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2016.03.30

名古屋大学を初めて訪問

 本日,名古屋大学東山キャンパスを初めて訪問した。私が代表者を務める科研費の研究プロジェクト「教育工学的な視点に基づく教師教育ハンドブックの開発-その理論と実践の分析から-」の成果である『ハンドブック』を名古屋大学大学院の柴田先生に評価していただくためだった。柴田先生は,お忙しいのに,『ハンドブック』を熟読なさって,その意義や可能性,課題に関して貴重なコメントを呈してくださった。柴田先生,ありがとうございました。
 それにしても,地下鉄の名古屋大学駅のすぐそばにキャンパスがあり,ここは,交通の便がとてもよい。12:10くらいまで名古屋大学のキャンパスにいたのに,14:45くらいには,大阪市南部にある大阪府教育センターで実習指導を始められた(それも,名古屋駅で20分以上ロスタイムがあったのに)。ただし,お昼ご飯は,新幹線内でお弁当。本当は,味噌煮込みうどんが食べたかった--。

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2016.03.29

日本教育工学協会(JAET)の新体制

 本日,溜池山王で,日本教育工学協会(JAET)の常任理事会が催された。平成27年度の事業報告や決算,平成28年度の事業計画や予算等の審議に加えて,野中新会長の下の役員体制についても,評議会にかける原案に関して,意見交換がなされた。さらに,10月に佐賀で開催される全国大会のプログラムや組織体制等についても,話し合いを重ねた。
 本日が,堀田会長体制のもとでの最後の常任理事会であった。誰もがその労をねぎらう,すばらしいリーダーシップを堀田会長は発揮し,JAETの活動を充実させた。堀田会長,お疲れ様でした。そして,それを継承・発展させるべく,野中先生も既に,会長として,確かな判断やていねいな対応,すばやいアクションを示している。これもまた,見事である。

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2016.03.28

異動は,学び続ける教員にとって,その促進要因となりうる

 本日,いろいろな教員や教育委員会スタッフと異動について話す機会があった。長く勤務した学校を離れる人,教育行政に勤務することになって驚いている人,管理職となって学校改革の意欲を高めている人と,その反応は様々だ。私たち大学人と違って,学校現場の教師たちには,勤務先を選ぶ権利は(ほとんど)ない。だから,本人が喜ぶケースもあれば,そうではないケースもある。しかし,後者の場合でも,ある教員たちは,必ずしも希望どおりでない環境やポジションであるからこそ,それを変えようとして,いっそう学んでいる。異動を自らの成長の契機としている。異動は,学び続ける教員にとって,その促進要因となりうる。

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2016.03.27

リーダー教師のアイデンティティに関する論文を報告

 本日は,奈良教育大学で催された,教師の力量形成に関する論文購読会に参加した。私は,リーダー教師のアイデンティティに関する論文を報告した。これも含めて,本日レポートされた論文は,教師の感情研究の応用,実践に関するものが多かった。レジリエンス,アイデンティティ,コミットメント等に関する研究も,当初の概念化,次なる実態把握を経て,第3ステージに入ったように思う。

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2016.03.26

またまた,卒論ゼミ生の結婚披露宴に出席

 本日は,神戸のメリケンパークを訪れた。ノートルダム神戸を会場にして催された,卒論ゼミ生の結婚披露宴に出席するためだ。私は,「新郎の恩師」ということになる。小学校教員同士のカップルは,たくさんの人に祝福されて,輝かしい笑顔を見せてくれた。
 大阪教育大学に奉職して,卒論や修論ゼミ生の結婚披露宴に招かれる機会が増えた。時には祝辞や乾杯の音頭を拝命することもある。いずれにしても,教え子のこうした幸せそうな姿を見るのは,大学教員の喜びの1つだ。それは,彼らがOB実践報告会で教師としてのチャレンジの様子を報告してくれる時とはまた違った,趣である。それに,こういう時には,他の教え子にもたくさん会えることになる。今日も,大阪教育大学第二部卒業の学生が10人くらい,集まっていた。彼らの元気そうな様子にふれるのも,楽しい。今日も同じテーブルの元学生がパンを15個以上食べていた。

