型,ボランティア概念との関係について論じている。「KyouikusienjinzaiKihara.pdf」をダウンロード

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2010.10.12

『学校における実践研究を充実させるために-その企画・運営を学ぶハンドブック-』の改訂を講義で改訂する

P1130364 後期に担当する大学院の講義「教育プロジェクト研究」においては,2つのプロジェクトに,受講生たる現職教員に着手してもらう。1つは,『学校における実践研究を充実させるために-その企画・運営の工夫を学ぶハンドブック-』を題材とするものだ。これは,140ページから成る冊子で,学校研究の基本的な考え方,学校研究の実践同校動向,研究テーマの策定,研究組織の構築と運営,研究計画の策定,授業研究の企画・運営,若い教師への配慮,研究発表会の開催,研究紀要の作成,講師の活用,後進の育成,研究主任の学び,という12章で構成されている。研究テーマの策定以下の項目については,そのポイント等とともに,初級・中級・上級の3種類の問題と解答・解説が用意されている。講義では,受講者に,その内容の追加に取り組んでもらう。換言すれば,ハンドブックの改訂プロジェクトである。
 この講義の中盤・後半には,もう1つのプロジェクトに,受講生に着手してもらうが,それは,ある小学校における実践研究のコンサルテーションである。具体的には,同校の平成23年度の研究計画を策定し,それを当該学校の研究主任に提案する。

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2010.10.11

中学校における学力向上に関する研究発表会(尼崎市立園田中学校)

 秋になると,小中学校の研究発表会が増える。研究指定校としての発表もあれば,自主公開もある。そのうちの1つに,尼崎市立園田中学校の研究発表会がある。11月15日(月)の午後,3つの授業の公開,それに基づく協議,そして私のミニ講演というプログラムで構成される。
 この学校は,3年間,文部科学省指定の「確かな学力の育成に係る実践的調査研究」に着手した。そのテーマは,「基礎基本を定着させ、考える力を育てる~意欲を引き出す授業と家庭学習の習慣化を目指して~」である。同校では,各教師が,子どもたちの学力向上に向けて,授業改善に取り組んできた。3年間,地道にそれを続けてきた。それゆえ,研究発表会に参加すると,参加者は,中学校における授業改善の取り組みの過程と成果,さらなる課題を具体的・多面的に検討できるであろう。そして,それを材料にして,自校の学力向上アプローチの発展について考察できよう。

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2010.10.10

「大学研究者は授業研究にどのように関わっているのか」(日本教育方法学会第46回大会のラウンドテーブル)

 本日も,国士舘大学世田谷キャンパスで,日本教育方法学会第46回研究大会が開催された。最後のセッションは,ラウンドテーブルで,私もその①「大学研究者は授業研究にどのように関わっているのか」に登壇した。
 5人の登壇者の学校現場の授業研究に対する関わりには,規範的でない,継続性を大切にする等の共通項があった。しかし,同時に,授業の何に着眼するか,授業研究に何を期待するか等については,違いがも少なくなかった。
 私は,教師文化としての授業研究,語りと探究のコミュニティの成長の舞台としての授業研究,それらに資する文化的装置(,自分化を尊重する事後協議会のデザイン,実践記録や研究紀要を作成することの価値等)の意義について主張した。

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2010.10.09

日本教育方法学会第46回大会に参加

 本日から2日間,国士舘大学世田谷キャンパスで,日本教育方法学会第46回研究大会が開催されている。午後,自由研究7のセッションで司会役を果たした。その後,公開シンポジウム「日本の授業研究の特質と課題」に参加し,提案者の報告や指定討論者のコメントを拝聴した。
 1960年代の授業研究の取り組み,そこに象徴される授業研究の基本枠組みについて,学び直しができた。と同時に,今日の学校現場における授業研究(Lesson Study)は,それが教師の力量形成を主柱とするものであるとするならば,パラダイムを変えて,その特徴等を記述したり,開発したりしなければいけないとも感じた。

