« October 2013 | Main | December 2013 »

2013.11.29

総合的な学習の時間にユネスコスクールとして取り組む

P1440129 岡山市立政田小学校の教師たちは,昨年度から,「進んで人とかかわり合いながら生き生きと学ぶ子どもの育成」という研究主題を設定して,総合的な学習や生活科のカリキュラム開発に取り組んでいる。今年度は,「<学習のスパイラル>を活用し思考力を高める指導法の工夫」という副題を定め,探究的な学習と思考力の育成との接点を追究している。
 この学校,総合的な学習の時間の学校としての全体計画がとても整っている。各学年の目標・内容・活動等が整理されているし,その底流に「ESD(持続発展教育)」という論理を位置づけている(ユネスコスクールに認定されている)。
P1440115 学級担任と二十数名の子どもたちによる授業は,岡山らしい(?),素朴な,しっとりとした授業であった。子どもたちが,「みんなが暮らしやすい政田をつくろう」という合い言葉の下,それぞれが実践できることを考案し,それをよりよいものにしようと,真摯な姿勢で学習に取り組んでいた。

| | Comments (0)

2013.11.28

教育実習生も授業づくりでチャレンジ

P1090320 大阪教育大学附属平野小学校における教育実習(二部併修実習)が終わった。これは,2週間だけの実習なので,指導する教員も実習生も時間と闘わねばならない。しかし,公立校に於ける教育実習もそうであるが,活用型授業を目指す場合,教科書にない教材を用意する場合と,授業づくりでチャレンジを示すことが増えてきたように思う。例えば,1年生の生活科では,秋の自然(木々やドングリ,草花など)を使って,校庭を大きな画用紙に見立てて,壮大な絵を描いていた。

| | Comments (0)

2013.11.23

学校研究の企画・運営に教頭等がどのように関わるか

 広島市教育センターで催された,新任教頭を対象とする教員研修に協力した。多くの場合,教頭は自分で授業をするわけではない。だから,実践的なリーダーにはなれない。研究主任等の研究推進リーダーを支援することになる。では,どのような場面でいかなる支援を繰り広げればよいのか。それは,学校長というトップリーダーが行う支援とどのように差別化できるのか。学校長のパーソナリティー等によってそれには多様性があるのか。学校研究の企画・運営に教頭等がどのように関わるのか--なかなか一般化は難しい。
 私は,学校研究を牽引する研究主任等は,民主的,管理的,創造的な能力・資質を有することが望ましいと主張している。それをサポートする教頭等には,そうした能力・資質を研究推進リーダーがバランスよく発揮しているかどうかをモニタリングしたり,彼らにそれをコーチングしたりすることが求められるような気がする。今後,継続して考えてみたい。

| | Comments (0)

2013.11.22

今日も,長い長い講義とゼミ指導

1311212 今日も,4月に続いて,朝早く家を発ち,りんくうタウン駅近くの航空保安大学校で,「初任教官研修」の講師を務めた。この大学校は,空港で働く専門家,例えば管制官を養成するための高等教育機関だ。その教育を担当する方は,実務経験を数多く積んではいるが,講義や実習という教える立場の経験は皆無に等しい。そうした方々に対して,「指導と評価の工夫」をこうじた。8時45分から16時半過ぎまでの7時間の長い長い講義であった。しかしながら,初任教官たちは皆熱心で,私が提供するフレームワークや事例をよく吸収してくれた。それを指導プランの作成に活かしてくれた。
 その後,天王寺キャンパスに戻り,学部講義「教育学特論Ⅱ」と大学院講義「教職ファシリテーター論」を実施(合計3時間)。引き続き21時15分くらいから,修論M1ゼミ。帰宅は24時をまわった。長い一日であった。

| | Comments (0)

2013.11.20

学び続ける教師たち創る成長する学校

P1430946 長岡京市立長岡第二中学校は,京都府教育委員会による「『教師力向上』教育実践力継承事業」協力校の1つである。同校は,さらに,長岡教育委員会研究指定も受けて,『授業力向上プロジェクト』を推進してきた。2年間,同校の教師たちは,「全ての生徒が興味をもち,主体的に学習する授業づくり」を合い言葉にして,授業研究会や各種研修会を重ねてきた。その成果は,11月20日の研究発表会で公開された授業等によく示されている。それぞれの教員が習得型授業や活用型授業の成立と充実に向けて,自分なりに新しいアイデアを授業に取り入れていたからだ。学校長は,さらに,次年度も,授業力向上プロジェクトをパワーアップさせる構想を熱っぽく語っている。
P1440023 学び続ける教師たち創る成長する学校のこれからに大きな期待を寄せたい。

| | Comments (0)

