2009.10.24

こんな家庭学習なら子どもは熱心に取り組む(津山市立北陵中学校にて)

 津山市立北陵中学校を訪問して,社会科教室で,1年生が取り組んだ地図づくりの成果物を目にした。これは,生徒が自分でテーマを定めて,それに即した情報をWeb等から収集し,地図に貼り付けるものだ。例えば,「世界遺産」「料理」「盛んなスポーツ」がそのテーマである。
P1110275 1年生の作品を3年生が興味津々という様子で,眺めていた。「やってみたい?」とたずねたら,「楽しそう,やってみたい」と答えてくれた。こういう課題ならば,どの子どもも熱心に取り組むはずだ。昨年度,授業と家庭学習を連動させる授業モデルの開発,それを生かした調査研究に従事したが,そこで明らかになった,「ドリル的な課題と探求的な課題をバランスよく与えている教師が指導している子どもの学力は高い」という知見の確からしさを実感した。

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2009.10.18

実践リーダー自学自習用テキスト開発プロジェクト

P1120579 本日も,大阪教育大学の天王寺キャンパス中央館で,実践リーダー自学自習用テキスト開発プロジェクトのミーティングを開催した。このプロジェクトは,パナソニック教育財団の支援により推進される,「先導的実践研究助成」
である。研究主任が,学校における実践研究の企画・運営のために駆使する必要がある知識を獲得するための学習材である。その構成は,学校研究の意義,学校研究の動向,研究テーマの策定,研究組織の構築と運営,研究計画の策定,授業研究の企画・運営,若い教師への配慮,研究発表会の開催,研究紀要の作成,講師の活用,後進の育成,研究主任の学び,から成る。
 学校研究の意義,学校研究の動向の2項目は総編,「研究テーマの策定」以降は各論である。各論には,初級・中級・上級の3つの事例研究問題が呈される。理論編の内容を理解したり,事例研究問題に取り組んだりすることで,研究推進をつかさどる実践リーダーは,その力量を高めることができよう。
 本日は,各人が作成した原稿案の内容・表記の確認をおこなった。テキストの完成は,2月が予定されている(その前に,草稿を何名かの研究主任に点検してもらい,形成的評価を実施する)。

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2009.10.17

パナソニック教育財団の先導的実践研究助成

 上京し,虎ノ門のパナソニック教育財団を訪ねた。同財団が企画・運営する「先導的実践研究助成」について意見を述べるためだ。この助成は,高等教育機関に属する研究者が,学校現場の実践的な課題に対してアプローチし,その知見を学校現場の教師たちに広く提供するものだ。次年度からの本格的実施を前にして,その枠組みについて,侍医団スタッフや他の研究者と検討した。

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2009.10.14

授業研究のアプローチについて考える

 本日,夕方,授業研究に取り組みたいという,某大学の研究者が相談にやってきた。その相手をしながら,授業研究のアプローチの多様性を自分でも再確認していた。自分自身も,最初は,授業設計や授業分析,授業の比較研究に従事していたが,今は,授業研究を通じた教師の力量形成,とりわけ,授業研究におけるリーダーシップの問題に研究的関心が移っていることを再認識した。しかし,いずれにしても,自分の持ち味は,数多くの学校現場に出かけ,多種多様な授業を見学し,それらの事例知識,それらを集約する授業モデルやカリキュラム・フレームワークを有していることであろう。

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2009.10.01

学者が学校現場の営みに関わる時に

 秋は,学校現場を訪問し,実践研究に関与する機会が多い。その時,学者(研究者)は,どのようなスタンスを抱くべきか。先日の日本教育工学会のシンポジウムで似たようなことをたずねられ,次のような点に気をつけているとコメントした。
 1)授業実践の主体は教師であるから,最後の意思決定者は彼らであるという態度を堅持する。
 2)授業づくりを語るための枠組みやモデルを有し,それを明解に語る。
 3)上記の枠組み等に即した,豊富な事例を持ち,それを提示できる。
 4)学術の概念・用語と教育現場のそれを相互に翻訳できる。
 こういう態度や能力をどのように培っているかという点も質問されたが,それについては,モデリング,換言すれば,指導教官や先輩から徒弟的に学ぶことが多かったように思うと答えた。

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2009.09.26

やっぱり家庭学習が大切

P1100552 さらに,香港のHKMA K S LO College(香港管理事業協会 羅桂祥中学校)の授業について紹介したい。写真は,第2学年の理科の授業を受けていた子どもが持っていた手帳である(男性アイドルのシールが貼られているのは,ご愛敬)。これは,家庭学習の内容を記し,それを果たしたことを保護者がサインするものである。英国でもよく見かけた(スクールジャーナル等と呼ばれていた)。
 さらに,一昨日も紹介したように,第1学年の数学の授業では,宿題だけでなく,関連Webを紹介して,発展学習にも誘っていた。今,家庭学習による学力向上が世界各地で進んでいる--。

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2009.09.25

よく練られた習得型の授業

 昨日に続き,香港のHKMA K S LO College(香港管理事業協会 羅桂祥中学校)の授業について紹介したい。写真は,第2学年の理科の授業である。音の伝導に関する内容であるが,教師も生徒も,英語でやりとりをしている。つまり,イマージョン教育である。この学校には,経済的には豊かでない家庭の師弟が通っているのであるが,小学校卒業時のテストの結果によって,英語による授業を繰り広げるクラス(数学,理科等)とそうではないクラスに分けると聞いた(1学年7クラスのうち,3クラスが英語による授業のクラス)。
P1100560 いずれにしても,授業は,よく練られた習得型ものである。まず,前時の内容の復習,そして本時の目標の確認,教科書を用いた基本的な考え方の説明,それを確認するための映像資料の活用(写真の様子),実感的な理解を図るための(グループによる)実験等である(この部分は,活用型授業に迫っている)。これが,40分で展開されるのだから,そのスピードにも驚かされる。

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2009.09.24

香港でもきめ細かな授業

P1100591 本日,香港のHKMA K S LO College(香港管理事業協会 羅桂祥中学校)を訪問し,授業を観察するとともに,教師たちにヒアリングを試みた。この学校は,いわゆる学力テストの成績はそれほどよくはないが,教師たちが,授業研究を重ねて,授業のデザインや教材を工夫していると,訪問前に聞いた。なるほど,授業を見せてもらうと,それがよく分かった。例えば,写真のような「きめ細かな指導」が繰り広げられていた。これは,中学校1年の数学の授業である。教師は,生徒の発表に対して,実にていねいに反応していたし(「よくがんばった」「間違ってもいいんだよ」等々)。

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2009.09.23

香港の教師たちの授業研究

P1100510 本日,香港教育学院で,日本や香港の授業改善,授業研究,学校研究について,研究者たちと意見交換をした。香港の授業研究は歴史は浅いが,急成長を遂げていることがよく分かった。特に,政府や大学が支援して,学校内で,教科単位で教師グループを構成し,教材研究や事前・事後テスト等を駆使した科学的な研究については,その模様を写した映像を見せてもらったが,たいへんしっかりしているし,それが教師たちの力量形成に役立っていることも分かった。日本では,大学附属等が実施しているもの,大学院で学ぶ現職教員が取り組む修士論文等の内容や構成に似ているように思った。
 一方,日本の学校のように,授業とそれを題材とする語り,それを通じた授業づくりのアイデアの環流については,あまり重視されていないようだった。学習内容や学習者研究を重視するので,香港では,授業研究を「learning study」と呼ぶ。両者の間に,似ているとところとそうでないところがあるのが,おもしろい。

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2009.09.22

またまた香港へ

 本日,またまた香港を訪れた。日本女子大学の吉崎先生を代表者とする,研究プロジェクト「初等・中等・高等教育における教育方法の改善・開発に関する総合的研究」の一環で,国際学力調査において中学校の成績のよい,香港の教育機関でヒアリングを実施したり,学校で授業を観察したりするためだ。
 明日,香港教育学院を訪問するのだが,ヒアリングのはずが,いつの間にか,こちらのプレゼンテーションに長い時間を費やすこととなってしまった。私は,学力向上のための授業研究の推進について発表する。

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2009.09.21

「ヨーロッパの学会で発表したら--」と言われて

 昨夜の日本教育工学会第25回全国大会の懇親会にて,教育工学研究の大家たる,ある先生から,私がシンポジウムで発表した内容について,コメントをしていただいた。それは,「カリキュラム・リーダーシップに関する理論的・実践的研究-語りと探究のコミュニティの可能性と課題」は,ヨーロッパの学会等で提案すると,なおいっそう学術的に高く評価されるであろうというものであった。カリキュラム・リーダーシップの概念は,アメリカ発なのであるが--。
 また,その方は,私が「私の発想や取り組みは教育工学的ではないんです--」と言い訳すると,教育工学会にこだわることなく,関心を共にする学術コミュニティに自我関与すればよいのであって,「(ひとつの)学会(の枠組み)に,研究者が『合わせる』必要はない」とさらりと言われた。これについても,いろいろ考えるところである--。私は,教育「何」学を研究していることになるのだろうか--。

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2009.09.20

シンポジウム「変革を支える教育工学:サスティナビリティとスケーラビリティ」(日本教育工学会第25回全国大会)

 本日も,日本教育工学会第25回全国大会に参加した。そして,シンポジウム「変革を支える教育工学:サスティナビリティとスケーラビリティ」に登壇した。私は,「カリキュラム・リーダーシップに関する理論的・実践的研究-語りと探究のコミュニティの可能性と課題」というタイトルで,カリキュラム・リーダーシップの概念の台頭とその背景を整理し,そのモデルを提案するとともに,それを実践に適用している様子やそれで果たしている役割についても,報告した。その結果を,組織社会学や経営学の専門家がコメントしてくれた。自分がやっていることの意義や課題について再検討できた。

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2009.09.11

無事帰国して

P1100355 第3回IAACS(カリキュラム研究に関する国際学会)での発表を終え,会場を後にして26時間後,大阪,関西空港に到着した。事前に南アフリカ共和国は危険であるという注意を受け続け,私を含むチームは多少不安を抱いて出発したが,ほとんどそれを感じることなく,むしろ,南アフリカ共和国の人々の思いやりや親切にたくさんふれることができた。学会では,世界中の国々の研究者たちに会い,いろいろな情報を得た。また,発表については,日本の学校の教師たちの取り組みの可能性,それを(前提の異なる)各国の研究者に伝えることの難しさを再確認した。長い旅だったが,よい経験となった。
 ちなみに,この学会は3年に1度催される。次は,2012年に,ブラジルのリオデジャネイロでの開催と聞いた。

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2009.09.10

Lesson Studyへの熱い眼差し

 ケープタウンの9日16時から,IAACS(カリキュラム研究に関する国際学会)での発表が始まった。大阪市立大学の矢野先生,愛知江南大学の森さんとの共同発表だ。タイトルは,「Development of a vital model of curriculum leadership」である。カリキュラム・リーダーシップに関する文献研究,ケーススタディを通じて考案した,3つのモデルを呈した。
 発表,質疑応答とも,まずまずの出来か--。教育課程行政の概要を説明しなかったため,我が国の学校におけるカリキュラム・リーダーシップの意義について,さらに説明が必要になった。外国の聴衆は,我々が前提としている枠組みをもう少していねいに説明する必要があることを痛感した。
 しかし,発表後に複数の聴衆から補足説明を求められたのは,カリキュラム・リーダーシップの舞台の一つたる,授業研究の方法論であった。ここでも,Lesson Studyには,熱い眼差しが注がれている。

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2009.09.09

カリキュラムと教室実践

P1100342 また今日も,カリキュラム研究に関する国際学会でいくつかの発表を聴いた。今日は,1つ共感できる,また説得される発表があった。それは,トルコの教員志望学生の「カリキュラム」に関する思考に関するものであった。発表者は,カリキュラム,そして授業,学校,教師等々に関する講義をおこない,そこでの学生の会話を記録・分析した。それをマップに位置づけると,「カリキュラム」と「教室実践」は対極に位置づくという。つまり,前者は,国家が定める枠組みであり,机上のものであり,教室における営みと乖離していると学生は認識しているというわけだ。トルコの教員たちの思考はどうか,我が国の教員志望学生の場合は--等々,いろいろ考えさせられた。

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様々なスタイルの発表を聴いて

P1100340 今日も,カリキュラム研究に関する国際学会でいくつかの発表を聴いた。それにしても,様々なスタイルの発表があるものだ。何の資料もないトークだけのもの,パワーポイントの画面を読み上げるだけのもの(つまり文字ばかりのスライドが続く)などは,20年以上も学会参加を続けている私も,見たことがないものだ。そうかと思うと,写真のようなビジュアルなポスターを利用した発表もある(いわゆるポスターセッションではないので,口頭で発表していたが)。それぞれのスタイルがあってもよいのだろうが,しかし,やはりトークだけのものを聴くのは骨が折れる。

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2009.09.07

More Appreciative--

P1100320 国際学会もいよいよ発表が始まった。最初の基調講演では,華東師範大学の研究者が,孔子とデューイの指導を比較検討しながら,国際的なカリキュラム研究に求められる要件を呈していた。その講演の中で,彼が,含蓄のある表現を用いていた。それは,「More Description, Less Evaluation--」と「More Appreciative, Less Critical--」である。なるほど,研究交流の際には,これを旨とするのがよろしかろう。そういえば,私が学校現場の教師たちと交わる時には,自然にこれに即しているようにも思う。

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2009.09.06

ケープタウンからステレンボッシュへ

 ケープタウンに到着して3日目に,ステレンボッシュに移動した。ここのホテルを会場にして,国際カリキュラム学会が催される。我々のグループの発表準備にも熱が入ってきた。

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2009.09.04

ようやくケープタウンに

 日本時間の4日19時頃,南アフリカ共和国のケープタウンにようやく到着した。まあ,順調な旅だったと言えるだろう。長旅にも関わらず,まずまず元気であるし。しかし,初めてのアフリカ訪問で,初めて経験に戸惑うこともある。二度とアフリカに来ることはないかもしれないので,それを人生の糧にしたい。読者にも,日本から,学会発表が成功するよう応援していただきたい。

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2009.09.02

「授業レジリエンス力」を考える

 前にも述べたが,現在,教師の力量を考える上で,「レジリエンス」という概念は重要である。ベネッセ教育研究開発センターと共同で,授業力に関する調査研究を企画中であるが,それに,この概念を組み入れたいと考えている。私の授業力量の3層モデル,一般の教師レジリエンス調査の知見,さらには教師のライフストーリー研究の知見等を参考にして,授業づくりの葛藤や矛盾に向き合い,それに対処する能力,すなわち「授業レジリエンス力」を概念化・モデル化し,調査したい。

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2009.08.30

いよいよ南アフリカ共和国での学会発表

 9月6日~10日に,南アフリカ共和国のケープタウンで,国際カリキュラム学会の第3回大会が催される。大阪市立大学の矢野先生,愛知江南短期大学の森先生とともに,カリキュラム・リーダシップの理論的・実践的モデルを報告する。発表日も9日と決まった。10日に続いて,今日も,我が研究室で,発表準備に勤しんだ。我が国の学校を基盤とするカリキュラム開発,それを牽引するカリキュラム・リーダーシップの構造をどのように分かりやすく表すか--プレゼンテーションのスライドの構成・内容・表現を吟味した。後は,もう機中と現地での詰めとなる。

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2009.08.10

南アフリカ共和国での学会発表近づく

 9月6日~10日に,南アフリカ共和国のケープタウンで,国際カリキュラム学会の第3回大会が催される。大阪市立大学の矢野先生,愛知江南短期大学の森先生とともに,カリキュラム・リーダシップの理論的・実践的モデルを報告する。今日は,我が研究室で,発表準備に勤しんだ。日本では当然の授業研究等の校内研修をどのように紹介するか,発表の構成や表現について協議した。
 それにしても,長旅だ。3日に関西空港を発ち,香港・ヨハネスブルグを経由して,4日のお昼くらいにやっとケープタウンに着く。帰りも10日朝に出発するが,関西空港に戻るのは夕方だ(翌日には,大学院入試も控えている)
。ハードな日程であるが,しかし,簡単には訪問できない土地や経験できない仕事だから,がんばるしかあるまい。

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2009.07.27

やはり,「学びの基礎力」か,いや「指導の基礎力」も

 科研費による研究プロジェクトの活動の一環として,福井県教育研究所を訪れ,同県の子どもたちの学力の実態,学力向上に向けた各学校・地域の取り組み,教育委員会の支援等をヒアリングした。
 同県の学力向上推進委員会は,学力向上のための「3つの柱,9つの視点」を呈しているが,そのうち,生活・学習習慣や温かい学級づくり等を重視し,それを学校・家庭・地域が協力して推進していることが強調された。つなり,我々の研究グループが定義する「学びの基礎力」の重要性が同県の教師や教育行政の重要課題であることが再認識された。
 さらに,話を聞くにつけ,教師たちの「指導の基礎力」が充実していることが明らかになった。例えば,中学校の教師は皆,年間に少なくとも1回は指導案を作成し,授業を公開するという。中学校教育研究会が主催して,授業研究会が実施される。なんと昭和26年から研究所と教師たちが協力して学力調査を作成し,実施し,その結果を学校にフィードバックしている。彼らのいわば「指導の基礎力」はとても充実している。
 子どもたちのまじめさ,地道な努力,仲間との関わりと,教師たちのそれが共鳴しているのが,福井県の学校現場の特徴であろう。

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2009.07.26

実践リーダー自学自習用テキスト開発プロジェクト

P1120469 本日,大阪教育大学の天王寺キャンパス中央館で,実践リーダー自学自習用テキスト開発プロジェクトのミーティングを開催した。このプロジェクトは,パナソニック教育財団の支援により推進される,「先導的実践研究助成」である。研究主任が,学校における実践研究の企画・運営のために駆使する必要がある知識を獲得するための学習材である。その構成は,学校研究の意義,学校研究の動向,研究テーマの策定,研究組織の構築と運営,研究計画の策定,授業研究の企画・運営,若い教師への配慮,研究発表会の開催,研究紀要の作成,講師の活用,後進の育成,研究主任の学び,から成る。
 学校研究の意義,学校研究の動向の2項目は総編,「研究テーマの策定」以降は各論である。各論には,初級・中級・上級の3つの事例研究問題が呈される。理論編の内容を理解したり,事例研究問題に取り組んだりすることで,研究推進をつかさどる実践リーダーは,その力量を高めることができよう。テキストの完成は,2月が予定されている。

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2009.07.18

今日もdispositionsについて議論する

 本日,我が研究室で,「教師の力量形成に関する研究会」(第6回)を開催した。今日の参加者は,7名だった。だから,7本の学会誌論文を材料にして,教師の力量とその形成について,5時間以上議論した。
 今日も,教師の力量に関する今日的なトピックである,dispositionsの育成と評価に関して,様々な点から議論した。それは,天性のものなのか,それとも育めるものなのか。後者であれば,その方法論は。信念とは,どう異なるのか。知識や技術との関係は--こうした点について,いくつもの疑問や意見が交錯した。
 そして,dispositionsを教師の力量の要素としてとらえるとしても,あるいは,その前提に位置づけるとしても,これを強調する限り,教師の力量の記述や育成においては,その個別性(多様性)を重視するべきであるという点は共通理解できた。

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2009.07.12

カリキュラムに関するリーダーシップとマネージメント

 本日,千葉・幕張の神田外国語大学で催された,日本カリキュラム学会で「我が国におけるカリキュラム・リーダーシップ実践の展開-実践的リーダーの役割に注目して-」というタイトルで口頭発表をおこなった(大阪市立大学・の矢野先生,愛知江南短期大学・森先生との共同研究発表)。
 今回は,カリキュラム・リーダーシップの主体とその関係性に関する概念モデルを呈し,そして,それを事例に適用することを通じて,我が国のカリキュラム・リーダーシップ実践の特徴と課題を考察した結果についてレポートした。予想どおり,リーダーシップとマネージメントの違いについての意見,実践的リーダーの役割を強調することについての意見が出てきた。我々は,マネージメントという概念を否定しているわけではない。それを,リーダーシップに内包させ,それ以外の民主的,創造的側面とのバランスを保ったモデルを呈しようとしているのであるが,それが,なかなか伝わらない。「昔から,マネージメントという概念には,民主的,創造的な意味が込められていた」というコメントも示されていたが,それならば,なぜ,米国等において,カリキュラム・リーダーシップをキーワードとする論文や著作が増えているのか。過去の概念や枠組みを積極的に,また拡張して解釈すれば,カリキュラム研究の新しい動きもそれに吸収されてしまうのかもしれないが,そうしたスタンスは,学術や実践の発展を遅らせるだけではないだろうか。

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2009.07.11

NHK2011も大詰め

 本日夕方,渋谷のNHKで,いわゆる「NHK2011」,すなわち,「2011年以降の学校放送番組とデジタルコンテンツのあり方に関する調査研究」のミーティングが催された。これは,私が,数名のメンバーと協力して昨年度から取り組んでいる研究プロジェクトである。既に,プロジェクトは最終局面を迎えており,本日は最終報告書の内容や構成について,各人が概要を報告した後,その調整に努めた。あと20日ほどで,原稿を仕上げることとなる。私は,この研究プロジェクトの主査として,自分の担当する内容(研究の目的や方法,研究知見等の総括等)の執筆はもちろん,他のメンバーの執筆についても,なんらかの形で関わりを持たねばならない。なかなか大変であるが,ゴールまであと少し。みんなとともにがんばろう。

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2009.07.09

カリキュラム・リーダーシップ実践の検討

 12日午前,千葉・幕張の神田外国語大学で催される,日本カリキュラム学会で,研究発表をおこなう。タイトルは,「我が国におけるカリキュラム・リーダーシップ実践の展開-実践的リーダーの役割に注目して-」である。またまた,矢野先生(大阪市立大学),森先生(愛知江南短期大学)との共同研究発表である。今回は,3人で3年間進めてきた科研費の研究の総括を行う。すなわち,カリキュラム・リーダーシップの主体とその関係性に関する概念モデルを呈し,そして,それを事例に適用することを通じて,我が国のカリキュラム・リーダーシップ実践の特徴と課題を考察する。

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2009.07.05

2011年以降の学校放送番組利用の物語

 本日,我が研究室に,NHKの学校放送番組制作者と小学校の先生方(大阪の浅香先生,富山の深井先生)に来ていただき,2011年以降の学校放送番組利用について,その特徴を物語風にまとめた。
 これは,いわゆる「NHK2011」,すなわち,「2011年以降の学校放送番組とデジタルコンテンツのあり方に関する調査研究」として,昨年度から取り組んでいる研究プロジェクトの一環である。既に,プロジェクトは終盤を迎えており,2011年以降の番組編成やデジタルコンテンツの提供等のサービスの全体像を描いた。今回の物語作成は,それを分かりやすく伝えるための工夫の一環である。

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2009.06.27

実践リーダー自学自習用テキスト開発プロジェクト

 本日,大阪教育大学の天王寺キャンパス中央館で,実践リーダー自学自習用テキスト開発プロジェクトのミーティングを開催した。このプロジェクトは,パナソニック教育財団の支援により推進される,「先導的実践研究助成」である。例のインフルエンザ騒動で,予定より1ヶ月遅れてのスターとなったが,メンバーの熱心さで,それを取り戻せた。
 このプロジェクトでは,研究主任に必要とされる力量を獲得してもらうための問題と解答例を,各メンバーに分担して作成してもらう。本日は,問題の素材を検討したが,力量の範囲やレベルに関して,議論を深められたと思う。