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2016.03.25

卒論ゼミ生とのお別れ会

16032511603252 昨日の謝恩会に続き,本日は,卒論ゼミ生とのお別れ会をなんばで催した。まず,ボーリング。2ゲームトータルで,私がハイスコア(148+185=333)となった。数年ぶりのボーリングだった。はじめはミスが続いたが,次第に調子を取り戻し,学生に負けなかった。続いて,なんばのKICHIRIで,たくさん,お話をした。彼らは,卒業旅行でセブ島に行ったのでその土産話を聞いたり,卒論作成時の苦労話をしたりした。
 ある学生が同学年のリーダーを務めてくれたのだが,その労をねぎらうプレゼントを仲閒が用意してくれるという,ステキな場面もあった。
 教職大学院に配置換えとなった私にとって,彼らは,(とりあえず)最後の卒論ゼミ生となる。それぞれの道でがんばってもらいたい。そして,また,天王寺キャンパスに戻ってきてもらいたい。まず,夏のOB実践報告会で再会しよう。

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2016.03.24

卒業・修了のシーズン

 本日は,本学の卒業式・修了式が催された。私の卒論ゼミ生,修論ゼミ生たちも,晴れ姿を見せてくれた。夕方からは,学部・大学院合同の謝恩会が開かれた。教職大学院に配置換えとなった私も,招待してもらい,ゼミ生だけでなく,様々な学部生・大学院生と言葉を交わした。とりわけ,実践学校教育専攻の教職ファシリテーターコースの修了生たちとは,同専攻の必修科目を2つも担当していたので,それらの講義の思い出話で盛り上がった。
 いずれにしても,卒業・修了,おめでとう!

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2016.03.23

1年間,教育研究評議会に出席して

 本日は,本年度最後の教育研究評議会が柏原キャンパスの事務局棟大会議室で催され,私も,連合教職実践研究科選出の評議員として,出席した。今年度十数回,教育研究評議会が開催されたが,ほとんど出席した(欠席は文科省の仕事で1回だけ)。教育研究評議会には学長以下,理事や部局の代表,事務方の管理職等,たくさんのメンバーが出席し,大学の営みに関して,審議したり,共通理解を図ったりする。内容は大学運営の重要事項ばかりである。1年間,いろいろと勉強させていただいた。

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2016.03.22

教育学部のスタッフはみんな,がんばっている

 鹿児島大学教育学部を訪れた。科研の成果物である『ハンドブック』の活用可能性について,教育学部のスタッフに聞き取りを試みた。その前後に,教育学部のスタッフが教職大学院の設置認可に向けて,いろいろと努力を重ねていらっしゃることを拝聴した。体調を崩されて1週間ほど,寝込んだというお話もでてきた。私たちも、昨年度,設置認可に向けて,苦労した。どこの地域でも,教育学部のスタッフはみんな,がんばっている。

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2016.03.21

平成27年度と平成28年度が激しく交錯した

 毎年度そうなのであるが,2月3月は,当該年度と次年度の取り組みを並行して考える,それに対処することになる。年度末なので各種報告書とか決算をしなければならない。一方,次年度の講義計画や指導体制などを考えなければならない。まあ,どんな仕事にも,そういう時期があるだろうが--。それにしても,今日は,それが顕著であり,頭の中で,平成27年度と平成28年度が激しく交錯した。

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2016.03.20

2年間の修士課程における学び,お疲れ様でした

 今日は,大阪教育大学大学院実践学校教育専攻の修論ゼミ生たちとのお別れ会を開催した。彼らは,昼間は教員として勤務しながら,夜,講義を受けたり,論文作成にいそしんだりして,修士課程を修了した。体調が優れない時期,論文執筆が進まない局面を乗り越えて,24日,晴れて修了生となる。本日,天王寺のイタリア料理店で,2年間の想い出を語り合った。2年間の修士課程における学び,お疲れ様でした。

