2017.07.09

「学習意欲」について論ずる

 先日から,「学校教育とモチベーション」に関する文章を執筆している。ひょんなことから,それを論ずることとなった。そういえば,今から30年以上前に,大阪大学人間科学部の4年生時に卒業論文を作成したが,その内容は「中学生の学習意欲の構造」であった。800人以上の中学生に学習意欲に関するアンケート調査を実施し,それを統計的に処理した結果を検討するものであった。なぜ,そのようなテーマで卒論を執筆することになったのか,今はもう分からない。今なら,同じ学習意欲でも,教師の専門職としての学びに対する意欲を対象化するであろう。まあ,しかし,どこかで学習意欲と縁があるのかもしれない--。

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2017.01.08

出かけないけど疲れた1日

 今日は,1日中,家で仕事をしていた。提出が遅れている原稿の執筆にかなりの時間を費やした。また,教職大学院の実践課題研究成果報告書の草稿チェックを院生から依頼され,対応した。出かけないけど,疲れた1日であった。

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2016.11.02

授業づくり等に関する研究発表会開催の意義と工夫

 先日,『教育PRO』という雑誌に,「授業づくり等に関する研究発表会開催の意義と工夫」という拙稿が掲載された。次の3つのパートから成る。
1.我が国の教師たちの学びの多様性
2.研究発表会開催の意義
3.研究発表会のプログラムの工夫
 2については,「研究発表会の開催は,その企画・運営が工夫されるならば,それを催す学校の教師たちにとって,授業づくりやカリキュラム開発に関する省察の機会になると考える」「研究発表会という営為は,完成された授業をモデルとして他の学校の教師たちに提示する営為ではない。むしろ,ある研究テーマの下で営まれる授業改善の共同研究に関する形成的評価の機会であり,それを進展させる,加速させるためのアイデア共有の舞台である」等の私見を述べた。

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2016.06.25

『学校教育の戦後70年史』(小学館)

 本日,『学校教育の戦後70年史』(小学館)が届いた。この書物は,1945年から2015年までの年史と25の重要テーマの軌跡によって,戦後の学校教育の変遷を明らかにしようとするものだ。私も,後者の1つである「情報化と授業改革」を担当させていただいた。A5版サイズの4ページで,施策や実践の動向を描くのは至難の業であった。次のような見出しを設定し,戦後70年の「情報化と授業改革」の接点の代表的存在を呈した。
 1.映像メディアの利用と情意の喚起
 2.コンピュータの利用と学習の個別化・多様化
 3.ネットワークの利用と共同学習の展開
 4.タブレット端末の利用と協働学習の実現
 まあ,拙稿は別にして,この書籍は,他に類を見ない,戦後教育のエッセンスを把握できる良書であると思う。

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2016.05.26

「大阪教育大学リポジトリ」に拙稿のいくつかが登録された

 先日,「大阪教育大学リポジトリ」に拙稿のいくつかが登録された。これは,「大阪教育大学内の構成員が生産した,学術雑誌掲載論文・紀要論文・科研報告書・学位論文・会議資料・教材・図書等の教育研究成果を保存・蓄積し,インターネットを通じて,学内外に無料で全文を公開するシステム」である。私が,執筆した論文や雑誌原稿の30弱のものが出版社等の掲載許可を得て,閲覧可能となっている。いい時代になったものだ。本学の図書館のスタッフの方々に心より御礼申し上げます。登録リストは,以下のとおり。「Kihara_repository.pdf」をダウンロード

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2016.05.12

「道徳授業の充実に資するICT活用」(明治図書『道徳教育』6月号)

 先日,明治図書の月刊教育雑誌『道徳教育』の6月号に,拙稿「道徳授業の充実に資するICT活用」が載った。「だれでもできる!道徳授業のICT活用術」というミニ特集に寄稿したものだ。
 この小論では,道徳授業の充実に資するICT活用として,1)多様な教材の提供,2)多様な考えの可視化,3)議論の舞台の拡充という3つのポイントを掲げた。興味のある方は,お読みいただきたい。「moral_edu_ict.pdf」をダウンロード

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2016.03.14

『教育工学的なアプローチによる教師教育』(ミネルヴァ書房 教育工学選書Ⅱ 10)

 本日,ミネルヴァ書房より,『教育工学的なアプローチによる教師教育』が届いた。これは,私と寺嶋先生(大阪教育大学),島田先生(高知大学)が編者となって,教育工学的なアプローチに基づく教師教育に関する論文を収めた学術書である。日本教育工学会が監修している選書の1つだ。私は,「はじめに」「第1章」を執筆している。「はじめに」に記した,本書の概要を掲げておこう。