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2009.06.14

小学校から大学までの教育方法改善

 本日,日本女子大学(目白キャンパス)を訪ね,科研の会議に出席した。これは,同大学の吉崎先生を代表者とするもので,研究会課題名は「初等・中等・高等教育における教育方法の改善・開発に関する総合的研究」である。3年間で,小学校から大学までの教育方法の改善について,多様な調査研究活動を繰り広げる。
 私は,中学校グループのリーダーをおおせつかった。学力調査で好成績を残している富山や福井,国際学力調査で常に上位に位置する香港等について,資料を収集・分析し,そして現地を訪問してヒアリングを実施する予定である。それらの共通項を導出するために。

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2009.06.04

教育活動とボランティアに関する検討プロジェクト

 日本教育大学協会は,「教育に関する学術の研究及び教育者養成を主とする大学・学部(これに準ずるものを含む)」を会員とする組織である。同協会の研究プロジェクトの1つに,「教育活動とボランティアに関する検討プロジェクト」がある。昨年度から,私も,研究協力員を務めることになった(プロジェクトの主査は,岡山大学教育学部に勤務していた際の同僚,松田先生である)。
 今年度,プロジェクトのゴールに,教育ボランティアに関する提言とともに,教育ボランティアの組織化等に関する「ハンドブック」を作成することとなった。私の提案で,理論編,手続き編,事例編,資料編,可能であれば演習編という,枠組みの定まった。プロジェクトの成果は,やはり,形になって残るもの,とりわけ活用できるものが望ましい。

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2009.05.31

校内研修に関する調査(国立教育政策研究所の研究プロジェクト)

 国立教育政策研究所を訪れ,同研究所のプロジェクト「教員の質の向上に関する調査研究」に会議に参加した。このプロジェクトでは,教師の授業力量を高めるための学びの全容を把握することがねらいである。行政研修や校内研修,自己研修等と教師の授業力量形成の接点をさぐるための調査をいくつか実施する。
 今日は,私は,いくつかの学校を対象として実施する,校内研修の量や質の実態を把握するための質問項目や回答選択肢の原案について協議するチームのまとめ役をおおせつかった。授業をめぐる「語りと探究のコミュニティ」が形成され,発展するための授業研究のあり方(例えば1学期から実施する),それを充実させるための「装置」(例えば研究紀要の作成等)の重要性について,いくつか意見を述べた。

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2009.05.20

『「研究発表会」開催の手引き』ダウンロードできます

 先日もご紹介した,平成20年度にパナソニック教育財団の支援を受けて作成した,『「研究発表会」開催の手引き』であるが,希望者には,郵便で届けることにしている。既に何名かの方には,郵送で送った。
 同時に,同財団のホームページの該当部分からダウンロードできることになった。こちらから入手なさってもよいだろう。ただ,郵便でお届けする冊子の方が,なんとなく(趣があって?)感じがよいのだが--。

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2009.05.16

『「研究発表会」開催の手引き』

 平成20年度,パナソニック教育財団の支援を受けて,「研究発表会」開催に関するハンドブックを作成した。「はじめに」に記している,このハンドブックの意義や概要は,次のとおりである。

『「研究発表会」開催の手引き』

はじめに-学校における実践研究の振り返りやアイデア収集に向けて-
 「研究発表会の開催は負担だ。」「学校外の人に見せる授業はやっていない。」という声を聞くことがあります。けれども,「研究発表会」開催の意義は,それをどのような営みであると定義するかによって,大きく変わります。研究発表会は,完成された授業や完璧な実践研究を誰かに示すためのイベントではありません。それは,実践研究の振り返りが促される機会(自己評価,相互評価)であり,授業改善のための新たな視座を得られる舞台(外部評価)なのです。 もちろん,そのように,研究発表会が学校における実践研究のいっそうの充実に資するものとなるためには,そのデザインや開催に向けた準備に,工夫が必要です。多くの参加者が集まれば,それでよいわけではありません。授業やカリキュラムに関する実践的なアイデアが豊かに交流され,開催する側も参加する側も得るものが多い研究発表会は,どのようにして成立するのでしょうか。
 この手引きは,その秘訣をまとめた,「ハンドブック」です。Ⅰ章には,研究発表会開催の意義とその検討ポイントがまとめられていますし,Ⅱ章には最近の研究発表会の実践動向やその多様性が記されていますので,それらを確認してください。Ⅲ章には,ある学校の研究発表会の開催事例が,その評価結果とともに,ていねいにレポートされています。研究発表会の可能性と課題をご味読ください。そして,Ⅳ章には,Ⅲ章の事例と同じ学校の教師たちが,研究発表会開催前後にどのような研究活動に従事していたのかが記されています。各学校の研究推進リーダー等にとっては,参考になる部分がたくさんあるでしょう。
 なお,実践研究全般の企画・運営について詳しく学びたい場合には,拙著『教員が磨き合う学校研究』(ぎょうせい,2006年)をご覧ください。また,財団等の支援を受けて編者らが作成・公開している「学校研究推進に関するQ&A」(http://www.pef.or.jp/oyakudachi/index.html#yakudachi_1)にアクセスしてください。
平成21年3月
「手引き」編集責任者:木原俊行(大阪教育大学・教授)

 15日に東京で同財団の平成21年度の実践研究助成の助成式があるが,そこで,助成を受けることになった学校に配布された。8月には,平成19年度の助成校にも,配布される予定である(同財団が催す成果報告会にて)
 私のところにある残部を希望者の方に郵送しようと思う。次の住所に,宛先を記載して200円切手を貼った封筒(A4サイズの小冊子が入るサイズ)を送ってもらえたら,数日以内に,お届けしよう。
 〒543-0054 大阪市天王寺区南河堀町4-88 大阪教育大学・教育学部・天王寺キャンパス 木原俊行

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2009.05.10

我が国の教師たちにとって「語りと探究」はどのような営みとして位置づいているか

 日曜日だけれども,我が研究室で,2月に1回開催している,カリキュラム研究会を開催した。先日も別の記事で紹介した著書,Wiles J.(2009)Leading Curriculum Development. Corwin Press.CA.の第2~4章の輪読だ。その内容を確認しながら,カリキュラム・リーダシップの本質である「語りと探究」が,我が国の今日の教師たちにとって,どのような営みとして位置づくかについて,議論を繰り広げた。それは授業研究の基本精神とも言えるので,教師が手慣れたものであると考えうるか,それとも,語りや探究のパートナーが地域住民や保護者に広がっているので,彼らは,それをむしろ不慣れな,それゆえ背を向けたくなるものと考えるのか--。経験的には,学校や地域によって,この概念のとらえ方に違いがあり,その格差が大きくなっているという状況にあるように思えるが--。

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2009.05.08

カリキュラム・リーダーの「説得力」

 本日も,,Wiles J.(2009)Leading Curriculum Development. Corwin Press.CA.の第2章「カリキュラム・リーダシップの基本課題」を読み続けた。カリキュラム・リーダシップの基本課題として,著者は,1)目標の同定,2)(成功に資する)共同,3)方策の提示,4)期待される目標に到達するためのコーディネーション活動を掲げている。
 そして,それらを遂行するためのアクションをリストアップしているのであるが,コミュニケーションに関わるものが少なくないと感じた。それらは,「(保護者や地域住民と意思疎通を図るために)教育用語の使用を避ける」「孤立を克服し,共通理解に至るために)グループワークを駆使する」等である。
 この章の提言の1つに,「カリキュラム・リーダーには,説得力が必要だ」という叙述があったが,そのような「説得力」は,どのような要素や側面で確認されるだろうかと考えた。まず,当該教師が,子どもたちに豊かな学びを提供し,確かな学力を育んでいるという事実が必要とされよう。実践を語る際の視点の広さや修辞の巧みさも,説得力に含まれよう。カリキュラム研究に長けているとか,多種多様な実践事例を見聞きしているといった,知識の量も説得力のパーツになろう。
 読者は,同僚・子ども・保護者等を新たな実践に誘う際に,何を道具や武器にして彼らを説得しているだろうか。

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2009.04.28

ケープタウン(南アフリカ共和国)へ

 先日,国際カリキュラム学会から,審査の結果,第3回大会(9月7~10日)における発表への申込が受理されたという連絡が入った。ここ数年,大阪市立大学の矢野先生,愛知江南短期大学の森先生と共同で取り組んできた,カリキュラム・リーダシップの理論的・実践的モデルを報告することとなった。
 それにしても,ケープタウンとは--。そもそも,アフリカにも,南半球にも行ったことがない。どこを経由して,現地に到着することになるのだろうか(おそらく,直行便はないだろう)。英国や中国等の行き慣れたところと違って,相当下調べが必要だろう。

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2009.04.19

博士論文は,大変だ

 本日は、ある方の博士論文の査読に時間を費やした。A4判250頁を超える文章のボリュームにつきあうこと自体,体力と精神力がためされる。それ以上に,その人独特の論理とレトリックを受け入れつつ,その特長と課題を整理し,指摘しなければならない。博士論文は,作成するのも大変ならば,審査するのも大変なのだ。

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2009.04.13

田中博之著『子どもの総合学力を育てる-学力調査を活かした授業づくりと学校経営』(ミネルヴァ書房,2009年)

 田中博之著『子どもの総合学力を育てる-学力調査を活かした授業づくりと学校経営』(ミネルヴァ書房,2009年)が刊行された。この本は,「総合学力」や「総合教育力」の概念を提案し,それに基づく授業づくりを論じたものだ。私も参画している,総合学力研究会のここ数年の取り組み,とりわけ,学力調査を学校改善のPDCAサイクルに位置づけるアクションがていねいに解説されている。
 また,外国の教育の動向に詳しい田中氏らしい,諸外国の学力向上の営みのレポートも,多くの読者の参考になろう。
 なお,現在,私が原稿執筆に追われている著書は,田中氏の著書を第1巻とする,シリーズ「21世紀型学力を育てる学びの創造」の続編である。

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2009.03.22

今日も,教師の力量に関して集中的に学ぶ

 本日,我が研究室で,「教師の力量形成に関する研究会」(第5回)を開催した。今日は諸事情による欠席者が多く,参加者は,6名だった。しかし,それでも6本の学会誌論文を材料にして,教師の力量とその形成について,5時間くらいじっくり議論した。
 私は,教師の力量に関する今日的なトピックである,dispositionsの育成と評価に関する論文(それに関する思弁的検討)の内容と特徴をレポートした。いつもながら,研究会が終わるとくたくたになるが,それでもなお,こういう機会は学徒たる我々の基礎・基本と言えよう。

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2009.03.18

『取り組もう!「学校評価」』(DVD付録)を入手したい方は

 先日も紹介した,『取り組もう!「学校評価」(付録DVD)』(平成20年度大阪教育大学の学長裁量経費による「学校評価」実践事例開発プロジェクトの成果物)を希望者(申込先着20数名)に配布することにした。
 次の住所に,宛先を記し,240円切手を貼った封筒(A4サイズの小冊子が入るサイズ)を送ってもらえたら,後日,冊子と付録DVDをお届けしよう。
 〒543-0054 大阪市天王寺区南河堀町4-88 大阪教育大学・教育学部・天王寺キャンパス 木原俊行
 既にメールで私に入手を希望なさった方も,上記に従っていただきたい。

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2009.03.11

『取り組もう!「学校評価」』(付録DVD)が完成!

P1120425 本日,『取り組もう!「学校評価」』(付録DVD)ができあがった。これは,私が,本年度,本学の学長裁量経費を得て大阪市教育委員会の総務部企画担当とプロジェクト(「学校評価」実践事例開発プロジェクト)を発足させ,作成したものである。次のような内容を含んでいる。


はじめに             
この冊子と付録DVDの使い方
目次
1.学校評価の基本的な考え方とそのサイクル
・年間スケジュール(例)
2.学校関係者評価委員会のメンバーの選定
3.学校関係者評価委員会の司会・進行
4.自己評価のための外部アンケートの作成
5.自己評価書の作成
・総括評価シート(例)
・項目別評価シート(例)
6.学校関係者評価書の作成
7.評価結果の公表
8.他地域の特色ある取組みの紹介
9.Q&A

~ 資料編 ~
・学校関係者評価委員会設置要項(例)
・学校関係者評価委員会の効果的なすすめ方<ロールプレイング台本> 
・保護者アンケート(例)
・児童・生徒アンケート(例)
・取組内容(指標)例
・自己評価書事例(平成19年度)
・学校関係者評価書事例(平成19年度)
・関係法令・規則 等
おわりに

 そして,いくつかのパートについては,上記の内容とともに,関係する映像やファイルが,付録DVDに収められている。これらは,冊子の内容を深めたり,自校の学校評価の営みに役立てる際に有用であろう。後日,すべての大阪市立学校園に冊子と付録DVDを配布する。残部を希望者に配布するかもしれない(検討中)。

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2009.03.06

香港大学にて,授業改革についてヒアリング

 本日,香港大学にて,授業改革についてヒアリングを実施した。香港大学は,香港で最も歴史があり,また最難関の大学である。いわゆるエリートを輩出する高等教育機関だ。それでも,講義をはじめとする授業については,outcome based approachが採用されているそうである。ただし,例えば社会科学院の講義科目にはインターンシップが加えられているが,その評価は,レポート等の形で,厳密に,アカデミックに評価されるという。言い換えれば,研究大学たるためには,講義が体験に終始するわけにはいかないと言う。このあたりは,同じ言葉を用いていても,大学によって,その内実には相違点もあるようだ。
P1080297 なお,社会科学院では,国際交流も重視しており,日本の文化等に関するセミナー開催の企画が進められていた。

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2009.03.05

香港城市大学にて,General Educationについてヒアリング

P1080279 大阪市立大学の矢野先生をリーダーとする,科研費の研究プロジェクトの活動の一環として,香港を訪問している。本日,香港城市大学にて,General Educationについてヒアリングを実施した。香港の大学のカリキュラムは,3年制から4年制のへの移行を控えて,現在,改革中であり,その柱のひとつが,専門教育と一般教育(General Education)の兼ね合いの再考,後者の充実であると聞いた。また,後者のキーワードが「学際的・統合的」「ティームティーチング」「コラボレーション」「相互作用的」「能動的」であること等を把握した。ちなみに,あらゆる講義が英語でおこなわれているそうである。
 それにしても,建物がとてもおしゃれな大学である。地下鉄の駅,ショッピングモールと隣接しているのも,とても便利である。

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2009.03.04

香港にやってきた

 香港にやってきた。大阪市立大学の矢野先生をリーダーとする研究プロジェクトで,香港大学,香港城市大学を訪問し,そこで,人間力育成のためのプログラム,とりわけジェネリックスキル育成のためのプログラムの開発についてヒアリングを試みる。
 香港には,ずいぶん前に,トランジットのために,空港に数時間滞在しただけである。つまり,実質的には,初めての訪問となる。わずか3泊の滞在であるが,どんな体験ができるか,少々楽しみでもあり,また不安でもある。

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2009.03.02

「どんな時でも必ず勉強を--」

 読者(の教師の皆さん)は,いつ,授業づくり等について学んでいらっしゃるだろうか。先日,ある大学教員の謝恩送別会に出席させていただいた。その最後に,同席なさった,その方のご令室が次のようにおっしゃった。「主人の自慢を一つだけさせてください。毎日必ず家に帰って勉強しているんです。飲み会の後も,旅行から帰っても--必ず。『そんなにしんどいのならば,休めばよいのに』と言っても。」と。
 大学教員は,一般には,好きなように時間を使える職業であると思われているようだが,そうでもない。講義と会議,学生指導,社会貢献等々に追われている。だから,私などは,文献に目を通せない日,論文等を執筆できない日,要するに学問にたずさわっていない日も,実は少なくない。「毎日毎日,勉強している」とお聞きすると,我が身を恥じざるを得ないのである。毎日,少しでもよいから,学問の時間を確保しようとあらためて思った。

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2009.02.24

教育活動とボランティアに関する検討プロジェクト

 日本教育大学協会は,「教育に関する学術の研究及び教育者養成を主とする大学・学部(これに準ずるものを含む)」を会員とする組織である。いくつかの研究プロジェクトを展開しているが,その1つが,「教育活動とボランティアに関する検討プロジェクト」である。今年度,研究協力員を務めることになり,本日も,そのミーティングに参加した。今日は,本年度の活動を総括しながら,ボランティアが教育活動に従事する際のポイントについて議論した。例えば,プロジェクトのリーダーから,教員は,どのようなボランティア(学生や地域住民等)ならば,相手を「信頼」できるかと問われた。私は,「自己の経験や能力を分析し,それを根拠にして,自らにできること,自らではできないことを確かに見分けられる」ことが重要な指標になるのではないかとコメントした。逆に言えば,「この部分からは,プロである教師に任せるべきだ,彼らに指示を仰がねばならない」と考えられる人であれば,教師は,ボランティアを頼れると思う。

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2009.02.20

書評を書くのは難しい,でも,やりがいもある

 一昨日から,ある図書と格闘している。その著作を書評する役を仰せつかったからである。ある方の博士論文が図書になったものであり,ボリュームのある労作であり,またオリジナリティのある秀作である。
 それをどのように,限られた紙幅にまとめるか--。また,それと矛盾しない形で,どのように,その著作の限界や課題を述べるか--。書評は難しい。この本の著者と学術的なコミュニケーションをとったことはない。そもそも,会ったことさえない。にも関わらず,その学術的意義を書評の読み手に分かりやすく伝えなければならないとは。これはもう,至難の業である。
 しかし,この好著を読む機会を得て,当該分野についてずいぶん勉強になった。そういう意味では,苦労はしても,書評を書くという取り組みは学者の活動としては,やりがいのあることである。

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2009.02.18

また卒論指導が始まる

P1120422 先月から,平成21年度に卒業論文を作成する学生の指導が始まった。次年度は,担当が8人となった。これまでに経験したことがない数である。しかも,そのテーマも,学級経営,授業力量の形成,重要な他者としての教師,キャリア教育,デジタルポートフォリオ,ICT活用,小学校外国語活動と広がりを見せている。
 多少の不安を抱えながら担当を引き受けたが,本日の第2回目のゼミでは,各人が研究計画をレポートし,私と,またゼミ生同士でも,その妥当性等について意見を交換し,それなりの学びになったと思う。ちなみに,私は,目的が演繹的に導き出されていないこと(○○に興味があるので--といった言い回しになっていること),研究
方法の具体化が足らないこと,予想される結論の実践的有効性が意識されていないこと等を指摘した。
 次回までに,ゼミ生には,研究計画の修正と加筆に努めてもらうと同時に,先輩の卒論を読んでもらい,ゴールのイメージを持ってもらう。

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2009.02.13

たとえ専門分野が異なっていても

 昨日の記事の内容であるが,「たとえ○○であっても--」という基本的な考え方を遵守できていないのは,私も同じであり,あの記事を書きながら,反省した。「たとえ専門分野が異なっていても」仕事を引き受けたのであれば,自分にできるベストを尽くさないといけないというルールを守れていないからである。
 私の専門は,ブログのタイトルどおり,「授業研究と教師の成長」である。けれども,諸事情から,情報教育だとか,小中連携教育だとか,時には人権教育などのプロジェクトや活動に,身を投じることがある。その際に,「いやあ,私の専門は,○○ではないですから」と,仕事の遅さ,まずさを言い訳することがある。これを戒めないといけない。
 そう思って,昨夜から本日にかけて,「教育の情報化」に関するプロジェクトの分担を(半分泣きながら)こなした。このようなポリシーを貫かないと。もっとも,できない仕事への参加は,照会があった時に断ればよいので
あるが。

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2009.02.07

卒論発表会を終えて

 本日は,平成20年度に私が卒論指導を担当した5名の学生が,自身の研究の概要と特徴等を報告する「卒論発表会」の日である。平成21年度のゼミ生,他のゼミの学生等を含めた,20名程度の参加者となった。
P1120409 5名の学生は,レジュメや資料を作成したり,プレゼンテーションを準備したりして,発表に備えた。そのおかげで,聴衆から様々な意見が示され,よい意見交換の機会が成立した。発表者にとっても,聞き手にとっても,ためになる発表会となった。みんな,お疲れ様でした。

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2009.02.01

カリキュラム・リーダーシップモデルの提案

 日曜日だけれども,我が研究室で,科研のとりまとめに関するミーティングを催した。「学校を基盤とするカリキュラム開発におけるリーダーシップ・グループの役割のモデル化」というタイトルであるから,カリキュラム・リーダーシップの主体,その関係性,それぞれの主体が果たすべき役割(アクション)について,構造的なモデルを呈するつもりである。本日のミーティングでは,研究代表者として,これまでの文献研究,事例研究の成果を踏まえて,その試案を示した。分担者から意見を頂戴し,修正することになったが,カリキュラム・リーダーシップの中核が研究主任等のミドルリーダーが発揮する実践的リーダーシップであること,それに同僚の協働的リーダーシップや子どもの応答的リーダーシップ,管理職の組織的リーダーシップが関わること等については,ある程度,認めてもらった。
 各人が担当章を仕上げて冊子にまとめ,あと少しで,この研究プロジェクトも一応の終結を迎える。

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2009.01.13

経緯や枠組みを語れるということ

 現在,デジタル教材の開発と活用に関する文章を執筆している。大学の仕事なので,やむを得ない。けれども,私は,この分野の専門家ではない(NHK教育放送番組部によるデジタル教材については,けっこう詳しいが)。だから,その経緯や枠組みについて,あいまいな部分がある。そこで,先日,友人であり,情報教育に精通している堀田さん(メディア教育開発センター)にこの件を相談したところ,示唆に富んだ助言を頂戴した(堀田さん,ありがとうございました)。
 ある分野の専門であるとは,そういうことが語れることであろう。事例をいくつか有しているだけでなく(点だけでなく),それをつなげた線や面を描けるか,さらに,それらを外国の営みと比較したりして立体的に示せるか--。私も,自分が専門としている,「授業研究と教師の成長に関する研究」の系譜や潮流をしっかり語れるよう,さらに研鑽を積みたい。

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2009.01.12

卒論評価の基準

 本日もまた,(自分の報告書原稿を執筆しながら)卒論の草稿を読み,その内容・表現等を点検している。卒論の締切は30日なので,本日チェックした論文には未完成の箇所があった。明日以降のゼミで小言を言わねばなるまい。
 ところで,私は,卒論を評価する枠組みを学生に提示している。つまり,次のような10の観点ごとに,3段階で評価し,それを統合して評定することをあらかじめ明らかにしている。ガイダンス時にこれを示し,了解できた学生について,その論文作成を担当させてもらう。月末に論文を提出する5名は,これに照らすと,どのような成績になるだろうか--。

【形式】
(1)分量
 A4サイズの用紙に,各ページ40字×35行で,30ページ以上,執筆する(図表を含むが,資料は含まず)。
なお,各ページのマージンは,上左右は25ミリ,下は30ミリ。
(2)構成
 タイトルに即して,4~5章で構成する。それらに,論理的なつながりがある。参考文献や謝辞等をきちんと記している。

【問題提起の意義】
(3)研究の必然性
 先行研究を引用しながら,研究の意義が主張され,研究の目的が示されている。
(4)研究の実践的意義
 研究で示される知見が学校現場の教師たちの取り組みに資する。