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教師教育のハンドブックの改訂版の評価結果を共有

 私が代表者を務める科研費の研究プロジェクト「教育工学的な視点に基づく教師教育ハンドブックの開発-その理論と実践の分析から-」もゴールを迎えた。先日,研究者や実践者の方々に,『ハンドブック』の改訂版の評価にご協力いただいた。本日,JAPET&CECで,会議を開催し,その結果を共有するとともに,『ハンドブック』の今後の活用,そのための仕組みづくりについて,意見を交換した。
 この科研は,たくさんの研究分担者,連携研究者,評価協力者の方々のお力添えで,なんとか成果物を手にできるtころまできた。関係の方々に,心より御礼申し上げます。

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2016.03.18

すぐれたカリキュラム開発の実践(日野市立平山小学校)

 4年ぶりに,日野市立平山小学校を訪問した。同校は,ここ数年,文部科学省の研究開発学校として,「生きぬく科」を基軸とする,防災等の教育に関するカリキュラム開発に取り組んできた。一ヶ月ほど前にその中間成果を発信する研究発表会を開催している。残念ながら,私は,参加できなかったが,先日,その際に配布された資料を目にした。非常にすぐれたカリキュラム開発の実践の過程と成果が記されていた。目標・内容・活動が体系的に示されたり,カリキュラム評価のためのデータが組織的に収集・分析されていたりと,研究開発学校がなすべき営みが適切にまとめられていた。しかも,それが円環的に発展していた。数々の研究開発学校にふれてきた私には,同校のカリキュラム開発がいかに充実したものであるかがよく分かる。
 その取り組みの詳細,とりわけカリキュラム・リーダーシップを知りたくなり,平山小学校に赴き,学校長にお話を聞かせていただいた。資料の行間を埋める情報やエピソードを手にできた。また,同校のカリキュラム開発の展開可能性について理解できた。お忙しいのにたくさんのお時間をくださった五十嵐学校長,ありがとうございました。

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2016.03.17

退職のご挨拶を拝聴して

 本日は,ずっと柏原キャンパスで,会議が続いた。そのうち,もっと長かったのは,全学教員会議である。その最後は,本年度で,退職なさる先生方のご挨拶であった。それを拝聴して,いつか(そう遠くない日に?だって,定年まで勤めてもあと13年しかない)自分にもそういう時が来る,その時に何をどう述べるべきかと考えてしまった。本日のご挨拶は皆,大阪教育大学とその学生の特長,そのエピソードなどをおっしゃるものであり,さわやかであった。

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2016.03.16

教職大学院におけるティーム・ティーチングに関するプロジェクトのまとめ

 本日,学長裁量経費で本年度取り組んできたプロジェクトの最終ミーティングを催した。それは,「教職大学院における研究者教員と実務家教員の協力教授に関する手引きの作成」というプロジェクトである。先日も記事にしたように,連合教職実践研究科のメンバー6名と,教職大学院の授業における研究者教員と実務家教員の協力教授について調査研究棟を重ねてきた。そして,その成果をリーフレットにまとめてきた。その過程を振り返りつつ,教職大学院のカリキュラムやその運用体制としてのティーム・ティーチングのあり方について,意見を集約した。今後,プロジェクトによる知見を研究科主任に提言し,我が教職大学院のカリキュラムや授業の改革に役立てることとなる。

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2016.03.15

次年度の学会発表について計画

 あと数週間で,平成28年度が始まる。新しい年度においても,学会発表を予定している。今のところ,国内では,日本カリキュラム学会,日本教師教育学会,そして日本教育工学会である。本日,高知大学の島田先生と,7月に催される日本カリキュラム学会の年次大会での発表予定について相談した。7月や9月に催される学会の年次大会ではあるが,申し込み,要旨や論文の投稿等の時期はそれよりも早い。そららを考えると,前年度末には,発表までのステップや役割分担等を決めておく必要がある。国際学会発表の場合は,さらに明確な見通しと早い対応が求められる。

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2016.03.14

『教育工学的なアプローチによる教師教育』(ミネルヴァ書房 教育工学選書Ⅱ 10)