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2010.10.08

教育実習の振り返り-『教育実習の記録』に何を記すか

 本学の学生が公立学校における教育実習を終えて,戻ってきている。実習期間中は訪問指導だが,その後にも,彼らが実習中及び実習後に作成した『教育実習の記録』の内容を題材にして,事後指導をする。本日は,そのために,7名の学生の『教育実習の記録』の叙述に目を通し,コメントを書いた。
 いずれの学生も,教育実習期間中に,実習校の先生方のご指導の下,多様な経験を積んでいる。また,研究授業などに関する省察を進め,実習期間中に成長していった足跡を残していた。彼らは皆,教育実習生としての学級経営や授業づくりについて,おおむね満足できる状況に達しているだろう。
 特に豊かな省察を繰り広げている学生の『教育実習の記録』を読んでいると,その成長に一種の感動を覚える。そして,そのようなものは,たくさんの事実の記録,しかもていねいな記録を伴っている。例えば,別の実習生の研究授業の様子までしっかりと記述されている。よきリフレクションは,題材が豊かでないと成立しない。それは,現職教員の実践記録にも,教育実習生のそれにも,あてはまる。

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2010.10.07

「電子黒板主任」って--

 本日は,大学院で後期に担当する科目の一つ,「教職ファシリィテーター論」のスタートであった。第1回なので,講義内容・方法に関するオリエンテーションをおこなった。講義の目標や枠組み,ゴール等について説明するとともに,受講者に,○○主任や△△部長といったミドルリーダー役を果たしたことがあるか,経験がある場合はどのような点に留意していたか等を確認した。
 その時に,ある教師が「今年,電子黒板主任を務めています。自分で,ICT活用が大事だと思って,そのような主任を管理職に訴えて,この役に就きました」と教えてくれた。そういう主任が市民権を得るほど,(学校によっては)このメディアが存在感を発揮しているのか--。

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2010.10.06

附属平野学園の共同研究発表会(11月6日)

 11月6日(土)に,本学の附属平野学園(幼稚園,小中高等学校,支援学校)が合同研究発表会を催す。5校園は,生涯発達的視点に基づく校種間連携型一貫教育を標榜し,「”ことば・体験・コミュニケーション”で『考える力』を育てる保育・授業創り-アセスメントを活かした支援・指導のあり方を探る-」という共同研究テーマを設定し,研究活動を繰り広げてきた。その中間的な成果を公開する機会である。
 8:25に全体会が開始され,8:50から順番に(一部並行して),すべての学校園で公開授業・保育が実施される。また,合同の分科会が開催される。総合的な学習の分科会で助言者役を仰せつかっている。
 さらに,16:00~17:30には,「21世紀の知識基盤社会に生きる力を培う学校をどう実現するか」というタイトルのシンポジウムが催される。その司会役は--私である。
 5校園の共同研究に着手しているケースは,極めて少ない。それに接することができる貴重な機会なので,ぜひ,ご参加いただきたい。

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田中博之著『学級力が育つワークショップ学習のすすめ』(2010年,金子書房)

 本日,田中博之著『学級力が育つワークショップ学習のすすめ』(2010年,金子書房)が届いた。大学院の研究室の2学年先輩にあたる田中先生が記した,この本は,我が国におけるワークショップを取り入れた学習の事例がたくさん掲載されている。また,その整理軸(カルタ,評価セッション,成長発表会,サークルタイム,ドラマの5つのメソッド)が提供されている。さらに,その背景となる考え方が,外国の実践動向や調査結果とともに,示されている。
 授業づくりにワークショップを取り入れようとする教師にとって,水先案内人になる好著である。

