若手教師が育つ学校とは
大学院で担当している科目「教師発達学」で,若手教師の力量形成について2週間にわたって検討した。その際に,若手教師が育つ学校の特徴について受講生に考えてもらった。彼らは,「面倒見がよい」「アドバイスをよくしてあげる」といったメンタリングに属する内容を示してくれた。それは,ある意味で正しい。しかし,私は,それに加えて,「専門的な学習共同体」や「カリキュラム・リーダーシップ」の見地から,若手教師が学び育つためには,他のスタッフ(中堅教師やベテラン教師,さらに管理職も)が学んでいるか,新しい取り組みにチャレンジしているかという視点が重要であると指摘した。受講生たちは,はっとしながら,その重要性について納得してくれていた。
大都市を中心として,若手教師の数が増え,その力量の低さを嘆く声が高まっている。もちろん,それは,事実なのであるが,しかし同時に,若手教師に対する見方は,中堅・ベテラン教師や管理職たちの授業や教育実践の枠組みが保守的であったり,固定的であったりすることに起因している場合もあろう。彼ら自身が創造的に学んでいるならば,若手教師の実態について見方が変わる部分もあると,私は考える。
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