 本日,ミネルヴァ書房より,『教育工学的なアプローチによる教師教育』が届いた。これは,私と寺嶋先生(大阪教育大学),島田先生(高知大学)が編者となって,教育工学的なアプローチに基づく教師教育に関する論文を収めた学術書である。日本教育工学会が監修している選書の1つだ。私は,「はじめに」「第1章」を執筆している。「はじめに」に記した,本書の概要を掲げておこう。

--------------------ここから
 本書は,教育工学的なアプローチに基づいて教師教育の実践的課題の解決に従事しているメンバーが執筆者となっている。本書で,執筆メンバーは,自身が教育工学と教師教育の接点を追究した過程を語っている。そして,自身の研究の特徴を示すとともに,それによる知見を呈している。
 本書における語りや知見の内容は,大きく5つのパートに分かれる。まず第1章では,教育工学的アプローチに基づく教師教育の研究と実践を俯瞰する枠組み(変化する社会における教師像の5つの要素,今日の教師教育研究と教育工学研究の接点を成す5つの具体的なアプローチ)が呈される。それは,本書の内容の総論に該当する。
 続く2つの章では,教育工学的アプローチに基づく教師教育の営みの重要な概念が提示される。第2章では,世界の教師教育の動向が解説されるとともに,諸外国や我が国における教師の力量に関するスタンダード構築の軌跡が描かれ,また,その現状が整理される。第3章では,レジリエンス等の教師の力量とその形成をめぐる今日的課題が提示され,その克服に資する理論たる「専門的な学習共同体」の特性が解説される。そして,それに合致した実践事例が紹介される。
 第4章から第7章では,教員養成や現職教育のカリキュラム開発が報告される。まず,第4章では,教員養成カリキュラムの柱とも言える,教育実習に関して,その長期化・体系化・高度化の取組事例がレポートされる。第5章では,「教育の情報化」に応ずるための教員養成カリキュラムの改革がテーマとなっている。その問題点が整理された後,その基本的な考え方や好事例が示される。第6章は,現職教員を対象とした大学院教育の高度化に関する言及である。教職大学院の制度上の特色,そのカリキュラムの目標や内容,その指導法の特徴が整理される。また,教職大学院の科目の典型事例,そのシラバス等が提示される。第7章は,現職教員に対する行政研修プログラムの改革動向の解説である。反省的実践家たる現職教員の学びを支える法制度とその現状に関する概説の後,行政研修プログラムの改編の内容とその代表事例が呈される。
 第8章から第10章では,教師教育の実践を支え促すシステムやツール等の開発の知見が報告される。第8章が取り上げるのは,模擬授業教室である。本章では,かつて教育工学的アプローチの象徴的存在であったマイクロティーチングが模擬授業教室のデザインの工夫によって充実すること,その多様な活用可能性,運用上の留意点等が述べられている。第9章では,オンライン授業研究のためのシステム開発に関する研究知見が提示される。一般の授業研究の企画・運営に伴う空間的・時間的制約を超克するためのシステムの開発,それを基盤とするプログラムの運用を通じて,それに参加した教師たちのリフレクションの活性化や充実が実現したことが語られている。第10章では,現職教員のためのeLearningプログラムに関して,その概念や原理,その特徴が整理された後,それを基盤とする大学院教育や教員研修の事例が報告される。著者らが「のびちぢみする講義室」として設計し運用した,現職教員向け遠隔学習の実際,成果と課題が呈される。
 本書の最後には,「資料 教師教育に関係する学会や協議会等の動き」のパートが位置づく。ここでは,教師教育に関係する国内外の学会の研究動向が明らかにされている。また,教師教育に関わる協会や協議会の存在や取り組み状況が紹介されている。それらは,読者が,自身の教育工学的なアプローチによる教師教育研究を相対化するためにも,あるいは発展させるためにも活用できる,教師教育研究のコミュニティである。
--------------------ここまで