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2009.01.11

「学習共同体」創造のステップ

 昨日も,ここ数年続けている,カリキュラム研究会が開催された。ここのところずっと,カリキュラム・リーダーシップに関する文献を輪読している。前回,今回(そして次回)の題材は,Dale L. BrubakerのRevitalizing Curriculum Leadershipである。
 今日私が報告を担当したのは,第8章「学習共同体の創造」である。そこには,学習共同体を創造するためにカリキュラム・リーダーが刻むべきステップは,1)コミュニティ構築に興味を抱く人々間で経験を共有させること,2)それに必要となるモデル等を提供することであるという主張が記されてあった。

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2009.01.09

最後の最後まで文章を練って論文を仕上げてもらいたい

 本日も,(自分の報告書原稿を執筆しながら)卒論・修論の草稿を読み,その内容・表現等を点検している。既に,どの論文も,パーツはそろい,提出できる状態にはなってきた。しかし,ここから,どれくらい推敲するかによって,論文のできあがりは違ってくる。長い文章を綴っていると,どうしても独りよがりな内容・言い回しが出てくる。読み直してそれをどこまで克服できるか--自分との闘いである。自らの文章のつたなさを受け入れ,それを改善する作業は辛い。しかし,それを,何度重ねられるか--。そこに,論文作成の厳しさと,ある種の楽しさがある。私が指導する学生には,私の点検に基づく修正とともに,自己点検,あるいは友人同士の相互点検による修正も進めてもらいたい。最後の最後まで文章を練って論文を仕上げてもらいたい(それでも,完璧にはならないのであるが)。

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2009.01.02

英文献と格闘する

 一昨日の誓いに従い,本日,英文献の読解を試みた(11日に催される,カリキュラム研究会での発表が間近に迫っているという現実的事情もあるのだが)。いや,格闘した。Dale L. BrubakerのRevitalizing Curriculum Leadershipという書物の第8章「学習共同体の創造」を読んだのだが,その内容が腑に落ちない。そもそも知らない単語が多い上,カリキュラム・リーダーシップとそれがどうつながるのかが判然としない文が続く--。でも,この文献が提案する内容は,全体として知的な魅力にあふれているので,もう少し読み進めれば,きっと得るものが見えてくるはず--。そう信じて,明日もがんばろう。

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2008.12.31

学究的態度を保つ

 あと少しで,2008年も終わる。この1年は,あっという間に過ぎた。大学での講義や論文指導,学会活動,学校現場との研究的関わり等で,スケジュール帳は埋まった。だから,がんばってはいたのだと思う。しかし,それでよいというわけではない。あまりにも慌ただしく,それゆえ,研究のデザインやデータ収集が甘い。それを緻密にするための文献購読や議論が足らないからであろう。
 2009年は,それを克服しなければなるまい。「授業研究と教師の成長」に関する学究的態度を保ち,むしろ充実させるための努力を重ねることを誓い,このブログの1年の締めくくりとしたい。

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2008.12.29

家庭学習指導と授業改善の進展ステップ

 本日,年末にもかかわらず,学力・教育力調査に関するプロジェクトたる,総合学力研究会のミーティングに出席した。ベネッセ教育研究開発センターを事務局とする,この研究会は,子どもたちの学力,教師の指導力,学校の経営力,保護者の教育力をトータルに把握し,子どもの学力向上に教師・保護者のいかなる教育力がどのように影響しているかを明らかにするとともに,両者のよき関係の発展の可能性を,その力点を変えながら,継続的に探ってきた。今回の調査のキーワードは,「家庭学習」である。子どもたちの家庭学習の実態,それを促す教師たちの家庭学習の充実を図る指導とそれを踏まえた授業改善や学校改革の実態,さらには保護者の家庭学習サポートの実態等に迫った。
 調査研究プロジェクトは,調査結果の集計や分析が終わり,現在,報告書原稿の作成段階に入っている。私の担当は,「家庭学習の指導と授業改善をどう結びつけるか」「家庭学習指導と授業改善の進展モデル」「家庭学習を生かした授業改善のさらなる点検-家庭学習指導の評価基準-」等だ。本日の会議では,そのプロットを紹介し,他のメンバーから,執筆内容についてコメントを頂戴した。
 家庭学習の充実は,我が国の子どもたちの学力向上に向けた,重要課題である。報告書では,なかなか興味深い知見が呈されると思うので,その刊行(年度末)をお待ちいただきたい。

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2008.12.27

教師の力量に関して集中的に学ぶ

P1070555 本日,奈良教育大学で,「教師の力量形成に関する研究会」(第4回)を開催した。9名の研究者が集い,それぞれが英文雑誌からピックアップしてきた論文を報告した。また,それを題材にして,この領域の研究課題,論文の独自性や提案性等について意見を交換した。さらに,「共通論文」を設定して,それについては全員が読破し,意見交換に備えるという取り組みも実施した。
 例えば,教師の学びが子どもの学びに与える影響の効果測定の重視,それが世界的な動向であること等を把握した。また,レジリエンス(回復力)といった,教師の力量に関する新しいトピック等を共通理解した。

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2008.12.25

学校長のリーダーシップの主柱の1つは,計画性

 本日,学校評価に早くから取り組んだ,元小学校長にインタビューを実施した。これは,大阪市立学校に学校評価に関する実践事例を集めたDVDを配付するという研究プロジェクトの一環としておこなうものである。
 いろいろ貴重なアイデアを提供してもらったが,その中でも,学校評価の取り組み(そして学校経営や学校改革
)では,学校長のリーダーシップ,とりわけ,その計画性が大切であることを痛感させられた。インタビューに応じてくれた方は,学校評価結果の公開を目指して,学校評価の意義をいつどのようにしてスタッフや関係者に了解してもらうか,各種アンケートをいつ実施しするかという点について,緻密な計画を策定していらっしゃった。
 私は,文部科学省の「義務教育の質の保証に資する学校評価システム構築事業」を大阪市教育委員会が推進していく際に,その協力校に学校評価の年間スケジュールを(仮のものでかまわないから)策定してもらうよう,主張してきた。本日のインタビューで,その妥当性が認められたように思った。

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2008.12.23

ポスト義務教育段階における人間力の育成

 本日,(休日にも関わらず),我が研究室で,大阪市立大学の矢野先生を研究代表者とする,科研費の研究プロジェクトのミーティングが催された。そのタイトルは,「ポスト義務教育における人間力育成を図る教育プログラム開発のための基礎的研究」である。私も,分担者の一人となっている(昨年度,このプロジェクトの研究活動の一環として,矢野先生と渡英して,シックスフォームカレッジ等に出かけた)。
 本日は,この2年間の各種訪問調査の結果を共有化しつつ,それらを位置づける「人間力育成モデル」の特徴について意見を交換した。

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2008.12.22

教育活動とボランティアに関する検討プロジェクト

 日本教育大学協会は,「教育に関する学術の研究及び教育者養成を主とする大学・学部(これに準ずるものを含む)」を会員とする組織である。いくつかの研究プロジェクトを展開しているが,その1つが,「教育活動とボランティアに関する検討プロジェクト」である。今年度,研究協力員を務めることになり,本日,そのミーティングに参加した。今日は,いくつかの大学で企画・運営されている,教員志望学生による学校やその他の施設におけるボランティア活動について報告を拝聴した。活動を通じた学生の成長とともに,そのマネージメントの難しさ(不安定さ)等が共通理解された。
 それにしても,これが,今月7回目の上京(すべて日帰り)。今日も,午後からは,天王寺キャンパスに戻り,卒論指導。なかなかハードである。

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2008.12.21

ICT活用の実践プランの作成(奈良教育大学大学院の「情報教育特論」にて)

P1070544 奈良教育大学大学院の「情報教育特論」で,受講生に,ICT活用の実践プランを作成してもらった。最終日(28日)には,彼らに,そのプランに基づいて,模擬授業を実施してもらう。プラン作成に先んじて,昨日は,教育の情報化の枠組みを私が解説し,本日は,受講生に,私が示した事例やテキスト(野中・堀田(編)『教室のICT環境』三省堂)のすぐれた事例に学んでもらった。そして,それらを踏まえながら,自らのICT活用の課題を同定して,それを解決するための実践プランを作成してもらった。

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2008.12.19

教師の力量形成に行政研修等はどう役立っているか

 今年度,国立教育政策研究所の研究プロジェクト,「教員の質の向上に関する調査研究」の「研修・指導力研究班」の所外研究員に加えていただいている。同研究所の千々布敏弥総括研究官が企画・運営している,このプロジェクトでは,今年度,全センターを対象とするアンケート調査等が計画されている。
 続いて,次のステージでは,教師の力量形成に,教育センター等で催される行政研修がどう役立っているかを把握する。例えば,いわゆる優秀教員やエキスパートティーチャーに対して,力量形成の契機をたずね,そこに行政研修がどの程度位置づくかを確かめる。今後,このような調査の企画を詰めることになる。

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2008.12.17

学術論文に何が求められるか

 「学術論文には何が求められるか」と問われたら,読者はどのようにお答えになるだろうか。先日,ある学位請求論文の審査に参加する機会を得た。先行研究を整理し,自らのスタンスを明らかにした上で,実証的な研究を企画・運営し,その知見をきちんとまとめていた。これまでの私の経験からしても,学位を取得できるレベルの内容であった。
 ただ,結論とは必ずしも結びつかない形で,それゆえ,研究の目的から離れた内容の叙述が,論文末に何十ページも続いていた。著者は,それが「もっとも書きたいこと」であると言うが,私には,そうは思えなかった。
 ある研究者が「論文とは,論理的な文章であるから,論理的な構成が最も大切である」と述べているのを聞いたことがある。もちろん,提案性(新規性),妥当性等の観点も論文執筆には大事であるが,読者が理解できない構成や叙述であると,悲しいかな,それらも伝わるまい。「書きたいこと」ではなく,「書くべきこと」=「読者が読みたいこと」を意識する方が,研究の特長が伝わると思うのであるが--。

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2008.12.14

2011年度以降の学校放送番組とデジタルコンテンツ(略称:NHK2011)

 本日,渋谷のNHKで,「2011年度以降の学校放送番組とデジタルコンテンツのあり方に関する調査研究」の第7回ミーティングが催された。このプロジェクトは,地上デジタル放送がスタートし,新学習指導要領が全面実施になる2011年度以降に,NHK学校教育番組部は,どのようなサービスを学校現場に提供すべきかを,教師のニーズを把握したり,海外の取り組みと比較検討したりして,明らかにするものである。
 9月に中間報告書を提出し,プロジェクトは,第2ステージに入った。これまでのアンケート調査,インタビュー調査等の知見を踏まえて,これから,番組編成や番組の内容・構成等に関して具体的に提言するための資料の収集をおこなう。また,サービスの範囲や方針を策定するための議論を重ねる。

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2008.11.16

カリキュラム・リーダーは専門的自叙伝から学ぶ

 昨日は,ここ数年続けている,カリキュラム研究会が開催された。ここのところずっと,カリキュラム・リーダーシップに関する文献を輪読している。前回,今回(そして次回)の題材は,Dale L. BrubakerのRevitalizing Curriculum Leadershipである。
 昨日私が報告を担当したのは,「専門的自叙伝から学ぶ」である。カリキュラム・リーダーが自らの日常や実践史を分析し,それを他者と共有する意義,その手続き,その事例について述べてあった。

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2008.11.10

教育センターが催す教員研修の実態

 今年度,国立教育政策研究所の研究プロジェクト,「教員の質の向上に関する調査研究」の「研修・指導力研究班」の所外研究員に加えていただいている。同研究所の千々布敏弥総括研究官が企画・運営している,このプロジェクトでは,全国各地の教育センターが催す教員研修の実態や課題を明らかにする。具体的には,全センターに対するアンケート調査等が計画されている。
 今回,10の教育センターの実態等が報告され,その視点について意見を交換した。私は,センターの研修企画力等を問う項目として,「センタースタッフ自身が実践研究を推進する機会,彼ら自身が学ぶ仕組みや道具(例えば,研究紀要の刊行,研究プロジェクトの企画・運営等)」の有無や内容について確認することが大切ではないかと発言した。これまでの経験から,センタースタッフの学びの程度や質と彼らが企画・運営する教員対象のそれとが共鳴していると思うからである。

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2008.11.02

学校の研究発表会を評価するためのツール

 今年度,パナソニック教育研究財団と協力して,学校が催す研究発表会の内容等を評価するためのツールたる,評価シートを開発している。その観点と規準が定まってきた。例えば,観点の1つは,「(1)案内」がある。それは,次の5項目から,成る。
①早い段階から,開催時期等が案内されていた。
②複数の方法で,開催が案内されていた。
③案内では,研究会の特長や魅力がアピールされている。
④最終的な案内では,研究テーマや公開授業の内容が詳しく説明されている。
⑤案内を見て,実践の内容や研究会の日程等について,研究会開催までにたずねるための連絡先等が示されている。
 5観点で25項目を用意し,各項目を4点満点で評価することにした(観点ごとに自由記述による評価もおこなうし,例えば昼食の手配などの「番外編」とも言える評価項目も準備中である)。これらを用いて,今年度,いくつかの学校の研究発表会に,講師ではなく一般会員として参加し,研究発表会の内容等を点検する。もしかしたら,あなたの学校のものにも,こっそり(?)参加するかも--。
 聡明な読者はお分かりであろうが,開発中のシートは,研究発表会を開催する学校の研究主任にとっては,その準備を点検するためのチェックリストとして機能しよう。

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2008.10.29

それでも査読は大切

 本日午後,締切をオーバーしていた,学会誌投稿論文の査読判定に従事した。きちんと査読したり,査読結果をまとめて判定を下すのには,かなりの時間がかかる。それを何本も抱えていると,それだけで1週間が終わってしまうこともある。これから数ヶ月は,他大学の博士論文の審査にも関わる。しかも複数である。
 他人の論文を読んだり,審査してうが,これも学会や学術コミュニティの活動の一環であるから,そこに身を置いている以上,やむをえない。「それでも,査読は大切」である。

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2008.10.17

メディア環境移行期における学校放送番組・デジタル教材の活用傾向に関する考察(第15回日本教育メディア学会年次大会にて)

 明日から,愛知淑徳大学を会場にして,第15回日本教育メディア学会年次大会が催される。それゆえ,本日夜,名古屋入りした。この学会の初日の課題研究Ⅰ「デジタル時代の放送教育」において,亀井さん(椙山女学園大学),森田さん(早稲田大学)と共同発表をおこなう。タイトルは,「メディア環境移行期における学校放送番組・デジタル教材の活用傾向に関する考察−小中学校の教師に対する質問紙調査の結果から−」である。いわゆるNHK2011で取り組んでいる,放送教育の実態と展望に関する調査研究の結果の一端を報告する。
 今回の発表は,自分よりも若い2人との共同であり,私としては初めてのケースとなる。意見を述べたり,任せたりと,どの程度,またいかなる形でイニシアチブを発揮するか(しないか)が難しい。でも,2人の意欲や視点に学ぶところがあり,よい経験となっている。

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2008.10.12

教師教育の再考(日本教育工学会第24回全国大会のシンポジウム2)

 12日午後,日本教育工学会第24回全国大会のシンポジウム2「教師教育の再考-専門職としての教師の資質能力の基準とその育成方法-」が開催された。「教職実践演習」の可能性と課題がけっこう話題となっていた。上越教育大学では,教職大学院では「即応力」(臨床力+協働力)を育というコンセプトを確立しているらしい。分かりやすい表現であると思った。
 例えば,成果が厳しく問われる,そのための基準の明確化が求められる等の教師教育をめぐる「厳しい状況」が多く訴えられた。それはそうだと思うのだが,私自身は,教師たちの教職への志向性,チャレンジ精神等が認められ,評価され,また促される仕組みを充実させるという視点がそれらにおいて強調されるべきだと考えた。還元すれば,政治的な潮流と連動した厳しい状況に応じるためのものではなく,それを超克するための教師教育研究を,つまり,制度に応じるだけでなく,むしろ制度をリニューアルするための学術的営みを進めたいと感じた。

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2008.09.29

カリキュラム・リーダーシップの台頭

 昨日,モンゴルからの帰国直後であるが,カリキュラム研究会に参加した(といっても,会場は,我が研究室なのであるが)。Revitaling Curriculum Leadershipという書籍の輪読を進めている。その中で,カリキュラム・リーダーシップの台頭,その歴史的背景について議論した。

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2008.09.28

モンゴル流の挙手

P1050158 モンゴルの授業と日本のそれには,似ているところがある。例えば,教師の指示や発問によって,授業が進行していくこと,ノートに書く活動が尊ばれることなどだ。同時に,違うところもたくさんある。例えば,挙手のスタイル。写真のように,モンゴルでは,ウルトラマンのポーズのようなものが通例である。授業や教師,学校の国際比較は,似ているところと違うところが交錯するから,おもしろい。

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2008.09.27

モンゴルのロシアンスクール

 ウランバートル市内には,ロシアンスクールなるものがある。ロシア人が通っている学校ではない。ロシア人が経営している,ロシア人教師の多い私立学校である(もちろん,子どもたちは,モンゴル人師弟である)。70人の教師のうち,56人がロシア人だと聞いた。
P1050207 語学教育の充実を学校の特色としていた。例えば,1・2年生の時には,ロシア語のイマージョン教育がおこなわれているそうである。写真は,その様子だ。また,中学校段階になると,第三外国語を履修しなければならないが,それは,日本語と中国語の選択となるのだそうだ。

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2008.09.26

モンゴルの教師たちの協力の様子を見て

P1050087 やはりハラホリン第二学校のことである。スタッフルームに招いてもらい,そこで学校の概要についてプレゼンテーションをしてもらった。その傍らで,写真のような場面に遭遇した。数学のベテラン教師に,若手教師が指導内容・方法をたずねているのであった。若手教師は,その後,指導内容を熱心にノートにまとめていた。さらにその横では,掲示板の張り替えを数名の教師たちが談笑しながら進めていた。
 同僚性,共同等が豊かなのは,モンゴルの教師たちではないか--。周知のように,モンゴルは決して経済的に豊かではない。我々が見学した学級にも教科書を購入できない師弟が少なからずいる。教師に支払われるサラリーも高くない。それでも,彼らは,教職を誇りに思い,授業を大切にしている。モンゴルと日本は違いがありすぎて,彼の国の教師たちの姿をそのまま日本のそれに重ねることはできないが,それでもなお,教職や授業の可能性についてまだまだ考えるべきことがあると強く感じた1日であった。

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毎時間の指導案を用意する,モンゴルの教師たち

P1050011 25日午前,ハラホリン第二学校を訪ねた。1300人の児童・生徒を擁する学校だ。6歳から17歳までの子どもたちが学んでいた。写真は,第6学年(日本で言えば中1)の図工の様子だ。写真のように,モンゴルの伝統的な模様を折り紙を使ってデザインしていく活動(やがて,それはフェルト作品に仕上げられる)が繰り広げられていた。
P1050017 このベテラン教師は,日本で言えば家庭科の一部と美術について,第6学年から第11学年までの全クラスを担当している。驚いたことに,彼女は,すべての授業の指導案(略案)を作成して,ファイルに綴っているのであった(写真は第6学年分)。様々な本を参考にして作成していると言う。また,それを教務主任がすべて点検すると言う。モンゴルの教師たちの授業準備は,周到である。

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2008.09.24

モンゴルの教育学者が日本の教師たちにどのような印象を抱いているか

P1040829 23日午後,モンゴル教育大学の初等教育センターを訪れ,センター長のナラン氏と面談した。モンゴルの教育事情についていろいろとヒアリングさせていただいたが,その過程で,彼女は日本の教育,とりわけ教師たちの様子についてどのように感じているかについても聞けた。彼女は,五回も日本を訪問し,小中高等学校を訪問している。
 彼女は,日本の教師たちの特長は,同僚性であると言う。職階がほとんどなく,授業づくりやカリキュラム開発について協力し合う姿勢がすばらしいと語った。その重要性を日本の教師たちの事例をひもときながら,モンゴルの教師たちに説いているようだ。たしかにそれは我が国の伝統的な教師文化なのであるが,最近は,職階も増えているし(主幹制度など),授業研究への熱意には大きな格差が見られる。外国が注目する,教師たちの営みをぜひ継続・発展してもらいたいものである。

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2008.09.21

明日からモンゴルへ

 明日から,北京経由で,モンゴルに赴く。彼の国への初めての渡航となる。どんなところなのだろうか。いくつか学校を巡り,その様子を眼にできるのが楽しみである。しかし,寒いらしい。9月下旬になると最高気温は10度,最低気温はマイナス10度になると,ガイドブックには記してある。本当なのだろうか--。先に訪れたハルビンと緯度は同じくらいなのであるが--。まあ,モンゴルを何度も訪問しておられる,京都教育大学の浅井和行先生と一緒だから,なんとかなるだろう。
 とりあえず,ネットワークを利用できる環境であれば,現地の模様をレポートするつもりである(しかし,少なくとも1日はそれができないことは間違いない,キャンプに泊まるそうなので)。

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2008.09.20

小学校で熱烈歓迎を受けて

P1040726 19日,ハルビン市安静小学校を訪問し,授業を見たり,教師たちと面談したりした。国語等の授業を見学したが,日本の教室とよく似た展開であった。すなわち,教師の説明や発問,それに対する発言(手段討論),グループでの話し合い等で授業が構成されていた。ただし,子どもたちの学ぶ姿勢は,中高等学校もそうであったが,中国の学校の方が,全体としてはるかに磨かれている。教師の説明に熱心に耳を傾け,音読に一生懸命従事する。
P1040702 ところで,今回は,学校をあげて我々の訪問を歓迎してくれた。いきなり花束を頂戴し,2種類の歌と踊りを見せてもらい,最後は,子ども1000人以上でカンフーをする姿を見せられて,圧倒されてしまった(写真は,その様子)。

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2008.09.19

今日は800人が一斉に演ずるダンスを見学

 18日午前,ハルビン市第76中学校(ここは日本では中学校段階)を訪問し,授業を見たり,教師たちと面談したりした。教育長等も参加して,けっこう長い時間,日中の教育について情報・意見を交換した。
P1040622 合間に,ある学年の子どもたちが一斉に演ずるダンスを見学させてもらった。第2学年のの800人が踊るダンスも,圧巻だった。しかし,これだけ多くの子どもがよくもまじめに,そして協調できるというのは,すごいことだ。ちなみに,このダンスは学校オリジナルの振り付けで,例の体操とは一日交替で実施されるらしい。

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2008.09.18

ハルビン市第14中学校のICT活用

 17日午後,ハルビン市第14中学校(日本では高等学校段階)を訪問し,人間力育成のためのカリキュラムについてヒアリングした。生徒全員に対して「論語」を指導していると聞いた。古典に学ぶというのは日本でもはやっているが,この学校はずいぶん前からこの取り組みに着手し,注目を浴びているらしい。テキスト等を国語教師が作成し,それを活用して,現在では,すべての教師が指導を担当しているし,生徒同士で読解を試みているらしい。
P1040602 ところで,校舎内を案内してもらい,いくつかの教科の授業を少しずつ見学した。ほとんどの教室で,写真のように,いわゆるICT活用による講義が展開されていた。英語でも,音楽でも,美術でも,そうであった。日本の高等学校の授業ではICT活用はそれほど一般化していないように思うが,中国では当然視されているようだ(それほど多くの学校を訪れたわけではないが,ICT環境の整備とその活用について,学校側がなんら特別な説明を加えないので,きっとそうなのであろう)。

