2009.12.20

若い教師もベテラン教師も研究授業に取り組む学校は

 本日午後,国立教育政策研究所で催された,調査プロジェクトのミーティングに出席した。これは,教師の授業力やそれを規定する校内研究の実態について,教員自身,学校,教育委員会等を対象とするアンケートを実施する取り組みである。
 校内研究の充実を示す指標を定め,それらを質問項目に整えていく間に,研究授業を実施する教員の教職経験について,議論が及んだ。私は,若い教師もベテラン教師も研究授業に取り組んでいる場合,とりわけ,彼らが新しい教材や指導法にチャレンジしている場合に,その学校の教師たちの授業力は充実する傾向にあると主張した。研究授業の数が多くても,若手の教師にそれを押しつけているような学校では,教師たちの学びの共鳴現象が起こりにくいからだ(そして,子どもたちの学び合いも停滞する)。読者は,どのように思われるだろうか。

| | Comments (0)

2009.10.24

こんな家庭学習なら子どもは熱心に取り組む(津山市立北陵中学校にて)

 津山市立北陵中学校を訪問して,社会科教室で,1年生が取り組んだ地図づくりの成果物を目にした。これは,生徒が自分でテーマを定めて,それに即した情報をWeb等から収集し,地図に貼り付けるものだ。例えば,「世界遺産」「料理」「盛んなスポーツ」がそのテーマである。
P1110275 1年生の作品を3年生が興味津々という様子で,眺めていた。「やってみたい?」とたずねたら,「楽しそう,やってみたい」と答えてくれた。こういう課題ならば,どの子どもも熱心に取り組むはずだ。昨年度,授業と家庭学習を連動させる授業モデルの開発,それを生かした調査研究に従事したが,そこで明らかになった,「ドリル的な課題と探求的な課題をバランスよく与えている教師が指導している子どもの学力は高い」という知見の確からしさを実感した。

| | Comments (0)

2009.10.18

実践リーダー自学自習用テキスト開発プロジェクト

P1120579 本日も,大阪教育大学の天王寺キャンパス中央館で,実践リーダー自学自習用テキスト開発プロジェクトのミーティングを開催した。このプロジェクトは,パナソニック教育財団の支援により推進される,「先導的実践研究助成」
である。研究主任が,学校における実践研究の企画・運営のために駆使する必要がある知識を獲得するための学習材である。その構成は,学校研究の意義,学校研究の動向,研究テーマの策定,研究組織の構築と運営,研究計画の策定,授業研究の企画・運営,若い教師への配慮,研究発表会の開催,研究紀要の作成,講師の活用,後進の育成,研究主任の学び,から成る。
 学校研究の意義,学校研究の動向の2項目は総編,「研究テーマの策定」以降は各論である。各論には,初級・中級・上級の3つの事例研究問題が呈される。理論編の内容を理解したり,事例研究問題に取り組んだりすることで,研究推進をつかさどる実践リーダーは,その力量を高めることができよう。
 本日は,各人が作成した原稿案の内容・表記の確認をおこなった。テキストの完成は,2月が予定されている(その前に,草稿を何名かの研究主任に点検してもらい,形成的評価を実施する)。

| | Comments (0)

2009.10.17

パナソニック教育財団の先導的実践研究助成

 上京し,虎ノ門のパナソニック教育財団を訪ねた。同財団が企画・運営する「先導的実践研究助成」について意見を述べるためだ。この助成は,高等教育機関に属する研究者が,学校現場の実践的な課題に対してアプローチし,その知見を学校現場の教師たちに広く提供するものだ。次年度からの本格的実施を前にして,その枠組みについて,侍医団スタッフや他の研究者と検討した。

| | Comments (0)

2009.10.14

授業研究のアプローチについて考える

 本日,夕方,授業研究に取り組みたいという,某大学の研究者が相談にやってきた。その相手をしながら,授業研究のアプローチの多様性を自分でも再確認していた。自分自身も,最初は,授業設計や授業分析,授業の比較研究に従事していたが,今は,授業研究を通じた教師の力量形成,とりわけ,授業研究におけるリーダーシップの問題に研究的関心が移っていることを再認識した。しかし,いずれにしても,自分の持ち味は,数多くの学校現場に出かけ,多種多様な授業を見学し,それらの事例知識,それらを集約する授業モデルやカリキュラム・フレームワークを有していることであろう。

| | Comments (0)