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2016.03.13

鍵を握るのは,多様性とチャレンジ,そして学校長の学び

P1140883P1140993 ロンドン東部のNewham区のMaryland Primary Schoolを再度訪問し,授業見学を経て,学校長や副学校長と教育談義を重ねていると,英国や日本の学校における授業の成立や充実には,「多様性とチャレンジ」が欠かせないという点でも,意見が一致した。前者は,過去から現在までの授業づくりの原理とも言えるが,子どもや家庭,社会のの多様性が増す中,その重要性がさらに高まっている。そして後者は,多様性を保障するための指導者の学びの重要性である。それは,学校長をはじめとするリーダーシップチームにもあてはまる。Maryland Primary Schoolの学校改革の維持・発展は,学校長の学びの充実,例えば私から日本の教育の潮流や好事例を貪欲に吸収しようとするアクションに端を発している。

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日本・英国・フィンランドの教育を比較して

P1150005 昨日も報告したように,11日ロンドン東部のNewham区のMaryland Primary Schoolを再度訪問し,たくさんの授業を見学させてもらった。同時に,学校長や副学校長と,英国,日本,フィンランドの教育に関して長い時間,話をした。彼女たちも,フィンランドやスウェーデンの学校を訪問した経験を有しているからだ。さらに,彼女たちは,私等のアレンジで,日本の学校も4校訪問している。
 それぞれが3国の教育について,実際に目にしたことをもとに意見を述べた。やはり,教育をめぐる状況が,英国や日本と,フィンランドではかなり異なる。だから,フィンランドの教育スタイルを英国や日本に導入することは,部分的・限定的にならざるを得ない。そして,それは,英国と日本の教育についてもあてはまる。両者には,共通項も多いが,やはり,社会的・文化的・制度的に異質な部分もあるからだ。日本・英国・フィンランドの教育を比較すると,多元的な異同が明らかになる。

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2016.03.12

ロンドンのMaryland Primary Schoolを再度訪問

 本日,ロンドン東部のNewham区のMaryland Primary Schoolを再度訪問し,たくさんの授業を見学させてもらった。滞在は,8:30から16:00過ぎに及んだ。学校長や副学校長,彼女たちを含むシニアリーダーシップチームのメンバーと長い時間話もした。
 1年間で,学校がとても発展していた。例えば,この学校は,無学年制で,Literacyの授業を展開している。それは,30弱の段階に分けられており,スタッフが総動員で指導にあたっている。その様子は,昨年度も見せてもらったが,今年度は,その一部に電子黒板が位置付き,指導者の説明等がいっそう巧みになっていた。
 さらに,スウェーデンの学校のe-publishingの取り組みに学んだり,私が昨年度紹介したLesson studyの機会を増やしていたりと,とにかく学校が動いている。学校長は,チャレンジの重要性と繰り返し説いていた。また,そのためのアイディアを貪欲に求めていた。学校改革を推進する英国のすぐれた学校の好事例である。この先,どのように発展するのか,その様子を再々度訪問してみたいと思った。

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2016.03.10

トゥルクでは,確かに一斉指導が多い(フィンランド訪問第5日目)

 トゥルク市郊外のElisenvaaran Kouluを訪ねた。第7学年から第9学年までの225人の子どもを擁する学校である。この日も,9時前から14時近くまでずっと見学やインターネットを続けて,学校の1日を追った。
 今日もたくさんの授業を見学したが,教師たちは,教科書の内容を分かりやすく説明したり,子どもたちに質問を投げかけたりして,一斉指導を続けていた。昨日の小中学校もそうであった。この度,ご一緒させていただいた,東京学芸大学の高橋先生は数年間フィンランド訪問を重ねていらっしゃるが,去年も,一昨年も,同様の状況だったとおっしゃっていた。確かに,思考力育成のための子どもの能動的な学習は少ない。数校しか訪問していないので,一般化はできない。けれども,フィンランドの学校では,一斉指導は,それなりの存在感を示しているように思われた。また,それを,1教室の子どもの人数の少なさ,指導者の提示教材の工夫などが支えているように感じられた。

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2016.03.09

学校長がたくさん授業も担当して大活躍(フィンランド訪問第4日目)

