先日,日本教育工学会の論文誌の第39巻3号が刊行された。この号は,「教員養成・現職教育の新しい展開」をテーマとする特集号である。巻頭言,総説に加えて,3篇の論文,6篇の教育実践研究論文,そして1篇の資料が掲載されている。
私たちの論文「学校における実践研究の発展要因の構造に関するモデルの開発-『専門的な学習共同体』の発展に関する知見を参照して-」も掲載された(島田先生,寺嶋先生と共著)。
その概要は,以下のとおりである。
本研究は,学校における実践研究の発展要因の構造に関するモデルを開発することを目的とするものである.そのために,4つの小中学校を対象として,研究推進リーダーを務めた教師に,実践研究の詳細について,聞き取り調査を実施した.得られたデータを,「専門的な学習共同体」の発展要因に関する先行知見を参照して整理し,また4校間で比較して,学校における実践研究の発展を促す要因の構造を暫定的にモデル化した.次いで,モデルの信頼性を検証するために,あらたに別の3つの小学校を対象として,研究推進リーダーを務めた教師に,同様の聞き取り調査を実施した.得られたデータを,再度「専門的な学習共同体」の発展に関する知見を用いて分析し,3校間で比較して共通項を導き出した.そして,それらとモデルの整合性を分析して,その信頼性を確認した.また,一部の要因を加えて,要因間の順序性や関係性を考慮し,モデルを精緻化した
校内研修の継続・発展に興味のある方には,ぜひお読みいただきたい。
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