2009.10.01

学者が学校現場の営みに関わる時に

 秋は,学校現場を訪問し,実践研究に関与する機会が多い。その時,学者(研究者)は,どのようなスタンスを抱くべきか。先日の日本教育工学会のシンポジウムで似たようなことをたずねられ,次のような点に気をつけているとコメントした。
 1)授業実践の主体は教師であるから,最後の意思決定者は彼らであるという態度を堅持する。
 2)授業づくりを語るための枠組みやモデルを有し,それを明解に語る。
 3)上記の枠組み等に即した,豊富な事例を持ち,それを提示できる。
 4)学術の概念・用語と教育現場のそれを相互に翻訳できる。
 こういう態度や能力をどのように培っているかという点も質問されたが,それについては,モデリング,換言すれば,指導教官や先輩から徒弟的に学ぶことが多かったように思うと答えた。

| | Comments (0)

2009.09.26

やっぱり家庭学習が大切

P1100552 さらに,香港のHKMA K S LO College(香港管理事業協会 羅桂祥中学校)の授業について紹介したい。写真は,第2学年の理科の授業を受けていた子どもが持っていた手帳である(男性アイドルのシールが貼られているのは,ご愛敬)。これは,家庭学習の内容を記し,それを果たしたことを保護者がサインするものである。英国でもよく見かけた(スクールジャーナル等と呼ばれていた)。
 さらに,一昨日も紹介したように,第1学年の数学の授業では,宿題だけでなく,関連Webを紹介して,発展学習にも誘っていた。今,家庭学習による学力向上が世界各地で進んでいる--。

| | Comments (0)

2009.09.25

よく練られた習得型の授業

 昨日に続き,香港のHKMA K S LO College(香港管理事業協会 羅桂祥中学校)の授業について紹介したい。写真は,第2学年の理科の授業である。音の伝導に関する内容であるが,教師も生徒も,英語でやりとりをしている。つまり,イマージョン教育である。この学校には,経済的には豊かでない家庭の師弟が通っているのであるが,小学校卒業時のテストの結果によって,英語による授業を繰り広げるクラス(数学,理科等)とそうではないクラスに分けると聞いた(1学年7クラスのうち,3クラスが英語による授業のクラス)。
P1100560 いずれにしても,授業は,よく練られた習得型ものである。まず,前時の内容の復習,そして本時の目標の確認,教科書を用いた基本的な考え方の説明,それを確認するための映像資料の活用(写真の様子),実感的な理解を図るための(グループによる)実験等である(この部分は,活用型授業に迫っている)。これが,40分で展開されるのだから,そのスピードにも驚かされる。

| | Comments (0)

2009.09.24

香港でもきめ細かな授業

P1100591 本日,香港のHKMA K S LO College(香港管理事業協会 羅桂祥中学校)を訪問し,授業を観察するとともに,教師たちにヒアリングを試みた。この学校は,いわゆる学力テストの成績はそれほどよくはないが,教師たちが,授業研究を重ねて,授業のデザインや教材を工夫していると,訪問前に聞いた。なるほど,授業を見せてもらうと,それがよく分かった。例えば,写真のような「きめ細かな指導」が繰り広げられていた。これは,中学校1年の数学の授業である。教師は,生徒の発表に対して,実にていねいに反応していたし(「よくがんばった」「間違ってもいいんだよ」等々)。

| | Comments (0)

2009.09.23

香港の教師たちの授業研究

P1100510 本日,香港教育学院で,日本や香港の授業改善,授業研究,学校研究について,研究者たちと意見交換をした。香港の授業研究は歴史は浅いが,急成長を遂げていることがよく分かった。特に,政府や大学が支援して,学校内で,教科単位で教師グループを構成し,教材研究や事前・事後テスト等を駆使した科学的な研究については,その模様を写した映像を見せてもらったが,たいへんしっかりしているし,それが教師たちの力量形成に役立っていることも分かった。日本では,大学附属等が実施しているもの,大学院で学ぶ現職教員が取り組む修士論文等の内容や構成に似ているように思った。
 一方,日本の学校のように,授業とそれを題材とする語り,それを通じた授業づくりのアイデアの環流については,あまり重視されていないようだった。学習内容や学習者研究を重視するので,香港では,授業研究を「learning study」と呼ぶ。両者の間に,似ているとところとそうでないところがあるのが,おもしろい。

| | Comments (0)

より以前の記事一覧