 トゥルク市と接するLietoに位置するLoukinaisten kouluを訪ねた。11学級,第1学年から第6学年までの210人の子どもを擁する学校である。8:30くらいから15:00近くまでずっと見学やインターネットを続けて,学校の1日を追った。たくさんの授業を見学したが,我が国の小学校の教師たちと同様に,教師たちは,子どもたちの学びにしっかりと寄り添っていた。
 それにしても,学校長の活躍ぶりには驚かされた。学校のマネジメントに加えて,子どもたちの世話(給食を残してよいかを子どもと相談,ケガの手当て等々)にもずいぶんと時間を費やしていた。信じられないのは,1週間に13時間も授業をやっているということだった。彼は,本日も,歴史の授業を軽々と進めていた(フィンランドの学校長は,授業を持つかどうか,何コマ担当するかを自分で決められる)。
 それにしても,昨日の学校でもそう聞いたが,この学校でも,いわゆる校内研修はほとんど実施されないそうだ。とりわけ,授業研究は皆無だって。

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2016.03.08

ヨーロッパ連合(EU)の現状と課題を子どもたちに考えさせるカリキュラムの開発(フィンランド訪問第3日目)

P1140604_2 Raumaという街のTeacher Training Schoolに向かった。トゥルクから90分くらい車で移動した後,学校に到着した。ここは,1974年に,トゥルク大学の附属学校になった小中学校である。到着後,学校長の話を聞いたり,施設を見学したりした。そして,授業を見学した。今週は,特別なプログラムが実施されているということだった。第1学年から第9学年までの全校の子どもが,チームを組んで,学際的なプロジェクトを展開していた。自分たちの理想の国家を構想するプロセスにおいて,自主性,協働,創造,「多様な視点で学ぶ」ことに関する能力を高めることが目標に設定されていた。自分たちの国家を,国名,自然環境(地図),国旗,文化,入国方法などの5つの視点で構想し,それを次時にプレゼンテーションするという流れが組まれている。
 25人ほどの子どもたちで構成されるチームのそれぞれに対して,2人の教師が支援を繰り広げていたが,基本的には,探究は子どもたち自身が計画し,実行するという。そのような枠組み等は,この学校の4人の教師チームで設計され,他の教師たちに提案され,実行に至ったと聞いた。彼らは,何も参照せず,外部からの助言もなく,このカリキュラムを開発したと語っていた。それが望ましいか否かは別にして,おそらく,ヨーロッパ連合(EU)の現状と課題を子どもたちに考えさせるべきだ,彼らにその将来像を検討させたいという願いから,こうしたカリキュラムが生まれたのであると思われる。

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2016.03.07

RaumaのTeacher Training Schoolへ(フィンランド第3日目)

 いよいよ,今日から本格的な調査が始まる。最初は,Raumaという街のTeacher Training Schoolに向かう。トゥルク大学の附属学校のようだ。1986年創立とホームページには記されていた。第1学年から第9学年までの小中学校だ。

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2016.03.06

ヘルシンキからトゥルクへ(フィンランド訪問2日目)

 6日,ヘルシンキを発ち,学校訪問の対象地域であるトゥルクに向かった。出発前に,まずは,16年ぶりに,ヘルシンキ大聖堂をたずねた。同じく,美術館も。そして,出発前に,駅前のショッピングセンターに立ち寄り,ムーミンショップに行き,実践学校教育の院生へのお土産などを購入した。トゥルク到着後,学校訪問の打ち合わせ等を。

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2016.03.05

今日からフィンランド・英国訪問

 今伊丹空港であるが,これから,羽田,ミュンヘンを経由して,ヘルシンキに赴く。トゥルクという街の3つの学校を巡ることになっている。東京学芸大学の高橋先生との二人旅である(といっても,ヘルシンキで合流し,別れるのであるが)。フィンランドを訪問するのは,17年ぶりである。色々なことが変わっているだろう。
 10日にヘルシンキを発って,ロンドンに向かう。昨年度訪問した,NewhamのMaryland Primary Schoolを再訪するためだ。学校の取り組みが1年間で,どのように継続・発展しているのかを確認する。
 帰国は,13日。