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2008.09.17

ハルビン師範大学附属中学校の訪問

P1040570 本日午前,ハルビン師範大学附属中学校を訪問し,音楽の授業を見学するとともに,副校長にヒアリングを試みた。中学校という名称であるが,日本では高等学校段階にあたる。この学校は,全国の有名大学に入学者を輩出する,エリート校であるが,そんな学校でも,写真のように,業間体操を全員でやっているし,軍隊体験も新入生には課している(両方とも,国の定めた活動である)。音楽に合わせて,日本で言えば高校生にあたる若者3000人が一斉に体操をする様子は,壮観だった。
 人間力の育成という観点からは,さらに,例えば他附属との交流,学園祭,クラブ活動等の教科外活動の意義を副校長は説いていた。

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2008.09.16

今日からハルビン

 本日,関西空港を発ち,中国は東北地方の中心都市,ハルビンに到着した。ここで,大阪市立大学の矢野先生たちと,人間力育成のための教育実践について視察をおこなう(矢野生生を代表者とする科研のプロジェクトの研究活動の一環)。ハルビン師範大学附属高等学校をはじめとする,小中高等学校を訪れ,授業を見学したり,ヒアリングをおこなったりする。
 大阪市立大学に奉職していたときの大学院生,鄭揚さんがアレンジをしてくれるので,安心だ。明日から,その模様をレポートしよう。

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2008.09.15

日本教師教育学会第18回研究大会(第2日目)

 本日,新宿の工学院大学で催されちた,日本教師教育学会第18回研究大会の第15分科会「現場における教員研修」の3番目(10:00-10:30)で,口頭発表をした。タイトルは,「『学校における実践研究』の継続・発展を評価するための基準の作成」だ。
 いくつか有意義な質問やコメント(自分の研究の特長を認める批評,問題点を指摘する意見等)をもらえたから,まずまずといったところか。それ以上に驚いたのは,同じ分科会の他の3発表で,拙著が引用されていたことだ。また,何名もの知らない先生から,例えば「本を読んで勉強させてもらっています」等,声をかけられた。やっぱり,私には,その研究内容からすると,このコミュニティの方が合っているのか--。

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2008.09.14

日本教師教育学会第18回研究大会(第1日目)

 本日明日と,新宿の工学院大学で催される,日本教師教育学会第18回研究大会に参加する。本日は,午前中の第8分科会(教師の成長と研修(1))と午後のシンポジウム「21世紀における教員の資質向上論をさぐる-世界の教員政策と日本-」に参加し,ある発表には質問を投げかけてみた。
 明日15日は,午前中の第15分科会「現場における教員研修」の3番目(10:00-10:30)に発表する。タイトルは,「『学校における実践研究』の継続・発展を評価するための基準の作成」だ。実は,この学会で発表するのは初めてである。どのようなリアクションがあるだろうか--。

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2008.09.08

「学校における実践研究」の継続・発展を評価するための基準の作成

 14日・15日と,工学院大学で,日本教師教育学会第18回研究大会が催される。私も,15日午前の第15分科会「現場における教員研修」の3番目(10:00-10:30)に発表する。タイトルは,「『学校における実践研究』の継続・発展を評価するための基準の作成」だ。概要は,以下のとおりである。

 「発表者は,学校における実践研究の継続・発展を評価するための基準を開発するために,まず,平成18年度にある財団の実践研究助成を受けた5つの小中学校を訪問して,そこで聞き取りや授業観察等を実施し,継続・発展の実態を把握した。特に,研究主任等には,研究のテーマや研究活動がどのような形で継承されているか,それは19年度の授業やカリキュラムのいかなる部分に反映されているか等について,ヒアリングした。
 次いで,それらによって得られたデータを整理して,「学校における実践研究」の継続・発展を形成的に,また総括的に評価するための基準を複数の観点にわたって作成した。
 発表では,このような基準を作成する意義,作成のための基礎データの収集方法,それらの整理結果,作成した基準の枠組みや詳細を報告する。」

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2008.09.02

教師の実践史を聞き取る

 本日,富山を訪れ,あるベテラン教師の授業づくりのヒストリーを聞き取った。この教師は,教職経験20年を超えているが,算数教育,総合的な学習のカリキュラム開発,情報教育等の様々な実践を繰り広げている。それを継続・発展させている。
 しかし,そんな彼女であっても,長い教職生活の中には,「あの時が一番辛かった,学校に行きたくなかった,孤独だった--」と語る局面がある。そして,それを乗り越えて,教師としての新たな可能性を見いだしている。教師の実践史を聞き取ることは,教師の力量とその形成に関する研究において,実り多いアプローチである。

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2008.08.28

授業研究について学ぶための好著(『授業の研究 教師の学習』)

 本日は,ある原稿の執筆に追われた。その際に,『授業の研究 教師の学習』(秋田喜代美・キャサリン・ルイス編著,明石書店,2008年)を再読した。例えば,アクションリサーチとレッスンスタディ(授業研究)の共通点と相違点の比較などが提案性に富んでいる。また,米国,香港等の海外における授業研究の動向についても様々な情報や知見を得ることができる。授業研究の特徴や性格,動向について学ぶための好著であろう。

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2008.07.21

研究者にも(にこそ)学習コミュニティが必要

 本日,我が研究室で,「教師の力量形成に関する研究会」(第が回)を開催した。前回に続き,8名の研究者が集い,それぞれが英文雑誌からピックアップしてきた論文を報告した。また,それを題材にして,この領域の研究課題,論文の独自性や提案性等について意見を交換した。さらに,「共通論文」を設定して,それについては全員が読破し,意見交換に備えるという取り組みも採用した(その内容に関する意見交換の時間も,長めに確保した)。
 自らの発表の準備も,共通論文の論点の整理も,そして他者の報告を理解するのも,なかなか骨が折れる。さらに,司会進行役もローテーションで担当しなければならないし,討論中も突然指名されたりするので,朝10時過ぎから夕方5時まで,気を休める時がほとんどない。ある方のお言葉を借りれば,まるで「トライアスロン」のような勉強会である。
 しかしそれでもなお,研究者にも,いや研究者にこそ,このような学習コミュニティは必要である。学術的知識の獲得,その思考の精錬は,他者との対話によって実現し,また促進されるから。

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2008.07.20

カリキュラムに関する,マクロとミクロの歴史を共鳴させて

 昨日午後,我が研究室で,カリキュラム研究会をが開催された(隔月開催)。James George Henderson & Rosemary Gornik (2006) Transformative Curriculum Leadershipの第9章の内容について,担当者が報告し,全員で議論した。この章では,カリキュラム開発を民主的に推進するためには,それに関するネットワークを拡充する必要があること,そのネットワークでは,カリキュラムの学術的・個人史的知見が共通の基盤や指針となることが述べられていた。
 著者等は,カリキュラム研究の系譜を整理し,それが2人のカリキュラム研究者のライフストーリーに確認できることを論じて,この本を締めくくっている。カリキュラムに関する,マクロとミクロの歴史を共鳴させて論を締めくくるというのは,見事なレトリックである。

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2008.07.05

カリキュラム・リーダーシップに関する学会発表(日本カリキュラム学会第19回大会)

 本日,鳴門教育大学を会場にして催された日本カリキュラム学会第19回大会にて,矢野先生(大阪市立大学)及び森先生(愛知江南短期大学)と,カリキュラム・リーダーシップに関する学会発表をおこなった。これまで取り組んできた文献研究,国内外の学校視察を通じて得られた知見を呈した。
 けっこう多くの方から質問や意見を頂戴したので,それなりにインパクトはあったのかと思う。ただ,カリキュラム・マネージメントとカリキュラム・リーダーシップの違い,カリキュラム・リーダーシップのモデルの特徴等を短い時間で伝えるのはとても難しかった。

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2008.06.30

「カリキュラムに関する語りと探究の充実」

 本日,我が研究室で,矢野先生(大阪市立大学)及び森先生(愛知江南短期大学)と,7月5・6日に鳴門教育大学で催される,日本カリキュラム学会第19回大会の発表準備に勤しんだ。ここで,我々は,「カリキュラム・リーダーシップのモデル開発」と題する発表をおこなう。一昨年度から3人で推進している,カリキュラム開発に必要とされるリーダーシップに関する理論的・実践的研究の中間成果をレポートするのだ。カリキュラム・リーダーシップ概念が台頭した背景,それとカリキュラム・マネージメントの違い,国内外の学校におけるカリキュラム・リーダーシップ実践の分析等を通じて,カリキュラム・リーダーシップの本質が教師たちの「カリキュラムに関する語りと探究の充実」にあることをモデルとして示すことになった。詳しくは,当日(5日の13:50~)の発表をお聞きいただきたい。

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2008.06.15

日本教育工学会のシンポジウム(21日の土曜日に開催)

 私が理事を拝命している日本教育工学会では,毎年6月に,総会開催に合わせて,シンポジウムを企画・運営する(今年度は,来週の土曜日,21日だ)。午前・午後と2つのシンポジウムが用意されるが,今回,午前は「科研費による研究プロジェクト『学力向上と学校におけるICT活用の効果に関する総合的・実証的研究』の研究成果を中心として」というテーマで,そして午後は「我が国の高等教育の行方と教育工学~経営,経済,社会的視点を活かして~」というテーマが設定された。
 私も,午前のシンポジウムに登壇する。与えられた役割は,教員や児童生徒を対象とする,2つの大規模調査の結果を踏まえて,学力向上とICT活用の関係,その問題点を指摘することである(昨日,本日とそのレジュメづくりに追われた)。
 興味のある方は,ぜひとも参加されたい。

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2008.05.18

研究主任の交代

 鳥取県教育センターで開催される「新任研究主任研修」に協力することとなった。小中学校等の60人ほどの研究主任が参加するという。鳥取県の学校数からすれば,これは相当の人数だ。昨年度も協力したが,似たような状況だったと思う。新任の研究主任が次々と生まれているということになるから,その交代が盛んだということになる。
 どれくらいの期間で,研究主任は交代すべきなのか。研究の継続・発展性を保つためには,1年で交代というのは,一般的にはよろしくなかろう。そうかといって,同じ方が5年も6年も務めているというのも,不自然な気がする(後進を育てられないことの証かもしれない)。学校における実践研究のリーダーの資質やアクションについて,それなりに検討してきたが,今後,この問題も考えてみよう。

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2008.05.17

カリキュラム・リーダーシップのモデル開発

 本日も我が研究室で,矢野先生(大阪市立大学)及び森先生(愛知江南短期大学)と,ミニ研究会を開催した。3人で推進している,カリキュラム開発に必要とされるリーダーシップに関する理論的・実践的研究の学会発表準備のためだ。本日は,国内外の学校視察を通じて得られた知見を比較検討し,カリキュラム・リーダーシップが発揮される学校の授業や研修等の特徴を明らかにした。それらを構造化したモデルを,7月上旬に開催される日本カリキュラム学会第19回大会(於:鳴門教育大学)で提案したい。

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2008.05.16

授業研究と教師の成長』増刷なる!

 私は,2004年2月,『授業研究と教師の成長』(日本文教出版)を上梓した。博士論文「教師の授業力量形成に関する総合的研究」をほぼそのまま載せた本である。自分では,それなりに実践的な知見を記したつもりであるが,やはり,学術論文であるから,内容の専門性が高く,分かりやすいとは言えない。懇意にしてもらっているT県のM教諭が「難しくて,読んでも全然分かりませんでした」とコメントするくらいである(少し,ショックだった)。
 ところが,意外なことに(?),昨日,この拙著が増刷されることになったと出版社から連絡が入った。当該出版社が在庫の山を抱えて困っているだろうと常々思っていただけに,ほっとした。また,注目してくださる方がそれなりにいらっしゃることが分かって,ちょっぴり嬉しかった。

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2008.05.14

『学校研究「継続・発展」の手引き』のリクエスト

 先日も紹介したように,私は,平成19年度,松下教育研究財団の支援を受けて,『学校研究「継続・発展」の手引き』を作成した。希望者に,1冊お渡しすることにしたら,全国各地から,リクエストの手紙が届いた。驚いたことに,そのほとんどが知らない人からだった(知り合いからのリクエストは,ほとんど来ない--ちょっと寂しい)。「ブログを読んで,勉強しています」といった声もたくさん,聞かせてもらった。このブログも,少しは,勉強熱心な教師(大学研究者)のためになっていることが分かった。
 ところで,この小冊子,まだ残部があるので,続けて,希望者の方に郵送しようと思う。次の住所に,宛先を記載して200円切手を貼った封筒(A4サイズの小冊子が入るサイズ)を送ってもらえたら,数日以内に,お届けしよう。
 〒543-0054 大阪市天王寺区南河堀町4-88 大阪教育大学・教育学部・天王寺キャンパス 木原俊行

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2008.05.07

『学校研究「継続・発展」の手引き』

P1120200 私は,平成19年度,松下教育研究財団の支援を受けて,学校研究の継続・発展に関する研究を実施した。2名の研究主任に,継続・発展を意識して,所属校でアクションを起こしてもらい,それを整理した。また,松下教育研究財団の実践研究助成を受けた学校が年度をまたいでそれをどのように継続・発展させているかを,実際に学校を訪問し,ヒアリングした。
 その成果を,『学校研究「継続・発展」の手引き』にまとめた。特に,14項目から成る「学校研究『継続・発展』の評価基準」は,我ながらユニークで有用なツールだと思う。
 9日に東京で同財団の平成20年度の実践研究助成の助成式があるが,そこで,助成を受けることになった学校に配布される。彼らの取り組みが平成20年度はもちろんのこと,それ以降も成長することを願ってのことである。
 私のところにある残部を希望者の方に郵送しようと思う。次の住所に,「宛名を記載して200円切手を貼った」封筒(A4サイズの小冊子が入るサイズのもの)を送ってもらえたら,数日以内に,お届けしよう。
 〒543-0054 大阪市天王寺区南河堀町4-88 大阪教育大学・教育学部・天王寺キャンパス 木原俊行

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2008.05.06

なぜ「研究発表会」を開催するのか

 先日も記事を投稿したように,今年度は,学校研究の一環たる「研究発表会」について,その企画・運営に関する実践的知見を集積している。ある学校の研究主任に,研究発表会開催までのアクションを刻銘に記録してもらったり,いくつかの学校のものに参加してチェックリストを用いて評価したりする。
 まだ始めたばかりだが,根本的な問題がつきまとう。なんのための研究発表会なのか。誰のためのものなのかという問題である。両者が矛盾する場合があって解決が難しいのであるが,主催する学校にも,参加する他校の教師等にとっても得るものが多い研究発表会のデザイン,それに至るプロセスを具体的に示したい。「研究発表会」開催に関する実践的知識を蓄積するために,このブログの読者にも協力をお願いすることがあるかもしれない。その際には,よろしくお願いいたします。

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2008.04.25

カリキュラム・リーダーシップを尊ぶ学校では

 本日は,ほぼ一日,明日開催する「カリキュラム研究会」の発表準備に追われた。カリキュラム・リーダーシップに関する文献,James George Henderson & Rosemary Gornik (2006) Transformative Curriculum Leadershipの第8章「ローカルな学習共同体を構築する」が私に与えられた発表分担だ。この章では,民主的な市民を育成するための民主的なカリキュラム開発には,学校の教職員の学習共同体,保護者や地域住民までも含む関係者の学習共同体が必要となること,その成立要件等が述べられている。
 専門家たる学校の教職員の学習共同体では,例えばキャリアや特別支援等の一般的な教科とは異なる指導を担当している教師たちのカリキュラム開発への参画をいかに促すかを説いていた。民主的な社会を担う子どもたちの学びを促す学校,つまりカリキュラム・リーダーシップを尊ぶ学校では,カリキュラム開発のシーンにおいても,スタッフの民主的な関係性が重んじられている
 今後,カリキュラム・コーディネータ等の実践的リーダーの力量やその育成に関する研究をデザインする際はに,この視点も投入することにしよう。

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2008.04.13

今年は,「研究発表会」の企画・運営に関する実践的知見を集積したい

 ここ数年,全国各地の教師の協力を得て,学校における実践研究の企画・運営に関わる実践的知見を収集・整
理してきた。それらをいくつかの手引きやQ&A集の形に集約し,公開してきた。
 今年度は,その延長として,「研究発表会」の企画・運営に関する実践的知見を集積したいと考えている。最近,自主公開研究会を開催する学校が増えてきた。しかし,一日ないしは半日の短い時間で,自校の実践研究の過程や成果を上手に伝えるのは,簡単ではない。さらに,参加者にきちんとリアクションしてもらったり,当日彼らが参加してみたこと,聞いたことを自校の実践研究に適用する場面を設けることは,さらに難しい。研究発表会がイベントと化し,それがすむと研究まで終わってしまうケースに遭遇することもある。
 この1年,いくつかの学校に関わったり,全国各地の研究発表会に参加したりして,研究発表会の光と影を明らかにするとともに,その評価的機能を満たすための方法論を磨きたいと思う。

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2008.04.12

「カリキュラム・リーダーシップのモデル開発」

 本日我が研究室で,矢野先生(大阪市立大学)及び森先生(愛知江南短期大学)と,ミニ研究会を開催した。3人で推進している,カリキュラム開発に必要とされるリーダーシップに関する理論的・実践的研究の中間まとめのためだ。これまで取り組んできた文献研究,国内外の学校視察を通じて得られた知見を整理した。7月上旬に開催される日本カリキュラム学会第19回大会(於:鳴門教育大学)で口頭報告を予定しているからだ。そのタイトルは,「カリキュラム・リーダーシップのモデル開発」になりそうだ。カリキュラム・マネージメントやスクール・リーダーシップとの違いを明らかにし,それに必要な要素や構造をまとめて,その特徴をモデル的に表現することになった。

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2008.04.10

研究の系譜や類型,典型事例を語る

 『組織と経営について知るための実践フィールドワーク入門』(佐藤郁哉著,有斐閣)を読んだ。フィールドワークの意義や特徴,その系譜や類型がよく整理されている。また,限られた字数で,フィールドワークの意義や特徴を示す,研究の典型事例が分かりやすく紹介されている。この分野の研究方法論に関する好著であろう。
 私も,いつか,このような「研究の系譜や類型,典型事例を語る」本を,自分の専門たる「授業研究と教師の成長」をテーマにして著してみたいものだ。

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2008.03.28

「勉強すれば,分かる」

P1120163 本日,我が研究室で,「教師の力量形成に関する研究会」(第2回)を開催した。本日は,8名の研究者が集い,それぞれが英文雑誌からピックアップしてきた論文を紹介した。また,それを題材にして,この領域の研究課題や論文の独自性や提案性等について意見を交換した。今回は,「共通論文」を設定して,それについては全員が読破し,意見交換に備えるという取り組みも採用した(その内容に関する意見交換の時間も,長めに確保した)。
 8本の論文の内容を頭に入れ,その内容等を批評するのは,なかなか大変なことだ。質問や意見がシャープでないと,それも指摘されるし--。
 論文間をつないで,教師の力量形成に関する研究の動向を整理するのは,さらに負荷のかかることであるが,しかし,それだけに見えてくるものがある。例えば,本日であれば,教師の力量のうち効力感等に関する研究が増えているとか,それを高めようとする営みが最終的に児童・生徒の学力向上に結実しているかという視座で検討されていることが明らかになってきた。「勉強すれば,分かる」のだから,しんどくても,また夏に集まることを誓って,別れた。。

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2008.03.18

研究会の結束力-富山情報教育研究会-

 学校研究の企画・運営に関わるインタビューを実施するために,富山を訪れた。ある学校の研究主任に,本年度の研究推進の工夫や苦労を話してもらった。管理職の意向と教諭の思いを接続するためのアクションを自ら開拓している様子に感心させられた。
 ところで,インタビュー終了後に,富山情報教育研究会のメンバーによる懇親会が催された。私のようなものを7名の教師たちが迎えてくださり,恐縮している。それにしても,この結束力はどこから生まれるのか--。すごいことである。

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2008.03.15

今日もカリキュラム・リーダーシップについて学ぶ

 本日午後,我が研究室で,「カリキュラム研究会」を開催した。大阪市立大学時代に同僚や院生等と始めた研究会である。隔月開催を旨としている。現在,カリキュラム・リーダーシップに関する文献,James George Henderson & Rosemary Gornik(2006) Transformative Curriculum Leadership. Prentice Hall College Divを輪読中である。今日は,第5章と第6章を担当者が報告し,その内容を全員で討論した。それを通じて,民主的なカリキュラム開発が,授業では,いくつかの探求的な問いとして,また多面的で力動的な評価として展開されることを再認識した。

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2008.03.09

教師の力量に関する研究会の開催

 12月に続いて,28日午後,私の研究室を会場にして,教師の力量形成に関する研究会を開催する。これは,教師の力量形成に関する英語論文の報告会であり,各人が論文を選んで,それを参加者に紹介する。同時に,全員が共通して読破する論文を定めて,その内容に関して集中的に議論する。前者は,論文の内容をコンパクトに整理する能力が問われるし,後者は,論文内容の読み込みの深さがためされる。いずれも厳しい取り組みであるが,そうした状況に自らを追い込んで勉強したいという同志が,今回も8名集まる。継続したい営みである。

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2008.03.06

帰国の途に

 今,サンフランシスコ空港である。これから,帰国の途につく。1週間,米国に滞在した。実質初めての滞在であったが,ヨーロッパの国々の教育とは異なる側面を味わうことができた。英国,日本との三点比較は,なかなかおもしろいと思う。今回の訪米で把握したカリキュラムリーダーシップの特徴等は,7月のカリキュラム学会にて,共同研究として発表する予定である。

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2008.03.05

SITE(Society for Information technology and Teacher Education)に参加

 昨日から,SITE(Society for Information technology and Teacher Education)に参加している。ICT活用,情報教育と教師の力量や教師教育をオーバーラップさせた研究に関する学会である。もちろん,前者の基礎を成すような技術についても報告がある。
 ある報告で紹介された教員養成ポートフォリオにこれまでに出会った教師についての振り返り等の自伝的内容が盛り込まれていることが印象的であった。

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2008.03.04

ロッククライミングで心と体を鍛える

P1010830 Albany Middle Schoolの体育の授業で,写真のような活動を見た。いわゆるロッククライミングだ(もちろん,本物ではなく,擬似的な壁をつたうのだが)。これ自体も珍しいように思うが,その意義についての教師たちの解説はさらに驚かされた。この活動はもちろん身体のバランスが問われる。しかし,それだけでなく,心のバランス,とりわけ仲間との協調を育むために導入していると言うのだ。写真をよく見ると,子ども同士が輪を使って結ばれていることが分かる。自分勝手な動きができないようになっているのだ。心と体を鍛えるための工夫された活動である。

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家庭学習充実へのアクション

P1010868 Albany Middle Schoolの教室掲示に,写真のようなものがあった。家庭学習(宿題)のルールに関するものであった。この他にも,家庭学習の際のノートの活用方法に関するもの,その意義を説くものと,家庭学習充実へのアクションをたくさん目にした。
 Albany High Schoolの方では,教師たちが,家庭学習で作成してくるレポートについて,その要件を数枚のプリントにまとめて生徒に明示していた。また,家庭学習において,いつまでに何をすべきかを生徒たちが自主的にダイアリーに記載していた。このあたりは,英国の学校における取り組みと軌を一にしている。
 我々の総合学力研究会が新たなプロジェクトとして取り組む,家庭学習充実へのアクションの体系化,それに関する総合的な調査研究は,世界的な潮流に位置するものだということを実感できた。

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2008.03.02

「互いに教えあおう,学びあおう」

P1010874 Albany Middle Schoolの教室掲示のひとつに,写真のようなものがあった。「互いに教えあおう,学びあおう」と投げかけるものだ。子ども同士の関係のみならず,教師と子どもの関係をも意味するものだ。