--------------------ここから
 本書は,教育工学的なアプローチに基づいて教師教育の実践的課題の解決に従事しているメンバーが執筆者となっている。本書で,執筆メンバーは,自身が教育工学と教師教育の接点を追究した過程を語っている。そして,自身の研究の特徴を示すとともに,それによる知見を呈している。
 本書における語りや知見の内容は,大きく5つのパートに分かれる。まず第1章では,教育工学的アプローチに基づく教師教育の研究と実践を俯瞰する枠組み(変化する社会における教師像の5つの要素,今日の教師教育研究と教育工学研究の接点を成す5つの具体的なアプローチ)が呈される。それは,本書の内容の総論に該当する。
 続く2つの章では,教育工学的アプローチに基づく教師教育の営みの重要な概念が提示される。第2章では,世界の教師教育の動向が解説されるとともに,諸外国や我が国における教師の力量に関するスタンダード構築の軌跡が描かれ,また,その現状が整理される。第3章では,レジリエンス等の教師の力量とその形成をめぐる今日的課題が提示され,その克服に資する理論たる「専門的な学習共同体」の特性が解説される。そして,それに合致した実践事例が紹介される。
 第4章から第7章では,教員養成や現職教育のカリキュラム開発が報告される。まず,第4章では,教員養成カリキュラムの柱とも言える,教育実習に関して,その長期化・体系化・高度化の取組事例がレポートされる。第5章では,「教育の情報化」に応ずるための教員養成カリキュラムの改革がテーマとなっている。その問題点が整理された後,その基本的な考え方や好事例が示される。第6章は,現職教員を対象とした大学院教育の高度化に関する言及である。教職大学院の制度上の特色,そのカリキュラムの目標や内容,その指導法の特徴が整理される。また,教職大学院の科目の典型事例,そのシラバス等が提示される。第7章は,現職教員に対する行政研修プログラムの改革動向の解説である。反省的実践家たる現職教員の学びを支える法制度とその現状に関する概説の後,行政研修プログラムの改編の内容とその代表事例が呈される。
 第8章から第10章では,教師教育の実践を支え促すシステムやツール等の開発の知見が報告される。第8章が取り上げるのは,模擬授業教室である。本章では,かつて教育工学的アプローチの象徴的存在であったマイクロティーチングが模擬授業教室のデザインの工夫によって充実すること,その多様な活用可能性,運用上の留意点等が述べられている。第9章では,オンライン授業研究のためのシステム開発に関する研究知見が提示される。一般の授業研究の企画・運営に伴う空間的・時間的制約を超克するためのシステムの開発,それを基盤とするプログラムの運用を通じて,それに参加した教師たちのリフレクションの活性化や充実が実現したことが語られている。第10章では,現職教員のためのeLearningプログラムに関して,その概念や原理,その特徴が整理された後,それを基盤とする大学院教育や教員研修の事例が報告される。著者らが「のびちぢみする講義室」として設計し運用した,現職教員向け遠隔学習の実際,成果と課題が呈される。
 本書の最後には,「資料 教師教育に関係する学会や協議会等の動き」のパートが位置づく。ここでは,教師教育に関係する国内外の学会の研究動向が明らかにされている。また,教師教育に関わる協会や協議会の存在や取り組み状況が紹介されている。それらは,読者が,自身の教育工学的なアプローチによる教師教育研究を相対化するためにも,あるいは発展させるためにも活用できる,教師教育研究のコミュニティである。
--------------------ここまで

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2015.12.21

『教師と学校のレジリエンス: 子どもの学びを支えるチーム力』(北大路書房)

 本日,Amazonから,書籍のリコメンデーションがトド下。それは,『教師と学校のレジリエンス: 子どもの学びを支えるチーム力』(北大路書房)である。私たちが,原著である,Day, C. & Gu, Q.(2013)Resilient Teachers, Resilient Schools: Building and sustaining quality in testing timesを翻訳したものだ。
 教師教育に関する外国文献の講読会のメンバーが取り組んだ,翻訳プロジェクトである。教師のアイデンティティ,彼らの感情,レジリエンス,コミットメント,ウェルビーイング,彼らのライフヒストリーと成長,学校改革とリーダーシップなどのホットなトピックが扱われている。ご味読ください。

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2015.09.27

もうすぐ教師教育のハンドブックの改訂版が完成

 私が代表者を務める科研費の研究プロジェクト「教育工学的な視点に基づく教師教育ハンドブックの開発-その理論と実践の分析から-」も4年度目の中盤を迎えた。本日,横浜国立大学でリーダー会議を開催し,昨年度作成したハンドブックのプロトタイプ版の改訂に関して最終確認をおこなった。私を含むリーダー4人に日本教育工学会副会長の中山先生(東京工業大学)にご参加いただき,短い時間で『ハンドブック』(改訂版)の完成に向けた最終点検をおこなっていただいた。
 日曜日にも関わらず集まっていただいた方々,とりわけ,いつも会場を提供してくださっている横浜国立大学の野中先生には心より御礼申し上げます。

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2015.08.23

マルチな1日

 今日は,珍しく,大学にも,出張にも行かない,日曜日であった。しかし,研究者に休みはない。提出が遅れている原稿を必死で書いた。ただ,ずっと書けるわけではないので,途中で,テレビで世界陸上の番組を視聴したり,インドアテニスに出かけたりした(遊んでいる言い訳?)。
 いずれにしても,マルチな1日であった。まだ終わっていないが--。

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