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2016.03.04

学び続ける指導主事(京都府総合教育センター)

P1140531P1140539 京都府総合教育センターの所員は,研修講座の企画・運営,教育相談,地域支援等の他に,各自で教育実践研究を計画し,実施し,知見をまとめる。本日は,その知見を発表する集いが催された。この所員研究発表会には,24のポスターが掲示され,3サイクルで発表が展開された。それぞれのポスターには,数名の指導主事が接近し,研究知見に関する意見が交わされた。教育実践研究には,当事者に新たな学びの機会を呈している,問題解決的である,仲閒との対話を誘発する,複数の実践を連続・発展させる等々の要件があると私は考えているが,それらを満たすものがいくつも発表されえいた。調査研究も少なくなかったが,その知見にも実践(学校,センター等)で活用しようとする姿勢は確認された。
 京都府総合教育センターの所員たちは,今日も,学び続ける指導主事というスタンスを示してくれた。

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2016.03.03

研究発表会における講演(京都市立梅小路小学校)

京都市立梅小路小学校が,先月,キャリア教育(京都市では,生き方探究教育)に関する研究発表会を催した。全学年の授業の公開,ワークショップ,そして講演というプログラムであった。私は講演を担当したが,梅小路小学校のキャリア教育の実践の特長を授業やカリキュラム等を視点として語った。また,同校のカリキュラム開発の軌跡や当日公開された授業における特長の体現についても,言及した。さらに,他校の実践を参照して,キャリア教育の最前線を解説したり,さらなる可能性についてふれたりした。
 先日,同校が実施した研究発表会アンケートの結果が送られてきた。私の講演についてのコメントとして,「梅小路小学校の取り組みについて,講演を聞いたことによりさらに理解することができました」というものがたくさんあり,うれしかった。私は,学校が催す研究発表会における講演は,当該学校の実践研究を俯瞰したり,立体的に評価したりできる機会を参加者に提供するものであるべきだと考えている。それが,少しは実現していたことが分かったからだ。

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2016.03.02

学力向上実践の好事例収集プロジェクトの報告会にて

P1030482P1030498 先日も記事でご紹介したが,12月から2月にかけて,教職大学院の院生(現職教員)とともに,学力向上に成果をあげている学校(高知,札幌)を訪問し,授業づくりや校内研修を含む学校改革について見学やヒアリングを重ねるプロジェクトを推進してきた。本日,それらによって得られた知見の報告会を催した。教職大学院のストレートマスターやプロジェクトに参加できなかった現職教員の院生,そして教員が報告会に参加してくださり,意見を述べてくださった。とても,うれしかった。
 参加者に対して,プロジェクトメンバーは,分散型リーダーシップ,学校長のリーダーシップの多面性,学校としての取り組みの徹底とそのための仕組みづくり等の知見を述べるとともに,それらを所属校等に適用する可能性について論じてくれた。
 講義期間が終わると,現職教員の院生は顔を合わせる機会が減る。学習共同体としての性格を保ちにくい。しかし,こうしたプロジェクトベースの学びをよいタイミングで導入すれば,院生たちの学習共同体は,持続的に発展できよう。

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2016.03.01

教職大学院におけるティーム・ティーチング

160301 ここ数日,学長裁量経費で本年度取り組んできたプロジェクトの成果物の作成に時間を費やしている。それは,「教職大学院における研究者教員と実務家教員の協力教授に関する手引きの作成」というプロジェクトのアウトプットである。本年度,連合教職実践研究科のメンバー6名と,教職大学院の授業における研究者教員と実務家教員の協力教授について授業研究会を催したり,他の教職大学院の取り組みに学んだりしてきた。それらの活動を通じて得られた,教職大学院におけるティーム・ティーチングのエッセンスをリーフレットにまとめつつある。このリーフレットを附属学校園の教員を含めて全学の教員に配布し,教職大学院における教え方,その特長や難しさについて発信していくつもりである。

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