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2008.03.01

理科におけるプロジェクト学習

 29日に,サンフランシスコ郊外のAlbany Middle Schoolを訪ね,そこで学校長にカリキュラム開発について,ヒアリングを試みた。またたくさんの授業を見学させてもらった。
P1010885 例えば,写真は,第6学年の理科における「火山」に関する学習だ。学んだことを,ニュース形式で報告するという,プロジェクト学習として展開されている。キャスター,レポーター,取材を受ける人の役を配し,その役割演技を教師がビデオカメラで撮影するという本格的なものだ。日本の第5学年の国語の授業にニュースを作成する活動があるが,それと第6学年の理科「大地のつくり」の学習がセットになっているような感じで,とても新鮮であった。
 けれども,ユニークな授業デザインだと思っていたら,これは,教師用指導書に紹介されている例だというから,それにも驚かされた。

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2008.02.29

米国のカリキュラム開発におけるリーダーシップ

P1010740 28日に,サンフランシスコ郊外のAlbany High Schoolを訪ね,そこで学校長にカリキュラム開発について,ヒアリングを試みた。今年度赴任した学校長は,shared decision-makingの重要性を強調する。学校長が指導性を強く発揮するのではなく,教科主任はもとより,一般教諭や生徒,保護者等にもカリキュラムの開発と運営における意思決定に参画してもらう。それが,民主的な学校の在り方であり,子どもたちの成長に資するという考え方だ。私たちが,文献で発見した,米国におけるカリキュラム・リーダーシップ(決して,カリキュラム・マネージメントではなく)の概念が実践に浸透しつつあることを確認できた。
 それにしても,同じカリキュラム開発におけるリーダーシップでも,英国の学校長のものとはずいぶん異なることに驚かされる。両者に,日本の学校長のものも加えた,3点比較はずいぶん学術的に意義があろう。

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2008.02.28

米国でのリサーチスタート

 サンフランシスコに到着し,一緒に学校訪問等に出かける森さん(愛知江南短期大学)たちと合流した。日本との時差は17時間。実は,恥ずかしながら,私は,米国を訪れるのは,実質的に初めてである(前は,カナダ訪問の際のトランジットだった)。だから,この時差に慣れるのに,苦労する。それでも,学校の特色について確認したり,質問項目を整理したりした。いよいよ,明日から,リサーチがスタートする。

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2008.02.27

米国へ

 今,関西空港である。これから米国に向かう。サンフランシスコ郊外の学校を訪問して,カリキュラム開発,それに影響を及ぼすリーダーシップグループの働きについて調査を繰り広げる。また,来週は,ラスベガスで開催される国際学会に参加してくる。元気に帰国したい。成果等をこのブログでも紹介する予定である。

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2008.02.02

今年もたくさんの研究授業に接して

P1010157 これから数週間,様々な校内研究・研修への協力が相次ぐ。いずれも,研究授業を伴うものだ。今年もたくさんの研究授業に接した。小中学校のあらゆる教科・領域のものを見た。今年は,高等学校の授業もいくつか目にした。たくさんの研究授業に接して,それらを比較してみると,授業の共通性と多様性を実感できる。1年間に同じ人の授業を数回見学して,その発展や停滞を感じることもできる。指導案を事前にチェックし,授業をしっかり見学して,その特徴と課題を多面的に分析するのは,とても大変なことだ。けれども,それらを繰り返すことで,授業を立体的に検討できるようになる。だから,今年の残る時間も,また来年も,そしてそれ以降も授業の見学や分析を続けていこうと思う。

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2008.01.27

コミュニケーションを重視したデジタル学習環境に関する実証的研究

 本日は関西大学総合情報学部で催された科研の会議に出席した。同学部の久保田賢一教授が代表者を務めておられる「コミュニケーションを重視したデジタル学習環境に関する実証的研究」の分担者になっているから
だ。私は,「英国の教育改革と日英交流学習の展開」について,訪問調査の結果をレポートした。
 関西大学の大学院生,修了して大学等に務めて独り立ちしている若手研究者などが精力的に研究活動を繰り広げている様子に,特に学校現場や海外で企画・運営されているプロジェクトに参画している姿に,毎回,感心させられる。

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2008.01.13

帰国の途へ

P1000635 今,英国のヒースロー空港のラウンジにいる。あと2時間ほどで,ここを発つ。大学のGPたるリスクマネージメントについては,それなりに聞き取りができたと思う。また,それ以外にも,学校長のリーダーシップや教育の能力の基準の普及について実地に見聞できたのも収穫であった。最後に時間を潰すためにテート・ブリテンに行ったが,読みが甘かった。Millaiの特別展示会は人がいっぱいで,待ち時間が長く,入れなかった。でも,他の展示を楽しめたのでよしとしよう。
 ちなみにここのラウンジには,偉い先生,関係者がたくさんいらっしゃる。皆さんは,イギリスの教育工学関係の展示等の大イベント,BETTに行かれていたらしいようだ。行っていない私は,教育工学者失格なのかもしれない。

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2008.01.12

学び続ける英国の教師(英国出張7日目)

P1000616
 今日は,帰国の途につく。昨日の学校訪問で得た知見をもう少し披露しよう。英国では,教師の力量に関する基準が確立しているのはよく知られているところである。qualified teacher status ,core standards for main scale teachers who have successfully completed their induction,post-threshold teachers on the upper pay scale,excellent teachers,advanced skills teachers (ASTs)の5段階が設定されている。そして,その態度(子どもとの関係性の構築など4項目),その知識・理解(学習指導など6項目),そのスキル(授業設計など7項目)の基準が設けられている。写真は,それを一覧にしたものである。
 今回の訪問で,これが浸透し始めていると感じた。まず,スタッフルームに必ずと言ってよいほど,写真の基準表が掲示されている。相互の授業観察の機会が制度化されている。教員の研修に関してヒアリングすると,「どの段階の教師にもそれぞれ学ぶべきことがあるのです。」というリアクションが返ってくる(もちろん,学校長もリーダーとしての能力を磨く)。それに関する予算を学校長が確保している。
 ただし,いわゆる「授業研究」,それを基盤とする「学校研究」に該当する営みにはあまり出会わない。教師の学びのスタイル,その背景には,彼我の違いがある。だから学び続ける英国の教師たちをモデルに見据えつつ,我が国なりの教師の学びを追究する必要があろう。

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学校長の力量(英国出張6日目)

P1000620 本日は,先日ロンドン大学でヒアリングを試みた学校長の小学校,そして連携している中学校やPupil Referral Unitを訪問した。後者では,子どもを落ち着かせるための「time out room」を見せてもらった。例の問題行動をとる子どもを落ち着かせるための特別の部屋だ。ここからいつ出てくるかは,子ども自身が決定する。だから,この何もない部屋に,ある子どもは,1日もいるという。
 ところで,このunitを管理する学校長にもヒアリングを試みたが,様々な質問に明快に回答してくれる。施設,カリキュラム,スタッフ,予算等々。こちらの学校長の力量,そのリーダーシップには,毎回のことながら,驚かされる。

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2008.01.10

やっぱりエッセイライティングだ(英国出張5日目)

P1000589 本日は,ロンドンのNewham区のForest Gate Community Schoolを訪問し,聞き取り調査を実施した。学校のセキュリティ,粗暴な子どもの指導等について学校の工夫を教えてもらった。例えば後者については,ラーニングメンターを5人用意している,年輩の生徒100人に年下の子どもの面倒を見させる等の工夫をしているようだった。
 いくつかの教室の様子も見学させてもらった。11年生の科学の授業では,昨年11月に訪問したシックスフォームカレッジと同様,レポートを書くことに指導の重点が置かれていた。やはり,エッセイライティングが重視されているのだ。

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校長資格を得るためのコース費用を学校の予算から(英国出張4日目)

P1000507 本日は,ケント州のAxton Chase Schoolを訪問し,聞き取り調査を実施した。学校のセキュリティ,問題行動をとる子どもへの対応他,様々な情報を得た。この学校は,そうした問題に関するポリシー,その具体化の手順をきちんと文書にまとめ,さらにWeb上で公開している。それらについて,たくさんの資料を頂戴した。
 一行が感心した(驚いた)のが,学校長の教師の力量形成に関するポリシーであった。彼は,シニアマネージメントチームのメンバーを彼らに校長資格を得させるためにカレッジに通わせるが,その費用を学校予算でまかなっていた。調査団のメンバーの一人が,「校長資格を得たスタッフが他校に流出してしまったら,どうするのか。それで費用対効果が満たされるのか。」と問うたが,スタッフが学んでいること自体が学校にとってメリットになる,それが政府の方針「teaching and learning」を体現することになるのだと学校長はコメントした。

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2008.01.09

教育委員会のアピール(英国出張3日目)

 本日は,曇天(雨天)の中,ロンドンのHavering区の教育委員会に出かけ,Children's ServicesやPupil and Parent Servicesを担当しているマネージャー等に聞き取り調査を実施した。学校が子どもの安全を保障したり,保護者からのクレームに応じたりするのを支援・助言するためにスタッフを充実させていることがよく分かった。また,それらの問題に対する対策がシステム化されてもいた(例えばWebにおける苦情申請手続き,裁判や保険のサービスなど)。
P1000504 余談になるが,大量の資料に加えて,最後に,写真のようなお土産をもらった。これらは,この課の存在やサービスをアピールするもの,キャンペーン用グッズなどであるが,かわいらしいデザインで,使ってみようかという気にさせてくれる。ここだけではない。前にも教育委員会等で同様のものをもらった。ひるがえって,日本の教育委員会に行っても,あまりこうしたグッズには出会わないと思う(各種のイベント用には制作されてはいるが)。作ってみると意外に効果があるかも--。

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2008.01.08

time out room(英国出張2日目)

P1000482 本日は,ロンドン大学に出かけ,博士課程で学んでいる小学校長に対して,聞き取り調査を実施した。彼は,問題行動をとる児童を抱える学校にいかなる学級経営が必要になるかを追究している。教師たちに,問題行動はある種のスペシャルニーズと捉えて接することが大切であると説いている。子どもを落ち着かせるための「time out room」を設け,そこで子ども自身が自らの行動を省察することを教師たちに取り組ませている。彼は,そうした工夫を著書にまとめている上,博士課程でも論文にまとめているとのことであった。

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2008.01.05

カリキュラム・リーダーシップに関する文献講読会

P1120038 本日午前中,我が研究室で,「カリキュラム研究会」を開催した。大阪市立大学時代に同僚や院生等と始めた研究会である。隔月開催を旨としている。
現在,カリキュラム・リーダーシップに関する文献,James George Henderson & Rosemary Gornik (2006) Transformative Curriculum Leadership. Prentice Hall College Divを輪読中で,今日は,第3章「反省的探究を充実させる」と第4章「3S教育のためのデザインと計画」を担当者が報告し,その内容を全員で討論した。
 民主的なカリキュラムを創造するために,教師たちにいかなる探究やデザインプラットホームの作成が求められるのかについて,議論を重ねた。時間をオーバーし,午後から別の予定があった私は,あやうく昼ご飯を食べそこねるところだった(結局,コンビニのパスタ――)。

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2008.01.04

他の流派の方と研究について議論すると

 本日,大学の研究室にて,学外の方の博士論文執筆の相談に乗った。夏休みに続いて,二度目だ。まわりに授業研究等の研究者がいない状態にもかかわらず,地道に研究活動を継続している姿勢に感心した。教師の実践的知識や反省的成長に関する先行研究の分析やそれらと事例研究の関係性について意見交換したが,そうしていると,自分が授業研究や教師研究の中でも,教育方法学や教師教育に足場を置いていることを再認識する。換言すれば,純然たる記述ではなく,処方的な色彩を帯びた記述,ないしは臨床的な記述を尊重していることがよく分かる。
 その方の論文を読んだり,提供する資料を準備したりするのに時間を要するが,自分のスタンスを再確認できるという意味で,他の流派の方と研究について議論するのは,よいことだ。

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2007.12.27

教師の力量形成に関する研究会を開催

P1120022 本日午後1時から6時過ぎまで,私の研究室を会場にして,9名のメンバーで,教師の力量形成に関する研究会を開催した。これは,教師の力量形成に関する英語論文の報告会であり,各人が論文を選んで,それを参加者に紹介するというスタイルが採用された。私は,「不確実性」「葛藤」に関する文献研究をレポートしたが,他のメンバーからはリフレクション,ポートフォリオ,実践研究,実践的知識,談話分析等々に関する文献の内容を紹介してもらえたので,この会を通じて教師の力量形成に関する研究の動きをとらえることができた。
 それにしても,9つの論文の内容を理解するのは,とてもハードである。ある参加者は,「運動不足の人が,急にスポーツクラブに行ってハードな運動を試みた」ようなものだったと,その厳しさを回顧していた。しかしながら,こういう研究会の必要性を再確認した参加者は,3月にも同様の研究会を開催する(報告を準備する)ことを誓った。次回は,共通に読破してくる論文も定める予定。

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2007.12.24

今日も英語文献と格闘(でも,それがけっこう心地よくて)

 今日も,一日中,部屋にこもり,英語文献と格闘した。今度は,年明けの5日に催される,「カリキュラム研究会」での発表準備だ。
 大阪市立大学時代に同僚や院生等と始めた研究会は,現在,カリキュラム・リーダーシップに関する文献講読を継続している。私に与えられた課題は,James George Henderson & Rosemary Gornik (2006) Transformative Curriculum Leadership. Prentice Hall College Divの第3章「反省的探究を充実させる」の報告である。カリキュラム開発という問題解決に従事する際に必要とされる「反省的探究」の概念,その多様性等について論じた文章だ。
 26ページの読破と発表資料作成にチャレンジしたが,20ページで挫折し,資料完成は明日以降になってしまった。しんどい作業ではあるが,こうして文献と格闘するのは,けっこう心地よくもある。

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2007.12.02

帰国の途へ(英国第7日目)

 今,ヒースロー空港で,時間をつぶしている。チェックイン待ちの時間だ。今朝バーミンガムのホテルを出発し,バスでここまでやって来た。約20時間後に帰宅できる(予定)。8ヶ月ぶりの英国訪問であったが,key skill educationのコンセプトや実際について貴重な情報を収集することができた。また,矢野先生(大阪市立大学)と二人で,研究や教育,その他について,長い時間,意見を交換した。それも貴重なことであった。

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2007.12.01

理論を検討させる心理学の授業(英国第6日目)

 Solihull 6thフォームカレッジを訪問し,そこで,key skill育成のカリキュラムについてヒアリングした。このカレッジは,英国にある96のシックスフォームカレッジの1つであり,16歳から19歳の2学年の生徒が通っている(日本で言えば,高校2・3年生にあたる)。2500人の生徒を擁する。
学校長は,生徒のスキル向上を実現するためには,教育方法の刷新が欠かせないと考え,講義形式の授業展開の刷新を図っていると語っていた。確かに,午後に地理と心理学の授業を見学したが,いずれにおいても,当日の講義の目的や内容が明確に確認され,それに即して,教師-生徒間,生徒間の対話が豊かに構成されていた。両者とも,「エッセイ・ライティング」のスキルの育成をターゲットに据えているので,各種資料の分析結果をレポートやポスターに表現させていた。
P1110930 それにしても,心理学の授業で題材となっていたのは,Bowlbyの発達理論であった。高校生が学ぶにしては,それ自体が高度な内容であろう。そして驚いたのは,それを他の理論や調査結果などを用いて批判的に検討させるという,授業展開である。我が国では,大学の講義であっても,理論を伝えることにとどまっている場合が少なくないのに。

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2007.11.29

「創造性」喚起のためのワークショップスペース(英国第4日目)

P1110816 サセックス大学を訪問し,そこで大学生や大学院生の学習や研究を支援するためのWebサイトの開発やワークショップの企画・運営についてヒアリングした。この大学では,問題解決能力を含むスキルトレーニングを体系的に実施しようとしている。そのための組織も設けられている。さらに,彼らの「創造性」を高めるためのワークショップスペースまでも準備されていた(ブライトン大学との共同プロジェクトのようだ)。照明,ICTやカウチのレイアウトなどにまで配慮してあるスペースが学生のアイデアを十二分に引き出すらしい。部屋の利用は予約でいっぱいだという。

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2007.11.28

key skill educationは複雑だ(英国第3日目)

P1110792 ブライトンのシックス・フォーム・カレッジ(BHASVIC)を訪問し,そこで校長や副校長に対して,カリキュラムの全体像とkey skill educationの枠組み,運用体制についてヒアリングした。このkey skill educationはなかなか複雑だ。様々な要素から成る。その枠組みも変動的であるようだ。もともとは,コミュニケーションやICTに代表されるベーシックなスキルを柱とするものだったが,最近では,soft key skillとかfunctional skillあるいはwider key skillという表現が用いられ,より問題解決的な能力に育成の重点が置かれているようだ。学習内容も教科横断的な色彩が濃いと感じた。

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2007.11.27

5分と10分の間(英国第2日目)

 昨夜,ブライトン大学の教授に,英国の教育改革等についてヒアリングを試みた。彼女との待ち合わせ場所までにタクシーで行くことにして,滞在しているホテルのフロントに予約をお願いした。指定した時刻になってもタクシーは来ない。5分過ぎて,私がフロントに相談に行こうとすると,今回一緒に旅をしている矢野先生(大阪市立大学・教授)が「もう少し待ちましょう。10分経ったくらいまで。それならば,フロントも対応してくれるから。」とおっしゃる。多少不安になりながら(待ち合わせ時刻に遅れたくなかったので)それに従って待っていたら,8分くらいしたところで,タクシーが到着。無事に乗車できた。矢野先生は,英国に留学なさった経験があるし,私よりも訪英回数がはるかに多い(私ももう8回目くらいなのだが)。この国では,5分と10分の間には本質的な違いがあるのだ。それをよくご理解なさっている。さすがである。
 まあでも,そのタクシーは,住所を示したのに行き先を間違えてしまい,さらに問題が大きくはなったのだが――。

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2007.11.25

key skill educationに関する調査のために英国へ

 今,成田空港である。これから,英国へ向かう。8ヶ月ぶりの英国となる。矢野先生(大阪市立大学)が代表者をお務めになっている科研「ポスト義務教育における人間力育成を図る教育プログラム開発のための基礎的研究」の調査を実施するためだ。ブライトンとバーミンガムの大学やシックスフォームカレッジ等を訪問し,そこで営まれているkey skill educationのコンセプトや実際についてヒアリングを試み,それらに関する資料を収集する。このブログで,彼の地の様子をレポートしよう(インターネット環境が整っていれば――)。

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2007.11.04

「学校研究」推進リーダー養成セミナーを終えて

P1100665 11月4日(日)午後,新大阪で,「学校研究」推進リーダー養成セミナーを開催した。これは,平成17・18年度に私が松下教育研究財団の支援を受けて企画・運営した「学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)」の成果報告を兼ねた,研究主任向けの実践セミナーである。
P1100691 本日のメニューは,私の基調講演,実践事例報告(口頭2件,ポスター8件),そして振り返り(所属校の実践研究の発展に向けたアクションの構想)であった。日曜日の午後にもかかわらず,遠くは鳥取や石川から,参加者を得た。3時間ほどのセミナーであったが,実に密に対話を繰り広げてもらうことができたと思う。既に基調講演時から,参加者には,私が指名をして発言してもらっている。実践事例報告では,全員の前で,また少人数のグループで,意見を述べてもらった。振り返りタイムも同様である。
 議論の内容も,例えば研究指定を受ける(獲得する)ことのメリットとデメリット,若手が多い場合の研修デザイン,研究の成果を子どもの姿で(特にエビデンスによって)明らかにすることの重要性等,深いところにまで迫れたと思う。
 参加者の皆さん,お疲れ様でした。

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2007.10.21

「研究に貴賤なし」

P1100058 第14回日本教育メディア学会年次大会に参加し,秋田で3日目を迎えた。この街は,情趣がある。写真は,「川反(かわばた)」と呼ばれる地区のステキな街並みだ。
 宿泊しているホテルで,たまたま,大阪大学人間科学部で助手を務めていた頃の学部生(つまり後輩,研究者を目指した彼女は,今は,ある大学の講師になっている)に出会った。研究の方法論,その前提となる研究者としての人生観について意見交換した。彼女が,心理学的なアプローチを採った研究の知見をこの学会で発表したら,それについて異論が示されたことを嘆いていからだ。私は,持論である「研究に貴賤なし,それぞれのアプローチを極めることが大切」とアドバイス(?)した。他にも,「それぞれの研究者に,長所があれば,短所もある」「ちゃんと本を読んで勉強していたら,自分の(学術的な)至らなさを痛感せざるをえなくなる」「努力できることが研究者の唯一の資質」等々,彼女に語りながら,本当は自分に言い聞かせていた。

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2007.10.18

『「学校における実践研究」推進に関わるQ&A集』をダウンロードできる!

 平成17・18年度,松下教育研究財団の助成により,学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)を企画・運営した。その成果公開の一環として,先日,『「学校における実践研究」推進に関するQ&A集』が刊行の運びとなった。
P1090436 このQ&A集には,「学校における実践研究」の企画・運営に必要とされる知識やスキルが,5つのパートで整理されている。それらは,1)研究計画の作成,2)研究テーマの設定,3)授業研究の企画・運営,4)研究紀要の作成,5)研究発表会の開催である。それぞれのパートには,20項目前後の「問い」とそれに対する「解答」が用意されている。「問い」は,研究主任等が所属校の実践研究を推進する際に踏まえるべきポイントに応じているし,解答は,極めて具体的に示されている。それゆえ,このQ&A集は,研究主任等にとっては,「学校における実践研究」の特徴や要件を理解するためのテキストにも,またそれを推進する際のチェックリストにもなるに違いない。
 先月末に,財団のホームページから,このQ&A集のデータをダウンロードようになった。簡単なアンケートに答えるだけで,46ページにも及ぶデータ(PDFファイル)を入手できる。ぜひ,アクセスし,ダウンロードしてもらいたい。

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2007.09.29

日本教育方法学会第43回大会で2件の発表

 本日,明日と,京都大学で,日本教育方法学会第43回大会が開催されている。私も参加し,午前中の課題研究Ⅰ「世界における日本の授業研究の意義と課題-校内研修としての授業研究を中心にして-」において,「校内研修による反省的授業実践文化の創造-授業研究の継続・発展を促す『装置』への注目-」と題して,発表した。また,午後の自由研究1では,「学校における実践研究の推進に資するリーダーシップグループ-研究主任と他のリーダーの協力に着目して-」というタイトルで,研究発表をおこなった。
 いずれも,まずまずの反響があった――。同時に,私の提案は,原理や哲学を尊重する(と思われる)本学会では異色なのかもしれないと感じる,意見交換もあった。
 なお,学校をあげて授業研究を推進していることで有名な浜之郷小学校で研究主任をなさっていた方と意気投合した。本を読んだり,放送番組を見て,同校の取り組みは私の考える「学校研究」とは性格が異なると思っていただけに,意外であったし,共感し合えたことはうれしかった。

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2007.09.25

『「学校における実践研究」推進に関わるQ&A集』刊行なる!