2013.11.19

授業研究の連続発展を目指す

P1430877 5月に続き,尼崎市立潮小学校の授業研究会に参加した。第3学年の国語の授業を見学した。「三年とうげ」の読解の後,子どもたちは,起承転結で構成されている物語を創作し,クラス全体で物語集に仕上げる。子どもたちが書くことに意欲的に取り組んでいたし,それを指導者が支援した,よい授業であった。また,研究授業後の協議も,当該授業の特徴と課題を研究テーマ「自ら学び,考える力をつける学習指導の工夫」に即して多面的に検討できた。
P1430912 私は,それを認めたり整理したりしつつ,研究授業のさらなる可能性を解説した。そして,このような議論を授業研究会をまたいで繰り広げる必要性とそのための授業研究会のデザインの工夫についても言及した。

| | Comments (0)

2013.11.17

日本教育工学会の研究会JSET13-5で発表(12月14日,徳島大学)

 12月14日(土)に徳島大学を会場にして,日本教育工学会の研究会JSET13-5が催される。同学会は,年次大会とは別に,年5回の研究会を開催している。年次大会よりも発表時間も長いし,報告集に載せていただく原稿のボリュームも8頁までと多い。大学院生から助手くらいまでの間,よく発表していたが,最近は,他学会の年次大会での発表やシンポジウム登壇が増えたため,研究会では発表していなかったので,なんだか新鮮な気持ちである(少々緊張気味)。
 発表のタイトルは,「我が国の教師たちのICT活用に関する熱意に影響を及ぼす要因の具体的検討-日英の教師たちの実践史の分析を通じて-」である。その要旨は,次のとおりだ。

 我が国の教師たちのICT活用に関する熱意に影響を与える要因を具体的に検討するために,筆者らは,日本のある小学校の3人の教師に「ICT活用に関する熱意」曲線を描いてもらうとともに,それに影響を及ぼす事象を語ってもらった.3者の共通点を導出するとともに,それらを英国の教師たちの場合と比較検討した.分析結果を踏まえて,我が国の教師たちのICT活用に関する熱意に影響を及ぼす要因,その構造をモデル化した.

 ICT活用と教師の成長(力量形成)の接点を見いだすという点で,けっこうオリジナリティのある調査研究だと思っている。どのようなリアクションを受けるか(受けられないか),半分楽しみであり,半分怖くもある。

| | Comments (0)

2013.11.16

日本教育工学会の編集委員会や理事会に出席

 本日,日本女子大学の目白キャンパスにて,日本教育工学会の編集委員会や理事会が催された。編集委員会では,担当理事(幹事団)として,議事録作成や各種意見の整理をなさる委員長のサポートに努めた。理事会では,論文賞に関する編集委員会と顕彰委員会の協力や役割分担について意見を述べた。
 他の学会でも理事と拝命しているが,日本教育工学会は2800名を超える会員を擁する学会だけに,他学会に比べても理事としての仕事は多い。しかし,選出された限りは,可能な範囲でがんばらねばなるまい。

| | Comments (0)

2013.11.15

学校における実践研究の理想的な展開(三原市立幸崎中学校)

P1430733 広島県三原市立幸崎中学校が広島県中学校視聴覚教育研究大会【三原大会】の会場校となって,3つの授業を公開したり,研究発表を行ったりした。この学校は,平成22~23年度,パナソニック教育財団の第36回実践研究助成の特別研究指定校として,「『思考力・表現力』を高める授業の創造~学習集団の育成を通して~」という研究テーマをかかげ,それらの能力を育成するためのICT活用に取り組んできた。
P1430783 その資産を今に生かすべく,道徳教育とICT活用の接点に迫ろうとしたり,タブレット型PCの利用にチャレンジしたり(社会),いわゆる「作品の作品化」をICT活用によって実現したり(美術)という実践が生まれていた。幸崎中学校の教師たちの実践研究の継続・発展には,学校における実践研究の理想的な展開を見いだせる。

| | Comments (0)