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2010.10.04

『教師の力量とその形成-授業実践力実態調査に基づく授業実践力自己診断ツールの開発』

 昨年度,ベネッセコーポレーション教育事業本部長室と共同で,授業実践力調査を実施した。この調査は,全国の教師に,授業実践力=授業力+授業レジリエンスについて自己点検をしてもらい,その傾向を明らかにしたものである。授業力は,「単元・教材研究」「子ども理解」「学習集団づくり」「家庭学習とのリンク」「指導技術・方法」「授業実践に対する構え」という6領域で構成した。また,授業レジリエンスは,「同僚性,モデル」「課題解決,ユーモア,挑戦心」「自律性,楽観性」の3観点で構成した。
 1046名の教師たちの回答に対して統計的な処理(因子分析やクラスター分析等)を施した結果,授業レジリエンスに関して,次のような4因子が抽出された。
 第1因子は,「授業づくりに関する悩みについて助言・相談にのってくれる同僚がいる」等の4項目で構成されており,同僚がキーワードになっているので,「同僚との関係性」と命名した。
 第2因子は,「子どもの実態を踏まえた授業構成や指導方法を具体的にイメージできる」等の4項目から成る。理想とする授業像の存在に関するものであり,「イメージ」と名づけた。
 第3因子は,「計画通りに進行できない場合でも,自分の行動や感情を抑えて授業を遂行している」等の4項目に代表される。全体として,授業の雰囲気等に関わる内容であり,「ムード」というネーミングを付与した。
 第4因子は,「課題の洗い出しにとどめず,具体的な改善計画を立てて遂行している」等の3項目で構成されており,「授業改善に向けて新しい指導法や教材・教具を積極的に取り入れている」という項目が含まれていることに注目し,「チャレンジ」と命名した。
 こうした結果を踏まえて,授業レジリエンスを,「チャレンジ」を頂点とする三角形とそれを「同僚性」の円が外接するモデル図に表現した。また,授業力と授業レジリエンスが,相対的には独立した関係にあることも確認した。
 これらの知見とそれをもとにした,授業実践力の自己診断ツールを載せた小冊子『教師の力量とその形成-授業実践力実態調査に基づく授業実践力自己診断ツールの開発』を学会等で紹介したところ,(意外に?)反響が小さくなかった。
 私のところに残部があるので,希望者に,この冊子をお送りしよう(限定30冊)。次の住所に,宛先を記載して160円切手を貼った封筒(A4サイズの小冊子が入るサイズ)を送ってもらえたら,数日以内に,お届けしよう。
 〒543-0054 大阪市天王寺区南河堀町4-88 大阪教育大学・教育学部・天王寺キャンパス 木原俊行

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2010.10.03

英語活動の実践研究(岸和田市立常磐小学校)

 11月10日(水)に,岸和田市立常磐小学校にて,英語活動に関する研究発表会が催される。同校は,平成18年度から,小学校の外国語活動のカリキュラム開発を継続してきた。同校の研究推進リーダーの宮田さんは,私の知り合いだが,彼は,仲間とともに,4年生以下の学年にいかなる活動を用意し,それらをどのようにカリキュラムに集約するかについて検討を重ねてきた。当日は,その成果の一端が披露される。4つも公開授業もある。小学校の外国度活動に研究的関心を寄せている方は,参加なさると得るものがあるはずだ。「tokiwa_elementary_school20101110.pdf」をダウンロード

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2010.10.02

卒論ゼミOBが初任教師としてがんばる

 昨日訪問した大阪市立中央小学校には,昨年度,私のゼミに所属し,卒論を作成した,卒論ゼミOB生が所属している。せっかくの機会だから,校内研修としての研究授業に先立って,彼の4年生算数の授業を見学した。教材研究が甘い部分もあったが,子どもたちを学習に集中させ,しっかりと考えさせる授業づくりが(それなりに)実現していた。それは,彼が学級経営を大切にして,子どもと信頼関係を築いていることを基盤とするものであった。
P1180897 当該学級の子どもたちは,担任の先生たる,もとゼミ生が大好きだから,私にも興味津々。子どもたちには,「担任の先生の先生」というのは,すぐには理解できない関係のようだが,「一緒に給食を食べよう」と誘ってくれた(座席も勝手に決められた)。だから,子どもの自慢話に耳を傾けたり,やはり子どもと給食をともにした栄養教諭等の食育クイズに答えたりして,お昼休みを過ごした。
 昨年度も,一昨年度の卒論ゼミOBの研究授業を2つ見学することができた。この卒論ゼミOBのフォローアップ,可能な限り続けるつもりだ。

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2010.10.01

国語科における活用型授業の展開

P1180947 大阪市立中央小学校の校内研修に参加した。研究授業では,第1学年の指導者が,子どもに,「サラダでげんき」の読解を動作化等を取り入れてていねいにおこない,それを発展的な読書や当該の本の紹介に活かそうとしていた。ある題材による学習を別の題材に適用するという,国語科における,活用型授業の1つの代表的なスタイルである。
 この研究授業について,協議会では,肯定的な要素についても,改善点についても,たくさんの意見が登場した。私は,題材文の特色をかなり限定して適用した方がよい,適用の視点について指導者が例示することが大切である等について解説した。

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