 平成17・18年度,松下教育研究財団の助成により,学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)を企画・運営した。その成果公開の一環として,先日,『「学校における実践研究」推進に関するQ&A集』が刊行の運びとなった。
P1090436
 このQ&A集には,「学校における実践研究」の企画・運営に必要とされる知識やスキルが,5つのパートで整理されている。それらは,1)研究計画の作成,2)研究テーマの設定,3)授業研究の企画・運営,4)研究紀要の作成,5)研究発表会の開催である。それぞれのパートには,20項目前後の「問い」とそれに対する「解答」が用意されている。「問い」は,研究主任等が所属校の実践研究を推進する際に踏まえるべきポイントに応じているし,解答は,極めて具体的に示されている。それゆえ,このQ&A集は,研究主任等にとっては,「学校における実践研究」の特徴や要件を理解するためのテキストにも,またそれを推進する際のチェックリストにもなるに違いない。
 なお,後日,財団のホームページから,このQ&A集のデータをダウンロードできる仕組みが整えられる予定である。

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2007.09.21

研究グループのメンバーで同じ授業を見学すると――

P1090316 本日,私が代表者を務めている,科研費の研究グループで,学校訪問調査を実施した。私が,長く関わりをもっている,広島県府中市立上下北小学校を訪れ,その授業研究の模様を研究グループのメンバー(大阪市立大学・矢野先生,愛知江南短期大学・森さん)にご覧いただき,その特徴について感想を述べてもらった(ある種の外部評価を試みた)。
 研究授業の数やその内容の工夫,事後協議会の司会・進行の工夫などについて,おおむね,肯定的に評価してもらったし,その歴史を私なりに説明した。こうして,研究グループのメンバーで同じ授業を見学すると,授業,それをベースにした実践研究の可能性と課題をより深く考察できた
 なお,この学校は,10月12日に,研究発表会を開催する。前にも何度か紹介したが,この研究会に参加すれば,小学校の授業改善の動向,その実際を1日で把握することができよう。それほど,多彩な授業が公開されるし,分科会や全体会の進行が工夫されている。参加しがいのある研究会だ。読者には,ぜひ参加を検討してもらいたい。

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2007.09.16

日本教育工学会でのポスター発表の準備等

 22日~24日,早稲田大学の所沢キャンパスを会場にして,日本教育工学会第23回全国大会が催される。第2日目の23日午前,私は,「e-Learningプログラムを通じた『学校研究』の企画・運営に関わる実践的知識の獲得」というタイトルで発表をする。今大会から本格的に導入されたポスター発表にチャレンジするのだ。昨年度,教育心理学会で一参加者としてその様子を目にしたが,聴衆を惹きつけられるか否かは,ポスターの構成やデザインで変わる(もちろん,内容がしっかりしていることが前提であるが)。
 先日からポスターの作成に取りかかり,プロトタイプを貼ってみた。これで聴衆を魅了できるのか――。私の学会発表の回数はもう50回を超えているだろうが,ポスター発表は初体験なので,どうなるものやら予想がつかない。でも,それが心地よい(?)緊張感をもたらしてくれる。
 2日目の全体会では,大会企画委員会の委員長として,壇上で「あいさつ」をしなければならないと先日聞いた。シャイな私は,こちらはもっと苦手である。
 1日目にはシンポジウムの司会が,そして3日目には連名発表が設定されている。忙しい3日間になりそうだ。

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2007.09.09

世界で引用される研究

 ELSEVIER社が刊行している,Teaching and Teacher Educationの23巻7号に,Edgar Krull, Kaja Oras, Sirje Sisaskによる,Differences in teachers' comments on classroom events as indicators of their professional developmentという論文が掲載されていた。エストニアの教師たちに,ある授業の記録を視聴させ,それに対するコメントを,新米-熟練で比較検討したものだ。
 それは,次の論文で報告されている,実証的研究をフォローしたものだ(引用されているのは,この研究が英文で紹介されたものだったが)。私自身も,この研究には早くから注目し,参考にさせていただいた。
 佐藤・秋田・岩川(1990)教師の実践的思考様式に関する研究(1)-熟練教師と初任教師のモニタリングの比較検討を中心に-. 東京大学教育学部紀要,30,177-198.
 この研究のように,「世界で引用される研究」を目指して精進しないといけないだろう。

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2007.09.02

カリキュラム・リーダーシップに関する文献を読破

 昨日・本日は,2ヶ月に1回程度開催しているカリキュラム研究会の開催日であった。1年ほど前から輪読を試みてきた,Allan A GlatthornらによるCurriculum Leadershipの内容を分担して報告し,その内容等について討論した。この著書は15章(資料も含めると468ページ)から成る。2月に1回程度の研究会では,読破するのにかなりの日数を要した。けっこうしんどい作業であったが,メンバーは,達成感を得られたので,さっそく次の文献講読にチャレンジすることを決めた。次回は,11月に,天王寺キャンパスの私の研究室で開催の予定。

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2007.08.31

受講生に講義を振り返ってもらって――

 今日で,和歌山大学教育学部教育実践教室の専門科目「授業研究論特講」の集中講義が終わった。本日は,授業研究と教師の力量形成の接点として,ベテラン教師の授業力量の形成(特に,再共通化へのチャレンジ),そして教員研修の体系,それにおける校内研修・研究の意義と課題について,事例をひもときながら,講じた。
P1080848 講義の最後に,4日間で何が印象に残ったかを受講生にたずねてみた。そうすると,彼らにとって最も身近な「初任教師の力量」についてだけでなく,例えば教師の意思決定や個に応じた指導などが印象に残ったと,受講生は回答してくれた。
加えて,「教師が思い込みで新しいものを疎んではダメだ」「教師にも学ぶ意欲が必要」といった,講義全体を通じたテーマたる「授業研究と教師の成長」について言及してくれる学生が多かった。だから,一応,目標は達成できたと思う。

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2007.08.18

残る夏休みをどう過ごすか

 今日は8月18日だ。大学の夏休みはまだ1月以上残っているが,小中学校の場合は,あと2週間を切るくらいになっているだろう(北海道等はあと1週間もないくらいだろう)。
 来週,いくつかの学校で催される研修会に参加する。いずれも,2学期以降の学校研究の内容や手順を検討したり,確認したりするものだ。秋に公開研究会を開催する学校については,いわゆる指導案検討を試みたりする(あまり細かい点にまで踏み込むものではないが)。
 拙著『教師が磨き合う学校研究』には,第2部にて「長期休業期間における学校研究の推進-夏休みに何をすべきか-」という節を設けて,夏休み等の学校研究の活動を論じている。それを指標にして,残る2週間に何をすべきかを再考してもらいたい。
 なお,残る時間が多いからといって,私たち研究者ものんびりしているわけにはいかない。秋になって講義が始まるとその準備等に相当の時間を費やすことになる。だから,この時期に,講義期間中にはできない活動に従事しなければならないからだ。とりあえずは,9月2日(日)に開催される「カリキュラム研究会」の発表準備(カリキュラムリーダーシップに関する洋書の担当章のレジュメ作成等)を進めないと――。

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2007.08.17

他大学の院生との研究交流

 研究とは社会的な営みである。ゆえに,異なる大学等の研究者との交流は,自らの研究を発展させるために不可欠である。これを疑う研究者はまずいないだろう。
 しかし,他大学の大学院生と研究に関して交流する際には,そう単純ではない。その人の指導教官の意向等を踏まえなければならない。たとえ当人が私のアドバイスを望んでいても,指導教官はそうではない場合もあるからだ。また,仮にそれがクリアされても,当人の研究の軌跡等をきちんと理解していないと適切なアドバイスができないことも肝に銘じる必要がある。
 先日,ある大学の博士課程の学生のリクエストに応じて,研究の方法論等についてアドバイスをした。このケースでは,先のような点に留意したので,それなりに充実した交流になった(私がそう思っているだけかもしれないが――)。

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2007.07.22

年度をまたいだ研究計画の策定

 本日,新大阪で,2つの小学校の研究主任とミニ会議を開いた。これは,松下教育研究財団の支援によるプロジェクト,「学校研究継続・発展のための『手引き』開発プロジェクト」のミーティングだ。
 各学校の実践研究を,年度をまたいで進展させるために,研究主任はいかなる布石を打つべきかについて小冊子にまとめる予定である。冊子には,研究主任等が自校の研究を自己点検・評価する際に活用できる,「学校研究継続・発展の基準表」等も盛り込むつもりだ。
 本日のミーティングでも,「布石」のいくつかを確認できた。例えば,研究主任には,「年度をまたいだ研究計画の策定」が期待されることだ(ただし,同僚にそれを示すかどうかは状況による)。この場合の「計画」は,1年度目に○○,2年度目に△△といった重点課題を宣言しただけのものではない。活動を整理したものだ。だから,3年間の見通しであれば,36ヶ月間の活動をイメージ化し,表などにまとめたものを意味する。
 読者は,自校の実践研究の進展をどこまで先読みできるであろうか。

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2007.07.19

「教師の仕事とは」(月刊誌『教員養成セミナー』)

 時事通信出版局が刊行している月刊誌『教員養成セミナー』の2007年9月号では,「教員採用試験『はじめの一歩』」という特集が組まれている。これに,「教師の仕事とは」という拙稿が掲載されている。
 「授業研究と教師の成長」を自分の専門に据えている私としては,実に重い内容であった。紙幅も限られているし,読者は教員採用を目指す学生が中心だから,分かりやすくまとめなければならない。
 なんとか,以下のような原稿にまとめた(最終的に掲載されている文章は,校正時に若干の加除訂正が施されている)。果たして,教職の特徴や魅力を浮き彫りにできたであろうか。読者の意見を待ちたいと思う。「Kihara070721.pdf」をダウンロード

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2007.07.08

今日は,カリキュラム学会でお勉強

 本日も,日本カリキュラム学会に参加した。昨日は新参者なのに発言しすぎたという反省(?)に基づき,本日は,基本的には各報告を拝聴することにした。
 世界の授業研究の動向とそれに基づく日本の授業研究の課題,校内研修におけるワークショップとカンファレンスの異同等について,勉強することとなった。特に,前者については,私も,来る9月29・30日に京都大学で催される,日本教育方法学会第43回大会の課題研究「世界における日本の授業研究の意義と課題-校内研修としての授業研究を中心として-」における提案を仰せつかっているので,興味深く報告を聞き,そして,自分の研究との接点や差異点を確認した。

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2007.07.07

カリキュラム学会で討論

P1070826 本日,埼玉大学を会場にして催された,日本カリキュラム学会に参加した。「カリキュラム・リーダーシップ概念の検討」というタイトルで,矢野先生(大阪市立大学)が私を含むメンバーで推進している共同研究の中間成果を発表したからである(写真はその様子)。
 質問や意見に,共同研究者として応じた。特に,カリキュラム・リーダーシップとカリキュラム・マネージメントの異同,関係性に関する討論において,2,3コメントした。また,同じセッションの他の研究発表に対して,質問を呈したりした。
 この学会には昨年も参加したが,他の方の発表や討論を聴いているだけであった。今年は,複数回発言したので,参画の度合いを高めたと言えよう。そもそも学会員になったし――。来年度は,もしかして,自ら発表かも――。

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2007.07.01

「世界における日本の授業研究の意義と課題-校内研修としての授業研究を中心として」

 日本教育方法学会第43回大会が,9月29・30日に,京都大学を会場にして催される。その課題研究Ⅰには,「世界における日本の授業研究の意義と課題-校内研修としての授業研究を中心として」というテーマが設定されている。
 私も,提案者の1人となった。その題目を,「校内研修による反省的授業実践文化の創造-授業研究の継続・発展を促す『装置』への注目-」と定めた。学校における授業研究を活性化させるための仕組み,例えば研究紀要の作成や研究発表会の開催について論ずるつもりである。
 第1日目の午前中だから,あまり人が集まらないかもしれないが,このテーマは,私が,自らの研究者人生において最も大切にしたいと考えている領域の1つだから,精一杯がんばろうと思う。

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2007.06.30

「家庭学習の充実」に注目して

 本日,新大阪で開催された総合学力研究会(事務局:ベネッセ教育研究開発センター)に参加した。メンバーは,これまでの取り組みの成果と課題を確認しながら,また最近の教育界の動向を踏まえながら,次なる調査研究のフレームワークを検討した。
 教諭や管理職,そして保護者による学力向上に向けたトータルな取り組み=総合教育力を「家庭学習の充実」をキーワードにして再構築すべきであるという点を確認した。これからしばらく,これを視座とする調査の設計に時間を費やすことになる。

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2007.06.23

カリキュラム・リーダーシップに関する研究発表

 本日,2ヶ月に1回程度開催している,カリキュラム研究会を,我が大阪教育大学天王寺キャンパスで催した。内容は,前回に続き,カリキュラム・リーダーシップについてである。今回は,2件の発表である。まず,1件目は,矢野先生(大阪市立大学)のご発表。カリキュラム・リーダーシップの主体や要素,カリキュラムマネージメントとの異同,台頭の背景について,2時間近く議論した。その成果の一端は,日本カリキュラム学会の全国大会(7月7・8日,埼玉大学)で報告される。
 続いて,私自身の発表。タイトルは,「学校研究の企画・運営におけるリーダーシップグループの役割-研究主任は他のリーダーとどう関わっているか-」である。学校研究を発展させるために,研究主任が他のリーダー(学校長やプロジェクト・リーダー等)をいつ,いかなる側面で協力・共同しているかを2つの事例を比較・検討しながら,明らかにしようとするものである。これは,9月末の教育方法学会で発表の予定。

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2007.06.20

第2回日中教育工学研究推進フォーラム

 昨日,本日と関西大学(千里山キャンパス)にて,第2回日中教育工学研究推進フォーラムが催された(主催:日本教育工学会)。
 日中双方から,教育工学研究の事例が報告され,比較検討された。私は,例の「教室のICT環境の将来像について-地域・学校の特色等を活かしたICT環境活用先進事例に関する調査」の一環として行われた,「教育の情報化」の実態把握に努めた,1万校を対象とする質問紙調査の結果を報告した。中国の研究者は,都会ほど「ICT環境の整備」が遅れていることが不思議でならないようだった。

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2007.06.05

教室のICT環境等の将来像

 昨年度参画した,文部科学省の委託事業たる,「地域・学校の特色等を活かしたIT環境活用先進事例に関する調査研究」事業の成果がWeb化された。
 私は,アンケート調査の企画・運営に関する部会のリーダーであったが,わが国のICT環境の整備とその活用に関する実態,とりわけ整備と活用の連関について,確かに指摘できたと思う。
 アンケート調査の他に,国内外の視察調査を実施し,それらによる知見を踏まえて,「教室のICT環境等の将来像」について提言をまとめているので,読者にもぜひ目を通してもらいたいと思う。
 なお,それらをビジュアルにまとめた,イラストにも注目していただきたい。これは,和歌山大学の野中先生のお知り合いが,我々や文部科学省の面々と何度もやりとりして描いた,労作である。

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2007.05.27

カリキュラム・リーダーシップに関する研究発表

 本日,矢野先生(大阪市立大学),森さん(愛知江南短期大学)と研究会を開催し,カリキュラム・リーダーシップについての議論を繰り広げた。この概念が浮上してきた背景,カリキュラムマネージメントとの異同,その特徴などについて,3時間近くも検討した。
 その成果の一端を矢野先生が日本カリキュラム学会の第18回大会(7月7・8日,埼玉大学)で報告する予定である。第1日目の自由研究発表Ⅰのセッションだ。私も,同席し,矢野先生をサポートする。

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2007.05.19

「情報教育ミドルリーダーのコンピテンシーに関する研究」(JSET07-2「地域教育力と情報教育」での研究報告)

 本日,北星学園大学で,日本教育工学会の研究会(JSET07-2)が催され,私も参加した。鳴門教育大学の藤村さんが,中川さん(メディア教育開発センター)や私と共同で進めてきた情報教育の実践的リーダーに関する研究の知見を報告してくれた。
 情報教育マイスター研究会の機会に参加者に回答してもらった「情報教育マイスター・セルフチェックシート」の結果を上手に整理して,情報教育を牽引するリーダーに特に必要とされる能力・資質を明らかにしてくれた。そして,その中に,私が主張するカリキュラム・コーディネーションに関わる能力・資質が位置づいていることについても言及してくれた。
 P1060201 ただし,情報教育ミドルリーダーと教育情報化コーディネータや情報化推進リーダー教師との違いについての質問が呈されたように,情報教育ミドルリーダーを現実の学校でどのような存在として具体化するかについては,さらなる検討を要するであろう。私の立場からすれば,それと研究主任の役割との異同についても吟味する必要がある。
 それにしても,寒い。気温も,たった10度--。

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2007.05.13

学力向上と学校におけるICT活用

 本日,聖心女子大学で開催された科研の打合会に出席した。そのテーマは,「学力向上と学校におけるICT活用の効果に関する総合的・実証的研究」である。昨年度と本年度に企画・運営されており,聖心女子大学の永野和男先生が代表者である。
 私は,総合学力研究会(事務局:ベネッセ教育研究開発センター)が実施している「学力向上のための基本調査2006」の結果から主張できる,学力向上とICT活用の連関,その実証的知見について報告書にまとめる。また,18年度に実施した,文部科学省委託事業地域・学校の特色等を活かしたIT環境活用先進事例に関する調査研究」の一環たるアンケート調査の結果をそれに重ねて,ICT環境の整備と学力向上の連関についても若干の考察を試みる。
 さらに,和歌山の小学校で繰り広げられる,ICT活用の関する事例研究にも(少しだけ)参画する予定である。

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2007.05.12

「実践研究推進の手引き」(松下教育研究財団の実践研究助成をどう活かすか)

 昨日もレポートしたように,東京・芝パークホテルで,松下教育研究財団の松下教育助成・助成金贈呈式が催された。そこで,助成校・グループに,私が18年度に作成した,「実践研究推進の手引き」が配布された。この小冊子は,いわゆる外部資金を獲得して実践研究をステップアップさせるために,研究主任等のリーダーが何をすべきかについて,4月から3月までの1年間のアクションがまとめられている。助成校・グループには,これを上手に使って,それぞれの研究を充実させてもらいたい。
 この手引きのコンセプトや活用シーン等を私がまとめた文章=「はじめに:松下教育研究財団の実践研究助成で学校やグループによる研究活動を充実させよう!」は次のとおりである。

Continue reading "「実践研究推進の手引き」(松下教育研究財団の実践研究助成をどう活かすか)"

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2007.05.06

カリキュラム・リーダーシップの今日的意義や特徴等

 本日,2ヶ月に1回程度開催しているカリキュラム研究会で,カリキュラム・リーダーシップについての議論を繰り広げた。その今日的意義や特徴,カリキュラムマネージメントとの異同,リーダーシップを発揮する主体などについて,3時間近くも意見を交換した。
 その成果の一端を,代表して,矢野先生(大阪市立大学)が日本カリキュラム学会の全国大会(7月7・8日,埼玉大学)で報告する予定である。私も,同席するつもりである。

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2007.04.30

「3年計画の研究なのに,なぜ,初年度から研究発表会を開催しないといけないのか」と問われたら――

 今日も,学校研究の企画・運営に関わる重要項目の1つである,研究発表会の開催について考えてみよう。
 あなたの学校では,3年を1つのサイクルとして研究計画を策定しているとしよう。そして,毎年,研究発表会を催すことにしたいと管理職も願い,あなた(研究主任)も,同じ想いであったとしよう。けれども,それに異を唱える同僚から,「3年計画の研究なのに,なぜ,初年度から研究発表会を開催しないといけないのか」と問われたら,あなたは,どのように回答するであろうか。
 私が松下教育研究財団から支援を受けて進めてきた,学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)では,学校研究の企画・運営に関わるQ&A集を作成し,それを改訂してきた。そこでは,この問いについて,次のような回答が例示してある。

Continue reading "「3年計画の研究なのに,なぜ,初年度から研究発表会を開催しないといけないのか」と問われたら――"

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2007.04.26

「実践研究推進の手引き」

 平成18年度,松下教育研究財団のリクエストを受けて,「実践研究推進の手引き」を作成した(28ページの構成)。点検や推敲も終わり,いよいよ印刷にかかる。これは,財団の実践研究助成のように,外部資金を得て推進する実践研究の企画・運営に関する取り組みを2校の研究主任に記録してもらい,彼らと私が協力して,そのエッセンスを整理したものだ。助成への応募から報告書の作成まで,毎月の課題がリストアップされている。特に研究主任が何をすべきがについて詳しく述べてある。手引きの最後には,チェックリストも用意してみた。
 この手引きは,5月11日の実践研究助成式(19年度助成校等)や8月8日の実践研究報告会(18年度助成校)にて配布される予定である。関係者は,ぜひ,この手引きを有効に利用して,よい成果をあげてもらいたい(それを継続・発展させてもらいたい)。

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2007.04.05

『学力向上ハンドブック』がほしい方に――

P1050733 先日,私も属している「総合学力研究会」(事務局:ベネッセ教育研究開発センター)より,『学力向上ハンドブック』のガイドブック+本編CD-ROMが刊行の運びとなった。ガイドブックは,学力向上ハンドブック本編CD-ROMを利用目的や学校の取り組み状況に応じてどのように活用すればよいかについて,読者をナビゲートするものだ。
ハンドブック自体の特徴は,このブログでも紹介してきたように,1)学力向上に向けた学校の取り組みについて,そのR-PDCAサイクルを網羅している,2)理論,事例解説,演習課題がトピック毎に用意されている,3)総合学力調査・総合教育力調査の結果分析とその改善に向けたアクションプランの作成が連動しているといった点だ。
私のところに,『学力向上ハンドブック』のガイドブック+本編CD-ROMが届けられた。入手したい人は,次のような手順を踏んでくださるならば,これらをお送りしよう(先着20名の予定)。
・宛先を書いた返信用封筒(A4版が入るサイズ,ただしあまり重いものはダメ)を準備する。
・返信用封筒に240円切手を貼る。
・返信用封筒を以下の住所に送る(4月27日必着)。
〒543-0054 大阪市天王寺区南河堀町4-88
国立大学法人・大阪教育大学・天王寺キャンパス
木原俊行
・ガイドブック+本編CD-ROMが届くのを待つ。

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2007.03.25

2010年,2015年の教室の様子

 このブログでも何度か紹介してきたが,今年度,文部科学省の委託事業たる,「地域・学校の特色等を活かしたIT環境活用先進事例に関する調査研究」事業のメンバーに加わった。このプロジェクトでは,各種の調査に基づき,2010年及び2015年の教室におけるICT活用のあり方,それを満たすための環境や人材養成,教育方法等について提言していく。現在,報告書作成の最終段階に入っているが,2010年,2015年の教室の様子については,提案内容を描いたイラストも添付されることになっている。これを担当しているのは,和歌山大学の野中先生の研究グループだ。さてさて,どのような絵にまとまるか――乞うご期待。

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2007.03.12

和歌山で勉強会

 本日,和歌山大学を訪問し,野中先生とICT活用に関する勉強会を開催した。ここ数年,和歌山へは,行政研修や学校研究の講師として招聘されることが多い。それらとは違い,今日は,研究的議論を繰り広げるためだけに,和歌山を訪れた。けっこう遠いが,なんと17時から23時まで,途中の夕食タイムをのぞき,ICT活用に関する研究デザイン等について意見交換を重ねた(話しすぎて喉が痛くなった--)。

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2007.03.10

学校研究の充実に向けたアクションの最終評価(LTプロジェクト2年度目の活動)