2013.11.14

生徒自身の手で作りあげる学習共同体は力強い

P1430638 京都府久世郡久御山町立久御山中学校の教師たちは,京都府教育委員会の学力向上システム開発校となって,子どもたちの学力向上のための取り組みを多面的に展開している。その1つが,生徒会の専門委員会たる「学力委員会」の組織化と運用である。例えば,写真のように,すぐれたノートの事例を彼ら自身が収集し,展示している。
P1430676 また,定期テスト対策の家庭学習時間を増やすキャンペーンを各クラスの学力委員と推進している。生徒自身の手で作りあげる学習共同体は,力強い。

| | Comments (0)

2013.11.12

新任教師が活用型授業にチャレンジして

 本日,大阪市内のある中学校の授業研究会に参加した。2時間目から6時間目まで5つの研究授業が実施された。私は,5時間目(数学)と6時間目(英語)の授業を見学させてもらった。それぞれ,習得型授業の徹底に資する工夫が取り入れた授業であった。
 加えて,私は,指導案を頂戴して拝見しただけだが,2時間目や3時間目に実施された,新任教員たちの研究授業は,身近な話題を教材化して数学的な処理を求めるもの,いくつかの選択肢を設けて消費生活の知恵を掘り下げる課題を用意したものと,活用型授業の成立を標榜したものであった。このようなタイプの研究授業に着手する新任教師が増えていると感じるが,授業づくりのレパートリーが求められる現在,とてもよいことだと思う。

| | Comments (0)

2013.11.11

広島県教育委員会の学力向上施策

 岡山県教育委員会の学力向上アドバイザー事業の一環で,今度は,広島県教育委員会を訪問し,同委員会の学力向上施策についてヒアリングした。県独自の学力調査の実施とそれを活かした各学校の授業改善プランの策定,それをさらに徹底するための学力向上総合対策事業の企画・運営と,広島県教育委員会も,学力向上に関わる施策をしだいに成熟させていることが分かった。

| | Comments (0)

2013.11.10

大学院生にたくさん質問してもらって

 本日,全国社会科教育学会第62回全国研究大会が山口大学吉田キャンパスで催された。課題研究Ⅱ「学習環境の多様化と社会科授業の研究」に招聘され,「ICT環境の整備を基盤とする活用型授業の展開」というタイトルで発表した。それは,教育の情報化の全体像の再確認,ICT活用の3つの効果,ICT活用の本質的効果による活用型授業の充実,ICT活用のさらなる発展に向けてという4部で構成されたものだ。この学会には20年以上前に1度参加しただけだったので,様子がよく分からないまま(アウェー感を抱きながら),ともかく,分かりやすい発表を目指して,その内容・構成・事例を練った。
 課題研究中も,休憩時間帯も,たくさんの「院生」が質問してくれた(すべてに応じる時間がないくらい)。それに1つひとつ応じながら,こういうフレッシュさのある学会は発展するだろうなと感じた。実際,発表形式の多様さという点で,プログラムもよく工夫されていたと思う。
 しかし,課題研究だけで大阪に戻られねばならぬ。夕方からは,附属平野小学校のPTA関係の集いがあり,それに出席するからだ。

| | Comments (0)

2013.11.09

平成25年度大阪教育大学 平野五校園共同研究発表

P1080928 本日,大阪教育大学附属平野地区の五校園が共同研究発表会を催した。その主題は,「ユニバーサルデザインにもとづいて『わかる力』『考える力』『使える力』を育む保育・授業づくり」である。午前中3コマで幼稚園から高等学校までの授業がたくさん公開された。特に,いくつかの授業は,五校園の幼児・児童・生徒の交流学習として企画・運営された。また全体会では,平野五校園の共同研究の経緯や成果等が報告された。

| | Comments (0)

2013.11.08

都道府県教育委員会の学力向上施策の浸透のために

 昨年度,本年度と,岡山県教育委員会の学力向上アドバイザーを拝命しているが,本日は,本年度の第4回目の協議会であった。同教育委員会が構想している平成26年度の学力向上施策について,それぞれの立場から,意見を述べた。私は,施策の核を明確にすること,それと他の施策の関連性を高めること,施策を学校に浸透させるために中間組織(市町村教育委員会,教育センター,教育事務所等)との絆を強めることなどを助言した。また,そのためには,学力向上に資する授業モデルとそれを徹底するためのツール(例えば指導案にそれを記す項目を設けるなど)が必要になると訴えた。

| | Comments (0)

