2009.10.12

教育工学若手研フィナーレ

Dsc01271 昨晩,堀田さん(玉川大学),小柳さん(奈良教育大学),山内さん(東京大学),そして私の4人が集まり,堀田さんの博士学位取得のお祝い会を開催した。この4人は,1998年から定期的に集って,教育工学研究,とりわけ実践研究のデザインや方法論,データの取り方や知見のまとめ方(論文化)等について意見を交換し,議論を重ねてきた。その時は,30歳前後の4人だったから,教育工学若手研究会と名付けて,集いを持ったり,研究プロジェクトを企画・運営したりしていた。全員が学会誌に論文を掲載させ,博士論文を作成して学位を取得することをゴールに定めていたが,先日,堀田さんが学位を取得し(おめでとう!),そのゴールを迎えることとなったので,お祝い会兼解散式を催したわけである。写真は,各人が博士号取得の際に,他のメンバーからプレゼントされるボールペンだ。
 私自身の博士論文作成の折にも,3人に,いろいろサポートしてもらった。メンバーは,所属も,研究課題も異なるけれども(だからこそ?),それは,貴重なものであった。よい仲間に巡りあえて,よかった。

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2009.10.01

学者が学校現場の営みに関わる時に

 秋は,学校現場を訪問し,実践研究に関与する機会が多い。その時,学者(研究者)は,どのようなスタンスを抱くべきか。先日の日本教育工学会のシンポジウムで似たようなことをたずねられ,次のような点に気をつけているとコメントした。
 1)授業実践の主体は教師であるから,最後の意思決定者は彼らであるという態度を堅持する。
 2)授業づくりを語るための枠組みやモデルを有し,それを明解に語る。
 3)上記の枠組み等に即した,豊富な事例を持ち,それを提示できる。
 4)学術の概念・用語と教育現場のそれを相互に翻訳できる。
 こういう態度や能力をどのように培っているかという点も質問されたが,それについては,モデリング,換言すれば,指導教官や先輩から徒弟的に学ぶことが多かったように思うと答えた。

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2009.09.21

「ヨーロッパの学会で発表したら--」と言われて

 昨夜の日本教育工学会第25回全国大会の懇親会にて,教育工学研究の大家たる,ある先生から,私がシンポジウムで発表した内容について,コメントをしていただいた。それは,「カリキュラム・リーダーシップに関する理論的・実践的研究-語りと探究のコミュニティの可能性と課題」は,ヨーロッパの学会等で提案すると,なおいっそう学術的に高く評価されるであろうというものであった。カリキュラム・リーダーシップの概念は,アメリカ発なのであるが--。
 また,その方は,私が「私の発想や取り組みは教育工学的ではないんです--」と言い訳すると,教育工学会にこだわることなく,関心を共にする学術コミュニティに自我関与すればよいのであって,「(ひとつの)学会(の枠組み)に,研究者が『合わせる』必要はない」とさらりと言われた。これについても,いろいろ考えるところである--。私は,教育「何」学を研究していることになるのだろうか--。

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2009.09.20

シンポジウム「変革を支える教育工学:サスティナビリティとスケーラビリティ」(日本教育工学会第25回全国大会)

 本日も,日本教育工学会第25回全国大会に参加した。そして,シンポジウム「変革を支える教育工学:サスティナビリティとスケーラビリティ」に登壇した。私は,「カリキュラム・リーダーシップに関する理論的・実践的研究-語りと探究のコミュニティの可能性と課題」というタイトルで,カリキュラム・リーダーシップの概念の台頭とその背景を整理し,そのモデルを提案するとともに,それを実践に適用している様子やそれで果たしている役割についても,報告した。その結果を,組織社会学や経営学の専門家がコメントしてくれた。自分がやっていることの意義や課題について再検討できた。

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2009.09.19

日本教育工学会第25回全国大会始まる

 本日から3日間,東京大学(本郷キャンパス)を会場として,日本教育工学会第25回全国大会が開催される。昨年度までは,担当理事として,大会企画委員会委員長を務めねばならず,3日間ずっと気が張っていた。今年からは,もう少しリラックスして,参加できる。
 シンポジウム1B「学習指導要領のスタートに向けて,『教育の情報化』のために,教育工学は何をすべきか」では,各登壇者がそれぞれの立場から,教育の情報化の施策や学習指導要領,実践の現状等についてレポートしていた。それらは正鵠を射たものであったと思うが,現行の施策等を前提とした議論に留まっていたように思う。学会が催すシンポジウムであるから,さらに踏み込んで,これまで培ってきた教育工学的知見から,施策等を批判的に検討し,さらにそれをリードする(次の施策を生み出す論理を呈する)ことも話題にしてもらいたかった。2時間という短い時間設定だから,難しいのであろうが--。