 松下教育研究財団の支援を受けて企画・運営している,学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)のゴールが間近となった。本日と明日,最終オフミを実施し,学校研究の推進に資する3学期のアクション,それを含む1年間の取り組みについて,メンバーが報告し,批評しあった。P1050696_1
 学校の実践史や条件によって求められるものは異なるが,各人の振り返りのコメントにも自らのがんばりを認めるものが相次いだように,メンバーはそれぞれ,精一杯のアクションを試みてくれた。そして,それが各学校の研究の推進に資するものとなっていた。P1050699
 メンバーには,明日もプロジェクトにおける活動を省察してもらい,また,次年度以降のアクションを構想してもらう。

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2007.03.05

よき想い出

P1050521 今,ヒースロー空港である。いよいよ帰国だ。今回,大阪市立大学の関係者5人の視察チームで,学校を訪問したり,その模様を議論したりして,今までにない渡英となった。大阪市立大学を離れる前のよき想い出となった。

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2007.03.04

海外等に視察に出かけたら――

 ここ数日報告しているように,現在,ロンドンで,学校等を視察し,カリキュラム開発について情報や資料を収集している。メンバーは,私が代表者を務める科研の構成員だ。毎日,毎日,見たこと,聞いたことを訪問後に協議している。観察したこと,ヒアリングしたことを確かめ,そして研究課題に即してそれらを整理する。時には,授業や教師,学校,施策や制度の国際比較になったりする。P1050588
 学校等に訪問を認めてもらい,経路を確かめ,最寄り駅から学校まで歩き(タクシーに乗り),英語でヒアリングをするだけでもくたくたになる。だから,訪問が終われば,もう休みたいのが人情というものなのだが,この協議は,視察内容を自分のうちに取り込むためにはとても大切なプロセスだ。だから,同行者に嫌がられても,取り組んでもらうようにお願いしている。今回は,よく知った仲間によるチームだったので,この協議がとても有意義なものとなった。

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2007.03.03

教師も国際色豊かな学校

 2日,ロンドン郊外のSwaffield Primary Schoolを訪問した。1895年開学時の校舎を改修して利用している,趣のある学校だ。そこで,再び,学校を基盤とするカリキュラム開発に関するヒアリングを実施した。この学校には3-11歳の児童416人が通学しているが,彼らの主な国籍だけでも10-15種になり,使用する言語となると42種にもなるという。それゆえ,様々な国際理解教育の取り組みに着手しており,地方政府から,グローバルシティズンシップを育む教育に関する賞をもらっている。P1050575
 それにしても,子どもだけでなく,教師も国際色豊かであった。我々をエスコートしてくれたのはオーストラリア出身の教師だったし,マレーシアやナイジェリアなどの出身の教師たちも,我々の訪問を快く迎えてくれた。
 P1050566
 余談だが,ちょうど避難訓練(学期に1回)が実施された。どこの国でもやるんだ――。

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2007.03.02

特色ある学校として認められると――

 1日,ロンドン郊外のHinchely Wood Schoolを訪問し,そこで,学校を基盤とするカリキュラム開発に関するヒアリングを実施した。この学校は,1200人の生徒を抱える中等が校であるが,音楽のスペシャリストカレッジのステイタスを得ている。それによって特別の資金を得て,音楽科の施設・設備を整えていた。音楽科専用のコンピュータ室,数多くの個別練習室などに驚かされた。P1050493
 こうしたステイタスを得ると,さらなる義務が与えられることが分かった。それは,他の学校に対する支援である。例えば,隣の小学校に音楽の人材を派遣したり,道具を貸したりしなければならないという。特色ある学校づくりと学校間連携がセットになっているわけだ

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2007.03.01

ブリティッシュカウンシルのカンファレンスに出席

 28日,ブリティッシュカウンシルで催された,日英交流学習に関するカンファレンスに出席した。ブリティッシュカウンシルに,(私たちがいつもお世話になっている,ハイディさん率いる)Japan21,日本財団などが協力して企画・運営されたものだ。
 ブリティッシュカウンシルの全体提案,午前・午後の分科会などを通じて,日英交流学習という特色ある教育プログラムの全体像,典型的なケースが理解できた。我が研究プロジェクトのテーマからすると,学校を基盤とするカリキュラム開発に求められるリーダーシップの1つのタイプが明らかになった。P1050465
 ちなみに,ブリティッシュカウンシルが呈していた,国際理解教育に従事する日本の学校が遭遇している課題は次のとおりであった。
 ・リジッドな,国のカリキュラム
 ・学校長や教育委員会のサポート(が脆弱であること)
 ・教師が多様な役割を果たさねばならない
 ・学習時間が減っている
 ・財源が豊かなではない
 ・ICT環境が整備されていない
 ・教師の異動
 ・言語の壁
 これらをどう克服するかが,リーダーシップグループの手腕の見せ所である。

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2007.02.27

またまた英国訪問

 今,成田空港である。これから英国に出かけ,数日間,カンファレンスに参加したり,現地の学校を訪問したりする。1月上旬に訪問したばかりだが,トピックが異なる。今度は,国際交流学習のカリキュラム開発,それを企画・運営するリーダーシップグループの役割に関するヒアリングだ。既に現地では,矢野先生(大阪市立大学・大学教育研究センター),森先生(愛知江南短期大学,大阪市立大学・大学院文学研究科の卒業生)が待ってくれている。3人は,カリキュラム研究会のメンバーであり,私が代表者となっている科研のチームを構成している。ちなみに,3人とも卯年生まれである。
 訪問にあたっていろいろ困難も出ているが,協力して,よい成果をあげて帰国したい。

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2007.02.19

教室のICT環境等の将来像

 本日も,文部科学省の委託事業たる,「地域・学校の特色等を活かしたIT環境活用先進事例に関する調査研究」事業の会議に出席した。全国1万校を対象とするアンケート調査,先進事例に対する訪問ヒアリング調査(国内・国外)をもとに,教室のICT環境等の将来像を提言する。
 私は,アンケート調査の企画・運営に関する部会のリーダーであるが,その結果から,普通教室・特別教室のICT環境整備の立ち後れ,ICT環境の整備とその活用の連関,ICT環境の整備を促す担当者の存在,その専門性などを指摘することになろう。

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2007.02.10

eCCプロジェクトの参加メンバーの追跡

 先日,かつて企画・運営した,eCCプロジェクトの参加メンバーの学校の1つを訪問した。このプロジェクトは,松下教育研究財団の平成16年度研究開発助成による,カリキュラム・コーディネータ養成のためのe-Learningプログラムだった。今回の訪問の目的は,メンバーがプロジェクトで得た知識を所属校のカリキュラム開発にどう生かしているかを把握することであった。
 17年度に追跡を始めたが,18年度となって,対象者が研究主任に抜擢された。それにより,この教師のアクションが活発になったり,それによって,当該校の総合的な学習のカリキュラムが進展したりしていることを確認できた。プロジェクトのこうした縦断的な評価も続けているがゆえに,見えてくるものがある。なかなか時間を捻出できない状況の中でも,訪問した甲斐があった。

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2007.02.04

リーダーシップとカリキュラムの計画策定

 4日,2ヶ月に1回程度開催しているカリキュラム研究会で,Allan A. GlatthornらによるCurriculum Leadershipの第4・5章を輪読した。第4章:The Politics of Curriculumに関しては,連邦政府,州政府,専門団体,裁判所,学校,教室という多元的,多面的なポリティクスの構造がよく整理されていて,勉強になった。
 第5章のCurriculum Planningについての議論では,学区と学校という,2つの主体によるカリキュラムの計画策定,ことに,リーダーシップとカリキュラムの計画策定の関係性が巧みに整理されていた。また,カリキュラムの計画策定がゼロからでなく,これまでのカリキュラムの実態把握,その改変によるものであることが主張されていて,それが印象に残った。
 次回は,今日少しだけ意見交換をした第6章:Improving the Program of Studyの読解となる。3月14日に大阪市立大学で開催の予定。

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2007.01.28

若手研究者の成長

 本日,関西大学総合情報学部の久保田教授を研究代表者とする科研「コミュニケーションを重視したデジタル学習環境に関する実証研究」のミーティングが催され,私も,分担者として出席し,自らの取り組みを報告した。英国の教育改革,同ICT環境の整備,ICT活用をドラスティックに進展させた学校の事例等について言及した。
 ところで,この科研のメンバーには,私よりも若い研究者が3,4名選ばれている。みんな,私の指導教官だった水越先生,それから久保田先生や黒上先生のもとで育った研究者である。彼らの最近の取り組み,私たち年長者の報告に対するコメントを聞かせてもらった。しっかりしてきたと思う。若手研究者の成長は著しい。自分たちも,研究に真摯に向き合い,学究的研鑽を積まねばならない。研究者としては当たり前のことなのだが,若手の成長を目にして,この真理を再認識した。

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2007.01.27

実践研究のデザインや論文化(日本教育工学会第23回全国大会)

 昨日もレポートしたが,私が理事を務めている日本教育工学会では,9月22日~24日,早稲田大学所沢キャンパスで第24回全国大会を開催する。この大会に向けた,第1回の大会企画委員会が本日開催された。
 シンポジウムの1つに,実践研究のデザイン,その結果の論文化に関するものを設定することになった。おそらく,私も,司会進行として参加する。学校現場に即した研究をどう企画・運営し,記録し,まとめるかは,多くの人が悩んでいる問題だ。これらを十分に吟味するために,具体的な研究事例をとりあげ,それを学会の編集担当理事等が批評するというスタイルを採りたいと考えている(予定)。けっこうユニークなセッションになると思うので,参加をご検討いただきたい。

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2007.01.26

日本教育工学会第23回全国大会(9月22日~24日,早稲田大学所沢キャンパス)

 私が理事を務めている,日本教育工学会では,毎秋,年次大会を開催している。なりゆきで,平成19年度のこの全国大会(9月22日~24日,早稲田大学所沢キャンパス)の大会企画委員会の委員長を拝命することになった。少々荷が重いのだが,がんばるしかない(とはいえ,次の理事選挙で落選すれば,自動的に解任されるわけだが――)。明日,第1回の大会企画委員会が開かれるので,ここ数日は,その資料作成にかなりの時間を費やすことになった。
 ポスターセッションを導入する,大会講演論文集をCD-ROM付きにするといった,新しい試みに取り組む予定である。多くの会員にご参加・ご発表いただきたい。

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2007.01.22

教師に関する国際比較

 本日,担当している講義「教職概論」で,外国の教師の様子を提示した。私が訪問した国々の教室で撮影してきた写真,教師や授業に関する放送番組(一部のものは,私が関わって制作されたもの)等を題材にして,日本の教師の営みと外国の教師たちのそれを比較するのである。
 例えば,学習規律・習慣の形成,いじめ問題への取り組みなどは,少なくともいくつかの国の教師たちに共通にして確認できる課題だ。
 一方,タイの地方の学校の教師たちは,日本の教師に比べてずっとたくさんの内容の仕事をこなしていること,フィンランドの教師たちは課題学習,プロジェクト学習を重視した授業づくりを推進していることなどは,わが国の教師たちの特徴を再確認させてくれる。
 教師に関する国際比較は,その国の教育制度や学校文化などを踏まえねばならない。しかも,それぞれの国の教職には,時代に応じて変わる要素・側面もある。知的な興味が湧くテーマだ。教育学の知見を総動員することになる研究課題だ。いつか,本格的にやってみたいようにも思う。具体的には,学校を基盤とする,同僚性に基づく実践研究に関する国際比較になるだろう――。

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2007.01.21

学校研究の充実に向けたアクションの中間評価(LTプロジェクト2年度目の活動2)

 松下教育研究財団の支援を受けて企画・運営している,学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)のゴールが近づいている。本日は,今年度第3回目のオフミで,学校研究の推進に資する2学期のアクションについて,メンバーが報告した。それは,昨年末のテレビ会議で報告した内容を再構築したものだ。他者による批評を再度受け,学校研究充実に向けたアクションの成果と課題をメンバーは再確認した。また,3学期のアクションの構想を再吟味した。
 P1040428加えて,本日は,全体及びグループに分かれての発表や議論の司会進行についても,自己・相互評価してもらった。司会進行を担当することを通じて,学校研究を企画・運営するための総合的な能力(学校研究を俯瞰する能力,研究的コミュニケーションを組織化する能力等)を高めることが,本日のオフミのねらいでもあったからだ。私が示した,司会進行の評価規準は次のとおり。これをすべて満たすことは難しい――。
・発表の特長を把握し,整理できる。
・参加者全員が議論に加われるように,配慮できる。
 (自由な発言と指名の組み合わせ,発言内容の確認や具体化,論点の共有化など)
・議論の内容の総合化と焦点化を両立できる。
・参加者が議論を楽しめるよう,ユーモアやジョークを適切に導入できる。

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2007.01.19

立命館小学校を訪問

 19日午後,京都市の北大路駅近くにある,(私立)立命館小学校を訪問した。「文部科学省委託事業 地域・学校の特色等を活かしたICT環境活用先進事例に関する調査研究」によるものだだ。これは,「ポスト2005における文部科学省のIT戦略の基本的な考え方」に基づく調査研究であり,先日の英国訪問も,この事業の一環であった。
 さすがに,校舎や施設・設備のデザインがすぐれている。今回の調査のテーマである,教室のICT環境についても,電子情報ボード設置形態等がよく練られていて,それが教員のICT活用を促していた(もちろん,各教員の授業力が高いこともあるだろうが)。タブレットPCの活用もかなり進んでいるようだった。大学や企業との連携も充実しているようだった。

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2007.01.12

英国第6日目(ロンドン郊外の中等学校)

 11日,ロンドン郊外のRoding Valley High Schoolを訪問し,そこで,ICT活用の予算的措置について管理職やICT教科主任,ビジネスマネージャーに情報を提供してもらった。また,いくつかの教科のICT活用の実際を目にした。
 P1040101 やはり,どの授業でも,黒板感覚で電子情報ボード(Interactive White Board)を教師や生徒が使っている。写真を見れば,便利な黒板として利用されている様子がよく分かろう。
 P1040088_1
 ところで,休憩の間に,スタッフルームでお茶をごちそうしてもらった。その時に,「教員研修」の掲示があったので,それに注目してみた。そこに,「教師の学びと教室での指導の充実は軌を一にしている」というコピーがあった。教師の研修と子どもの学習の間に生じる再帰性は,ユニバーサルだ。

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2007.01.11

英国第5日目(ロンドン,オリンピア)

 10日,ロンドンのオリンピアで催されている,BETTに参加した。これは,ICT活用等に関する英国最大,いや世界最大の催しだ。企業や政府関係の組織の出展,デモンストレーションに加えて,セミナーが開催される。P1040029
 いくつかのセミナーに出席したが,なかでも,Bectaによる,Evidence of ICT impact and progressという報告に感心した。ICT活用の効果と課題について,極めて精緻なフレームワークを用意し,それに基づいて実証的な研究をていねいに展開しているからだ。事例研究の詳細な手続きについての説明がなかったのは残念であるが,調査のデザインがしっかりしている部分は,わが国において始まっている同様の試みもしっかり学ばねばなるまい。

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2007.01.10

英国第4日目(ダーリントン)

 9日,ダーラム州のダーリントンのLongfield Schoolを訪れた。この学校は,2年半で学校の情報化を充実させ,政府の機関から,表彰された学校だ。校長及びリーダーシップグループが白板を教室からなくしたり,教科ごとに代表者を定めたりして,(なかば強引に?)学校改革を進め,今日ではあらゆる教科の指導で,教師たちがICT活用を繰り広げていたP1030990
 この学校のサクセスストーリーは,わが国の学校の情報化,とりわけ,ICT活用の普及に資するものがあるだろう。

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2007.01.09

英国第3日目(ダーリントン)

 8日,ダーラム州のダーリントンのEducation Villageを訪れ,そこで,この地域の学校等の情報化を推進する教育委員会のe-strategyマネージャーのジョン=スティールに会い,ICTを学校・教師が有効に活用するために,彼や彼のチームが何をしているかについてヒアリングした。P1030918
 この国は,学校長の裁量権が大きく,教育委員会が学校に与える影響が小さいと理解していたが,少なくとも,ICT活用推進チームは,学校に対して,そのニーズや実態に合わせ「きめ細かく」対応していることが分かった。ただし,それが有償のサービスである(契約に従い,学校が料金を支払う)というところが,いかにもこの国らしいのだが。

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2007.01.08

英国ニューキャッスル第1・2日目

 6日夜,ヒースローに到着し,国内便に乗り換えてニューキャッスルへ。ここで,同行の野中先生(和歌山大学)の荷物の未着が判明(それから1日経っても,まだ届かない,かわいそうに)。気を取り直して,タクシーで,ニューキャッスル中央駅近くの宿泊先に。今度は,ブロードバンドが使えないことが分かり,久しぶりにダイアルアップに挑戦。なんとか,インターネットにアクセスできて,ほっとした。。P1030859
 7日は,8日以降の視察の打ち合わせ。ヒアリングの枠組みの再確認,その役割分担,まとめ方などを3人で健闘した。打ち合わせ後,ニューキャッスルの街を散策。古い教会や城壁を観た

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2007.01.06

今日から英国訪問

 今,成田空港である。1時間後に旅立ち,英国に向かう。これから約1週間,彼の地の教育委員会や学校を訪問する。5年後,10年後の学校の情報環境,それを活かすための組織,とりわけCIO(Chief Information Officer)について調査してくるのが,その目的だ。
 視察メンバーは,私の他に,和歌山大学の野中先生(リーダー)や神戸甲北高等学校の山上先生だ。3人で力を合わせて,よい視察結果を手にして帰国したい。

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2006.12.28

学校研究の充実に向けたアクションの中間まとめ(LTプロジェクト2年度目の活動)

 松下教育研究財団の支援を受けて企画・運営している,学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)の2年度目の活動が進行中だ。年の瀬が迫る本日は,テレビ会議を実施して,学校研究の推進に資する2学期のアクションについて,メンバーが報告・相互評価した。
 前回のテレビ会議から,このプロジェクトの参加者たる,中堅教師たちに,会議の司会も一部委ねている。学校研究についてよく理解し,経験を積んでいるならば,それが,学校の取り組みに関する報告や討論の司会,その円滑な進行,盛り上がりを生み出すはずだ。参加者にさりげなく任せられた司会は,このプロジェクトの最終試験にもなっているのであった。

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2006.12.27

アメリカのカリキュラムの歴史

 25日,2ヶ月に1回程度開催しているカリキュラム研究会で,Allan A. GlatthornらによるCurriculum Leadershipの第2・3章を輪読した。自分が担当した第3章:Curriculum Theoryに関しては,主として,カリキュラム「理論」の分類を報告した。彼らによれば,それは,構造志向,価値志向,内容志向,そして過程志向に大別できる。説得力のある類型論であった。
 第2章のCurriculum History: The Perspective of the Pastの内容にも,知的興味が湧いた。アメリカのカリキュラムの流れ,例えば保守-革新の往復,進歩主義的教育の多義性などを再認識でき,とてもためになった。

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2006.12.24

カリキュラム研究会の準備

 本日は,Allan A. GlatthornらによるCurriculum Leadershipの第3章Curriculum Theoryを読破し,レジュメを作成した。明日,2ヶ月に1回程度開催している,カリキュラム研究会で,この章の発表を担当するからだ。
 この章では,カリキュラムに関する理論が極めて整然とまとめられている。とりわけ,「過程志向」のカリキュラム理論について,これまでの研究知見が詳細にまとめられていた。これがスクールリーダーに最も必要だと著者が考えているからであろう。
 明日,他の章,例えばカリキュラムの歴史などについても,他のメンバーから報告を受ける。明日も,カリキュラムについて大まじめに考える日となろう。

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2006.11.26

学力向上とICT活用の関係

 26日,聖心女子大学文学部の永野研究室で開催された科研の打合会に出席した。それは,本年度と次年度に企画・運営される「学力向上と学校におけるICT活用の効果に関する総合的・実証的研究」だ。私は,「B:学力向上とICT活用との関連分析」,「C:教育現場でのICT活用の効果の実証」グループのメンバーになっている。具体的には,「理想型」の学力実態を示す学校の比較研究,デジタルコンテンツの利用に関する教師比較研究に従事する。
 今日は,ベネッセ教育研究開発センターと共同で実施している,「学力向上のための基本調査2006」「指導の状況に関するアンケート(教諭対象)」中のICT活用指導関連項目から,学校のICT活用スコアを算出し,それと学力プロフィール(国語,算数・数学,読解力,学びの基礎力,生きる力の高低)の連関に関する知見を報告した。

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2006.10.29

日本教育工学会第22回全国大会での研究発表

 11月3~5日,日本教育工学会第22回全国大会が関西大学で催される。私は,3日15:40~18:20の一般研究発表2の「教師教育(2)」セッションの4番目の発表だ。タイトルは,「学校研究推進リーダー養成のためのe-Learningプログラムの開発研究」である。松下教育研究財団の研究活動助成を受けて推進している,LTプロジェクトのデザインや中間成果についてレポートする。学校の実践研究を牽引するミドルリーダーがその力量を高めていくための研修課題・方法,その工夫について,具体的に提案してみたい。
 なお,同日午前中の一般研究発表1の「教育メディア(1)」セッションでは,私が指導している大学院生が,「ベテラン教師が授業においてデジタルコンテンツを活用するための実践的知識-小学校のベテラン教師と若手教師の比較を通して-」というタイトルで発表する。彼女は,NHK学校放送番組『にんげん日本史』のデジタル教材を授業にどのように活用するかについて,複数の教師にていねいにインタビューした結果を比較・検討して報告する。あ,このセッションは,堀田大先生(NIME)や高橋先生(富山大学)もご発表なさるようだ――。

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2006.10.10

研究紀要の作成の秘訣(LTプロジェクトのテレビ会議から)

 9日夜,LTプロジェクトのテレビ会議を実施した。これは,松下教育研究財団の支援を受けて企画・運営している,学校研究推進リーダー養成プロジェクトだ。今年で,2年度目の活動となる。参加メンバーは,昨年度にプロジェクトで獲得した実践的知識を活用して,所属校の実践研究の推進に資するアクションを構想し,実行している。その中間報告・相互評価に,テレビ会議や集合研修を通じて,メンバーは着手する。Ltproject061009
 昨日の報告とそれを題材にした討論では様々なトピックが扱われたが,その1つが,「研究紀要の作成」であった。その秘訣について協議した。例えば,年度末に作成するものであっても,研究主任はすでにそれを構想し,必要な材料を集めておく(集めておいてもらう)こと,次年度に活用できる内容を盛り込むこと,そのためには,研究紀要には次年度の研究計画のプロトタイプ版を挿入すること,紀要の執筆になれてもらうための「書く機会」を校内研修・研究において設定しておくことなどが重要であると共通理解した。
 LTプロジェクトの初年度の成果に,研究紀要の作成に関するQ&Aがある。研究紀要の内容や作成手順に悩む読者がいたら,ぜひ,ご覧いただきたいと思う。

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2006.10.01

学会発表は練習すればするほど――

 10月1日に催された日本教育方法学会第42回大会(第2日目)では,私の他にも,大阪市立大学大学院の学生数名が,研究発表をした。昨夜,2名の院生の発表練習に,つきあった。
 P1000624 論旨が明快でない部分を指摘し合ったり,どんな質問が投げかけられるかを予想したりする。昨晩の練習が生きて,配付資料が読みやすくなった。口頭での説明も筋が通ったと思う。やはり,学会発表は練習すればするほど上手になる。前もって準備したものを批評され,修正するのは気が重いことではあるが,その努力は必ず実る。特に,若いうちは,吸収力があるので,磨かれ方が著しい。今回の2名の院生の努力をほめてあげたいと思う(ただ,練習会はもっと早くに,大阪にいる間に開催したいものだ)。

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発表への反応は今ひとつ?