2013.11.07

「大阪市学校教育ICT活用事業」のモデル校で授業公開(阿倍野小学校)

P1430446 本日,午後,「大阪市学校教育ICT活用事業」のモデル校の1つである,阿倍野小学校で,ICT活用の授業が公開され,それに関する協議のための分科会が催された。私も,同校担当のコーディネータとして,これに参加し,講演を担当した。そのタイトルは,「ICT活用と活用型授業の交差点」である。
P1430515 各学年等の7クラスが授業を公開した。電子黒板やタブレット型PCを利用した,問題解決学習の充実が図られていた。特に,ICT活用を基盤とする協働学習スタイルが定着しつつあることが目についた。そのようなICT環境が導入されて2ヶ月強の時間しかないのに,子どもたちも教師も,落ち着いてそれらを利用していたのが特に印象に残った。

| | Comments (0)

2013.11.05

4年生親子給食試食会

P1080728
P1080736
 本日お昼に,体育館で,4年生の児童と保護者による「親子給食試食会」が催された。これは,PTA給食衛生委員会の方々に企画・運営していただいているものだ。たくさんの保護者にご参会いただいた。子どもたちも,いつも以上に張り切って,おかわりをしていたように思う。

| | Comments (0)

2013.11.04

大阪市立阿倍野小学校で第 2回ICT公開授業(11月7日)

 11月7日に,大阪市立阿倍野小学校で,第 2回ICT公開授業という集いが催される。同校は,平成25年度大阪市教育委員会「学校 ICT活用事業」モデル校として,各学年(第3学年以上)に40台のタブレット型PCが配備された環境で,ICT活用実践に関する実践研究を推進している。
 同校では,6月に第1回の公開授業の集いが設定された。この時には,全クラスの授業が公開となった。今回は,各学年1クラスずつ,授業が公開される。そして,それと題材とする協議会や私のミニ講演用意される。ぜひ,参加を検討していただきたい。

| | Comments (0)

今日は,,第3年次編入学希望者説明会および第1年次入学希望者進学相談会

P1170085 今日は,大阪教育大学第2部の第3年次編入学希望者説明会および第1年次入学希望者進学相談会が天王寺キャンパスで開催された。私も,,第1年次入学希望者進学相談会に,スタッフの一人として参加した。自分が大学受験をしたのは,30年以上も前のことになる。あの時代,少なくとも旧国立大学は,入学希望者に対して,教育内容やシステムをそれほどオープンにはしていなかった。私も,進学した大阪大学人間科学部については,事前にほとんど情報を得ることがなかった。だから,大学生活にそれなりに適応できた(無事に卒業し,大学院に進学できた)のは,幸運だったと思う。

| | Comments (0)

2013.11.02

都道府県教育委員会の学力向上の取り組み

 昨年度,本年度と,岡山県教育委員会の学力向上アドバイザーを拝命している。同委員会の学力向上施策,その進捗状況に対して意見を述べるのに加えて,私は,岡山県教育委員会が学力向上施策を自己点検・評価するための評価基準づくりを担当している。その一環として,熊本県教育委員会と大阪府教育委員会に出向き,両府県のの学力向上施策等をヒアリングした。いずれの委員会においても,学力向上のための施策を練り,それを継続・発展させている。とりわけ,「私たちの学力向上施策の柱は,○○です」と説明できる取り組みを有していた(それは,熊本と大阪では異なる)。そして,担当者の方々は,それを論理的に,また雄弁に語ってくださる。私は,常々,学力向上は学校を基盤とするアプローチで成立させ,また発展させるべきだと主張してきたが,都道府県レベルでも同じことが言えるのであろう。

| | Comments (0)

2013.11.01

授業研究の時間をたっぷり確保して

P1430341P1430418P1430425
 大学の開学記念日(つまり休日のはず!)の本日,津山市立佐良山小学校に出かけた。同校は,「読み取る力や伝える力をのばすための指導法の工夫による学力向上」とう研究主題を定め,国語・社会・算数・理科等の授業研究を重ねている。今日は,3時間目に2年生国語,4時間目に6年生理科の研究授業が催され,13:45から16:00過ぎまで,熱心に協議が催された。協議の時間をたっぷり確保しているから,研究授業を多面的に批評できる。やはり授業研究会には,ある程度の時間をあてたいものだ。

| | Comments (0)

« October 2013 | Main | December 2013 »