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2009.09.11

無事帰国して

P1100355 第3回IAACS(カリキュラム研究に関する国際学会)での発表を終え,会場を後にして26時間後,大阪,関西空港に到着した。事前に南アフリカ共和国は危険であるという注意を受け続け,私を含むチームは多少不安を抱いて出発したが,ほとんどそれを感じることなく,むしろ,南アフリカ共和国の人々の思いやりや親切にたくさんふれることができた。学会では,世界中の国々の研究者たちに会い,いろいろな情報を得た。また,発表については,日本の学校の教師たちの取り組みの可能性,それを(前提の異なる)各国の研究者に伝えることの難しさを再確認した。長い旅だったが,よい経験となった。
 ちなみに,この学会は3年に1度催される。次は,2012年に,ブラジルのリオデジャネイロでの開催と聞いた。

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2009.09.10

Lesson Studyへの熱い眼差し

 ケープタウンの9日16時から,IAACS(カリキュラム研究に関する国際学会)での発表が始まった。大阪市立大学の矢野先生,愛知江南大学の森さんとの共同発表だ。タイトルは,「Development of a vital model of curriculum leadership」である。カリキュラム・リーダーシップに関する文献研究,ケーススタディを通じて考案した,3つのモデルを呈した。
 発表,質疑応答とも,まずまずの出来か--。教育課程行政の概要を説明しなかったため,我が国の学校におけるカリキュラム・リーダーシップの意義について,さらに説明が必要になった。外国の聴衆は,我々が前提としている枠組みをもう少していねいに説明する必要があることを痛感した。
 しかし,発表後に複数の聴衆から補足説明を求められたのは,カリキュラム・リーダーシップの舞台の一つたる,授業研究の方法論であった。ここでも,Lesson Studyには,熱い眼差しが注がれている。

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2009.09.09

カリキュラムと教室実践

P1100342 また今日も,カリキュラム研究に関する国際学会でいくつかの発表を聴いた。今日は,1つ共感できる,また説得される発表があった。それは,トルコの教員志望学生の「カリキュラム」に関する思考に関するものであった。発表者は,カリキュラム,そして授業,学校,教師等々に関する講義をおこない,そこでの学生の会話を記録・分析した。それをマップに位置づけると,「カリキュラム」と「教室実践」は対極に位置づくという。つまり,前者は,国家が定める枠組みであり,机上のものであり,教室における営みと乖離していると学生は認識しているというわけだ。トルコの教員たちの思考はどうか,我が国の教員志望学生の場合は--等々,いろいろ考えさせられた。

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様々なスタイルの発表を聴いて

P1100340 今日も,カリキュラム研究に関する国際学会でいくつかの発表を聴いた。それにしても,様々なスタイルの発表があるものだ。何の資料もないトークだけのもの,パワーポイントの画面を読み上げるだけのもの(つまり文字ばかりのスライドが続く)などは,20年以上も学会参加を続けている私も,見たことがないものだ。そうかと思うと,写真のようなビジュアルなポスターを利用した発表もある(いわゆるポスターセッションではないので,口頭で発表していたが)。それぞれのスタイルがあってもよいのだろうが,しかし,やはりトークだけのものを聴くのは骨が折れる。

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2009.09.07

More Appreciative--

P1100320 国際学会もいよいよ発表が始まった。最初の基調講演では,華東師範大学の研究者が,孔子とデューイの指導を比較検討しながら,国際的なカリキュラム研究に求められる要件を呈していた。その講演の中で,彼が,含蓄のある表現を用いていた。それは,「More Description, Less Evaluation--」と「More Appreciative, Less Critical--」である。なるほど,研究交流の際には,これを旨とするのがよろしかろう。そういえば,私が学校現場の教師たちと交わる時には,自然にこれに即しているようにも思う。

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