 本日,福島大学で催された第42回日本教育方法学会で,「カリキュラム・コーディネータの養成を志向したe-Learningプログラムの可能性と課題-参加者に対する追跡調査の結果を踏まえて-」というタイトルの研究発表をおこなった。奈良教育大学の小柳さんと,(私としては久しぶりに)共同で,開発した教員研修プログラムの枠組み,実際,成果,とりわけ参加者の追跡調査の結果をレポートした。
 e-Learningの効果を参加者の所属校におけるアクションにおいて確認するという,研究トピックは,教育工学会等ではかなり関心が高いように思っていたが,今回の聴衆の反応は今ひとつだったかも。質問は出たが,「追跡調査」の結果に関するものではなかったし,それほどたくさん手が挙がるわけではなかったからだ。今回の発表のネタは新規性といい,実践的有効性といい,けっこう自信があったのだが――。やはり舞台を選択し間違えたか――。発表後に「興味があるので資料を送っていただきたい」と寄ってきた人もいたけれども。

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2006.09.30

第42回日本教育方法学会に参加

 今週末は,福島大学で,第42回日本教育方法学会が催されている。私も,昨晩,郡山を経由して,福島入りした(甲府同様,遠かった――)。これで,3週連続で,学会への参加となる。誰かのように,「自分をほめてあげたい」。
 2日間で19の自由研究セッションが設けられている。本日,授業研究や教師の力量形成に関する研究を中心に,4件の発表を聞いた。質問もしてみたが,思弁的な研究,学校現場を意識しない研究が多いように思え,どうもしっくりこない。自分の発表は明日だが,「カリキュラム・コーディネータの養成を志向したe-Learningプログラムの可能性と課題-参加者に対する追跡調査の結果を踏まえて-」というeCCプロジェクトのレポートにどのようなリアクションがあるのか,少々不安になった。

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2006.09.24

日本教師教育学会に入会

 ここ数日レポートしてきたが,23日,24日と,山梨大学を会場にして,日本教師教育学会の第16回研究大会が開催された。2日間参加してみて,自分の研究関心にかなり合致していると思い,入会して帰阪した(これがまた4時間半くらいかかったのだが――)。
 「あなたの専門はなにですか」と問われたら,「授業研究と教師の成長です」と答えることにしている私としては,入会が遅すぎたのかもしれない。何人かの方と話をしたが,拙著『教師が磨き合う「学校研究」』の刊行もご存知であったから。まあ,これから,少しずつ,この学会でもがんばってみようと思う。
 P1000534 ところで,この大会の運営で感心したのは,「論文交換コーナー」の設置である。よいアピール,コミュニケーションの舞台になると思った。

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日本教師教育学会に初参加

 23日,24日と,山梨大学を会場にして,日本教師教育学会の第16回研究大会が開催されている。私は会員ではないし,甲府は遠いのだが(新大阪から,4時間30分くらいかかる)が,これに参加してみた。日本カリキュラム学会,教育心理学会に続く,学会「他流試合」の第3弾だ。P1000507P1000513
 教師の力量形成のみならず,教師たちのバーンアウトとか,教員養成・現職教育の歴史や国際比較など,教師に関する研究が多面的に繰り広げられていた。自分は,教師の授業力量にやや絞りすぎるきらいがあるので,教師に関する研究の多様性については,たいへん勉強になった。方法論についての真摯な意見交換にも,好感が持てた。ただ,知見の新規性,実践的有効性などに関する議論が少ないように思い,その点が残念だった。

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2006.09.17

学力向上と学校におけるICT活用

 17日,岡山シティホテルミーティングルームで開催された科研の打合会に出席した。これは,本年度と次年度に企画・運営される「学力向上と学校におけるICT活用の効果に関する総合的・実証的研究」だ。聖心女子大学の永野和男先生が代表者である。
 私は,「B:学力向上とICT活用との関連分析」,「C:教育現場でのICT活用の効果の実証」グループのメンバーになっている。具体的には,「理想型」の学力実態を示す学校の比較研究,デジタルコンテンツの利用に関する教師比較研究に従事する。本日の会合では,前者について,ベネッセ教育研究開発センターを事務局として我々が実施している「学力向上のための基本調査2006」の結果から主張できる,学力向上とICT活用の連関,その実証的知見についてレポートした。

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2006.09.10

学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)に関する研究発表

 昨日もレポートしたが,11月3・4・5日,日本教育工学会第22回全国大会が関西大学で開催される。私は,一般研究発表の「教師教育」セッションで,昨年度から,松下教育研究財団の研究活動助成を受けて企画・運営している,学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)の中間成果について報告する。本当は,課題研究発表の「教師教育の新展開-指導力の体系とその育成方法の再考-」で発表したかったのだが,申込件数が多く,コーディネータとしては遠慮せざるを得なかった(もちろん,他にすぐれた発表があるのだから,私の力不足も否めないのだが――)。それだけに,この一般研究発表を成功させたいと思う。あと2ヶ月近くあるが,発表準備をしっかりやろうと決意する。
 そうは言っても,大会企画委員会副委員長としては,自分の発表よりも大会の充実に努力を傾注しなければならないことも少なくないが――。

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2006.09.07

教員向けe-Learningプログラムの縦断的評価(日本教育方法学会第42回における発表)

 平成16年度,カリキュラム・コーディネータ養成のためのe-Learningプロジェクト(eCCプロジェクト)を松下教育研究財団の助成を得て,企画・運営していた。参加者のうち2名を対象として,平成17年度,追跡調査を実施した。eCCプロジェクトで得た,カリキュラム開発に必要となる知識をが,そのアクションに資するものとなっているか(適用されているか)を,彼らの学校を実際に訪れ,授業を見学したり,インタビューを実施したりして,探った。教員向けe-Learningプログラムの開発研究は少なくないが,その効果を実践的,長期的に明らかにしようとする試みは少ないと思う。我ながら,希少性のある研究だと思っているが――。
 プログラムの縦断的評価の知見を,9月30日,10月1日に福島大学で開催される,日本教育方法学会第42回大会自由研究でレポートする。カリキュラム開発と教師教育,さらにはカリキュラムマネージメントにまたがる領域の研究になるので,それらの領域の研究者と建設的な議論ができることを期待している。

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2006.09.03

カリキュラム開発におけるリーダーシップについての勉強会

 3日,三重県津市で,科研「学校を基盤とするカリキュラム開発におけるリーダーシップグループの役割のモデル化」の打合会を開催した。これは,私が代表者を務め,大阪市立大学の矢野先生,愛知江南短期大学の森さん(大阪市立大学・大学院文学研究科・教育学専修の出身者)に分担者になってもらっている,小グループでの研究プロジェクトだ。実は,今日の会場は,矢野先生が所有なさっている別荘をお借りしたものだ(こんな静かなところに別荘なんて,うらやましいなあ)。Dsc05817
 3年間に及ぶ文献研究,事例研究,日英比較研究を通じて,我が国の小中学校におけるカリキュラム開発におけるリーダーシップグループの組織化,その役割のモデル化を図る。
 本日は,Allan A. GlatthornらによるCurriculum Leadershipの第9章Supervising the Curriculumを読解した。この本は,カリキュラム開発におけるリーダーシップについて包括的にまとめたものだ。たいへん勉強になる。
 次回は,第10~12章を読破するために,合宿形式で実施する予定である。

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2006.08.21

「我が国の学校研究への示唆」(ぎょうせいの月刊『悠』9月号)

 (株)ぎょうせいから刊行されている月刊誌『』の9月号に,「我が国の学校研究への示唆-英国の学校改革に学ぶ-」という小論を寄稿した(82~83頁)。5月に訪英して把握した,彼の地の学校改革の動向を我が国の学校の実践研究と比較し,両者の異同を論じたものである。見出しは,以下のとおり。
 ・外国の学校の取組みを鏡にして
 ・日英の学校改革の共通点
 ・英国の学校改革からの示唆
 ・日本の実情に合わせてアレンジを
 このブログの読者に同誌を購入して拙稿をお読みいただければ,幸甚である。

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2006.08.20

「研究推進だより」に何を載せるか

 昨日もレポートしたが,松下教育研究財団の支援を受けて企画・運営している,学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)のオフミでは,「研究推進だより」の内容について議論した。
 「研究推進だより」の発行は,LTプロジェクトでも度々話題になる,研究主任のアクションだが,読者の学校では,どの程度,発行されているだろうか。そして,それには何が記載されているだろうか。昨日のオフミでは,「研究推進だより」の次のような可能性を確認した。
まず,「学校研究の記録」が整理されるとよろしかろう。例えば研究授業の特長とか,事後検討会で登場したアイデアなどが「研究推進だより」にまとめられていると,それが教職員に定着しやすい。また,後に研究紀要を作成する際には「下書き」としても役立つ。
 続いて,「実践研究に関する啓発」が「研究推進だより」発行によって実現する。例えば,読解力の今日的定義などを紹介するといった場合がこれに該当する。そうした理論や実践動向を獲得できるホームページや図書の紹介,他の実践校の授業等に関するレポートが付随すると,いなおいっそう説得的になろう。
 そして,最も重視したいのが,「研究推進だより」上で繰り広げる,「同僚に対する讃辞の表明」である。研究授業の準備に腐心する若手教師,苦手なIT活用に挑戦するベテラン教師,教室掲示の改善に協力して取り組む学年団など,研究主任だけが目にする同僚の努力,研究主任だからこそ分かる同僚の研鑽を「研究推進だより」にて語るのである。それによって,学び合う教師集団を創り,その絆を強めるのである。

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2006.08.19

学校研究の充実に向けたアクションの中間評価(LTプロジェクト2年度目の活動)

 松下教育研究財団の支援を受けて企画・運営している,学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)の2年度目がスタートしている。本日は,今年度第2回目のオフミで,学校研究の推進に資する1学期のアクションについて,メンバーが報告・相互評価した。P1030261
 彼らは既に,アクションを自己評価しているが,それを「いっそうていねいに」実行するために,他者から批評をもらったり,自他のアクションを比較したりする。
 多様な話題が扱われたが,例えば「研究推進だより」の内容,執筆者などについて,幅広い可能性を再確認できた。また,各教員に,適切に,研究上の役割を与えることの重要性も再認識した。

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2006.07.16

聖心女子大学を訪問して

 16日,聖心女子大学文学部の永野研究室で開催された科研の打合会に出席した。これは,本年度と次年度に企画・運営される「学力向上と学校におけるICT活用の効果に関する総合的・実証的研究」だ。私は,「B:学力向上とICT活用との関連分析」,「C:教育現場でのICT活用の効果の実証」グループのメンバーになっている。具体的には,「理想型」の学力実態を示す学校の比較研究,デジタルコンテンツの利用に関する教師比較研究に従事する。Dsc04908Dsc04907
 ところで,聖心女子大学を初めて訪れたが,とても落ち着いた雰囲気なので驚いた。こんな街中にあるのに――。

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2006.07.02

「読解力」を高めるための指導等(「学力向上のための基本調査2006」の結果を踏まえて)

 本日,新大阪で,ベネッセ教育研究開発センターを事務局とする共同研究,「学力向上のための基本調査2006」の結果分析等に関するミーティングが開かれ,私も参加した。
 この調査の目玉は,「読解力」に焦点を当てていることだ。具体的には,教科に依存しないPISA型の「読解力」の測定問題の開発,そして「読解力」向上に向けた指導に関する質問項目の作成(教師対象)に象徴される。
本日の議論では,読解力と教科学力,学びの基礎力,生きる力の関係をどうモデル化するか,読解力を育成するための指導と評価,学校経営の枠組み等を再確認した後,調査結果の解釈に時間を費やした。調査の結果と考察は,10月末には速報版で,年度末には報告書で公開される。私は,読解力を基軸とする総合学力のパターン,読解力と教育力の関係,その発展モデルなどの執筆を担当する予定だ。

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2006.06.30

デジタルコンテンツの利用に関するインタビュー調査

 本日,私が指導している大学院生が,守口市のある小学校を訪問し,そこで,デジタルコンテンツの利用に関するインタビュー調査を実施した。私も同行し,保護者として(?),その実施を補助した。
 Dsc04546 この調査では,協力してくださる教師に,あるデジタルコンテンツに実際にアクセスしてもらい,それを利用した単元(授業)プランを考案してもらう。そして,そのプランを説明してもらう中で,活用のアイデアを聞き出すものだ。大学院生は,この後,数名の教師を対象として同様の調査を実施し,彼らのアイデアの異同を整理する予定である。

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2006.06.27

『教師が磨き合う学校研究』(ぎょうせい)へのコメント

 拙著『教師が磨き合う学校研究』(ぎょうせい)の刊行から,ほぼ1ヶ月が経った。献本した方から,読後の感想等のコメントが寄せられた。Dsc03975_1
 人によって,評価してくださる部分が異なる。それが,おもしろい。何人かの研究者は,体系性が見事だとおっしゃってくださった。別の研究者たちは,第2部の内容(学校研究の歳時記,つまり学校の実践研究の1年の手続きモデル)がユニークであると,リアクションしてくださった。何名かの研究者や教師たちが,分かりやすい,読みやすい,事例が魅力的だと,語ってくださった。
 私自身は,拙著では,「学校研究」を理論・モデル・事例を重ねて体系的に論ずることを目指した。ただ執筆してみて,一番提案性があるかなと思ったのは,実は,第1部の「2 学校研究の歴史」部分なのである。過去あるいは現在の学校の実践研究を詳細に検討した学術研究は少なくない。特に過去の場合は教育方法学的見地から,また現在のものについては学校経営学的視点から,かなりの研究知見が蓄積されているように思う。けれども,それらを積極的に連結させて,「学校研究」の変遷,不易と流行を指摘した論文は数少ないと思うからだ。
 もし,このブログの読者の中に拙著をご購入なさった方がいらっしゃったら,読後感をお寄せいただければ幸甚である。

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2006.06.18

何歳まで学校現場に出かけられるか

 先ほど,NHK総合の番組「ダーウィンが来た!」で,パプアニューギニアの不思議な魚,囚人魚の生態が紹介されていた。そして,その魚の存在を発見した,高齢の生物学者が現場主義を貫き,83歳の高齢でも海に潜って研究を続けている様子を目にした。
 すごいことだ。私たち授業研究を専門とする学者も,学校現場での臨床的活動を大切にしているが,果たして,何歳まで学校現場に出かけ,クリエイティブな仕事ができるであろうか。自分の来し方をふり返ると,自信がなくなる。既に,20代から30代前半のようには,密に,またていねいに学校現場に交われなくなりつつあるからだ。
研究のアプローチは,もちろんフィールドワークだけではないけれども,それを得意技(?)にしている私たちにとって,学校現場との共同的関係を維持できるかどうか,それを何歳まで続けられるかは深刻な問題だ。もちろん,出かけるだけなら,それなりに健康であればできるであろうが,実践家と研究者の両者にとって実りある関係を築かねばならないとすれば,年齢的限界があることを認めざるをえない(限界には個人差があることも分かってはいるが――)。

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2006.06.17

日本教育工学会の6月シンポジウム(「2007年以降の教員の大量退職に伴う教育現場の諸問題 ~若手教員の授業力向上戦略を探る~」)

 私が属している日本教育工学会では,毎年,6月に総会と合わせて,シンポジウムを開催している。午前,午後の2部制だ。
 午前の部シンポジウム1のテーマは「ICTの教育利用と学力向上」,午後の部シンポジウム2のテーマは「2007年以降の教員の大量退職に伴う教育現場の諸問題 ~若手教員の授業力向上戦略を探る~」である。
 今回,私は,シンポジウム2に登壇者になった。司会は山西潤一先生(富山大学),他の登壇者は,西原幹男(東京都教育庁人事部選考課長),釜田聡先生(上越教育大学),澤本和子先生(日本女子大学)である。私は,問題は,若手教員の授業力向上そのものではなく,それを促す,中堅・ベテラン教員の「若手教員との関係構築力」が重要であること,換言すれば,問題視すべきは,中堅・ベテラン教員の若手教員に対するアドバイスやメンタリングの質であり,さらに彼ら自身が授業力を高めようとする姿を示しているか否かであり,それらをいかに組織化するかというマネージメントであることを主張した。
 2時間のシンポジウムに4人が登壇したわけだが,やはり時間不足で,各主張をからめるのが難しい――。なんとなく消化不良に終わったような――。

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2006.06.15

『教師が磨き合う学校研究』と『できる教師のデジタル仕事術』

 本日,Amazonで,図書を検索した。ついでに,拙著『教師が磨き合う学校研究』の売れ行きも探ってみた。「あわせて買いたい」で,『教師が磨き合う学校研究』と『できる教師のデジタル仕事術』がセットになっていて,びっくりした。
 おそらくは,『できる教師のデジタル仕事術』を購入した,堀田さん@NIMEの研究プロジェクトに参画している教師たち等が,堀田さんがこの著書を紹介してくれたのを見て,購入してくれたのであろう。ありがたい話だ。

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2006.06.12

研究推進だよりで何を伝えるか(LTプロジェクトのテレビ会議から)

 松下教育研究財団の支援を受けて企画・運営している,学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)の2年度目の活動が進んでいる。これは,研究主任として,学校の実践研究を充実させるための力量を獲得してもらうためのプロジェクトだ。
 昨夜19:30~21:50,このプロジェクトのテレビ会議を実施した。Ltproject060612 5名のメンバーに学校研究への関わりを簡単に報告してもらった後,2名のメンバーには,学校研究を発展させるために採用しているアクションとその反省を詳細にレポートしてもらい,それを題材にして,1学期の学校研究の企画・運営について議論した。例えば,学校長や教務主任との研究に関するコミュニケーション,外部講師への依頼内容・方法,年度末の研究成果に関する見通しなどについてである。
 トピックに1つとして,「研究推進だより」の作成・配布がとりあげられた。このブログの読者には,学校研究のリーダー的存在の方も多いと思うが,どれくらいの頻度で,何のための「研究推進だより」を発行なさっているであろうか。
 メンバーには,本年度になって8号も作成・配布している教師もいれば,まったく発行していない教師もいた。その意図として,研究のコンセプトの啓発,共通して取り組んでもらいたい活動の確認,授業研究等の記録などの点がメンバーから呈された。加えて,経験豊かなファシリテーターから,「研究主任しか知りえないような,個々の教師のがんばりを他の同僚に伝えることができる」という可能性が示唆された。私も,それを受けて,「学級通信の意義とよく似ていますよね,子どもたちの知られざる努力を学級全体に広げるために,通信を書くこともあるじゃないですか」と,それを強調した。

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2006.06.10

研究紀要の作成(LTプロジェクトの学校研究推進に関するQ&A)

 学校研究の成果を,年度末,あるいは研究発表会の開催にあわせて,研究紀要にまとめる学校は少なくない(でも,教師の中には,「研究紀要」という言葉を聞いたことがないという人もいるようだ――)。
研究紀要の作成に向けての作業は,いつ始めればよいのだろうか。例えば年度末に完成させるとしたら,1月くらいからだろうか,それとも冬休みの原稿執筆を可能にするために12月くらいだろうか――。私は,ある意味では,4月に研究を始めると同時に,研究紀要の執筆がスタートすると考えている。それは,研究紀要の文章等には,4月からの研究活動の「記録」を載せる必要があるからだ。何を載せるかについてある程度イメージがないと,何を記録すればよいのか分からない。だから,研究紀要の作成を頭に浮かべながら,例えば研究授業の様子を,例えば協議会の討議内容を記録することになろう。
 私たちは,学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)で,学校研究の企画・運営に関わるQ&A集を作成し,Web上で公開している。既に多くの方にアクセしてもらっているが,時期尚早と考える人が多いせいか,「4-(1) 研究紀要作成のための準備」の部分へのアクセスがやや少ない。けれども,上述したような見地からすれば,もし研究主任が「研究紀要の作成作業は年度末や研究発表会が近づいてから――」と思っているのであれば,それは少々認識が甘いと言わざるを得ない。

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2006.06.09

授業研究の企画・運営(LTプロジェクトの学校研究推進に関するQ&A)

 6月には,小中学校で,いわゆる研究授業が催されることが多い。その企画・運営に,頭を悩ませている研究主任や研修担当はいないだろうか。研究授業をいやがる同僚にどのようにして快く引き受けてもらうか,沈黙の時間が長い協議会をいかにして盛り上げるか,悩みは尽きないはずだ――。私たちは,学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)で,学校研究の企画・運営に関わるQ&A集を作成し,Web上で公開している。既に多くの方にアクセしてもらっている。
 このQ&A集の「授業研究の企画・運営」部分では,授業研究会の準備,外部講師の招聘・活用,事前検討会の実施,研究授業の参観,研究授業後の協議会の司会・進行,その他の6カテゴリーの20項目を用意してみた。このQ&A集を読み,またチェックリストとして用いて,所属校の授業研究を活性化してもらいたい。

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2006.06.04

学校研究推進に関するQ&A(LTプロジェクトの中間成果)

 学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)は2年間に及ぶ,教員研修プロジェクトである。その初年度の成果として,「学校研究推進に関するQ&A」を作成し,同プロジェクトのWebページにアップした。
 ここには,学校における実践研究=学校研究の企画・運営に関わる,次の4つの大項目,それに基づく80あまりのQ&Aが提供されている。
 1.研究計画の作成
 2.研究テーマの設定
 3.授業研究の企画・運営
 4.研究紀要の作成

 このQ&Aは,学校研究の計画・実施・評価のツボが整理されている。学校研究の企画・運営に悩む方が参考にできるアイデアがたくさん載っている。 研究主任等の立場にある方には,自己点検・評価の道具として,利用してもらえるに違いない。
 アクセスして,感想を述べていただければ幸甚である。

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2006.06.03

研究授業の企画・運営-その数をどう増やすか-

 30日に訪問した,京都市立仁和小学校では,今年度,研究発表会でのものも含め,15の研究授業が予定されている。要するに,全学級で研究授業が実施されるのだ。全員が参加するもの,学年や部会を単位とするものなど,確認していないが,おそらく,そのスタイルには多様性があろう。いずれにしても,立派な数だ。
 一方で,私が関わっている学校でも,年に1度だけしか実施しないところもあるし,聞くところによると,1年に1度も実施しない学校もあるようだ。
 数が多ければよいというものではないが,やはり,それは,学校の実践研究の成熟度を物語る指標であろう。私が推進している,学校研究推進リーダー養成プロジェクト(LTプロジェクト)では,学校研究推進のためのQ&A集を作成した(近日中に公開の予定)。そして,その項目の1つに,「Q2:なかなか研究授業の実施を引き受ける人がいません。どうすれば,進んで引き受ける人が増えるでしょうか。」を用意してみた。読者ならば,この問いにどのように回答するだろうか。次のような対応がモデルとなるだろう。

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2006.05.28

『教師が磨き合う学校研究』(ぎょうせい)の刊行成る!

 本日,「ぎょうせい」『悠』編集部の齋籐さんにお会いし,同社より刊行されたばかりの『教師が磨き合う学校研究』を頂戴した。Dsc03975
 一昨年度『悠』に連載した内容に大幅に加筆して,できた著作である。実質的には,私の最初の単著となる。学校における実践研究=学校研究の理論と実践を整理して,その意義やモデルを提案したり,その特色ある実践を紹介しようとしたりしている。
 書店に並んだり,オンラインショップで購入できるようになったりするのには,もう少し時間がかかるようではあるが,興味のある方には,本書をぜひ手にしていただきたい。

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